吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっぱり吉本ばななの小説は読んでいて息苦しさを感じるけれど、ほの温かさを感じる。
真っ暗な海にも誰を照らすでもなくほの明るいハーバーライトと同じように、真っ暗な中に小さな光を灯してくれる。
この穏やかな優しい温かさがとても好き。
ひばりの、彼女の中にある光を頼りに、環境に抗える強さは勿論のこと、つばさの接し方、ひばりにかける言葉(特に退会当日に最初にかけた言葉や服を渡すところ)はとても魅力的だった。
傷つき壊れかけた人に対して、同情でも哀れみでもなく、あくまで自分の本心からの言葉を彼女にかけ、救っていた。
「救う気なんてなくっても、生きているだけで。」
このひばりのセリフから容疑者Xの献身 -
Posted by ブクログ
◾︎未来の自分はまた、ある瞬間に「その幸せに気づきなよ」と伝えてくれるのだろうか?
ほんとうの静けさの中に身を置いたとき、そのときの私が両手いっぱいの果実を抱えていられるかどうかは、心の中が淋しさだけではなくなにかしら豊かな渦を抱いているかどうかは、今この一瞬をちゃんと生きているかどうかにかかっている。
目の前のことを積み重ねて、夢中で今を過ごして、客観的に考えるひまなんてなくって、そういうものを重ねた場合だけ、見えない光がどんどん貯蓄されていく。
← 過去を振り返ったとき、あの時の自分は夢中で日々を過ごしていた と懐かしむことができるように、豊かな渦を抱えていられるように、今1番若いこ -
Posted by ブクログ
幸せについて考えさせてくれる、とても素晴らしい本です。
自分の心・体のセンサーにもっと敏感でいることが大事。
それを信じることで、新しい流れが生まれるかもしれない。また、生きる力にも繋がっていく。
他人の言葉や考えに流されない。せめて自分のなかで、「自分は本当はこう思っている」という考えを自覚しておく。
自分だけに視点がいっている時は不幸になるというのは、腑に落ちました。自分にもその体験があるからです。自家中毒になると、まわりが見えておらず、感謝する余裕さえなくなる。
傷ついたり、悲しんだりして、人生が前に進んでいないと感じる時がある。
そんな時でも、
『自分を整えるを活動をしてさえ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「体はなく、頭だけがあれこれ考えて、ぼんやりと水のような中をくらげみたいに行ったり来たりしているような感じ」
「生きていることには本当に意味がたくさんあって、星の数ほど、もうおぼえきれないほどの美しいシーンが私の魂を埋めつくしているのだが、生きていることに意味をもたせようとするなんて、そんな貧しくてみにくいことは、もう一生よそう」
死への渇望。
汚く死にたくないけれど、きれいに死にたくもない
体と本能にまかせておけば、さほど間違えることはない。ひとたびそこを見失うと、問題は迷路に入ってしまい、大ごとにならないと気づかなくなってしまう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ふつうのことがいちばんすばらしいことなんだ。人生はそれだけでいい。」
この一文に出会って、自分がいかに日々欲張って生きているかが露わになり、少し恥ずかしい気持ちになった。
ばななさんの物語は、いつも生きている世界とそうじゃない世界の境界線を、少しだけ曖昧にしてくれる気がする。私たちはつい、生きている世界を前提にものごとを捉えてしまうけれど、そうじゃない、不思議な角度からふっと世界を描いてくれる。
今回もそうだった。ありそうで、なさそうな。そんな物語ばかり。
軽井沢の別荘整理から始まる「束の間」。亡くなった女の子が見えてしまう「世界には時間がたっぷりある」。ほか2編、あわせて4つの物語 -
Posted by ブクログ
どの作品もよかったなぁ。
表題作のミトンとふびん、カロンテの2作が特に好きかな!
この本を買って、読む前にシンシンの映画を見てからこっちを読んだ。
シンシン映画は酷評だったけど、この短編を2時間に引き伸ばすから変に間延びした映画になっているだけで、原作はよかった。
映画も原作へのリスペクトは感じたし、セリフや空気感はそのものだったけど、さすがにこれを2時間は難しいよなぁ。
誰かが亡くなるというのは、存在がゼロになるわけじゃなくて。わたしたちの記憶には生き続ける。大切な思い出や遺品があれば、いつだって思い出のページは開ける。
そんな、前を向ける、あたたかい作品ばかりだった。