吉本ばななのレビュー一覧
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よしもとばななさんの本を読むと山にいる気分になる。
悲しみは自然と降ってくる雨みたいに、そして人との繋がりが雲から垣間見える光のように包まれる感じ。
優しくいてくれてありがとう、と言う気持ち
◼︎自分メモ
人と知り合うって、そんなことから始まるだけのことだ。その小さな印象がだんだん絶えない流れになり、少しずつ無視できない水流を作り、そこにまた大きく気持ちが注がれていく。
自分がいい思い出を持っているという幸せを、目に涙を浮かべながら、綿菓子を食べるみたいにふわふわと確認する、少し甘い感じだった。
私の感情はまだ対策しか動かず(大きく動くとついつい悲しいこともたくさん考えてしまうので、省エ -
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6つの短編集
どの物語も旅先という非日常の場所で
自分の心の痛みや喪失感に向き合う瞬間があって
その時に向いていた心の行く先が
過去から現在
現在から未来
そして 未来から現在
を行きつ戻りつしていくような印象を持ちました
別れた経験は忘れることはないし
新たな喪失と向き合う不安もたくさんあるけれど
思いのたどり着く先は
自分自身がいなくなってしまうその時
その事に気がついて
物語の主人公たちと同じように
今のこの時が奇跡に近い尊さだと悟った
これから
年を重ねていって
人を見送ることが増えて
痛みや喪失感は澱のように溜まり続けていくから
しんどくてやり過ごせなくなったら
私も旅に出かけ -
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星100個くらいつけたい。このあとたくさんマーカーを引くだろうし文庫が出たら買うだろうしもしかしたら困っている知人にプレゼントしたりもするかもしれない。
そのくらい名言だらけだったし、1章がまず心身の健康の話からはじまるところもさすがばななさんな秀逸なセンスだと感じた。けれど、あとがきでばななさんがライターさんにチクっと一言おっしゃっているところが私は胸がキュッとなった。著者とライターさんが、そんな一言で悲しくなったりなられたりする関係じゃないことを祈るばかり。(あと、これはもしやアサギストさんかしら?ハッピーちゃん界隈かしら?的なある人の例についてピシッと書いていたところも、少し攻撃的な言い -
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ネタバレ「人間っていうものは本当に、いれものなんだ、と思うんだ」という言葉が好きだった。中身はどうにでもなる。生きているとそう感じることが多いので、特に共感した部分だった。
アムリタを読むと、人が生きていくには本当に何でもない日常みたいなものが必要不可欠なんだなと感じる。おいしい水をごくごく飲むようなもの、と表現されているように。それくらい必ずあったほうがいいものなんだなあと思った。
また弟が何気なく言った言葉が好きだった。
「好きなひとといて、今みたいな楽しい気分の時に見たら、星もUFOも関係なくてただきれいに感じてびっくりするものなんだね」 -
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ネタバレ好きな情景描写や言葉が多くあった。「何もかもに触ってから確かめたい」という言葉が好きだった。
とにかく触って確かめる。そういう心の持ちようみたいなものがいいなあと思った。
また朔美が弟にたいして、何かしてやりたいと思ってしまう感情に共感した。なにもしてやれないのに。何もできないことを知った上でも、してやりたいという感情に。
特に印象深い情景は、「夜は油のように重く、静かに町並みを満たしていた。あらゆる路地、街角が意味を持って暗く黙っているようだった。」街そのものが二人の行末、二人自身を見守っているような描写。
物語の間に挟まれる情景描写がとてもよくて、空気感を味わえるのが好きだった。 -
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とても読みやすい短編集。吉本ばななさんの素敵な言葉の数々がすっと心に染みる、そんな読書体験ができました。
「生きているだけで息が苦しいくらい幸せなんだ。左足を出す。そして右足を出す。地面を感じる、進んでいく。それだけて嬉しいくらいに。」という一文がとてもお気に入りです。幸せの程度を表すのに苦しいという強い感情を使っているのに、その後が具体的に小さな描写なのがいい。世界が足元に収束している感じが。それだけで嬉しいくらいに。この結びがすごく誠実で、ちょっと切ない。「十分だ」と言い切らず、「くらいに」と余白を残しているから、
読み手の今日の気分がすっと入り込める。
他にも吉本ばななさんの文章は素敵な -
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1. 「役割」から「自我」への認識の変容
子供の頃は周囲を「理想の姿(役割)」としてしか見られなかったけれど、大人になった今、一人ひとりが持つ**「割り切れない自我」**を認められるようになった。その変化が、物語への深い共鳴を生んでいます。
• 「灯台」としてのお母さん: 彼女は単なる「母」という役割に収まらず、周囲を混乱させるほど強烈に発光する一人の女性(個)として存在している。
• 「役割」への抵抗: 人生や役割を、データや限定された情報に還元してはいけないという倫理観。それは、アプリ開発やAIに関わる今のあなたの「論理的側面」と「感性的側面」を繋ぐ重要な視点になっています。
2. 登場人 -
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ネタバレ各章ごとに伝えたいメッセージ性みたいなものがあるような気がしていて、人生の教科書かよ!とつっこみたくなる。すごい良い。
良かった文章を引用。
今の自分が好きなのだ、いつも。
私の孤独は私の宇宙の一部であって、取り除くべき病理じゃないような気がする。
本当に人を救う尊い仕事をしている男が、ある朝交差点で世にもHなお姉さんの後ろ姿に勃起し、さらにその日のうちに幼い娘に八つ当たりし、妻と話しあって高次の愛に接したら、それはみんなその人で、その混沌が最高なのにみんな物語が好きだから、本人もそうだから、統一されたいと願ったり、自分をいいと思ったり悪いと思ったり、大忙しだ。
変なの。