吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2018.12.12
アムリタは何度も読んでますが、ひさびさに再読。
※ぴんときた箇所を抜粋
自分の恋人が同じ朝と夜、同じ時間の流れの中に同時にいると思うだけで、いつもの夕方も甘く見える。電話をしても、のびのびと話せる。夜が静かで長く感じられる。ふだん淋しいと思いたくなくて無理して麻痺させていた感覚が、ひとつひとつ開いていくのが目に見えるようだ。
→この表現すき。自分もパートナーとはこうありたいなあ。
真由が弟に伝えたことば
「由ちゃんも早熟だから気をつけて。私みたいに急がないで。お母さんの作ったごはんとか、買ってもらったセーターとか、よく見て。クラスの人たちの顔とか、近所の家を工事でこ -
Posted by ブクログ
読み終わってすぐにまた読み返したくなりました。そして読み返しました。
飲食店に勤務している主人公は、よしもとばなな氏の他の作品と同様、ちょっぴり変わったバックグラウンドを持っていて、それでもって物事を観察するやり方が少しばかり人と異なる。そんな彼女の目を通して語られる色々な描写が、雑事で疲れ切っている私の心にしんみりと沁みました。
主人公の、少しだけのろまなんだけど、それを悪しとせずにポジティブに変換していく力に、いくばくかの勇気をもらいました。現実はこんな風にはキレイにならないかもしれないけど、私もこうして自分の決断に胸を張れたらと思いました。 -
購入済み
色褪せないメッセージ性の強さ
水みたいに染み渡る普通の文章が心地よい。
出てくる人物は、辛くてもクールさを装うあまり現実味のない感じはする。
しかし、この小説で一番伝えたいと感じた『絶望の淵から踏み出す小さな一歩』が描かれる場面では、急に繊細に人間っぽく書かれていて、逆にそのメッセージ性を強いものにしていると感じた。
『強く生きないことの大切さ』を知れた気がする。 -
Posted by ブクログ
宝物の一冊。
大好きな人を思う心にとても共感。
マオちゃんの目線とか。。
周りの人との関係、環境、、それをどう捉えてるか。
いい言葉がたくさん。。
心が震えました。
泣ける。。。
自分の琴線に触れまくった。
私も似たようなこと考えるなと思いました。
あと、もっと自分の気持ちに真摯に向き合いたいと思いました。
最後の描写は、私も新宿の大通りで似たような事を思った事があり、状況がかさなりました。
お母さんとあーなったことも。変わるんだ…、、という気持ちも。。。
私の中で、ハチは私の親友に似てます。私は親友と出会えた時に初めて心許せる人が出来たと思いました。世界が鮮やかになった。時間が美しくなった -
Posted by ブクログ
高校時代に、小説にハマるきっかけとなった作品。
物語の根底にある物悲しい雰囲気が好き。
忘れていた子供の頃の記憶を呼び起こすため、弥生は家を出る。叔母の家で過ごす日々や血の繋がらない弟哲夫との旅…。真実を知ってしまうと、もう元に戻れないかもしれない、という「悲しい予感」がある。
しかし、最後にお母さんから『いつまで遊んでるの。早く帰って来なさいよ。』と電話がかかってきたとき、弥生とともに私も涙が出そうになった。温かい家族の愛で、哀しい予感を包み込み、ほんのり幸せな気持ちが芽生えるから。
弥生の気持ちの変化がとても繊細に描かれていて、美しい物語だなと思う。 -
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「マリカを守りたい。僕等はそのためだけにきたんだ。そのためだけにいるんだ。」
幼い頃から両親に虐待され、心を閉ざし多重人格という心を持ってしまったマリカ。
マリカの面倒をみているジュンコは、彼女の希望に添い、医者の反対を押し切って、マリカをバリ旅行に連れていくことに決めた。
マリカの人格の1つである少年オレンジ。
ジュンコはオレンジと会話するうち、彼の存在の確かさや、彼の想いに触れていく。
『そう、あなたを故郷の国につれていってあげる。
あなたが望む世界じゅうのどんな国にでもつれていってあげる。
髪にきらきら光る髪飾りをつけてあげる。
大きなお城をたてて、死ぬまで一緒に住 -
Posted by ブクログ
ああ!
なんて美しい文章!この本が200冊目のレビューで本当によかった
『少しも加速を許さない、大いなる力。はぐくみ、こわし、芽生えさせ、土に還す。世界を創る巨大な時計。ここではまだ神が力を持っている。』
HIVポジティブが発覚した喬と、その元彼女である主人公、そして喬の元彼であるゲイの日出雄。喬を元気づけるため奇妙な友情でつながった三人はエジプトへと旅立つ…
よしもとばななの文章を読むけとは、アムリタじゃないけど、ほんとに、美味しい水をごくごく飲むようなものだ!
形にはならないけど、その感動がたしかに人生に潤いをあたえてくれる。
現実にある彼女が見たものを本当にそのまま、しかし美しく描 -
Posted by ブクログ
『私は泣けなかった。
今も、ちゃんと泣けていない。後悔を、何度もした。今もする。でも、何回も思い直す。
きっと私たちには、あれ以上何もできなかった。
最後まで、楽しかった。呪文のように、そうくり返す。』
ハードボイルドは、同性愛の話。
そしてその恋は終わっていて、相手はもう死んでしまった。
その恋人の命日の不思議な一夜。
涙が出てくるのになんだか爽やかでありがとうって、
恋してよかったって思える話。
ハードラックは若くして
植物状態になってしまった姉の死と生の微妙な狭間で
生死と愛を考える人々の物語。
『世界はなんていいところなんだろうね!』
悲しみで前が見えなくても、やっぱり世界は美し