あらすじ
レストラン「虹」。海辺の故郷そっくりの素朴で丈夫な心で瑛子はフロア係に専心していた。だが、母の急死で彼女の心は不調をきたし、思わぬ不幸を招く。踏みつけにされる動植物への愛、身に迫る禁断の想い……。瑛子は複雑な気持を抱え、念願のタヒチに旅立つ。今、美しい島で瑛子に深く豊かな愛が蘇る。確かな希望の訪れを描いた傑作長編。
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東京の人々の描写はすごく的を得ていると感じた。
日々人混みや、満員電車、残業に追われている自分には痛いほど響く物語だった。
タヒチに行きたい、旅に出たい、太陽の光の中、仕事や日常から解放されたいと切に思った。
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海外旅行が縁遠くなって早2年、こういう旅がテーマの小説が身に染みる…
タヒチの美しい情景と瑛子の揺れ動く心情が繊細に描かれる、吉本ばななワールド。南の島にめちゃくちゃ行きたくなる。私もラグナリウムしてみたい。檸檬色の鮫見てみたい。
とても好きだったので、同シリーズでドゥマゴ文学賞とった「不倫と南米」も購入!読むのが楽しみ。
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吉本ばななでしか摂取できない栄養素がある。確実に。
なぜ最近離れていたのか…
最終的に不倫の話になってしまったのは残念。
内容というより表現が麻薬的。
2ページ目から「色の濃いはちみつのようにとろりとした楽しい感じ。」と出できて撃ち抜かれてしまった。
アムリタだったかで出てきた「グレープフルーツのシャーベットみたいな輝きを持って近づいてくるのを感じる。」的な表現、いまだに衝撃だもんな。また読みたい。
毎回メンタルが落ち込んでいるときの回復薬になってる。マリカの永い夜、もまた読みたいな。
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異国が出てくるから、というのは関係なく、ばななさんのおはなしは海外に旅をしているような時間の流れを感じさせてくれる。
舞台はタヒチと日本にあるタヒチレストラン『虹』。
そう、また来るといいわよ。縁がある土地って、どんどん好きになっていくからね。私も主人がいなくなってもやっぱりまだ来てしまうもの。
こういう時にふと現れてなんとなく人生に光を与えてくれる存在を、私は天使のようだと思う。よく知らない人なのに縁があってなぜかちょっとだけの時間を深く共有する存在と、たまに出会うことがある。そういう人たちは、何かしら、その時の生き方に関わるヒントを持っている。
人は旅先ではしょっちゅう子供に戻ってしまう。
肉体的な疲れでもなく、現実的な疲れでもなく、余裕のある疲れ方をすると独特の感覚が芽生える。それは、世界が今まで思っていたものとまるで違って見えるということだった。すると子供に戻ってあらためて体験するしかなくなる。
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読み終わってすぐにまた読み返したくなりました。そして読み返しました。
飲食店に勤務している主人公は、よしもとばなな氏の他の作品と同様、ちょっぴり変わったバックグラウンドを持っていて、それでもって物事を観察するやり方が少しばかり人と異なる。そんな彼女の目を通して語られる色々な描写が、雑事で疲れ切っている私の心にしんみりと沁みました。
主人公の、少しだけのろまなんだけど、それを悪しとせずにポジティブに変換していく力に、いくばくかの勇気をもらいました。現実はこんな風にはキレイにならないかもしれないけど、私もこうして自分の決断に胸を張れたらと思いました。
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これは、あくまで個人的に、だけど、
あたしの思考やものごとの感じ方と非常に良く似た視点から書かれていて、
ちょっとしたフレーズやセリフの全てに共感できた。
「生きる」ということの本質を、大袈裟にではなく、
優しく掴んでいるヒロインの、大事なものや大事な生活が、
タヒチの光景といい具合に溶けていて、とても良かった。
ファンタジスタに突っ走るわけでも、
リアリストに徹するわけでもない、絶妙なブレンド。
吉本ばななの凄いところは、超!有名な作家になっても、
こういった感覚を忘れずに一貫して表現し続けているところだと思う。
お金も名誉も会社の事情もご時世もいろーんなものが絡んでくる世界にいて、
大事なものを見失わない強さ、みたいなもの。
このシリーズはだいたいどれもそうだけど、
南国の濃い緑や甘い果物の香りがそのまま目の前に現れたかのような、
素敵な土地柄の描写にうっとりしてしまう。
そしてこのシリーズは基本全部「アタリ」です。
【あらすじ】
タヒチ風レストラン、「虹」。
そこで長年、一生懸命頑張って働いてきた瑛子。
が、母の急死を期に、一気に生活リズムや体調を崩してしまい、
店のオーナーの家のお手伝いさんとしてしばらく休養を取ることになる。
庭の植物や、オーナーの奥さんからは嫌われている動物を通して、
じょじょにオーナーと心の距離が近づいていく瑛子だが、
複雑な気持ちにケリをつけるためにも、
美しいタヒチへ旅に出る。
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本当に忘れられない本
読むと優しい気持ちになれる自分の世界をふわふわ旅している感じになるとっても幸せ
これはどの旅行案内書を読むより効果的
絶対タヒチにいきたくなる!!
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舞台は東京、そしてタヒチです。世の中のせちがらさに翻弄される人たちと自分の大切なものをしっかりと見つめ翻弄されない主人公、両方がしっかりと描かれていてすごい説得力。ものいわない植物や動物がどんなに毎日を豊かにしてくれるか改めて気づかされます。載っているタヒチの写真も美しい。人間らしく生きることを深く、濃く教えてくれる名作。
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タヒチ。
からだがだるくなる。
思いが溢れてしまう。
あらすじ
私は、タヒチアンレストランのフロア係として働いていた。そのレストランはとても素敵なレストランで、フロア係としての仕事にも満足していた。しかし、突然の母の死をきっかけに、長い間、東京で張り詰めて頑張ってきた糸が切れてしまい、とうとう店で倒れてしまう。休息を兼ねてレストランのオーナーの動物や植物の世話をすることになるが……。。
複雑な気持ちを抱えながら、私はタヒチに旅立った。タヒチの美しい自然、出合った人たちによって私は前向きな気持ちを取り戻していく。
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これは好みの問題ですが、表紙以外はいつも心からだいすき。
上下も関係も複雑な男女
でも、だからこそ惹かれあったんじゃないかなぁ、と思います。主人公の思春期のような気持ちの伝えようにやきもきしました
どんな形であれ幸せになれるといいな、猫と植物と。
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久しぶりの吉本ばなな。
メンタルがやられてて、ビジネス本がちょっとしんどいときに読むと良い。
と感じながら読んでたら、同じような感想の人が多くて嬉しくなった。いろんな人の精神安定剤になってる。
ラストはいまいちだったけど、キッチンやってNPなんかを読み返してみたいと思った。
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《自分以外の人がお湯を沸かす蒸気が部屋に満ちていくのも 、あたたかい感じがした 。》とか《サラダ油の下にしいてある広告の紙さえ 、その折り方に母のたたずまいを感じさせた 。》とか 彼女の文章は「日常の優しい感じ」を発見するヒントに溢れている そして発作的に後戻りできない行動を起こし決意を宣言する 《私の目に涙がにじみ 、もうなにがどうでもいいのだと思った 。真実が将来を切り開くだろう》という風に
Posted by ブクログ
【本の内容】
レストラン「虹」。
海辺の故郷そっくりの素朴で丈夫な心で瑛子はフロア係に専心していた。
だが、母の急死で彼女の心は不調をきたし、思わぬ不幸を招く。
踏みつけにされる動植物への愛、身に迫る禁断の想い…。
瑛子は複雑な気持を抱え、念願のタヒチに旅立つ。
今、美しい島で瑛子に深く豊かな愛が蘇る。
確かな希望の訪れを描いた傑作長編。
[ 目次 ]
[ POP ]
吉本ばななを好きな若い女の人は多いと思うけれど、私も例外ではない。
10代の頃、何度も読んでは文章に酔いしれ、本文を覚えてしまうほどだった。
きらきらとしたみずみずしい文章と胸をしめつけられるようなせつないストーリーに、いつも心奪われたのだった。
久々に彼女の作品を読んだら、さすがに今の私にその甘酸っぱい文章はくすぐったく感じられたのだけれど。
東京から逃げるようにタヒチへと来た私は、母が死んでから起きた出来事をゆっくりと思い返していた。
タヒチアンレストランでのフロアの仕事は天職だと思えたこと。
生まれ育った田舎でのつつましいくらし。
突然の母の死で精神が不安定になり、フロアの仕事を休んで、店のオーナーの自宅で家政婦になったこと。
そしてオーナーの私生活を目にすることで知ってしまった彼の喜びと悲しみ。
「死と喪失感、そして癒し」のモチーフは本書でも健在だ。
くすぐったく感じた文章も次第に心地よくなるほどのめりこみ、最後のドラマチックな展開には泣けてしまった。
やっぱり今でも、彼女の作品が好きなんだなあ、と再認識した一冊だった。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
タヒチに行って、キイロのサメを見てみたい!タヒチに行ったことがなくても、青い海や白い砂浜、黄色い太陽が目に浮かんでくる。
タヒチレストランのオーナーとアルバイトの恋は、とてもマジメでくすぐったい(^^)こんな恋もいいね!
Posted by ブクログ
ばななさんの小説の主人公はどこか達観しているところがあって、「これこれこうだから恋が終わっても仕方ない」と割り切ってしまう女の子が多いのだが、今回きちんとご主人様との将来のために動き出すところで終わってくれて良かった。
ご主人様との恋愛だけではなく、様々な人の家族愛、加えて動植物への愛も描かれていて、じんときた。
私はばななさんのこういう恋愛至上主義じゃないところも好き。
Posted by ブクログ
『夢のようだ、まるで虹を見ているようだと私は思った。
いろいろなことがあったけれど、またこういうきれいなものをみている…生きている限り、また苦しいこともあるだろう、でもまた必ずこういうものが目の前に現れてくるのだ。必ず。』
タヒチアンレストランで働く瑛子は、複雑な心を抱えたままタヒチに飛び立つ。彼女の抱えた悩みの回想とタチヒで癒されながら愛を取り戻す姿を交互に描いた物語。
旅行小説シリーズ、タヒチ版
情景がきれい
いきたいなあ。
動物の純粋な愛と期待。あのまなざしは一度うけたら忘れられないよ。きゅーってなる。この人もそれを知っている人だ。
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旅シリーズの中ではこれが一番好きかも。二人と猫太郎が雨の中のカフェにいるシーンがよかったな。あとは、コテージから一人で帰ってくるときに、固い決心をしたところが清々しくてとっても好きだ。
Posted by ブクログ
美しい魚が泳いでいる姿がとても綺麗
宇宙から人が生活しているのを見たらどう映るのか?
という記述は面白い。
優雅には見えないのではないかと不安です。とっても。
金山さんのおじいちゃんの話に思わず涙が。
頑固で、口数が少なくて、でも深い愛情のある感じで、感動した。
私も確かに不倫は嫌だけど、お互いに割り切ったり、
若しくはちゃんと離婚して結婚するっていうつもりがあるのなら
(ご主人様がどっちのつもりかはっきり分からないけど)
自分の気持ちに素直になってもいいんじゃないの?断らなくてもいいじゃない
自分も好きだったって言えばいいのに!!
と思い。
幸せになったらいいじゃないの、と思っていただけに、
なんとかなりそうな感じでほっとした。
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タヒチを旅している主人公から立ち上る、ふんわりとした不倫の香り。
それは嫌なものではない。
でも奥様も他に愛人がいて、とかなんとか、
なんだか奥様が嫌な人に描かれているのは、フェアじゃない気がするので不満。
だってそれは不倫の言いわけにはならないもの。
タヒチの自然や料理で主人公がどんどん元気になって。
彼女の自分自身や仕事や恋が、ハッキリとカタチを持っていくのは、どんなにコレからの道のりが長く苦しくても。
それはきっと良いことなのだろう。
Posted by ブクログ
タヒチに行きたくなります。
きっと圧倒的にすべてを受け入れてくれるんだろうな〜。
「わたしは全てを受け入れます」
ストーリーもいいんだけど、この最後の方のひと言があって、よんでよかったって思いました。
Posted by ブクログ
エッセイかと思うくらい生々しく感じるけれど小説。
生と死と自然と血への距離が近い、よしもとばななの本を読みたい時の気持ちにぴったりの本だった。巻末にはタヒチの青い空と海、レモン色の鮫の写真も。
世界の旅シリーズは3の不倫と南米も読んだことがあるので、1と2も読む機会を作りたいと思う。
Posted by ブクログ
20ページくらい読んだら一度読んでる事に気づいた。
ばななさんの作品はレストランと南の島が多数登場するので頭の中でごっちゃになってしまう。
読めば面白いけれど、『虹』は結構スピリチュアルな面が押し出されていてちょっともやる。
自分の生き方に自信を持つのは大いに良い事なんですが、作品にしてたっぷりの自信をみせつけられるとちょっと辟易とする。
ラストも、え、このタイミングで受け入れるの?都合よすぎって思ってしまった。
ばななさんの文章は好きだし、そうそう、そうだよねって思うことも多いんですが、ばななさんみたいな人がそばに居たらきっと友達にはならないだろう。
この作品で一番印象に残っているのはレモン色の鮫だし、きっとその事をばななさんは喜んでくれると思う。
タヒチ行ってみたい✨原マスミさんのカバーイラストがほんとに素敵だし、それ以外にも作品が載っていてとても良いです。
Posted by ブクログ
コバルトな人ではないのだけど、良い意味でコバルトっぽさが抜けないというか、三十才になっても恋を夢見る感が溢れている。でも、コバルトでは決して無いんだよな、ばななは。
Posted by ブクログ
旅シリーズラスト「タヒチ」。
4冊とも南国でしたね。
確かに、北国よりもより自然が強い気がします。
ラストで急展開し、
「え? え??」と言っている間に
話が終わります。
私は前作のほうが好きでした。
Posted by ブクログ
タヒチと東京を舞台にした恋愛小説。タヒチアンレストランで働く瑛子とオーナーの恋愛。面倒なことにかかわりたくない、亡くなった母親にそういわれ続けてたこともあったし、田舎で純粋な生活を営んでいた彼女にとっては、お互い惹かれ合うものがあることがわかっても、不倫関係になるドロドロがいやでオーナーの気持を拒みつづけ・・タヒチ滞在の最後の夜に出会った老婦人、金山さんの話が瑛子の心を動かしたあたりの描写が良かった。オーナーの「男の純情」にもきゅんとくるものがあったし、巻末のタヒチの写真(いるかとたわむれるばななさん・・うらやましい!)もすごくステキだった。
Posted by ブクログ
旅シリーズ、タヒチ。
面白くはなかったけどよく分からないところも多かったけど、なんでか印象深いです。
特にタヒチのホテルで会ったおばあさんの話。
やっぱり絵が力強くて鮮やかで好きです。