田内志文のレビュー一覧
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もうすぐ死を迎えるブリスタル。
魔法と魔法に関わる人たちを世界に残すための最後の旅が始まる。
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前巻を読んでからかなり経っていたので、
最初は「どんなだったかな?」と思い出しながら読み始めたけれど、
あっという間に読み進めてしまった。
疾走感がある。
世界を救おうと奔走するブリスタルたちのジレンマや葛藤がよく描かれている。
そう、「ちょっと変わってるだけの人」は、私たちの世界にもたくさんいる。
きっと私もそう。
だからといって排除したり阻害するのではなく、
一つの個性として受け入れる世界であってほしい。
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続きが気になるところで後編へ。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ予想していたよりダークなファンタジーだった。
宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」という作品は、本書を結構モチーフにしているというレビューを見かける。先にこの本を読んだが、いずれ映画も観たい。
有名な童話(白雪姫やヘンゼルとグレーテルなど)が色々と登場するのももちろん好みなのだが、主人公・デイヴィッドを助けてくれる謎の国の良い人たちが命懸けで救ってくれたり、おかしな世界ではあるが現実的な考え方をしていたり(それがむしろおかしさを感じるが)、キャラクターが魅力的だ。
ねじくれ男が執拗い狼を始末し、デイヴィッドは私だけのものだ、という場面はゾクッとした。
ねじくれ男の正体がほとんど明かされ -
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ネタバレ誰しもがそれぞれに持つ内面の物語についての物語。
母親を亡くしたデイヴィッドは、新しい家族の中に自分の居場所を見失い家族関係がぎくしゃくしていたところをねじくれ男に付け込まれて物語の世界に誘い込まれるが、そこで大きく成長して戻ってきて、親子関係を見つめなおす。
ジブリの映画「君たちはどう生きるか」の元ネタになったと言われている本。公式にそう言われているのかは知らない。
映画を先に観てから読んだが、なるほど対応関係は分かる。
しかし原作と言えるほど、この物語を忠実に映画化しているわけではない。映画版はかなり翻案されており、設定や枠組みを拝借したという程度に見える。
吉野源三郎の「君たちはどう -
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1 精霊熊
2 罪食い熊
3 鎖につながれた熊
4 サーカスの熊
5 下水熊
6 市民熊
7 夜の熊
8 偉大なる熊
「先に読むことをお勧めする」というあとがきにある通り、8つの短編(真珠)が糸で繋がって首飾りになってるような。訳者は「中編小説」と評していたがまさにそんな感じ。それぞれに異なる手触りの幻想性、ユーモラスさ、底冷えする恐怖、人間のいつもの身勝手さ、登場人物全ての生き物としての物悲しさがある。並べるとグラデーションをより楽しめるし、最も気に入った章が他の印象も引き上げる。
1000年前に国内の熊を絶滅させたイギリス人だからこそ書くテーマ、読み込める空気なんだろか。
身なりのい -
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短編集だけど順番に繋がってはいる。熊たちの漫画のような行動はさておき、一部ノンフィクションのような気もする。タイトルから連想されるようなおとぎ話というよりかは、どちらかと言えば神話めいている。「イギリスの熊神話」的な。ひょっとしたら世界中の神話も、こうやってフィクションとノンフィクションをミックスして出来ているのかな…
とりあえず今掴めているのはこれくらい。あとは読んできた内容・情景が蜃気楼のように今も脳内でゆらめいている。自分の頭において、ここまでレビューに困る作品は久々かもしれない。
現にイギリスには野生の熊が生息しておらず、本書では彼らがいなくなるまでの経緯を時代ごとに辿っている。語り -
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読み心地はとても奇妙でユニーク、けれどだんだんとほんのりと温かい気持ちにもさせてくれる、ファンタジーでありながら人間味にも切り込んだ、不思議な感覚の二作品でした。
「銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件」、はほんとにこのままのあらすじです。そこに理由はなく、ただそういう目にあった妻と夫、そして同じく事件で奇妙な目にあってしまった人々の顛末が淡々と描かれます。ありえない現実を受け入れていく過程には運命を受け入れるような重々しさがあるわけではなく、ただあくまで日常のひとつとして受入れていきます。そのなかで、夫婦のあいだの感情のゆらぎ、想いのやりとりがほの見えて、優しい気分になれました。洒落た挿 -
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Posted by ブクログ
数年前に青空文庫だったか、他の訳で読んだものの、改めて読み返してみようと思い手に取った。
「フランケンシュタイン」は怪物の名前ではなく怪物を作った作中人物の名前だよというのは、もはやだいぶ定着してきたことと思う。
怪奇小説ということで、主人公は怪物だと思われるが(私は本書はフランケンシュタインと怪物のW主人公と思っている)、なぜ作者のシェリーはタイトルを「怪物」ではなく「フランケンシュタイン」としたのだろうか、と思いながら読んだ。
というわけで、本書でスポットが当たっているのは怪物ではなく、フランケンシュタインであるという考えのもと、感想を書こうかと思う。
特に内容はないけど。
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