吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大人(社会人)とはこうあるべき!に縛られている人にこそ読んでほしい本。
色んな自己啓発本やSNSの影響を受けて凝り固まってしまった考え方を解きほぐしてくれる言葉がいくつか散りばめられています。
私は記憶に残しておきたいと思って、日記に書きました。
どの言葉もちょうどいい塩梅だと思いました。
これもひとつの在り方だなと納得させてくれるあたたかい文章表現が、さすが吉本ばななさん。
物事の多面性に気付かせてくれたり、自分の限界をネガティブに捉えるのではなく、むしろ執着から解き放ってくれたような感覚になりました。
吉本ばななさんの作品を読んだことがない方にもおすすめです。 -
Posted by ブクログ
あとがきから
「そこにはどこから感じられるのかさえわからない魔法のかかった奇妙な深みがあり、いつかどこかで誰かの心を癒す。しかし読んだ人は癒されたことにさえあまり気づかない。あれ?読んだら少しだけ心が静かになった。生きやすくなった。息がしやすい。あの小説のせいかな?まさかね。そんな感じがいい。」
なんか本当にそんな気がする。
読んだ後から後から、「人生ってこんな感じだよね。」って、色々なことに納得がいくというか。
短編集で、章ごとに色んな場所への「旅行」もテーマになっていて、金沢、台北、ヘルシンキ、ローマ、香港、八丈島が登場するのだけれど、今1番行きたくなったのは八丈島!いつか行ってみたい -
Posted by ブクログ
幼い頃に両親の離婚など、壮絶な経験を重ねたことで、人間の欲望や私利などが「黒いもの」として形を持って見える特殊能力を持った少女が主人公。
その能力は一人では重たすぎて抱えきれないが、ケセラセラという言葉がぴったりのラフな近所のおじさんとの付き合いにより、気軽に生きることができている。
人は金銭や色恋沙汰の影響から完全に逃れることは難しいでしょう。
それでも、それらに「執着」しすぎないように生きることが、自らを助けることになると思います。
執着しないためには、今あるものに感謝することや、自分を守ってくれる人(これは親に限らない)がいるという感覚により、心の安定を得ることが必要。同じように、他に -
Posted by ブクログ
ネタバレ半分は自分で決めること、半分は向こうからやってくること(宇宙)
自分を全て発信しない、自分の中にある考えを自分の中に留めておくことで、自分の空間ができる。自分だけ知ってることを持って自分を熟させる
段階にそって人は変わって行ってるのだから、何かを変えたい時も無理にではなく、段階に沿って変えていく
今流れているものには全てが終わりくる、死の前には全てが幸せだったと感じる
自分の気持ちを過小評価しないでそのセンサーを信じて行動する、そういう心の声に従うことで出会える縁がある
自分に矢印が向きすぎてる時人は幸せじゃない
周りに合わせるけど自分はこう、自分の思いを忘れない
自分の感覚が変 -
Posted by ブクログ
こうやってエネルギーって毎瞬、絶え間なく動いて散らされているんだ、と思った。あの駐車場だって、雨に風邪にさらされてやがてまっさらになっていく。あそこに残った悲しみの感情も、こうやって誰かが持って帰っては散らしていく。世界って、地球ってそういうシステムなんだ、と思った。
小さいことは必ず大きなことにつながっている。それは間違いない。世界は厳密でいいかげんにしていいことはひとつもない。だから地に足をつけて、ヒントがあるかどうかよく見ることしかない。
今の私にささった ところ 次に読んだら また違うところなんだろな〜 大事なことがたくさんつまっている気がします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集だと本のタイトルは短編のうちの一つ、ということが多いけれども、体は全部知っている、というお話はありません。どれか一つの短編が表紙を代表してしまうのではなく、全体を代表するようなタイトルに私は大満足しました。
日常にときとして入り込む非日常、意識の世界にふと訪れる無意識の世界、現実に紛れ込む夢、、、それが、普段忘れている自分の本心とか、内側に触れる瞬間を生み出す不思議。
ばななさんが、30代半ばで挑まれた作品とのことです。体がストライキに入って、体に立ち返ったことをあとがきで共有されています。
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第1話目の「みどりのゆび」で、おばあちゃんのお話で、いきなりぴったりくる。
_祖母が