あらすじ
父親は借金を作って失踪、母親は恋人と再婚。15歳で独りぼっちになった立石花は、船橋で暮らす決断をした。それから12年、恋人との結婚を考えながら暮らす花に、再び悲しい予感が……。ふなっしーも直筆の推薦文を寄せる、心を温めてくれる長編小説。
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Posted by ブクログ
ばななさんが書く、船橋を舞台にしたご当地小説。
ばななさんの代表作を検索しても本作は出てこないけれど、本当に面白くて、心に染みて、隠れた名作だと思う。うわあーと唸るほど、自分と主人公に似た部分があり、共感と発見が多かった。ハッとさせられるパンチラインもたくさん。ぜひ読んでほしい。
主人公は花。冒頭は15歳のシーンから始まる。
花の家族は一家離散することになり、母と新しい旦那さんと一緒に暮らすかどうか考え、船橋で母の妹と暮らすことを決意する。なんとなくその方が良い気がして、その芽生えた感情の芽を大事にしたのだった。
母との別れ際、買い物に行き「梨の妖精・ふなっしー」のぬいぐるみを買ってもらう。「これをお母さんだと思って」と言われ、ずっと持っておくことを約束する。
それから20代のシーンへ。書店員として働きながら、夢の中に出てくる花子、彼氏、友達の幸子、母の妹との関係性の中で暮らしている。さまざまな事件を経験しながら。
感想。
何が良かったって、主人公の境遇は、第三者から見ればかなり特殊で不幸なものかもしれないが、あくまで本人はポジティブに考え行動していること。ほんと読んでいるだけで元気をもらえる。
そんな花が彼氏にとつぜん振られるシーンもすごく良かった。現実感がまるでないまま街を歩き、悲しいのかどうかもわからない。それから数ヶ月かけて、人との関わりや生活を通して、まるで水がタオルに染み込んでいくように、ジワ〜っと喪失を実感していく。あるなあ〜!
Posted by ブクログ
吉本ばななの本は素敵な言葉が本当に多い。
「悪いことの半分はいいことできている。見つけることができるかどうかだけだ」
花のように強く優しく生きたいと思った。
素敵な登場人物ばかりだった。
幸子がお寿司に誘うところで涙が出た。
いつか船橋に行ってみたい。
Posted by ブクログ
船橋のときわ書房にて購入.しかし小説の感想ってな書きづらいね(笑)面白かったとしか思い浮かばないや.
と言いつつ,人は立ち止まってる訳にはいかんのよねとかいつでも笑顔で迎えてくれる存在ってないいよななんて思ったりしたのでした.
んでんでやっぱいつか船橋駅近くに住みたいなぁと強く思うのでした~
Posted by ブクログ
価値観のずれって本当にどうしようもないし、絶望的。
あ、なんか無理だって頭じゃなくて感覚で判断すること。ばななさんがエッセイで、何かが違うっていう感じを無視せず大事にした方が良いって書いてたけど、主人公の判断方法はまさにこれだった気がする。
自分の中のすごく大事なことを理解してもらえなかったら、もう人間関係はだめな気がする。
Posted by ブクログ
船橋とふなっしーを愛する花の生活
ばななさんの本はどこか幻想的で夢の中のような感覚になる
船橋という現実的な場所なのに夢の中のような感じ
実在するお店も沢山出て来て調べるのもまた楽しかった
この頃には『推し』という言葉は無かったけど、『推し』がいる世界はそれだけで強く明るい世界になれるんだろうな