田内志文のレビュー一覧

  • 1984

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    本作品は、ディストピア小説の古典であると同時に、全体主義の本質を抉る思考実験でもある。テレスクリーンによる常時監視は今日のサーベイランス社会を予見したかのようだが、本作の真の恐ろしさはそこにはない。党は過去の記録を絶えず書き換え、「2+2=5」を真理として強制する。客観的現実そのものを集団的意識に従属させようとするこの権力像は、人間が真理の最終審級を握ろうとするときの底知れぬ暴力性を示している。

    とりわけ刮目すべきはニュースピークの構想だ。語彙を削減し文法を単純化することで、思想犯罪そのものを思考不可能にするという発想は、サピア=ウォーフ仮説の言語相対論を文学的に先取りしたものと言える。言語

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    2026年05月01日
  • 1984

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    1984の世界に恐怖したけれど、全部ではなくとも洗脳も監視も、部分的に現在にも似たところがあって、1984のようになりかねないと危機感を感じて、更に恐ろしくなった。

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    2026年04月07日
  • 1984

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    昔の作品とは思えない!感心しました!
    極限状態に置かれた人間がどうなるのか、
    人間の本質に触れた作品だと思う。

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    2026年03月28日
  • 1984

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    最近色々なところで耳にしていたので読んでみました。
    ディストピアSFというジャンルは初めて読んだ。
    最初は少しとっつきにくかったが、だんだんと引き込まれ、主人公の内情や葛藤などが入ってくるようになった。

    中盤から終盤にかけての展開は、半ば予想していた通りかつ、やめてくれという絶望感があった。

    全体主義批判の物語であり、いかにして国民は洗脳され独裁が守られていくのかが描かれていた。リアルなのかは変わらないがリアリティがあった。

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    2026年03月24日
  • 失われたものたちの本

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    ネタバレ

    1人の少年が人生と向き合って成長していく物語
    読む前に『君たちはどう生きるのか』の元やと聞いてしまったせいで、作画がめっちゃジブリ笑

    各章、短さに対して満足度高い。
    昔読んできた童話が卑屈にねじ曲がってて、デイヴィッドの不安が伺える。
    子供向けっぽさの中でねじくれ男が卑劣でハードなのがおもろいバランス。

    人間臭く生きた上での終わりが綺麗で良かった。

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    2026年03月23日
  • 1984

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    この本は、政府に常に監視されている社会が描かれていて、その世界観がとても印象的だった。
    最初は少し現実離れしているようにも感じたが、考えてみると現代でも監視カメラや個人情報の管理などがあるので、完全に遠い話ではないのかもしれないと思った。

    読んでいて、拷問の場面などはかなりグロテスクで怖いと感じるシーンもあった。
    内容も難しい部分が多く、理解するのが大変なところもあった。

    物語の中では、ウィンストンとジュリアが親密になっていく展開が特に面白かった。
    しかし、その後オブライエンが味方ではなく、実は体制側の人間だったことが分かったときはとても驚いた。

    この作品は、監視社会の怖さだけでなく、人

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    2026年03月16日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    邦題が秀逸すぎる

    原題は「Bears of England(イギリスの熊)」だそうですが、
    最後まで読んだ時に、訳者あとがきと解説で評されている通り映像的な文章と相まって、タイトルが最後に出るタイプの映画を観たような感覚になった

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    2026年03月13日
  • 願いをかなえる呪文

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    ネタバレ

    最初のほう、学校でのコナーの子どもらしい反応が可愛くておかしくて一気に引き込まれた。
    昔話の再解釈のような部分もあって面白かったけれど、最後はドタバタ&都合が良すぎる展開も…。
    命がけの冒険に、あんな風に双子をポンと送りこむかな??とか。
    赤ずきんが空回りキャラみたいになっててちょっと可哀想だけど面白かった。

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    2026年03月12日
  • 1984

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    流石に女性描写は古さを感じるが、世界中で全体主義国家が増えている現代を予見していて薄寒くなる。大衆心理の描写を見ると、これが書かれた80年前と何も進歩していないのかと考えたくなる。

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    2026年03月01日
  • 新訳 動物農場

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    本編はもちろん傑作であるが、
    「出版の自由」というオーウェルによる序文案が今日の日本社会への警鐘として特に重要と考える。この序文案のオリジナル原稿は1972年に発見されたもので、「タイムズ文芸付録」(Times Literary Supplement)として、1972年9月15日に初掲載された。オーウェルがこの序文案を書いたのは1945年頃ではないかと思う。

    本編の「動物農場」は一応ソ連の共産党体制を批判したものと言われている、しかしソ連が崩壊した後もロシアは変わっていない。そして問題はロシアではなく、英国そして日本においても共産主義独裁体制への「忖度」であるということである。「動物農園」は

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    2026年02月15日
  • 1984

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    ネタバレ

    存在は知っていたものの、意外と読んでなかった一冊。 読んでその凄さ、何故今見直されているかを感じとることができた。

    本編だけでも450ページ程あり、文字も最近の本に比べて詰まっているが、読んでいて世界観や展開にどんどん惹き込まれていく。 てっきりウィルソンは反逆のレジスタンスを結成したりしてビックブラザーに反逆するのかと思ったら、そんなことは見透かされ、アドバイスしてくれたと思った人に尋問を受けることになってしまう。その場面も壮絶だし言ってることも滅茶苦茶なのだが、ページをめくる手が止まらなかった。

    最後、解放されビックブラザーを愛するようになってしまったウィルソンの姿はなんとも悲しく、そ

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    2026年02月03日
  • 失われたものたちの本

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    ネタバレ

    ファンタジーだと思って読んだので、少年の心の内がこんなに鮮明に容赦なく描かれていて驚いた。
    最愛の母を亡くし、そう月日が経たぬうちに父が再婚。義理の弟の誕生。12歳から14歳の多感な時期にそのすべてを経験し、世界は戦火に包まれてる。
    迷い込んだ異世界はさらに生と死と欲に満ち溢れていてデイヴィッドの先行きにハラハラしながら読み進めた。ファンタジーなのにあちこちに淫靡さが潜み生々しい。元の世界に戻ってからも容赦なく、最後にそのすべてを浄化させてくれて涙が出た。
    素晴らしい読書体験だった。

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    2026年01月30日
  • 1984

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    世界の名作としてずっと読みたい(読まなきゃ)と思っており、本屋さんで出会ったので買いました。最初はわけわからなくて、物語に入り込めなかったけれど、ジュリアと出会ったころからどんどん面白くなってきました。終盤は続きが気になって、というより、想像しうる結末になってほしくなくて、なんとか、なんとか、と勝手に焦って、気づけば読破。自由とは、正義とは、社会とは、、、苦しい、悔しい感覚が残りました。付録の「ニュースピークの諸原理」は個人的に好きな文章でした!言語論やっぱり面白いなと思い、Podcastで漁ってます。
    結構現代にも通ずる課題、考え方がたくさんあって、考えさせられる本でした。インパクト大。

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    2026年01月28日
  • 1984

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    ネタバレ

    個人を管理するための徹底的な洗脳方法がすごく怖かった。文章中で難しい表現や言い回しが多々あり、少し読み飛ばしもした。

    「オブライエンはあらゆる意味で自分よりも大きな存在だった。自分がこれまで抱いた考えや抱く可能性のあった考えは、どれを取ってみても、オブライエンがずっと昔から知っていて、検証を加え、その上で棄却したものなのだ。彼の精神はウィンストンの精神を包摂していた。」

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    2026年01月16日
  • 1984

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    なさそうでいて、十分あり得る世界だなと思って怖くなった。何の前情報無しに読んだので初めは設定を理解することに苦労したけれど、後半ページをめくる手が止まらなくなった。

    過去とは、歴史とは何なのだろうと考えさせられた。過去は物質として存在せず、私たちの認識の中にしかないし、私たちの認識を形作っているのは情報で、その情報が正しいか間違っているかを100%正確に判断することって不可能なのかも……

    戦時中の日本だって、日本は戦争に勝っているという情報ばかり大きく報じられて、みんなそれを信じてお国のために死んでいったんだから、今この現代を生きている私たちも、何者か(国家なのか、権力者なのか)に洗脳され

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    2026年01月02日
  • 1984

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    ネタバレ

    個人の一挙手一投足が国家に監視され、思考さえも抑圧された全体主義社会で、体制に疑問を持ち自由のために行動しようと踏み出した青年の顛末を描くSFディストピア小説。
    結局すべては掌の上、という救いのない結末はさておき、なぜ莫大な労力をかけてこんな支配をしているのかが明かされる中盤は非常に論理的な哲学的ミステリだったし、「過去の記録を全て改竄し公用語から政治的意味を持つ単語自体を消してしまえば、個人の記憶や思考すらも操れる」という筋書きは真実味のあるホラーSFだった。新年1発目に読む本ではない気もしたが、超有名古典ながら現代でも通用するリアルさと恐ろしさを持つ作品だと感じた。

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    2026年01月01日
  • 1984

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    「全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖」は確かに描写されており,世界観小説の代表例である。死の自由さえも許されない無限の愛は悍ましいものとして描かれる。ただし,主人公をはじめ登場人物の人格造形はかなり俗寄りに書かれている点には注意が必要である。ウィンストンは,世界に挑むにはあまりにも愚かすぎた。

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    2025年12月23日
  • 失われたものたちの本

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    グロいなと。特に匂いの描写が多い印象でした。ジメッとした、暗く、悪臭漂う世界線。
    子供が大人になるというのは、このくらい強烈な精神的経験が必要なのかもしれない。思春期のまま大人になった人や、抜け出せなくて悩んでいる人に体感してもらいたい。
    個人的には、「きみたちは…」を見てからで良かったと思った。表現する世界に対して、「きみたちは…」は「慈愛」を、この作品は「愛憎」を感じたので。逆の順で見たら物足りなく感じたかもしれない。

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    2025年12月20日
  • 新訳 動物農場

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    ネタバレ

    権利と腐敗を風刺した寓話小説。
    このお話の中の豚(ナポレオン)は現実でいうヒトラーやスターリン、毛沢東といった独裁者にあたる。
    豚や犬以外の動物は国民にあたり、権力者によって一種の洗脳のようにして独裁国家が作り上げられていく。

    日々の暮らしの中で適材適所で、それぞれの人がその人に合った仕事をして国をつくることが求められるが我々国民が政治について無知というのはどれだけ怖いことなのかを理解するべきだと思う。
    税金の上がる下がるばかりに目が向けられ、どこにどれだけ使われるかなどかに目を向けない。SNSの誤情報、人の言葉に左右されうわべだけで判断を下す。このような愚行をせず、批判的な姿勢でものごとを

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    2025年12月11日
  • 失われたものたちの本

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    不幸な境遇の少年が、不思議な童話の世界に迷い込んでしまう。そこでの体験や出会いを通じて、少年の成長を描いた物語。

    誰もが知っている童話が絶妙に歪み、狂っていて、何故そうなったかもストーリーにうまく組み込まれており、読みながら非常に引き込まれた。
    全体的に少年版の不思議の国のアリスのようなイメージなので、アリスが好きな人は特に楽しめると思う。

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    2025年10月27日