あらすじ
レストラン「虹」。海辺の故郷そっくりの素朴で丈夫な心で瑛子はフロア係に専心していた。だが、母の急死で彼女の心は不調をきたし、思わぬ不幸を招く。踏みつけにされる動植物への愛、身に迫る禁断の想い……。瑛子は複雑な気持を抱え、念願のタヒチに旅立つ。今、美しい島で瑛子に深く豊かな愛が蘇る。確かな希望の訪れを描いた傑作長編。
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Posted by ブクログ
吉本ばななでしか摂取できない栄養素がある。確実に。
なぜ最近離れていたのか…
最終的に不倫の話になってしまったのは残念。
内容というより表現が麻薬的。
2ページ目から「色の濃いはちみつのようにとろりとした楽しい感じ。」と出できて撃ち抜かれてしまった。
アムリタだったかで出てきた「グレープフルーツのシャーベットみたいな輝きを持って近づいてくるのを感じる。」的な表現、いまだに衝撃だもんな。また読みたい。
毎回メンタルが落ち込んでいるときの回復薬になってる。マリカの永い夜、もまた読みたいな。
Posted by ブクログ
【本の内容】
レストラン「虹」。
海辺の故郷そっくりの素朴で丈夫な心で瑛子はフロア係に専心していた。
だが、母の急死で彼女の心は不調をきたし、思わぬ不幸を招く。
踏みつけにされる動植物への愛、身に迫る禁断の想い…。
瑛子は複雑な気持を抱え、念願のタヒチに旅立つ。
今、美しい島で瑛子に深く豊かな愛が蘇る。
確かな希望の訪れを描いた傑作長編。
[ 目次 ]
[ POP ]
吉本ばななを好きな若い女の人は多いと思うけれど、私も例外ではない。
10代の頃、何度も読んでは文章に酔いしれ、本文を覚えてしまうほどだった。
きらきらとしたみずみずしい文章と胸をしめつけられるようなせつないストーリーに、いつも心奪われたのだった。
久々に彼女の作品を読んだら、さすがに今の私にその甘酸っぱい文章はくすぐったく感じられたのだけれど。
東京から逃げるようにタヒチへと来た私は、母が死んでから起きた出来事をゆっくりと思い返していた。
タヒチアンレストランでのフロアの仕事は天職だと思えたこと。
生まれ育った田舎でのつつましいくらし。
突然の母の死で精神が不安定になり、フロアの仕事を休んで、店のオーナーの自宅で家政婦になったこと。
そしてオーナーの私生活を目にすることで知ってしまった彼の喜びと悲しみ。
「死と喪失感、そして癒し」のモチーフは本書でも健在だ。
くすぐったく感じた文章も次第に心地よくなるほどのめりこみ、最後のドラマチックな展開には泣けてしまった。
やっぱり今でも、彼女の作品が好きなんだなあ、と再認識した一冊だった。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]