吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ朝井リョウのオススメということで読んだ。吉本ばななの言語化すごい。ぼやっーと考えたことがあるなということを的確に表現する。
情け嶋が一番好きだった。どんなに大切な分かり合える人と出会っても、結局人はひとりで孤独だなと常々思っているのですごく刺さった。
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その人のこともわかったつもりになっても、結局その他人とは自分の中に生きていちその人にすぎない。その人本人でほない。
彼らではないのだ、実際は。この世はそんな幻影でできているのだ。幻影と幻影のあいだに、ほのかに温かい空間があって、人と人はそこでしか出会えないのだ。
だいじなのは、突き詰めないこと。
一瞬だけ見える彼らの顔の心配な表情がほんものであれば、それがどんな占いよりも自分を確かに支える。 -
Posted by ブクログ
やっぱり吉本ばななの小説は読んでいて息苦しさを感じるけれど、ほの温かさを感じる。
真っ暗な海にも誰を照らすでもなくほの明るいハーバーライトと同じように、真っ暗な中に小さな光を灯してくれる。
この穏やかな優しい温かさがとても好き。
ひばりの、彼女の中にある光を頼りに、環境に抗える強さは勿論のこと、つばさの接し方、ひばりにかける言葉(特に退会当日に最初にかけた言葉や服を渡すところ)はとても魅力的だった。
傷つき壊れかけた人に対して、同情でも哀れみでもなく、あくまで自分の本心からの言葉を彼女にかけ、救っていた。
「救う気なんてなくっても、生きているだけで。」
このひばりのセリフから容疑者Xの献身の
「人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある」
を思い出した。
この思いをこれからも大切にしたい。 -
Posted by ブクログ
幸せについて考えさせてくれる、とても素晴らしい本です。
自分の心・体のセンサーにもっと敏感でいることが大事。
それを信じることで、新しい流れが生まれるかもしれない。また、生きる力にも繋がっていく。
他人の言葉や考えに流されない。せめて自分のなかで、「自分は本当はこう思っている」という考えを自覚しておく。
自分だけに視点がいっている時は不幸になるというのは、腑に落ちました。自分にもその体験があるからです。自家中毒になると、まわりが見えておらず、感謝する余裕さえなくなる。
傷ついたり、悲しんだりして、人生が前に進んでいないと感じる時がある。
そんな時でも、
『自分を整えるを活動をしてさえいれば「もう大丈夫なんじゃない?」と、自然な流れできっかけや転機は訪れる。だから、焦る必要なんてない。』
という文章には、とても心が救われました。
考えさせられたり、癒されたり、救われたり。
とても素敵な本でした。
ありがとうございました! -
Posted by ブクログ
ネタバレ「体はなく、頭だけがあれこれ考えて、ぼんやりと水のような中をくらげみたいに行ったり来たりしているような感じ」
「生きていることには本当に意味がたくさんあって、星の数ほど、もうおぼえきれないほどの美しいシーンが私の魂を埋めつくしているのだが、生きていることに意味をもたせようとするなんて、そんな貧しくてみにくいことは、もう一生よそう」
死への渇望。
汚く死にたくないけれど、きれいに死にたくもない
体と本能にまかせておけば、さほど間違えることはない。ひとたびそこを見失うと、問題は迷路に入ってしまい、大ごとにならないと気づかなくなってしまう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ふつうのことがいちばんすばらしいことなんだ。人生はそれだけでいい。」
この一文に出会って、自分がいかに日々欲張って生きているかが露わになり、少し恥ずかしい気持ちになった。
ばななさんの物語は、いつも生きている世界とそうじゃない世界の境界線を、少しだけ曖昧にしてくれる気がする。私たちはつい、生きている世界を前提にものごとを捉えてしまうけれど、そうじゃない、不思議な角度からふっと世界を描いてくれる。
今回もそうだった。ありそうで、なさそうな。そんな物語ばかり。
軽井沢の別荘整理から始まる「束の間」。亡くなった女の子が見えてしまう「世界には時間がたっぷりある」。ほか2編、あわせて4つの物語。
一編一編がふわふわしていて、続くこととおわることの境目がわからないような、そんな物語たちだった。
あとがきには、生まれて初めて何にも終われずに書いた小説だということ、そして「このような変わった小説」を出版してくれた幻冬舎さんへの感謝の言葉が綴られていた。
ばななさん自身がそう書かれているくらい、少し変わった、不思議な物語なのだけれど。そんな作品を読むことができて、良かったなと思った。
忙しない毎日の中で、なんだか肩の荷が下りるような、そんな作品だった。