田内志文のレビュー一覧
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表紙の佳嶋さんのイラストに惹かれたのと、前から読みたいと思っていた作品だったので購入!
ジキルとハイドが二重人格者なのは知っていたけれど、まさか容姿ごと変わるとは…最後のジキル博士の手紙での告白による心の葛藤が読んでいて色々と考えさせられた。誰だって心の中では善と悪が鬩ぎ合っている、それとどう付き合っていくかが重要で、あまりにも悪を否定しすぎると自分自身を縛り付けてどんどん身動きが取れなくなってしまう。何事もバランスが大事。
この小説が書かれた当時のロンドンの背景や人々が抱いていた偏見についてが、あとがきで少し触れられていて、それを知った上で読み返すとまた違った風に受け取れる部分が沢山ある -
Posted by ブクログ
「落ちてるとき」か「ノッてるとき」で言えば、
「落ちてるとき」に非常にオススメの本です。
もう、仕事も人間関係も人生も何もかもうまくいかないし、もういやだ死にたい><! と思うことがあったら、
行動に出る前に、まずこの本を読んでみてと言いたい。
そこまではいかなくても、
最近なんだか怒ってばかりだなーとか、なんだか元気が出ないなー
という人にも、おすすめの本です。
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何度も読む機会はあったのですが、
「有名な本だし、ちょっと読んで勉強しよう」くらいのモチベーションで読み始めたときは、
まったく興味が持てず、内容が入ってこず、ちっとも読み進まず、数ページで読むのをやめてしまいま -
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”人はどうやって不安を解決してきたか”という不朽のテーマを存分に書いた名著である。我々はいつも不安である。それをどう向き合い、取り除いていくかはとても大切なことだ。心の平穏とは最悪の事態を受け入れるところから生まれる、何が不安なのかを明確に書き出す、自分に何ができるのかを書き出す、どうすべきかを決める、小さなことにこだわるな、自分を変えてゆくことができる、変えられない運命と調和する、脅威とはマイナスをプラスに変える力、自分がどうしたら人を喜ばせることが出来るか、人に行う善は自分への最善である、自分の犯した過ちに自分自身を批判せよ、満たされないものは世界を手に入れても満たされない、等人生をうまく
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冒頭の「九つのヒント」だけでもいいのだが。
自己啓発の本は、日本ではカッパのように薄く、活字スカスカの本が喜ばれるが、アメリカでは、カーネギーのようにじっくり読ませるケースが満載の分厚い本が喜ばれるようだ。読者層の知的レベルが違うのかもしれないが、それ以外にも、宗教やプリンシプルに対する態度が、彼我で異なるところが反映しているのだろう。アチラでは、宗教的に「自己を高める」ような生活態度を自分の中に根を下ろさせる、それにむかって日々努力するということが尊ばれるので、聖書のように日々読み返す、文字通り「座右の書」として使われることになる。翻って日本では、敬虔な祈りということはそれほど重視されない -
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ネタバレ完全監視社会+それに従う大衆という絶望的な社会を描いたディストピアの金字塔。
このような社会では、豊かな文化の発展は望めず、あるのは服従・搾取・無知のみである。
本編については星5。
裏表紙の説明欄では「圧倒的リーダビリティ」などと謳っているが、ところどころ読みにくいと感じたし、それは疑わしいと思ったので星−1。
翻訳者のあとがきにおける一部の言い分については、個人的に思うところがあり、読後の余韻が薄れたので更に星−1。結果星3となる。
このレビューは長文となるが、前半では作品の感想と考察、後半では翻訳者のあとがきに対する私の反論を述べる。
《汝、かくなり》
本作において、この世界観を象 -
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事前情報なく読む。
これは宮崎駿さんの「君たちはどう生きるか」のモチーフになった本?。映画は説教臭いタイトルで、面白くなさそう(失礼すぎ)だったので見てないのですが、この本を読んだ今は俄然気になってます。
序盤は大好きな母を失った後の新しい家族の形に馴染めない男の子のモヤモヤ。この坊やがある事をきっかけに異世界へ。そこからは一気にファンタジーの世界へ。異世界に入ってからは、誰もが知ってるグリム童話が私たちが知ってる内容とはかなり解離したどす黒い形で表現され、いい意味での大きな違和感あり。ハイブリッド生物がでてくるのは最近の物語だなぁと思ったり(でも基本は馬、剣、城などのファンタジー)。グロ -
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英国人作家の寓話集で、イギリスで絶滅した熊に捧げる8篇からなります。個人的に英国文学は不案内ですが、いかにもな?皮肉とユーモアが満載の大人向けの短編集と感じました。
興味をもち手にする方への助言です。訳者の田内さんのあとがきに、本書に限って本編より先に読んでいただきたい、とありました。えー、読んじゃいましたよー! 仕方ありません…トホホ。イギリスの熊史を把握すると理解が進むんですね。
凶暴な熊と人間の長きに亘る格闘の結果…と勝手なイメージは、見事に裏切られました。8篇全て、熊たちの悲哀に満ちた声が聞こえてくるようです。
この時代の熊が、いかに人間に振り回されていたかが解ります。勝手 -
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Posted by ブクログ
海外短編を紹介するポットキャスト<翻訳文学試食会>で取り上げられた本。
最初の2,3短編を読んで、この短編集の題名『アメリカへようこそ』が、この短編集のテーマなのかなあと思っていたら、短編の中の一つの題名でしたね。
しかし短編集の全てが、今この現実の社会の出来事であるように書きながら、さり気なく、しかし確実に読者に目に付くように現実社会にはない用語が出てきます。それにより、現実の社会の問題点を目立たせて「さあ、読者の皆さん、考えましょう」って感じです。そのためこの短編集全体的が「アメリカってこんな社会ですよ。ようこそ、真実のアメリカへ。」って印象を受けました。
しかし…正直言ってそこまで惹き -