吉本ばななのレビュー一覧

  • 「違うこと」をしないこと
    インスタかXか何かで紹介されていたのを見て読んだのだけど、きっかけがうろ覚えなのに、今これを読んだのはタイミングだな、と思った。

    『「違うこと」をしない』
    とてもシンプルなのに、実際それが出来ている人は、実はあまり居ないのではないかと思う。
    「違うこと」とは「嫌なこと」とは少し違って、「違和感」が...続きを読む
  • 忘れたふり どくだみちゃんとふしばな2
    吉本ばなな氏のエッセイを読むと、自分はどういう文章を書きたいのか、というのがじわじわと見えてくる気がする。あと、どう生きたいのかも。「どう生きるか、ちゃんと考えなきゃな」と思わせてくれる、というのが正しいかも。自分の中のずれに気づかせてくれるというか。心地いいんだよな〜。本を読む気にならないときもこ...続きを読む
  • ミトンとふびん
    人生が豊かになるハッとするような出来事だとか登場人物の勇敢な姿だとか生きるためのヒントになる言葉を見つけれるだとかそうゆうんじゃない。どこから感じられるのかさえわからない心の癒し・・・。これだからばななさんの小説がだいすきなのだ。ばななさんも「この本が出せたから、もう悔いはない。引退しても大丈夫だ。...続きを読む
  • アムリタ (下)
    アムリタの下巻。
    なんだろう、精神的な病、心霊的なもの、超能力的なものっていうものの境目ってなんだろうって思った。

    つらい、こわいとも感じるし、
    すてき、幸せなこととも感じた。

    朔美の感受性が謎で仕方ないと共に、
    かっこよくさえ感じた。
    登場してくる人物それぞれがとても魅力的で、
    現実の私の世界...続きを読む
  • ミトンとふびん
    読みながら、自分の大切な人達の事が思い浮かぶ。両親、夫、友達。自分が先に死ぬかも知れないし、突然大切な人を失う事になってしまうかも知れないけど、自分の場合はどうやってそこを乗りきるのかなぁ。
  • 体は全部知っている
    色んな家庭があって、普通の家庭というものはなくて、それぞれの家庭がそれぞれ違うのだけれども、ちょっとずつ自分の家庭の部分部分に、すこしにてて、なんだかさめざめと、言葉が身体の奥の方に落ちて響くような話ばかりだった。
    僕の家が、そんな家だったからなのかも知れないけど。
  • アムリタ (上)
    主人公の若林朔美は28歳。
    お母さんとお母さんの友達と父が違う弟といとこの女の子と住んでいる。
    芸能人だった妹を無くし、自分は階段から落ちて頭を打って記憶がおかしなことになっている。
    そんな朔美の毎日が、彼女の頭の中の様子と共に綴られているお話。

    妹の元恋人と関係を持つなんて、
    最低な女だなと思っ...続きを読む
  • はーばーらいと
    ひさびさばなな。

    スピリチュアルな感じでなんだかなぁと思って最近はあまり手に取ることはなかったばなな作品だけど,これはすんなり読めた。なんでだろう。

    若い時は、どっぷりはまってほとんどの作品はよんでいたんだけどな。

    なんといってもこの小説の肝はつばさのお母さん。とてもとてもカッコいい。理想の母...続きを読む
  • TUGUMI
    「熱がある時って、世の中が変に見えるだろう、楽しいよな」

    私を含む大半の人たちは「長くダラダラとした人生」と「短く濃密な人生」どちらか選ぶことはできない。大概は成り行きであとどれくらいの人生が続くのかはわからない。
    しかし「短い人生だ」と知っている人はどのように生きるのだろうか。「濃密であるように...続きを読む
  • 切なくそして幸せな、タピオカの夢
    「あなたと恋人と食べるごはんが、いつか「家族」と食べるごはんになりますように。そしてそれの積み重ねが、かけがえのない地層となってあなたの人生を創りますように。できればそれが幸せなものでありますように。」
    「キャンドルを灯して、ビールやワインなど飲みながら、暮れ行く空を眺めていつもと同じ人たちと食べる...続きを読む
  • はーばーらいと
    宗教二世をテーマにした作品だが、家族、人としてのつながりがメインテーマ。

    簡単な方に流されず、真っ直ぐにぶれない登場人物達の心の強さが何よりも印象的。
    そんな人達から放たれる優しい言葉に行動は影や暗さのある雰囲気の作品の中、美しさや希望を感じられる。
  • ミトンとふびん
    大切な人の喪失。それでも生きて、寂しさや孤独を感じながら日常を取り戻していく様子が描かれている短編集。

    ゆったり落ち着いた環境で読みたくて、夜に少しずつ読みすすめました。
    作品のあちこちで文章がじんわり染みた。
    何てことない場面なのに心に残る。
    自分の気持ちにしっくりはまって、人生のしみじみとした...続きを読む
  • アムリタ (下)
    いやー。
    やっぱり、一気に読んじゃったなぁ、下巻。
    上巻は緩やかに、休み休み読んでたけど、下巻は一気だった。
    吉本ばななさんの著作初めて読んだのですが、そりゃ売れるわ。
    勝手な想像だけど、その時、その時に感じた、いや、生まれた言葉を紡いで、文字通り徒然なるままに、書いて、勝手に人物が動いていて、その...続きを読む
  • 切なくそして幸せな、タピオカの夢
    むすこさんとタピオカの話がじーんときた。今だけの時間を大切にしたいと思いました。(なかなかできないけど。)
  • はーばーらいと
    宗教が絡む小説は重い事が多く、読み切れるかなと思いながら読み始めましたが、ばななさんの独特の文体でさいごまであっという間に読む事ができた。
    ひばりとつばさの関係性。つばさのお母さんの生き方。
     〜母は言った。何も言わせないという雰囲気だった。母のこういう強さを、僕は子どものときに確かに何回か見たこと...続きを読む
  • アムリタ (下)
    非日常と日常を描いているはずなのに少し違う。そんな不思議な本でした。頭を打って記憶を一時的に無くしてしまった朔美の、色々なものに触れることによって頭を打つ前、あるいは頭を打って新しい環境に変わったことで新たに気づいたことを「今の自分」の肌で感じているのが印象的でした。
  • ミトンとふびん
    まだミトンとふびんを読み終わった所だが、痛みにどうやって向き合っていくのか、気持ちが揺り動かされて止まらない。
    最後まで楽しみ。
  • 哀しい予感
    吉本ばななさんの作品が世間で広く受け入れられていることに、あらためて驚きと嬉しさを感じずにはいられませんでした。その言葉の持つたおやかさは、もちろん素晴らしいもので、スピリチュアルな内容もいとも簡単にその中に包括してしまう感性。吉本ばななさんの作品は、淡い夕焼け色を彷彿させるものが多いような気がしま...続きを読む
  • はーばーらいと
    宗教2世について扱っているお話。
    宗教に限らず「洗脳」って、自分でも気づかないうちにじわじわと全身を侵食するように行われていくんだろうなぁって感じて怖くなった。
    それだけ浸食された分、なんとかそこから脱出した後も、きっと長い間、抑え込まれてきた心の傷に苦しめられることもあるんだろう。
    でも、そこに寄...続きを読む
  • アムリタ (上)
    「そういう時母はまるで天からの言葉みたいに、すがすがしい発音で、まっすぐな瞳で、言う。わずかな濁りすらない、確信に満ちた響きを発する。愛されて育った娘の持つ財産だ。傲慢というほどでもなく、弱くもない、許された心の持つ偉大な力だ。」