吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ミトンとふびん』
なんでもない日常を切り取った作品、は精神が安定していない時に、早く家に帰りたいと思うような日々の喧騒に、少し彩りを与えてくれる。
女性作家の壊れてしまいそうな繊細な感覚を贅沢に味わうことのできる作品。
「でも、人が意志を持ってそっとしておいてくれるということに、こんなに安心したことはない」
「積み上げたものをまた失うのはわかっている。どんなに積み上げたって、死んでしまったらお別れ、そこでいったん終わるのだ。…それでも私たちはなぜか積み上げ続ける。それが生きている証しであるから。」
なんでもないただのお泊まりの時に、彼がタオルを広げて髪の水気を取ろうとしてくれたこと -
Posted by ブクログ
ネタバレ上よりも面白かった。いろんな能力が使える人が出てくるし、情景描写が細かいから人の気持ちもその場所の記憶も全部手に取るようにわかるので、心地よかった。
どんなこともすべていいものになるし出会いも別れもなるようになってことがすすんでいるということ。
『いつかあの人が他の誰かと過ごすなら、そいつが見るあの子のスカートのしわにさえ、僕は心を痛めてしまう。あの人は花だ。希望だ。光だ。最も弱く、最も強いものだ。でももうすぐ誰かのものになってしまう。何もかも。あの寝顔も、熱いてのひらも。
いつかそんな日が必ず来るなんて、それはなんて残酷なことだろうと思う。
でも今の僕には、その残酷さがなによりも美しいゴス -
Posted by ブクログ
みどりのゆび
「植物ってそういうものなの。一人のアロエを助けたら、これから、いろんなね、場所でね、見えるどんなアロエもみんなあんたのことを好きになるのよ。植物は仲間同士でつながっているの。」
ベストセラー『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の』にも書いてあったけれど、植物はつながっている。集合意識というか、そうした類の連帯がある。
そうでなければ、(たとえば)カミキリムシ被害が出たとき、森林は全滅してしまう。「おい、とおくでカミキリでたみいだぜ」といった伝言ゲームで、森林全体が身構える、というわけだ。
人だって、集合意識はないわけではないだろう。
個人というか、人の個体と