田内志文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
400ページを超える上下2段組…正直、読み始める前は途中で投げ出すかもと思っていたが杞憂に終わった。
本書は、悪魔に邂逅したと主張して失踪した牧師ギデオン・マックの手記と、その出版を考える編集者の覚書で構成される。滝壺に落ちて死んだと思われたギデオン牧師は、3日後に奇跡の生還を果たす。ところが生還した彼は、ライヘンバッハの滝から生還したかの名探偵よろしく、全くの別人になっていた。自分は悪魔と過ごしていたと語り始めたのである。
何とも不思議な小説で、全てギデオンの虚言なのか、妄想なのか、それとも何か真実が含まれているのか、特に結論が出るわけでもない。ただ淡々と彼の人生が語られるだけなのだが、面白 -
Posted by ブクログ
ネタバレ存在は知っていたものの、意外と読んでなかった一冊。 読んでその凄さ、何故今見直されているかを感じとることができた。
本編だけでも450ページ程あり、文字も最近の本に比べて詰まっているが、読んでいて世界観や展開にどんどん惹き込まれていく。 てっきりウィルソンは反逆のレジスタンスを結成したりしてビックブラザーに反逆するのかと思ったら、そんなことは見透かされ、アドバイスしてくれたと思った人に尋問を受けることになってしまう。その場面も壮絶だし言ってることも滅茶苦茶なのだが、ページをめくる手が止まらなかった。
最後、解放されビックブラザーを愛するようになってしまったウィルソンの姿はなんとも悲しく、そ -
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Posted by ブクログ
世界の名作としてずっと読みたい(読まなきゃ)と思っており、本屋さんで出会ったので買いました。最初はわけわからなくて、物語に入り込めなかったけれど、ジュリアと出会ったころからどんどん面白くなってきました。終盤は続きが気になって、というより、想像しうる結末になってほしくなくて、なんとか、なんとか、と勝手に焦って、気づけば読破。自由とは、正義とは、社会とは、、、苦しい、悔しい感覚が残りました。付録の「ニュースピークの諸原理」は個人的に好きな文章でした!言語論やっぱり面白いなと思い、Podcastで漁ってます。
結構現代にも通ずる課題、考え方がたくさんあって、考えさせられる本でした。インパクト大。
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Posted by ブクログ
なさそうでいて、十分あり得る世界だなと思って怖くなった。何の前情報無しに読んだので初めは設定を理解することに苦労したけれど、後半ページをめくる手が止まらなくなった。
過去とは、歴史とは何なのだろうと考えさせられた。過去は物質として存在せず、私たちの認識の中にしかないし、私たちの認識を形作っているのは情報で、その情報が正しいか間違っているかを100%正確に判断することって不可能なのかも……
戦時中の日本だって、日本は戦争に勝っているという情報ばかり大きく報じられて、みんなそれを信じてお国のために死んでいったんだから、今この現代を生きている私たちも、何者か(国家なのか、権力者なのか)に洗脳され -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人の一挙手一投足が国家に監視され、思考さえも抑圧された全体主義社会で、体制に疑問を持ち自由のために行動しようと踏み出した青年の顛末を描くSFディストピア小説。
結局すべては掌の上、という救いのない結末はさておき、なぜ莫大な労力をかけてこんな支配をしているのかが明かされる中盤は非常に論理的な哲学的ミステリだったし、「過去の記録を全て改竄し公用語から政治的意味を持つ単語自体を消してしまえば、個人の記憶や思考すらも操れる」という筋書きは真実味のあるホラーSFだった。新年1発目に読む本ではない気もしたが、超有名古典ながら現代でも通用するリアルさと恐ろしさを持つ作品だと感じた。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ権利と腐敗を風刺した寓話小説。
このお話の中の豚(ナポレオン)は現実でいうヒトラーやスターリン、毛沢東といった独裁者にあたる。
豚や犬以外の動物は国民にあたり、権力者によって一種の洗脳のようにして独裁国家が作り上げられていく。
日々の暮らしの中で適材適所で、それぞれの人がその人に合った仕事をして国をつくることが求められるが我々国民が政治について無知というのはどれだけ怖いことなのかを理解するべきだと思う。
税金の上がる下がるばかりに目が向けられ、どこにどれだけ使われるかなどかに目を向けない。SNSの誤情報、人の言葉に左右されうわべだけで判断を下す。このような愚行をせず、批判的な姿勢でものごとを