感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年09月03日
エジプトにとても行きたくなった。
自分の目の前の現実で何が起こっても、世界は変わらず回り続けるし、ここじゃない場所も沢山あるし結構簡単に行ける。希望はある。
彼らが旅を終えて日本に戻っても現実は何も変わらないんだけど、捉え方の感覚は旅で変わる、そこに旅の意味があるんだろう。
Posted by ブクログ 2013年03月02日
ああ!
なんて美しい文章!この本が200冊目のレビューで本当によかった
『少しも加速を許さない、大いなる力。はぐくみ、こわし、芽生えさせ、土に還す。世界を創る巨大な時計。ここではまだ神が力を持っている。』
HIVポジティブが発覚した喬と、その元彼女である主人公、そして喬の元彼であるゲイの日出雄。...続きを読む喬を元気づけるため奇妙な友情でつながった三人はエジプトへと旅立つ…
よしもとばななの文章を読むけとは、アムリタじゃないけど、ほんとに、美味しい水をごくごく飲むようなものだ!
形にはならないけど、その感動がたしかに人生に潤いをあたえてくれる。
現実にある彼女が見たものを本当にそのまま、しかし美しく描くから、少しも嘘っぽくないし、わたしの世界をもちょっぴり美しくしてくれる。
この表紙の絵が苦手なんだってば!と、言いたいが、きっとこのよさはわたしがもうちと成長すればわかることだろう。いまは文章やそこからくる想像の世界の美しさだけを大切にしたい時期なんだろうなあ。
とっても素晴らしい本でした。検査結果がわからないまま終わるとこなどが普段なら気になるけど、今回気にならないのは、それがどうであっても変わらないであろう心の確かさを主人公たちが持っているから。
全然関係ないのに、なぜか京都にいきたくなった。
美しい、美しい話です。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
大きな出来事で突然に景色がかわる瞬間、見る視点が変わるような、目線がかわるような。その瞬間、当たり前の日常のありがたさとか、普通の日々の尊さを否応無しに感じてしまう。 行き着くところに行ったからこそ見えることは沢山あると思う。
この物語では、突然友人の喬がHIVポジティブだったことがわかり、それ...続きを読むを受け入れようとする人たちの旅を描いている。その旅の物語は深刻ではあるけど絶望的ではなくて何か希望を感じさせてくれる。エジプトという、昔から続く命や愛の神の力が今も感じられるような状況で描かれる物語で、真剣に読まないと見落としてしまいそうな何かがあるような気がして、とても丁寧に読んでしまう。静かに淡々と、相当深いところに訴えかけてくることが多い。時々、本当に心臓がドキッとしてしまうほど、人の心や気持ちが鋭く書かれている文章が全体にたくさんある。こういうことを書けるのがすごいな〜って思う、よしもとばななさん。普段、自分の心や人の心とたくさん向き合わないと気づけないようなことではないだろうか。
今できること、自分の生活や当たり前の日常はとても尊く、それをもっともっと大切にしようと心から思える作品だと思う。そして、ものすごく旅に出たくなる作品でもある
Posted by ブクログ 2009年10月04日
宝物本。
色や味が感じられる本。あまいパンケーキが食べたくなり、朝日が昇ってくるのをゆっくり眺めたくなり、色のついた壁画が見たくなって、ついにエジプトまで行っちゃいました。
出てくる場所が実際に存在しているのが、非常に楽しい。
Posted by ブクログ 2023年10月23日
「私」とゲイである日出雄は、かつて2人と恋愛関係にあった喬がエイズで死期が近いことを知り、喬の長年行きたがっていたエジプトへ旅行を決める。
やはり視覚、嗅覚に訴えてかけてくる描写が最大の魅力。今回の主人公はアクセサリーデザイナーだったので、宝石とエジプトの景色を重ね合わせてちりばめられた珠玉の表現...続きを読むには読んでいるだけで癒された。
共に旅する友人たちの頬が夕日に照らされて、ピンクに青に、ゆっくりと輝くシーン。ピラミッドがオレンジに染まり、その稜線が金色に縁取られるシーン。
神がまだ生活に根付いているエジプトの神秘性と、布やアクセサリーなどの単純なのに複雑な色彩、香水瓶から香るエキゾチックな花の香りが、読み手を物語の世界へ誘い込む。
喬の抱えた運命は決して容易なものではなく、それを「私」も日出雄も重々わかっている。物語の根底には暗いテーマが流れているからこそ、エジプト旅の煌めきとのコントラストが余計に切ない。いざ現実へと、日本に飛行機で帰るシーンはほんのりと希望が感じられてほっとした。
エネルギッシュでありながら心の深層に優しく触れるような描写が最高だった。旅に出たいよう。
Posted by ブクログ 2022年05月19日
エジプトのスピリチュアルな雰囲気がよく伝わってきた。人は急に命に終わりが来ることがあって、周りもそれを受け入れて、無理矢理にでも自分でも受け入れていくのも人生なんだなとおもった。
「きっと本当に1人きりで行動するように人間はできていないんだと思う。1人で居続けると最初は心が静かになるけど、やがて...続きを読む心が彷徨うようになるの。目の前のことに集中するのがむずかしくなってくる。そして幻覚とか見るようになる。自分で居られなくなる。それは自分が思ってるよりも簡単なことだと思う。」
「目に入ってくるものがたくさんありすぎて、それがみんな大きすぎて先のこととかを考えているいとまがない。」
なにかをじっと考えてその魂にいきつくまで理解したいと思った。
最後にエジプトの写真がたくさん貼ってあっておもしろい。自分もいつか絶対行ってみたいと思っていた国だったから余計に面白かった。
Posted by ブクログ 2014年05月25日
小説だけでよかったんだけどなー。
ゲイの男の子がエイズになっちゃって、友だちとエジプトに旅行にいく、というお話。
こうかくとすごく劇的な気がするんだけど、とても淡々とすすんでいく。それがとても心地よい。
エジプト行きたいなー
この話を読んでる途中で出た国際保険論がエイズについてで、シンクロに驚いた...続きを読む。ひとごとじゃないんだよな
Posted by ブクログ 2013年06月04日
旅行先――エジプト――での美しくも儚い心理描写や、まるで目にしているかのような建築背景の描きかたといったら!
ああ、せつないなぁ。
あの終わりかたさえせつない。
最後まで知りたいけど知りたくない。
そんな葛藤。いいなあ エジプト。
いきたくて堪らなくなった!
Posted by ブクログ 2011年11月07日
喬(たかし)と、喬の元カノと、喬の元カレは皆友達同士。
入り口から結構すごいけど、これが案外ナチュロー。
3人のエジプト旅行、約10日間のはなし。
強い日差しの中に浮かび上がる、登場人物の鮮やかなシルエットと生々しさ。(妄想)
短いけど、なかなかスキでした☆
エジプトだしね。
Posted by ブクログ 2011年10月03日
ありふれた日常の中に、流れ去ってしまう時の中に、思い出に残る美しい瞬間があることを気づかせてくれます。エジプトの荘厳な遺跡や美しい自然が、人として生まれ生きて死んでいくことの意味を語りかけてくれます。原マスミ氏のイラストも味わい深く物語を引き立てていますし、後半の写真とばななさんの解説もこれまた楽し...続きを読むいです!エジプト、死ぬまでには一度行って見たいですね~。
Posted by ブクログ 2010年01月17日
お風呂で再読。
旅行はリセットスイッチなのかなぁ。
悪いことがなくなるわけではないけれど、
もうどうしようもなくなった時、
非日常な空間が助けてくれることがある。
今回の旅は、そんな話。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ビックリしないでね、と言われた後の告白には、ビックリするべきものとビックリすべきではないものがある、という私の中でかなり大事なことを教えてくれた一冊。
(本筋には全く関係ない)
Posted by ブクログ 2016年07月27日
一時、吉本ばななを読まない時期があった。
これはその頃の本。
このシリーズはあまり評判が良くなかったが思ったより普通だった。
この人の話には必ずと言っていいほど死が出てくる。
サスペンスとかで殺人ばかり書いているのとは違う。
殺人の場合もあるし事故や老衰などとにかく死だらけ。
あとはオカルト色が強...続きを読むいのもそうだ。
この話は死についてはふんだんに漂わせているけれどオカルトは弱い。
エジプトに旅行に行ってからかいたようだけれど、エジプトに負けている。
そんなところが不評の理由なのかもしれない。
Posted by ブクログ 2015年03月15日
最初にこの本を読んだとき、エジプトはただただ遠い国だなぁと思っていました。それから数年って、まったく興味のなかったエジプトに旅行に行くことになったときには、ガイドブックの代わりのように読み直しました。現地ガイドさんも知らなかったエジプシャンパンケーキ、食べることができなくて心残りだったな。今は読み返...続きを読むすとそんなことを思い出します。遠くなったエジプトの記憶を呼び起こす1冊。前半部分もターミナルケアをするようになった今はなんだか共感できます。
Posted by ブクログ 2014年09月13日
前作のバリの話より、胸に響くものが弱かったように感じました。エジプトの神秘性とHIV陽性と、どとらに焦点を当てているのか判りにくく、どちらもぼやけたような…。
そして、文庫本あとがきの部分を読んでビックリ。
ばななさん、正直過ぎます。
Posted by ブクログ 2010年03月21日
「人が美しいものにひきつけられるのは、それが死から最も遠く、死を忘れさせてくれるから。」(本文より)
哲学科に進学することにしてよかったです。考えたいことは山ほどある。
エジプト旅行の話なので、単純にエジプトが好きな人も楽しめると思います。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
作者自身が、実際に行った国へのオマージュ作品。今回の舞台はエジプト。古代文明の王(ファラオ)が永遠に眠るピラミッドの国、ということでオカルト的な要素もちらほら。しかも主人公のアクセサリー作家・清瀬を含めた登場人物にHIVポジティブの疑いがかかりつつの旅行。うちひとりは完全にポジティブと診断され、恋人...続きを読むミミとの関係も微妙な中での旅。現地で知り合った女性ユキコ。すごいテーマだなあとびっくり。実体験ではまさかないだろうけど(検査くらいは実際に行ってそう。)すごく現実的にかかれていてちょっと暗い気持になってしまった。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
1回目読んだときは淡々と時間が流れていく印象でぴんとこなかったけど、2回目読み返したら結構よかった。誰かとふかく知り合おうとすると、いろんなことの輪郭が際立ったり深まったりするんだな。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
(07・2006)セドナに行く飛行機の中で読んだ本。実家の本棚にあったので・・
たんたんと話が進んで、たんたんと終わった感じ。ちょっと物足りなかったけど、この人の書く世界は結構好き。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
元恋人でHIVポジティブの喬、おかまで喬の元恋人の日出雄、主人公の清瀬は、3人でずっと憧れてきたエジプトを旅する。
かなり良く出来たガイドブックです。ほ、褒めてますよ?エジプト行きたいなーってすごく思った。そういう書き方をしているんだと思います。
エジプトを旅する人々の話ではなくて、エジプトを描くた...続きを読むめに生まれてきた人々の物語だと思う。面白かった、ですよ。うん。