吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあっという間ではなかったかもしれないが、あっという間に読んでしまった感…!
つばさとひばりの物語。
10代の2人がピュアで眩しい!
「みかんの会」というコミュニティの中に放り込まれてしまったひばりを、つばさが助けに行く…というお話。
こうやって簡単にあらすじにしてしまうと、何だか少女漫画的なロマンスめいたものを感じるかもしれない。
でも、この物語はちょっと違う。
…色々あっさりしている!
そう思うのはこのさっぱりとした読みやすい文章だからなんだろう…が、冷静に考えると(いや、全然冷静に考えなくても)この物語にはメチャクチャ残酷なことがたくさん起こっている。
つばさの父の死と、父の死によってマスコミに追い回されるつばさ達、両親によってみかんの会に入れられてしまうひばり、班長に指の骨を折られるひばり、フジ(もう1人の班長)にレイプされるひばり…等。
ひ、ひばりぃ〜〜〜!!!!!
彼女はあまりに可哀想な役回りだった…。
なのに、強かった。
酷い目に遭ったばかりで興奮状態になっていても、後できっとガクッと落ち込む時が来るんだろうな…その時やっと、本当に辛い気持ちになるんだろうか……
…とか、色々考えさせられた。
本を読み終わって物語が終わってしまっても、この子達の葛藤はまだまだ続いていくんだろうなと思った。
物語に触れてそういう風に思ったのは何だか久しぶりだった。
ちなみに「みかんの会」からひばりを助け出すとなったとき、つばさは1人で行動を起こさず、母親を従えていた。
何だかそこだけリアルに感じた。
つばさ1人だけでひばりを助けに行く!
…だと本当にロマンス全開だったかもしれないが、そうするとあまりに物語物語し過ぎるよな…。
そうしなかったその絶妙な塩梅がこの著者っぽい!
ひばりの言葉
「雑味こそが人生かもしれないのに」 -
Posted by ブクログ
2000年前後、
災害やテロ、理不尽な事件が続いたこの時期は、
「癒し」ブームだった(と、どこかで聞いた)。
ちょうど私の生まれた1996年に執筆された
この本は
「時間と癒し」「運命と宿命」を
共通テーマに作成された短編集らしい。
登場してくる全ての女性に共感ポイントがあった。
当たり前ながら、
作者は彼女たちの繊細な内面世界をよく捉えている。
自分が自分であること、自分なりの感性や選択、
自分を形作る重要な性質やこだわりについて、
彼女たちが、
ただありのままに受け入れる様が心地よかった。
自分の選択(運命)や自分が自分であること(宿命)を、ストーリーの中で(時間)受け入れていく(癒し)ことをテーマにした一冊であると理解した。
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Posted by ブクログ
ばななさんの文章は、私の潜在意識に触れる文章。エッセイの中でご自身でも意識されて書いているとあったので、私はまんまと引っかかってる読者の一人だなと思った。
気づかないとスルーしてしまうから、おこがましいけれど、私は気づきやすいタイプなんだろう。たぶん。それでも、腑に落ちない箇所もあって、それはこれから先の人生の中で気づくのか、そこはばななさんと感覚が違うのか。
分からないけれど、読後は、自分の感覚を信じよう、大事にしようと思える。
私の琴線に触れた言葉たち。
「プロは迅速に合理的にてきぱきと、という考え方もあるだろう。
でも、違う考えもある。
どういうプロかを互いにわかりあって、信頼して仕事を頼むというやり方も。」
「このSNS時代において、「大切なことは書かない、言わない、見せない」ということの線引きをやっと人類が学ぶ予兆なのだなと思いました。」
「思い込みが多ければ多いほど、自由の幅が狭まる。」 -
Posted by ブクログ
大好きな吉本ばななさんの作品。
今回も何か大切なものを思い出させてくれた。
”あまり文というものに触れたことがない人に、読むことのすごさを知ってほしい。
命を救うくらいすごい数文字がこの世にはあるってことを。”
最近思うのは、何かを本当に面白いと思っている人に、その何かについて話してもらったり、解説して貰ったりする。それにより理解できる深い面白さがあるなと。
文章に人並みには触れる方だと思うけれど、そこまでの文章には出会っていないかもしれない。いや、出会っていてもそう感じていないのかもしれない。
ただ、アンテナを立てていることも大切だと思うので、
センサー感度を上げながら、沢山の文章に触れたい。
このエッセイを読むことで、いつも時間軸が変わる。
時間の流れは一定ではない。
これを読んだときにどうも仕事に追われ、
自分で追い詰めて過ごしていた。
夏の暑さも相まって、体調も最悪。
体調が悪くなると、思考回路はもっと悪く鈍くなる。
そんな時にこれを読んだことで少し息を吹き返せた感覚があった。
ただ読んでいた時に、ハッと浮かんでいく言葉や感覚、
気づきは次から次に消えていってしまう。
それが勿体なくもあるんだけど、それを覚えていられるぐらい超人でもない。
そんな読書時間。