【感想・ネタバレ】ひな菊の人生のレビュー

あらすじ

生まれついて父はいない。そして幼くして、母までも事故で亡くしたひな菊を支えたのは、親友のダリアだ。ダリアがブラジルに旅立ち十数年、二十五歳のひな菊は、ダリアとの「林の中」の鮮やかな想い出を胸に今を生きる――。哀しくも温かな人生をひな菊は語る。奈良美智とのコラボレーションで生まれた夢よりもせつない名作。

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これだよ!これ!
久しぶりに、私の大好きなばななに会った気がする。死と生の示唆に富んだ小説。離れようが、死のうが、一緒に過ごした時は永遠。ひな菊の人生という箱は永久に残っていく。奈良美智氏の挿絵も、最初は奇妙に映るが、最後には愛らしく感じる。

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2025年09月24日

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奈良美智さんとのコラボレート作品。ひな菊の切なくも悲しい人生を、奈良美智さんの絵が華やかに彩っている。
焼きそばを焼く店を手伝う日常を愛し、母や友達の死を乗り越えて、生きることへの渇望を感じた。

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2025年04月02日

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再読。年に数回、吉本ばななに戻ってきたくなる病を発症し、今回は『ひな菊の人生』に戻ってきました。フランス製のいちじくの香水は他の作品にも出てくるモチーフで、気になってるけど買ったりせず頭の中で良い匂いを反芻しています。ひな菊がお店の鉄板で作るソース焼きそばがすごく美味しそうで、小さい頃からの親友ダリアとの距離感が最高で、大人になってからの不便そうでありながらも良く考えて生きている感じがとても安心します。
ひな菊の生き方に倣って、淡々と、でもしっかりと生きていきたいと、読み終わるといつも思う。
奈良美智さんの挿画もとても素敵です。

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2024年07月02日

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吉本ばななさんの本は3冊目です。
ばななさんの世界というか、空気というかとにかく好きです!
奈良美智さんの絵ともすごく合っていて、哀しいけど優しい雰囲気で読書の秋にはピッタリだと思いました。

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2023年11月03日

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吉本ばななさんの空気感が好きすぎる。命とは、生きることとは、というのを、寂しくなるくらい丁寧に書いている。恵まれてなくても、楽しくなくても、それでも生きることは続いていくんだよなって思った。読み終わったとき、この、とても楽しいわけでもなければ死ぬほど苦しいわけでもない私の人生に、少しだけ愛着がわいた

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2014年09月03日

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奈良美智さんとのコラボ
表紙と挿し絵がとても可愛らしく、
絵本と小説が合体したような本。
文章を読みながら今この描写の絵かな?と
見比べながら読むのもとても面白かった。

表紙の「夜の笛-ダリアを呼ぶひな菊」
無心でたて笛を吹くひな菊の純粋無垢な姿と、ばななさんの不思議な世界観が表現されていて一番好き。
最後の「宇宙に浮かぶ小箱」の絵も好き。
だって、いろいろな人の思い出が詰まった箱が
いっぱいあちこちに浮いてるの想像すると夢があって面白い。(箱に顔の絵が描いてある。) 
どの絵も可愛いらしくて家に飾りたくなっちゃう。

幼い頃に母を亡くしたひな菊は、親友のダリアに支えられ十数年後ダリアから1通の手紙が届く。
母の死、ダリアとの出会いと別れを通してどのように考え人生を生きようとするか描かれている。

特に印象に残ったのは、ひな菊の夢。
ひな菊の見る夢の意味が最初よく分からなかったけど、夢のパズルが解けた瞬間は
トリハダかたった。
ちょっとファンタジーぽいけど虫の知らせみたいで実際にありそうで怖い。
『キッチン』の夢のシンクロとは違い、夢の不思議な交流が物語のキーワードになっていてミステリアスで面白い。

二人の名前がダリアとひな菊と花の名前になっているのも気になった。
ダリアの花言葉は「友情」と「感謝」
ひな菊の花言葉は「希望」「あなたと同じ気持ち」、二人の似た境遇、気持ち表していてるようで物語にフィットしているように思える。

ひな菊は「死」は平等で誰にでも訪れる、稀ではないと言っていた。
でも私にとって「死」は特別で平等ではない。
自分の死は受け入れられるけど、大切な人の死は特別。自分の心の支えだったり、何で?悪いことなんかしてないのに?早世と長寿、死にかたでもまた違ってくる。
ただ、そう思わないと前には進めないのも事実。
なので大切な人と互いに生涯心の支えになるような思い出をいっぱい作って、私、大切な人の箱に入りきれないほどの思い出を詰め込めるように生きていきたいと思う。

吉本ばななさんの本を読むと
フワフワするような不思議な気持ちになる。
悲しいような?せつないような?
それでいて優しくてあたたかい。
こう感じるのは自分だけなのか?
ばななさんの世界観によるものなのか?

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2025年05月18日

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・事故の場面での母の行動に母の愛情だけではないものを感じる。
神様がそうさせた…的な。

・仕事も一日の流れも変わらない。
だから他で変化を作る。
とてもいい方法♡

・自分はどんなキラキラした思い出でできているのかをつい考えてしまった。

・後からじわじわと来るタイプの物語

・会っていなくても繋がっている。
この感覚わかる気がする。

・甘えると全てが崩れる
この感覚もわかる気がする。

・ダリアとひな菊
名前がその人を想像させるところが面白い

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2025年01月09日

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ネタバレ

父はおらず母子家庭のひな菊。
そんな中、母と事故に遭い母の痛々しい死を目撃して本当に普通だったらもう悲しい辛い物語のように思うけど、この本を読んでいて辛いってことが
一切ない。ひな菊の言葉言葉がとっても良い。

死はとっても身近なこと。
だれにでも起きること。

過去を振り返れば良いことが思い浮かぶ
私は最後死ぬとき誰が想い浮かぶかな。

本当に素敵な本でした。

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2021年02月15日

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しびれた。

70ページのこの部分。深い。

 「なにかを徹底的に受け入れようとすることは、
  この世で起こっていることに関して普通の百倍
  くらい敏感になることだった。決して鈍くなって
  乗り越えようということではなかったように思う。」

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2019年01月20日

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「天とか運命とかは、首の事故で彼を俺たちから奪うことはできても、あの楽しかった時間を奪うことは永遠にできないから、俺たちの勝ちだと思うんだ。」
自分が経験したこと、関わった人と過ごした時間、それらの積み重ねが人生だと思わせてくれる。大切な人を想い出しながら読んで胸が熱くなった。

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2018年12月19日

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淋しい夜にしみじみ読むと心に深く染みてくる、そんな物語。生きることの意味をひな菊を通して感じることができた。

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2013年06月23日

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ダリアの存在が不思議だったけれど、それが暗喩するものが、徐々に自分の中で紐解けていったかんじがした。

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2013年01月23日

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奈良さんの絵がすごくいいですね。

ひな菊とダリア。
お花の名前をもつ二人の少女の成長。

悲しいのになぜかふんわりと包み込まれるような…ステキなお話。

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2012年06月04日

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挿絵が文章とあってて強烈でした。

しっとりとした雨が降ってくるような本だなって思いました。
最後には晴れですよ

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2012年03月11日

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彼女らしい、いつもの感じが出ていて
とても素晴らしいと思った。

ダークな部分と、素晴らしくブリリアントな部分と
苦いところも、甘い所も、
全て均等に並べて見せてくれるような、そんな感じ。
いつもの感じ。

それに、奈良氏のすばらしいイラストが加わることで
作品に、奥行きが出たように思う。
まさしく、本棚に並べておきたい作品です。

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2013年07月27日

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死は特別なものじゃない。

テレビのニュースやSNSでは人が死んだニュースを見かけるのに、何故か自分にとって死は遠い存在であるように感じてしまう。

ばななさんの小説は死にまつわる物語が多く、この小説も死を隣に添わせるようなお話で改めて"人が死ぬ"ことの当たり前さを感じることが出来ました。

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2025年09月03日

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挿し絵と作品世界がマッチしていて、手元にとっておきたいと思わせてくれる小説です。内容は淡白な淡々とした世界観のように感じました。

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2025年05月24日

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ひな菊の周りで起こっている出来事は、決して良いものではないのに、何故だか暗さをあまり感じない。
ひな菊の性格、奈良美智さんのイラストが相まって、全体的に優しい雰囲気に仕上がっているせいかな。
少し大きめの文字と余白、そしてイラストの効果で絵本のような読みやすさ。
ところどころで遠い昔の記憶を呼び起こされるような感覚があって…すっかり音信不通になった友達や友達とも呼べないような同級生のことを急に思い出した。ちょっぴり切ない読後感。

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2025年05月19日

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まず、驚いたのが空白の使い方。文章が上下半分に分かれていたり、中央に帯みたいに少しだけあったり、行間が広かったり。
それが、本の雰囲気と合っていて、不思議な空間に誘われた感覚に。
アニメ映画化されるとのことだが、どんな風に描かれるのか興味深い。

ちなみに、私が読んだのは黄色い表紙の初版本で、絵はありませんでした。

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2025年05月11日

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終始人の死に触れているのに、暗さはそんなになくて。
世の中には色んな人がいて、その人たちだけの関係性がある。だから、恋人とか、家族とか、友だちとか、そういう枠にとらわれない関係も、良いとか悪いとかないんだと思う。そんな風に感じさせてくれる作品だった。

何か大きなことが起きるわけではないから、ゆったり読めたけど、印象も薄い作品だったかも。

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2024年01月10日

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終盤に高春が「人と人とが出会うことによって生まれる空間」について語っていて、主人公はわりかしさらっと流してしまうけど、これが物語の根幹だと思う。

ダリア、おじさん、おばさん、高春、そして母。誰しもが、関係の濃淡に関係なく生まれた"彼ら"との空間をパッキングして当たり前の死を迎えていくのだ。たくさんの箱があちこちに散在しているイメージが浮かんだ。

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2023年09月18日

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ネタバレ

目次
・崖の途中の家の夢
・居候生活
・いちぢくの匂い
・再生
・写真
・雨
・首の話

長男を妊娠していた時、直属の係長が貸してくださった『TSUGUMI』を読んで、こんなに私の生きづらさをわかってくれる作家がいるんだ、それもこんなに若い作家が、と感動しました。
でもその後彼女の書くエッセイをいくつか読んで、ものすごくオープンなようで実はすごく人の好き嫌いの烈しい人だなと言うのがわかり、好きなもの好きな人に囲まれた生活は、彼女の成長を妨げたのでは?なんて思うほど、彼女の作品が色あせてしまいました。

好きな作品もあるんですよ。
『デッドエンドの思い出』とか。

でもこれは、いまいち。
親と死別した子ども、恋愛とは違う異性のやさしさ、スピリチュアル的な気付き。
彼女の得意のパターンだな。

こんなに周囲の人に大切にされて、自立していると言いながらの居候生活で、何が人生?って思う。
おじさんやおばさんと距離を取りながらも、手の届くところに居続ける。
彼女の人生は、まだまだこれからではないのだろうか。

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2021年09月19日

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縁や育ってきた日々をめぐりながら未来へと向かっていく主人公が素敵でした。
奈良美智さんの絵が物語を漂うところも良かったです。

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2020年01月31日

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よしもとばなな氏が好きかと問われたら、はいと言えない気がする。それなのに、作品中そこここに言葉のきらめきを感じる。それが私がよしもと作品を読む理由になっている。この作品は驚くほど何も起こらない。ただ、個人的に今現在生と死についての考え方が変化してきているので、この作品のラスト数行は気になるものだった

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2015年04月18日

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どこかの学長がスマホをやめて読書をしろという演説をしたらしいから今日は小説を読んでいた。よしもとばななの、死と焼きそばとお好み焼きとダリアと首と夢というとっ散らかったキーワードの小説だった。でもこれを読んでいる間あらゆる思い出が蘇っては消えていった。

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2015年04月06日

Posted by ブクログ

奈良美智さんの表紙に惹かれて購入。
まだ入口付近をウロウロよんでます。
挿し絵が可愛らしいから素敵です。
楽しんだら感想も書こうと思います。

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2013年04月18日

Posted by ブクログ

以前読んだ本の中から何気なく選んで読み直し。

昔、読んだ時はさほど心に響かなかったのだが、今回読み終えた瞬間、ジンワリ込み上げるものがあった。ここ数年の間に、身近な人との別れを経験したり、死というものが特別でないことを感じたのが大きいと思う。

そういう出来事にまたぶつかった時は、ふと手に取って読み返すことがあるかもしれない1冊。

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2012年12月07日

Posted by ブクログ

ふわふわした感じの不思議なお話だった。
事故のあたりは読み飛ばしちゃったけど…
(このお話に限らず、私はこのところ人がけがするシーンが読めない)
ダリアともひな菊とも友だちになってみたかった。

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2012年09月20日

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ネタバレ

ひな菊という主人公と幼い頃に仲がよかったダリアという女の子の話。
母子家庭に生まれたひな菊はある日母親を交通事故で亡くしてしまう。
その後母の妹の家庭に世話になるものの、必要以上に打ち解けず、他人にあまり心を許す事をしなくなった。
そんな中、近くに住む同じ年頃のダリアとどんなときもどんなことでも心を許し、打ち解けることが出来た。

成長するとダリアの母親が再婚し、ブラジルに移住したしまうため、ダリアとも離ればなれになってしまったが、時たま見る夢でダリアと会い、子どもの頃の心を取り戻すことが、唯一の癒しであった。

そんななか、廃墟の様な暗い家にいる夢をみるようになり、ダリアが死んだ事を感じ取ってしまうのであった。

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2012年07月26日

Posted by ブクログ

それがいかに不思議なことであっても、あまりにありふれた日常の中に溶け込んでいるとなんとも思わないもので、意味づけさえしなくなる。

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2012年03月20日

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