吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とっても心が洗われました。
同時期のエッセイ『幸せへのセンサー』では、ほぼ宗教じみたバナナ流宇宙観が語られますが、まさにその小説版。生まれつきの霊感でこの世の不条理を解き明かしていく謎の女子中学生(feat.ご近所のおじさん)は、きっと著者近影ではないかと思います。
キテレツなストーリーなのに、当てはめられている言葉たちや優しい風刺が心地よく、説教くさくならない。
お金って、男女って、人生の希望って、なんだっけな。
少し戸惑っている誰かの人生を変え得るかもしれない。私は変わりたい!くらい動かされてます。(それは軽いからだね)
最近よく触れるようになった私から見た、これぞ吉本ばななワールド -
Posted by ブクログ
ネタバレああ、なんて人間ってバカバカしいんだろう。生きていくということや、懐かしい人や場所が増えていくということはなんてつらく、切なく身を切られることを切り返していくんだろう、いったいなんなんだ。(P、127)
人と人がいて、お互いがこの世にひとりしかいない、二人の間に生まれる空間もひとつしかない。
そのことを知ると、ましてそこになにか特殊に面白そうな空間があることを知ると、無意識に人は距離をつめてもっとよく見ようとする。(P、133)
人間は、心の中で震える小さな弱い何かをきっと持っていて、たまに泣いたりしてケアしてあげたほうが、きっといいのだろう。(P、295)
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購入済み
言葉遣いや言い回しがどこまでも丁寧で優しくて柔らかい、昭和の温かさを感じる1冊だった。
この世界観にいつまでも浸っていたいとさえ思う。
「よし、ぱっとやりましょう。命の続くかぎり作ってみせましょう。」。親を亡くし親しい他人を亡くした2人が最後ちゃんと通じあえてよかったと心から思う。