【感想・ネタバレ】ギデオン・マック牧師の数奇な生涯のレビュー

あらすじ

スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に、神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親しく語らったことを告白し、教区の信徒たちから非難されていた。手記には彼の生い立ちから、自分以外には見えない立石を発見したことや悪魔との出会い、そしてなぜそれを大衆の前で語ったのかがすべて記されていた。――出版者による序文、マック牧師の手記、そしてまた出版者が執筆したエピローグという独特の構成で描かれる、一人の牧師の数奇な生涯。スコットランドを代表する作家が、歴史、風俗、伝説、父子の物語などさまざまな要素を織り込んで綴ったブッカー賞候補作。

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Posted by ブクログ

400ページを超える上下2段組…正直、読み始める前は途中で投げ出すかもと思っていたが杞憂に終わった。
本書は、悪魔に邂逅したと主張して失踪した牧師ギデオン・マックの手記と、その出版を考える編集者の覚書で構成される。滝壺に落ちて死んだと思われたギデオン牧師は、3日後に奇跡の生還を果たす。ところが生還した彼は、ライヘンバッハの滝から生還したかの名探偵よろしく、全くの別人になっていた。自分は悪魔と過ごしていたと語り始めたのである。
何とも不思議な小説で、全てギデオンの虚言なのか、妄想なのか、それとも何か真実が含まれているのか、特に結論が出るわけでもない。ただ淡々と彼の人生が語られるだけなのだが、面白い。よい読書の時間だった。

1
2019年01月12日

Posted by ブクログ

まあ、わたしのような浅はかな人間からしたら、牧師さんやお坊さんが実は本当は神様や仏様を信じてなかったりして、ってことはまあなくはないんじゃなかろうかと思うのだが、その辺りがポイントになってる話。
いろいろ大変なことがあって、ちょっとおかしくなっちゃったんだなーみたいな。そんなまとめをしているが、なんだかあとあと思い出しそうな話ではある。

0
2019年05月25日

Posted by ブクログ

地味な牧師さんの誕生から現在までが、手記という形にて書かれている。しんどかった。退屈でもだえた。
250ページ位で突然丹波哲郎化し「松本清張三時間ドラマスペシャル」みたいな勢いある展開に。

「俺も昔やんちゃしててさ」というキャラだったら、哲郎化しても「どうせ誰も信じてくんないんだろうけどさ、俺一回死んでさ」とバーのおつまみ的な話題として利用するなどできたのである。

いい生まれで苦労挫折がなく、中年を迎えてから衝撃を受けたため、はしか?風疹?のようにこじらせ、命まで亡くして
しまったわけだよ。

0
2019年02月03日

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