【感想・ネタバレ】ミトンとふびんのレビュー

あらすじ

互いに事情を抱え、母親達の同意を得られぬまま結婚した外山くんとゆき世。新婚旅行先のヘルシンキで、レストランのクロークの男性と見知らぬ老夫婦の言葉が、若いふたりを優しく包み込む(「ミトンとふびん」)。金沢、台北、ローマ、八丈島。いつもと違う街角で、悲しみが小さな幸せに変わるまでを描く極上の6編。第58回谷崎潤一郎賞受賞作。

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Posted by ブクログ

朝井先生がおすすめしていて気になった
もし朝井先生と嗜好が違ったら悲しいな、とか思ってたけどそんなこと忘れるくらい面白いというか惹きつけられる物語だった

「ミトンとふびん」「カロンテ」特にお気に入り

また少ししたら会おうね

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2025年11月26日

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朝井リョウさんが紹介されてるのをYouTubeで見て購入。

どうしよう、この本が好きすぎる。
何だこの心が温かくなる言葉選び。

この本を読んで心が救われた気がする。
ありのまま、今生きてるだけが幸せなことなんだなって。辛いことがあると、今があることだけが幸せな気持ちになるのが痛いほど共感した。

過去をさまよう心を抱いて生きている人に贈りたい。
特に愛する人が亡くなった人は刺さる。

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2025年11月04日

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大好きで大切な人が目の前からいなくなる。人生の一大事で、どん底でこの先にも何にもいいことなんて起きないって感じちゃう。
だけどこの本からはその出来事も人生のひとコマで、自分の一部になるんだよって言ってもらえてるみたいだった。人生のどんなときも頑張ってる自分を認めて行こーって思えてよかった。

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2025年10月30日

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とても愛おしい。それに尽きる。
心を揺らし、慣らし、そうして生きていくことの尊さを、残酷さを、胸いっぱいに味わいながら読んだ。
この本が必要なときに、そっと導かれるように手に取れることを願う。

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2025年10月29日

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雪みたいに降って、ふわっと溶けていく。
癒される、浄化される。
あとがきを読んで、ばななさんの狙いどおりだったことに驚く。
ばななさんも狙って書くこと、あるんだな。
徒然なるままに、って感じだとずっと思ってた。

生と死、人との関わりが淡々とあたたかみを持って綴られている。
本棚に置いて繰り返し読みたい本。

朝井リョウさん出演YouTubeを見て、辿り着きました。
せっくすが当たり前というか仰々しく書かれていないこともまたいいよね。

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2025年10月23日

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大切な人の好きなところ、その人が好きなものぜんぶを余さず覚えて居られたらどれだけ良いだろう。忘れたくなくても、記憶のフィルムは有限で、どうしても迫りくる日々の波に流されてしまう。でもそういう切なさも引っくるめて、生きていくってことなんだよ、って慰めてくれているような気がした。

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2025年10月20日

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特に大事件がまきおこるわけではないが、淡々と流れる毎日の中でさざ波のように広がることがポンとあり、変わったり変わらないものに気がついたりして、引き込まれていく感が気持ちよかった。

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2025年10月11日

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ネタバレ

久しぶりに手に取ったよしもとばななさんの小説。
「久しぶり」になったことで、自分の日常のせかせか具合に気づく。

死について。おそらく、考えないようにして、不安とか怖さから気を紛らわしながら生活を保つことが多い。
だけど、この小説は、死と向き合うことで生を確かめるような小説。
そのための旅。
怖くないし重くない。悲しみの気配はありながら、だけど、軽やかで温かい。そのことが、物凄く尊い。

物語の主人公たちのように、丁寧に慎重に感情が拾えたらなぁと思う。どの主人公も、自分の足場をよく捉えている。だから、突飛な行動も安心して読める。いまここは、安定なのか不安定なのか、不安定ならば、何を受け付けて何を受け付けないか、なにが必要かどこに行くべきか。すべて分かった上での関係性や行動力。単純なようで、とても難しい。

いま、このタイミングで読めてよかった本。

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2025年10月06日

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大切な作品です。1文、一言に想いが込められていることがよく分かる。大袈裟なことは一切言わずストーリーも静かに進んでいくけど大きくて暖かい愛が包み込んでくれる。この本に出会えよかった。

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2025年10月04日

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SINSIN AND THE MOUSE
母を亡くした主人公の小旅行を描いた話。母との思い出や口頭の遺書といった直接的な描写にも引き込まれるが、それに加え、小旅行の中で主人公が風景や人物をどう感じ取っているかという描写からも、喪失を抱えた人ならではの感覚が伝わってくる。主人公の感情がにじみ出るようで、とても素敵な短編だった。

ミトンとふびん
同じく母を亡くした主人公の新婚旅行の話。違うのは、主人公の夫も同じ時期に母を亡くしていて、さらにいじめで弟を失った過去もあるところ。
「SINSIN」と比較すると、「ミトンとふびん」には有名人や施設などの固有名詞が多く出てくるのが特徴的だった。純文学的だけど、こういう具体名が頻出するのは珍しい気がする。その効果はよく分からないけれど、主人公のつれづれとした会話の具体性が印象に残った。

カロンテ
友人を亡くした主人公が、その夫のいるイタリアに形見を渡しに行く話。前の二作と構成は似ているが、こちらでは主人公が涙を流す場面が多い。おそらく亡くなってからの時間がまだ日が浅いからこそ、感情の起伏がより強く表現されているように感じた。同じ喪失でも、そこからの時間の経過によって感情の現れ方が変わるのが印象的だった。

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2025年10月03日

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かなしみにちゃんと向き合って悲しむこと。
かなしい、けれどやさしくてあたたかい。
そんな思いを体験できる本。

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2025年09月30日

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すごく大きなことは起こらない。
登場人物それぞれにそれなりに傷や、周りの誰かの死を体験している。
しかし彼らはただ人生を眺めているだけ。日常として受け入れていく、受け止める、流れていく。

ヘルシンキで、金沢、台北、香港、ローマ、八丈島を舞台とした話。

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2025年09月26日

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朝井リョウさんが勧めていたので読みました。
キッチンとほぼ同時に読んでたけど、こちらも喪失を静かに穏やかに、だけど悲しみを丁寧に描いてて
時々涙が出そうになるけど、それほどまでに誰かを大切に思う気持ちがあった自分を思い出せてよかったなあ、と
カロンテと表題作が特にすきだった

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2025年09月26日

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朝井リョウさんがオススメしていたので買ってみました。吉本ばななさんの本は初めて読みましたが、和やかでどこにでもある人生の、かけがえのない日々を丁寧に描かれていました。言葉遣いというか些細な話の流れ方や主人公の思考の表し方とその行方の描き方などが素敵でした。また読み返したいです。

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2025年09月09日

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何か大きな出来事が起こるわけではない。でも全く何もないわけではない。そんな人生のなかの一瞬の時間を切り取った短編集。
物語の何が印象に残ったというよりは、この本自体が私の体をふんわり包んでくれた。パワースポットのような本。

頭の片隅に入れておいて、必要なの時に取り出したい文章たち

p101
私はそのスーパーで、とりあえずの安い手袋を選ぶのを突然にやめた。関連は全くわからなかった。しかしその話を聞いたとき、私は明日街に出て、長く使える手袋をちゃんと買おうとふいに思ったのだ。そういう直感はなによりもだいじだと私は思っている。理由は決して今はわからないけれど、大切なことだと思った。
そういうことは計り知れない意味を持ちながら宇宙の深いところで、細く美しい糸でしっかりとつながっているに違いないのだ。

p247
だいじなのは、突き詰めないこと。〜私は間違ってない、間違った人たちといっしょにいるんじゃない。そんなことは、自分にしかわからないのだ。自分に自信を持つってそういうことだ。

p256
〜しかし読んだ人は癒されたことにさえあまり気づかない。あれ? 読んだら少しだけ心が静かになった。生きやすくなった。息がしやすい。あの小説のせいかな? まさかね。
そんな感じがいい。そのほうが長いスパンでその人を救える。

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2025年11月27日

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入籍日の前日に読んだ「ミトンとふびん」

母と娘の話。娘の気持ち。母の言葉。

食らいすぎてコメダで号泣。

初めてのばなな先生、
情景と心情が切なく届いてくる
柔らかい言葉がとても良かった。
今読めて良かった。

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2025年11月22日

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「何ということもない話。
大したことは起こらない」

でも、
「この本が出せたから、もう悔いはない」

そう思えるような到達点に私も辿り着きたい。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

久しぶりの吉本ばななさんの作品は、なんていうか、ふんわりと柔らかい文章で、やっぱり好きだなぁ。

何らかの事情を抱えた人たちの、何気ない日常ながら、心がふっと温まる、そんな短編集。
中でも、表題作でもある"ミトンとふびん"は、こんなパートナーと出会って、ずっと一緒にいられたらいいな、と思わせる作品。

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2025年11月07日

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大切な人の死に、残された人々の感情や行動、思考、そういった日々の事が淡々と書かれているんだけど良かった。

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2025年10月31日

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本当に文章が美しいと思う。

何か特別な背景や、大きな事件があるわけでもないけれど、癒されて心が軽くなる。すごく好き。

言葉の選び方が素敵すぎる。
「そんなふうにお互いが今どんなに遠いところにいるか、自分たちの関係がどれだけ親しみのない、取り返しのつかないものかということをしみじみと確認しあって、それでも深いところで嫌いあっていないことにすがりつくような気持ちを持ち寄って」
「どんなに他人と親しくなり、その人のことをわかったつもりになっても、結局その他人とは自分の中に生きているその人にすぎない。」

「SINSIN AND THE MOUSE」の母と娘の関係やお互いを想う気持ちがとても好きだと思った。

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2025年10月29日

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喪失から希望に変わるまでを描いた短編集。
やっぱり吉本ばななの文章が好きだ。
どこか非現実的なんだけど、言い表しようのない感情を掬い上げてくれるような。
大切な誰かを失ってしまった時にまた読み返したい一冊。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

大切な親や親友、伴侶を失ってしまった人たちが人生を取り戻していく6編からなる短編集。

表題の「ミトンとふびん」を含む最初3編はあまり私の気分とは合わなかったけど、後半3編はとてもよかった。
特に「珊瑚のリング」と「情け鳩」が好きだった。
前者はひとりっ子の娘(明示されてはいないけど多分そう)が母の遺品を整理することを習慣にすることで、少しずつ時間をかけて現実と折り合いをつけていく話。主人公は母の持ち物の一部を普段使いできるものに再利用・リメイクする。思い出と記憶が物に宿って受け継がれていくという豊な営みと、現実世界からはいなくなってしまった母の存在が日常に溶け込んでいく感じがとても感動的だった。
後者はゲイの親友とその彼氏と一つ屋根の下に暮らすバツイチ女性の話。性愛では結ばれることはないけど、自分なりのやり方で彼らとの関係が温かいものであると確信できるならば(主人公は3人で訪れた八丈富士のカルデラに自分が落下したときに彼らが心配な表情を浮かべるだろうと自分が直感していることで確かめている)、3人の関係性を詰めて定義せずに、楽しくのんびり一緒に過ごしていけばいいじゃないかと、世の中からは許容されづらい関係性に自分なりの答えを出していく。この考え方は、随分と今の時代に生きる人たち(自分を含めて)を楽にしてくれると思うし、個人的にとても気分が合うものだった。

(ちなみに、いくつかの物語で共通して、主人公があまりにも簡単に知らない人とセックスするのだが、これは、ばななさん世代じゃないとあまり無い感覚なのでは?と思った。それと登場人物がいつも「美少年」とか、主人公も美人なのだろうと思わせる描写が頻出していて、そんなに容姿を正統化しなくても内容だけで人間関係の美しさには説得力あるし、一般にいう見た目の美しい、綺麗が強調されると、あぁこれは自分と関係ない人の物語だなと頭が勝手に判断してしまって、この2点は最後までちょっといただけないというか、違和感として残った)

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉本ばななさんの文章はすごく柔らかくて綺麗だと思った。人を失っても再び前を向こうとする。切ないけど救われる物語に心が温まった。

心温まる話がある中で、特に良かったのがSINSIN AND THE MOUSEでした。母が亡くなってしまい悲しみに暮れていたけど、過去の母に対する思い出を語る。死んでしまった事が重要なんじゃない、生きていた事、この世に存在していた事が素晴らしかったという事が描かれていて胸に響いた。自分はまだ母を亡くしていないが、その時は絶対に訪れる。そんな時は母がこの世にいてくれて良かった事を子供達に語っていきたいと思った。

人生に寄り添う本ってこう言う本なのかなと思った。もし大切な人が亡くなって、立ち直れなくなった時はこの本を思い出そうと思う。

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2025年09月21日

匿名

購入済み

何も起こらず、それなりに傷を抱えた人が、ただ流れゆく人生を眺めているようなそんな小説を書きたいと大体そんなことを著者あとがきでばななさんが言っていますが、その試みは成功しているように思います。先にある目標を追いかけるのでは無く、日々の移ろいや楽しさあるいは辛さとかマイナスの感情も含めて受け止めて人生を生きていけたらいいんじゃないかと思います。理想としては。
ただ登場人物の男性描写がちょっと苦手、というか女性の妄想チックであまりノれなかった。昔吉本ばななの作品好きだったけどこんな感じだったかなあ?

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

苦しみ、哀しみを抱えつつも、自分は生きてるんだと実感して少しだけ前を向ける、そんなお話だった。
今の私には刺さらなかったけど、きっといつかこのお話に支えられる時が来る気がする。帯に朝井リョウさんが書いてる通り、そのときまで、「本棚にずっといてほしい」と思った。

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2025年11月22日

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通常の小説より列の文字数が少なく上下の余白をとっており、まるで詩を読んでいるよう。
難しい言葉は使わず、だけれども、読み手に余韻を感じさせる心に響く文章だ。

母親を亡くした喪失感は、何度も主人公の悲しみを書いていて少しくどく感じてしまったが、それは私が本当に大切な人を失ったことがないからかもしれない。
また、必要となったときにこの話を再読してみたい。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

浅井リョウさんが勧めてたのと表紙の絵が綺麗で印象に残っていて読んだ。
この著者、学生時代にも夏休みの課題図書になったりして読んだけど、悔しいけどどうも自分には合わないみたいだ。
読んでると、どうやったらこんな登場人物みたいに素敵な大人に育つ事が出来るんだろう、とひねた見方をしてしまい自分の性格の悪さみたいなものを突きつけられるようで辛い。あとこの著者の著作を絶賛する人たちも自分には眩しく見えて辛い。
でも多分これが普通の感性で良識ってやつなんだ、という教科書にはなるかもしれない。表紙も綺麗だし時々立ち止まって、良識あるすてき、というものを確認するのに本棚に置いておいても良いかも。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

日常で直面する言い表せない感情や気分に対して、似ている感覚や体験を表現できる人生の幅と考えの深さ、語彙力に脱帽の作品だった。

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2025年10月07日

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朝井くんも薦めていて、書店でもよく見かけるし興味がわいたので読んでみました。吉本さんの作品にふれるのはかなり久しぶり。物語の舞台となる世界各地の都市が素敵だし、吉本さんならではの文学的な表現が独特の世界観を作っていて惹かれました。

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2025年09月25日

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朝井リョウさんが出版区というYouTube で勧めていた本で、『難しい言葉を一切使わずかかれていて染みる。』とコメントされていて、読んだ。

金沢、台北、ローマ、八丈島で悲しみが小さな幸せに変わるまでがかかれている。という短編。亡くなった人について、“鬼籍に入られた”ていう表現を読んで知った。

しみが小さな幸せに変わるまで。と書いてあったけど?がそこそこ普通に悲しくて落ち込む。染みるというか、私は落ち込んだ。笑。毎日ちゃんと暮らして来なかったのかとか。心を許せる人をもう少し増やさないといけないんじゃないかとか。笑。
ローマの話はそのなかでもカジュアルなほうで?イタリア人の良いところがでていて好きな話だった。

私の姉が鬼籍にはいってから多分9年とかになる。姉の携帯に残っていた連絡先にメールを送って姉の友人は何人か遠いところ葬儀に来てくれた。病気を秘密にしていて、葬式はなくても良いんだけど、私のためではないからなと言ってたし?呼んだ。あれから毎年、お盆と年始に、知らない誰かが毎回うちのお墓にきているらしい。母が来る前に墓に花があると。去年初めて聞いた。そんな事を思い出してまた、落ち込むというか、ズーンとしてしまった本。

悲しい本は当分読まなくてよい。私。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

なんかあんまり入り込めなかったかも。久しぶりの読書だったのと、描写が特定の場所とかものとか食べ物だったりしたからなんとなく自分の知らないものばかりで白けてしまったのかも。無知は恐ろしや。もっと世界のことを知りたいなと思わせてくれた作品。だけど人の心を描いてるところはほんのり温かく自分の胸の内を満たしてくれた気がする。知らない食べ物も多かったけど、それなのにおいしそうと思えたり、行ったこともない場所に行ってみたいと思わせてくれるような魅力を与えてくれる本作は旅をするのと同じくらい癒し効果がある気がする。
個人的にはシンシンとちづみの身長差カップルが好き。シンシンみたいな外見的には大きくて頼もしいけど、中身は繊細で優しい部分がある男の人ってものすごくかっこよくて好きだなあ。

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2025年09月13日

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