吉本ばななのレビュー一覧
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ネタバレ「人間っていうものは本当に、いれものなんだ、と思うんだ」という言葉が好きだった。中身はどうにでもなる。生きているとそう感じることが多いので、特に共感した部分だった。
アムリタを読むと、人が生きていくには本当に何でもない日常みたいなものが必要不可欠なんだなと感じる。おいしい水をごくごく飲むようなもの、と表現されているように。それくらい必ずあったほうがいいものなんだなあと思った。
また弟が何気なく言った言葉が好きだった。
「好きなひとといて、今みたいな楽しい気分の時に見たら、星もUFOも関係なくてただきれいに感じてびっくりするものなんだね」 -
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ネタバレ好きな情景描写や言葉が多くあった。「何もかもに触ってから確かめたい」という言葉が好きだった。
とにかく触って確かめる。そういう心の持ちようみたいなものがいいなあと思った。
また朔美が弟にたいして、何かしてやりたいと思ってしまう感情に共感した。なにもしてやれないのに。何もできないことを知った上でも、してやりたいという感情に。
特に印象深い情景は、「夜は油のように重く、静かに町並みを満たしていた。あらゆる路地、街角が意味を持って暗く黙っているようだった。」街そのものが二人の行末、二人自身を見守っているような描写。
物語の間に挟まれる情景描写がとてもよくて、空気感を味わえるのが好きだった。 -
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1. 「役割」から「自我」への認識の変容
子供の頃は周囲を「理想の姿(役割)」としてしか見られなかったけれど、大人になった今、一人ひとりが持つ**「割り切れない自我」**を認められるようになった。その変化が、物語への深い共鳴を生んでいます。
• 「灯台」としてのお母さん: 彼女は単なる「母」という役割に収まらず、周囲を混乱させるほど強烈に発光する一人の女性(個)として存在している。
• 「役割」への抵抗: 人生や役割を、データや限定された情報に還元してはいけないという倫理観。それは、アプリ開発やAIに関わる今のあなたの「論理的側面」と「感性的側面」を繋ぐ重要な視点になっています。
2. 登場人物に映し出す「今の自分」
主要なキャラクターたちの立ち振る舞いに、自身の現在地や理想を見出しました。
• 弟・ヨシズミへの共感: 年齢は違えど、冷静に周囲を観察し、自立した内面世界を持つ彼の姿に自分を重ねた。
• 姉・佐久美への好感: 記憶を失い「透明な器」となった彼女が、今この瞬間の感覚(皮膚感覚や味覚)を大切に生きる姿勢に惹かれた。
• 自立した家族像: 血縁や「つらさ」でベタベタと繋がるのではなく、個々が自立した上で共鳴し合う、風通しの良い関係性への肯定。
3. 日常を乗りこなすための哲学
この物語を「人生の授業」と捉えたあなたの心に残った、具体的な指針です。
• 孤独の全肯定: 孤独を排除すべき病理ではなく、自分という「宇宙」を構成する不可欠な要素(仕様)として受け入れること。
• 「今」への定着: 「Be in a moment and enjoy it」。過去の記憶や未来の不安に振り回されず、今目の前にある日常を丁寧に味わうこと。
• 日常の深み: 大きな喪失があっても、淡々と続く生活の中にこそ真実があるという、吉本ばなな作品特有の「明るい諦念」への理解。 -
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ネタバレ各章ごとに伝えたいメッセージ性みたいなものがあるような気がしていて、人生の教科書かよ!とつっこみたくなる。すごい良い。
良かった文章を引用。
今の自分が好きなのだ、いつも。
私の孤独は私の宇宙の一部であって、取り除くべき病理じゃないような気がする。
本当に人を救う尊い仕事をしている男が、ある朝交差点で世にもHなお姉さんの後ろ姿に勃起し、さらにその日のうちに幼い娘に八つ当たりし、妻と話しあって高次の愛に接したら、それはみんなその人で、その混沌が最高なのにみんな物語が好きだから、本人もそうだから、統一されたいと願ったり、自分をいいと思ったり悪いと思ったり、大忙しだ。
変なの。 -
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『ミトンとふびん』を読んで心を撃たれて、
吉本ばななさんって人生・生きる・幸せとか、
人にとっての大きなテーマに対してどんなことを考えているんだろうと気になり手に取った。
今年で28歳になって30歳間近になり、
もっと変わらないといけないと変に焦って、
理想とは程遠くて自分にイライラして、
日常を楽しみを見いだせないことが続いて、
少し心が折れそうな状態が続いていたここ数ヶ月。
そんな中読んだ吉本ばななさんの優しい文章を
読んで、頭の中のモヤモヤが少しだけ晴れた気がする。
その瞬間に自分はどう感じて何を思ったか
何が好きで何が嫌いか
何に疲れを感じているのか
今ペースを落として休むべきなのか
自分のそういった感覚を大切にして向き合って、ちょっとだけゆっくり日常を過ごしてみようと思った。
今の自分はダメな状態だな、少し休みたいなと思った時に小休止するように、心の処方箋として
読みたい1冊だった
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今、このタイミングで
この本に出会えたことが幸せ。
本の中にあったように
この出会いやこのタイミングは偶然で
時の流れの一部で私の行動でどうにかなったものではない。この本に出会えたことが、ばななさんが言っていることを証明している。
物の見方の角度が少し変わった。
以下、私自身のこと。
大体の人が結婚していて、子どもがいる中
私はそうではないことを気にしているが
結婚していないことを可哀想と思われたくない
負け組と思われたくないし人に囲まれた時に孤独を感じたくないから結婚したい。
と思っている。
人と違う今を歩んでいることが
将来どんな爆弾になるのかが不安。
だけど、私のことを他人がどう解釈しているかなんて分からない。私が楽しく今に夢中になっているのなら、私のことをちゃんと理解してくれている友だちは私に対して可哀想なんて思わないのでは?と気づいた。
もし、間違った解釈をしていたとしても私にはそれをどうすることもできない。その人はそもそも独身を可哀想と思っている人だから。
そして物事を狭い視野でしか見ることのできない尊敬できない人だということ。そんな人にどう思われようが、その偏見を持って堂々と生きている方が可哀想。
独身だからできることを思いっきり楽しんで、出会いもちゃんと大切にする。それは自分を大切にすることであり、今を存分に生きていることだ。
気づかせてもらったことに感謝です。 -
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前半は、多重人格マリカと共にバリ島へ行く小説。おもしろい設定で、人格の1人である「オレンジ」との会話が印象深い。神秘的なバリ島で、マリカが少しずつ自分を取り戻していく一方で「オレンジ」などの多重人格が消えていく。最後は不思議ともの悲しさが残る。この余韻が良かった。
後半は、吉本ばななさんのバリ旅行記。あぁ、このように体験したことを小説に盛り込んでいるんだ、と小説の裏側を見ているようでおもしろい。特に、本当か作り話か、吉本ばななさんの「夢」の話が印象的だった。これは神秘的なバリ島が起こせる技なのか、それとも吉本ばななさんが何か霊感のようなものを持っているのだろうか、私も実際に訪れてみたくなった。 -
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ネタバレ家族とのふるさとをつくりたくなった。
P.27
なんてすてきなんだろう、人生は、なんていいものなんだろう。
嬉しかったことが悲しくなる場所もたくさんあるけれど、同じくらいの力で、悲しかったことが嬉しくなる場所もある。なにも固定されていない。生きているかぎり更新され、紡がれていく。
P.124
あの雨の夜、いつも両親と過ごしていた上野の街で、もうひとりの私が叫んだあの人生は、いったいどこにいってしまったんだろう?
選べなかったほうの人生を夢見ることはできない。でも、選べなかった人生が私に微笑みかけてくれるとき、いつでもその人生に恥じないようにあることはできるかもしれない。 -
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『ヨシモトオノ』とは吉本ばなな版遠野物語。
少し不思議なお話が13編。そのうち一つは実話ということ。
この実話が私にはズドンと残りました。
“人が人にできることがあるとしたら、ただなんとなく明るい感じでいる、それだけ。身も蓋もないがそう思う”
私もそうなのだけれど、吉本ばななさんも全てを説明したいタイプのようで、いつかこの世を去る時までにはそんな人に近づけたらいいなと思っているそう。私もそうありたいな、と思いました。
全体を通して、怖いというよりはノスタルジックな雰囲気が漂っていて、いつまでも読み続けていたい、本を閉じたくないという気持ちになる。
それは多分、物語のほとんどが仲の良い家族が背景にあるからかな、と思われます。その出来事だけをピックアップするとゾッとするようなことも、「そんなこともあるんじゃない?」と家族が普通に受け入れてくれる、そしてそれが家族の大事な思い出に繋がっていく‥‥
そんな、なんとなく優しい気持ちになる一冊でした。