吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ああ!
なんて美しい文章!この本が200冊目のレビューで本当によかった
『少しも加速を許さない、大いなる力。はぐくみ、こわし、芽生えさせ、土に還す。世界を創る巨大な時計。ここではまだ神が力を持っている。』
HIVポジティブが発覚した喬と、その元彼女である主人公、そして喬の元彼であるゲイの日出雄。喬を元気づけるため奇妙な友情でつながった三人はエジプトへと旅立つ…
よしもとばななの文章を読むけとは、アムリタじゃないけど、ほんとに、美味しい水をごくごく飲むようなものだ!
形にはならないけど、その感動がたしかに人生に潤いをあたえてくれる。
現実にある彼女が見たものを本当にそのまま、しかし美しく描 -
Posted by ブクログ
『私は泣けなかった。
今も、ちゃんと泣けていない。後悔を、何度もした。今もする。でも、何回も思い直す。
きっと私たちには、あれ以上何もできなかった。
最後まで、楽しかった。呪文のように、そうくり返す。』
ハードボイルドは、同性愛の話。
そしてその恋は終わっていて、相手はもう死んでしまった。
その恋人の命日の不思議な一夜。
涙が出てくるのになんだか爽やかでありがとうって、
恋してよかったって思える話。
ハードラックは若くして
植物状態になってしまった姉の死と生の微妙な狭間で
生死と愛を考える人々の物語。
『世界はなんていいところなんだろうね!』
悲しみで前が見えなくても、やっぱり世界は美し -
Posted by ブクログ
言葉に出来ない興奮を感じ、それをどうしても言葉にしたいのに自分ひとりでは持て余してしまう、そんなときに手にとった本。
大好きな南米の魅力、パワーを、胸に沁みる言葉、絵、写真で綴られた小説。
南米は、行き場のないエネルギーに詰まっていると感じていて、それが溢れる形はこれらの国で生まれる音楽や文学や、政治や人々の生活そのものから感じられるのだけれど、この小説で果たされた「不倫」と「南米」の組み合わせによって発せられるエネルギーは、この2つの色がすごく似ているのか、それとも今この本を読む私の心と同調しているのか、よく分からないけどひたすら圧倒される。
もやもやして、逃げ出したくなって、この本を手 -
Posted by ブクログ
これは、あくまで個人的に、だけど、
あたしの思考やものごとの感じ方と非常に良く似た視点から書かれていて、
ちょっとしたフレーズやセリフの全てに共感できた。
「生きる」ということの本質を、大袈裟にではなく、
優しく掴んでいるヒロインの、大事なものや大事な生活が、
タヒチの光景といい具合に溶けていて、とても良かった。
ファンタジスタに突っ走るわけでも、
リアリストに徹するわけでもない、絶妙なブレンド。
吉本ばななの凄いところは、超!有名な作家になっても、
こういった感覚を忘れずに一貫して表現し続けているところだと思う。
お金も名誉も会社の事情もご時世もいろーんなものが絡んでくる世界にいて、
大 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に吉本ばななさん。
しかも南米・アルゼンチンが舞台だなんて!
合間に写真も結構載ってていいかんじ♪
Mr.Bookmanで見つけて購入ー満足02♪
旅行記としても、小説としても楽しめる!
実際に足を運んで経験したことが書かれてると、
吉本ばななさんがこんな体験したんやなーとか
こういうふうに見て感じてきたんやーとか思って読めて面白い☆
南米(ペルーやけど)行ったことあるから、
何となく分かったふうに想像して読んだw
でもほんと写真もあるし、その風景が頭に描ける。
小説としても好き。
心地良い瞬間の中で、あー今死んでもいい、って思える。
・・・なんとなく分かる。そりゃあ死にたくはない -
Posted by ブクログ
50向いていないことは、してみないとわからないとよくいうが、本当にそうだった。
94「ここって山梨みたい。懐かしいんだよね。」メンドーサ
117これでいい、今はこれでいいのだ。・・・時間をかせぐのだ、それしかできないのだから。野生動物がじっと傷をなめて、熱をもった体中を癒すために暗がりでただ待っているように、精神がじょじょに回復して、うまく空気が吸えて、まともなことを考えられるようになるまでこうしているのがいちばんいい。そう思った。
121悲しみは決して癒えることはない。薄まっていくかのような印象を与えて慰められるだけだ。
135わかっていた。今悲しいのなら、今。そこにいなくては意味 -
Posted by ブクログ
大きな出来事で突然に景色がかわる瞬間、見る視点が変わるような、目線がかわるような。その瞬間、当たり前の日常のありがたさとか、普通の日々の尊さを否応無しに感じてしまう。 行き着くところに行ったからこそ見えることは沢山あると思う。
この物語では、突然友人の喬がHIVポジティブだったことがわかり、それを受け入れようとする人たちの旅を描いている。その旅の物語は深刻ではあるけど絶望的ではなくて何か希望を感じさせてくれる。エジプトという、昔から続く命や愛の神の力が今も感じられるような状況で描かれる物語で、真剣に読まないと見落としてしまいそうな何かがあるような気がして、とても丁寧に読んでしまう。静かに淡