吉本ばななのレビュー一覧
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ネタバレ「人間っていうものは本当に、いれものなんだ、と思うんだ」という言葉が好きだった。中身はどうにでもなる。生きているとそう感じることが多いので、特に共感した部分だった。
アムリタを読むと、人が生きていくには本当に何でもない日常みたいなものが必要不可欠なんだなと感じる。おいしい水をごくごく飲むようなもの、と表現されているように。それくらい必ずあったほうがいいものなんだなあと思った。
また弟が何気なく言った言葉が好きだった。
「好きなひとといて、今みたいな楽しい気分の時に見たら、星もUFOも関係なくてただきれいに感じてびっくりするものなんだね」 -
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ネタバレ好きな情景描写や言葉が多くあった。「何もかもに触ってから確かめたい」という言葉が好きだった。
とにかく触って確かめる。そういう心の持ちようみたいなものがいいなあと思った。
また朔美が弟にたいして、何かしてやりたいと思ってしまう感情に共感した。なにもしてやれないのに。何もできないことを知った上でも、してやりたいという感情に。
特に印象深い情景は、「夜は油のように重く、静かに町並みを満たしていた。あらゆる路地、街角が意味を持って暗く黙っているようだった。」街そのものが二人の行末、二人自身を見守っているような描写。
物語の間に挟まれる情景描写がとてもよくて、空気感を味わえるのが好きだった。 -
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とても読みやすい短編集。吉本ばななさんの素敵な言葉の数々がすっと心に染みる、そんな読書体験ができました。
「生きているだけで息が苦しいくらい幸せなんだ。左足を出す。そして右足を出す。地面を感じる、進んでいく。それだけて嬉しいくらいに。」という一文がとてもお気に入りです。幸せの程度を表すのに苦しいという強い感情を使っているのに、その後が具体的に小さな描写なのがいい。世界が足元に収束している感じが。それだけで嬉しいくらいに。この結びがすごく誠実で、ちょっと切ない。「十分だ」と言い切らず、「くらいに」と余白を残しているから、
読み手の今日の気分がすっと入り込める。
他にも吉本ばななさんの文章は素敵な -
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1. 「役割」から「自我」への認識の変容
子供の頃は周囲を「理想の姿(役割)」としてしか見られなかったけれど、大人になった今、一人ひとりが持つ**「割り切れない自我」**を認められるようになった。その変化が、物語への深い共鳴を生んでいます。
• 「灯台」としてのお母さん: 彼女は単なる「母」という役割に収まらず、周囲を混乱させるほど強烈に発光する一人の女性(個)として存在している。
• 「役割」への抵抗: 人生や役割を、データや限定された情報に還元してはいけないという倫理観。それは、アプリ開発やAIに関わる今のあなたの「論理的側面」と「感性的側面」を繋ぐ重要な視点になっています。
2. 登場人 -
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ネタバレ各章ごとに伝えたいメッセージ性みたいなものがあるような気がしていて、人生の教科書かよ!とつっこみたくなる。すごい良い。
良かった文章を引用。
今の自分が好きなのだ、いつも。
私の孤独は私の宇宙の一部であって、取り除くべき病理じゃないような気がする。
本当に人を救う尊い仕事をしている男が、ある朝交差点で世にもHなお姉さんの後ろ姿に勃起し、さらにその日のうちに幼い娘に八つ当たりし、妻と話しあって高次の愛に接したら、それはみんなその人で、その混沌が最高なのにみんな物語が好きだから、本人もそうだから、統一されたいと願ったり、自分をいいと思ったり悪いと思ったり、大忙しだ。
変なの。 -
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『ミトンとふびん』を読んで心を撃たれて、
吉本ばななさんって人生・生きる・幸せとか、
人にとっての大きなテーマに対してどんなことを考えているんだろうと気になり手に取った。
今年で28歳になって30歳間近になり、
もっと変わらないといけないと変に焦って、
理想とは程遠くて自分にイライラして、
日常を楽しみを見いだせないことが続いて、
少し心が折れそうな状態が続いていたここ数ヶ月。
そんな中読んだ吉本ばななさんの優しい文章を
読んで、頭の中のモヤモヤが少しだけ晴れた気がする。
その瞬間に自分はどう感じて何を思ったか
何が好きで何が嫌いか
何に疲れを感じているのか
今ペースを落として休むべきな -
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今、このタイミングで
この本に出会えたことが幸せ。
本の中にあったように
この出会いやこのタイミングは偶然で
時の流れの一部で私の行動でどうにかなったものではない。この本に出会えたことが、ばななさんが言っていることを証明している。
物の見方の角度が少し変わった。
以下、私自身のこと。
大体の人が結婚していて、子どもがいる中
私はそうではないことを気にしているが
結婚していないことを可哀想と思われたくない
負け組と思われたくないし人に囲まれた時に孤独を感じたくないから結婚したい。
と思っている。
人と違う今を歩んでいることが
将来どんな爆弾になるのかが不安。
だけど、私のことを他人がどう解 -
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前半は、多重人格マリカと共にバリ島へ行く小説。おもしろい設定で、人格の1人である「オレンジ」との会話が印象深い。神秘的なバリ島で、マリカが少しずつ自分を取り戻していく一方で「オレンジ」などの多重人格が消えていく。最後は不思議ともの悲しさが残る。この余韻が良かった。
後半は、吉本ばななさんのバリ旅行記。あぁ、このように体験したことを小説に盛り込んでいるんだ、と小説の裏側を見ているようでおもしろい。特に、本当か作り話か、吉本ばななさんの「夢」の話が印象的だった。これは神秘的なバリ島が起こせる技なのか、それとも吉本ばななさんが何か霊感のようなものを持っているのだろうか、私も実際に訪れてみたくなった