吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2000年前後、
災害やテロ、理不尽な事件が続いたこの時期は、
「癒し」ブームだった(と、どこかで聞いた)。
ちょうど私の生まれた1996年に執筆された
この本は
「時間と癒し」「運命と宿命」を
共通テーマに作成された短編集らしい。
登場してくる全ての女性に共感ポイントがあった。
当たり前ながら、
作者は彼女たちの繊細な内面世界をよく捉えている。
自分が自分であること、自分なりの感性や選択、
自分を形作る重要な性質やこだわりについて、
彼女たちが、
ただありのままに受け入れる様が心地よかった。
自分の選択(運命)や自分が自分であること(宿命)を、ストーリーの中で(時間)受け入れていく( -
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二度とかえらない少女たちの輝かしい季節。
切なく透明な夏の恋の物語
いつまでも
色あせない
青春小説の名作
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夏に読みたいと思っていた一冊。
今を逃したら来年以降になってしまうかもと思い。
まだ暑いしギリセーフと言い聞かせ。苦笑
身体が弱くて、
色が白くて髪が綺麗で、
とんでもなく生意気で意地が悪い、
美少女のつぐみ。
従姉妹のまりあ目線で描かれる一夏の思い出。
悪魔的なつぐみに翻弄されつつも、
気付いたら可愛らしく思えてしまうのは、
身体が弱い美少 -
Posted by ブクログ
ばななさんの文章は、私の潜在意識に触れる文章。エッセイの中でご自身でも意識されて書いているとあったので、私はまんまと引っかかってる読者の一人だなと思った。
気づかないとスルーしてしまうから、おこがましいけれど、私は気づきやすいタイプなんだろう。たぶん。それでも、腑に落ちない箇所もあって、それはこれから先の人生の中で気づくのか、そこはばななさんと感覚が違うのか。
分からないけれど、読後は、自分の感覚を信じよう、大事にしようと思える。
私の琴線に触れた言葉たち。
「プロは迅速に合理的にてきぱきと、という考え方もあるだろう。
でも、違う考えもある。
どういうプロかを互いにわかりあって、信頼して仕 -
Posted by ブクログ
大好きな吉本ばななさんの作品。
今回も何か大切なものを思い出させてくれた。
”あまり文というものに触れたことがない人に、読むことのすごさを知ってほしい。
命を救うくらいすごい数文字がこの世にはあるってことを。”
最近思うのは、何かを本当に面白いと思っている人に、その何かについて話してもらったり、解説して貰ったりする。それにより理解できる深い面白さがあるなと。
文章に人並みには触れる方だと思うけれど、そこまでの文章には出会っていないかもしれない。いや、出会っていてもそう感じていないのかもしれない。
ただ、アンテナを立てていることも大切だと思うので、
センサー感度を上げながら、沢山の文章に -
Posted by ブクログ
吉本ばななさん2作目。
あんまり作者を重視して小説読むことないから、続けて読むと作風とか書きたいであろうことが通してわかってくるのかという個人的な発見があり。
そういう小説の読み方もおもしろそうと思った。そんな時間があれば、ね…(血涙)
この人の場合は、結局人間は孤独、という考えが根底にあるように感じる。そこはとても共感。
── ひとりの人間はあらゆる段階の心を、あらゆる良きものや汚いものの混沌を抱えて、自分ひとりでその重みを支えて生きてゆくのだ。まわりにいる好きな人達になるべく親切にしたいと願いながら、ひとりで。──
なんかわかんないけどなんとなくわかる風景描写は、ご本人が体験したことを