吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレご本人も書かれていらっしゃるとおり、あの遠野物語とは別物であり、日常の裂け目を見たような、すこしふしぎな感じのお話たちの本です。たぶん、読む人によって好きな話が違うのではないかと思います。わたしは「わらしどうし」「最良の事故物件」「思い出の妙」と、最後の方に収められている話が好きでした。感性の変化や縁の描き方がすき。そういった意味では「炎」も良かったけど、リアルにあったらこわい…。「思い出の妙」もありそうな感じだからちょっと不気味かも…笑 でも、読後に嫌な気持ちは残らない。
天井や壁のシミ、木目など、小さい頃はいろんなことを見つけて、気にしていたものです。あれは子ども独特の感性で、あの頃特有のものだったんだなと歳をとった今感じています。 -
Posted by ブクログ
ヨシモトオノ=吉本版遠野物語という意味らしいが、ばななさんによると、現代版遠野物語というような大層なものではなくて、藤子・F・不二雄の「SF・すこしふしぎ」みたいなものらしい。
山中で道案内してくれた男の子、友だちの空間移転引き出し、亡くなった従姉妹のノート、死んだはずの海外の元カノからのメール、ホントは死んでいるボク、自死した知り合いの女子のこと、水子からの警告、失踪した彼のお下がりベッドの夢見、夢見で許された話、現代のわらし童子、母親の死産だった兄を庭に埋めたという話、安下宿に出てくる優しい幽霊、旅の宿の天井に浮かぶ顔の思い出‥‥。
まぁ、そうだよね。
少し不思議な譚(はなし)なら
多分ぼくだって持っている。
妹はもう50代オッサンの私に
法事のときに初めてぼくに言った
小さい頃発達障害的な所あって
よくふらりと居なくなった、て
そう言えば詳しい事は忘れたけど
そう言えば庭とか近所の道とか
たくさん面白いものがあった
ような気がする。
わらし童子と仲良くしていた男も
今回出てきたけれども
私も右手と左手で
ありんとこりんという異能者の
長い長い戦いを毎晩紡いでた
時には火星まで行き
時には何億年も時を跨いだ
昔のベッドの暗がりの中で
空間移転引き出しのこと。
⸺その後、中学生くらいのとき、別の学校に行ったたつみちゃんにばったり会った。
「まだ、私あのどんぐり大事に持ってるよ」
と私は言った。彼女は悲しそうに言った。
「ある朝、引き出しを開けたら、真っ黒い紙が入ってた。海苔みたいな。それで、おじいちゃん死んだんだな、と思ったの。そのあと親に知らせがきた。もうあのシステムがどういう仕組みだったのか一生わからない」
いや、いずれにしても一生わからないでしょ、そのシステム。
と思ったけれど、言わなかった。(24p)
まぁ、そんなこと、時々あるよね。