吉本ばななのレビュー一覧

  • ミトンとふびん

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    人の心のさざなみを丁寧に指でなぞるような、熱くも冷たくもないリアルな心の温度が伝わってくる、肌理細かい日本語が美しい本。感情と、平易なことばで、これだけ繊細に向き合えるのだという、静かな喜び。身近な人を亡くすことなんて考えたくないけど、人生を経るにしたがって、幾度となく手を伸ばすことになるかもしれない1冊。

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    2026年04月19日
  • ひな菊の人生

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    ひな菊の人生に持ち物は少ない。
    幼くして親を亡くし親戚に引き取られた彼女の人生に現実という言葉はどこか似合わず、浮世離れした雰囲気で纏われている。
    その達観した様な人生観と奈良さんの絵の相性がとても良く挿し絵と言うにはあまりにも強い存在感を放つ。
    この物語で彼女は様々な喪失を経験し、その度にそれが持つ意味や形を獲得していく。そうした失ったからこそ得たものは重みを持つ。

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    2026年04月16日
  • 吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる

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    正解のない人生の悩みに、ばななさんならこうする!と悩みに寄り添いながらも断言してくれたのが良い
    何度も読み返したいし手元に置いておきたい一冊

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    2026年04月12日
  • TUGUMI 新版

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    小学生の頃に読んだことは覚えていたものの、肝心の内容はすっかり忘れていた。
    それでも読み始めたら海辺の町の夏の空気感を思い出してとても懐かしく感じた。
    海辺の町で過ごしたことなんてないのに。
    作中から受けた印象と、幼かった私自身が経験したもう戻ることの出来ない親族と過ごした夏の思い出が混ざり合ってできた、捏造された懐かしさ。
    かつては私もつぐみだったし、まりあだったし、陽子ちゃんだったのに、今はもう彼女たちの母親と同じくらいの年齢の母親になってしまった。
    変わっていくことの、儚さ、寂しさ、悲しさ、そして強さを思った。

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    2026年04月08日
  • 体は全部知っている

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    最近過去のことをぼんやり考えていることが多かったので、ぴったりな本に出会えた。
    過去の美しいシーンはこの体に染みついていて、これからものちにふと思い出すような瞬間が待っている。
    『止めることのできない時間は惜しむためだけでなく、美しい瞬間を次々に手に入れるために流れていく。』この言葉忘れずに過ごしたい。

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    2026年03月31日
  • アムリタ (上)

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     やっぱりよしもとばななの世界感がすき
     どこかさみしくて切なくて、だけど安心する

     「人間が自分や他人にしてやれることの話よ。それが、愛、でしょ? どこまで信じ切れるか、でしょ? でもそれをやろうとすることのほうが、考えたり話し合うよりどれだけ大変か。どれだけエネルギーを使い、不安か。」

     この台詞が一番すき
     

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    2026年03月30日
  • 夢について

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    これは夢の話。でも描写が本当の記憶のようで、読んでいたらいつの間にか夢ではない話だと錯覚していたのは不思議な感覚だった。私自身、毎日夢をたくさんみるのにすぐに忘れてしまうので、元々好きな吉本ばななさんの言葉で綴られる夢の話は、大変興味深かった。また、毎話 最後のページに原マスミさんの青い素敵なイラストが描かれていることにより、あぁそうか、これは夢の話なんだよな、と現実に引き戻されるような感じが読んでいてとても好きだった。白、青、白、青。考えてみたら、夢って青のイメージかもしれない。

    余談:かなり前に出版された本だったので本屋さんに置いておらず、フリマアプリで購入したら、本を開くたびに知らない誰かの家のお香の匂いがしたのも印象的だった。

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    2026年03月27日
  • おとなになるってどんなこと?

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    『文喫』にて。
    吉本ばななさんの本は小学生の頃に初めて読んだけれど、大人になってからかなり沁みている。
    『ミトンとふびん』で心を奪われて、
    こちらの作品も購入。
    筆致があたたかくて、熱くて、優しい。

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    2026年03月03日
  • おとなになるってどんなこと?

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    とにかく素敵な本でした。たくさんの人に読んでいただきたい本です。さっそく明日友達に紹介しようと思います^_^

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    2026年02月22日
  • ミトンとふびん

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    6つの短編集
    どの物語も旅先という非日常の場所で
    自分の心の痛みや喪失感に向き合う瞬間があって
    その時に向いていた心の行く先が
    過去から現在
    現在から未来 
    そして 未来から現在
    を行きつ戻りつしていくような印象を持ちました

    別れた経験は忘れることはないし
    新たな喪失と向き合う不安もたくさんあるけれど
    思いのたどり着く先は
    自分自身がいなくなってしまうその時
    その事に気がついて
    物語の主人公たちと同じように
    今のこの時が奇跡に近い尊さだと悟った

    これから
    年を重ねていって
    人を見送ることが増えて
    痛みや喪失感は澱のように溜まり続けていくから
    しんどくてやり過ごせなくなったら
    私も旅に出かけてみよう

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    2026年02月21日
  • 幸せへのセンサー

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    星100個くらいつけたい。このあとたくさんマーカーを引くだろうし文庫が出たら買うだろうしもしかしたら困っている知人にプレゼントしたりもするかもしれない。
    そのくらい名言だらけだったし、1章がまず心身の健康の話からはじまるところもさすがばななさんな秀逸なセンスだと感じた。けれど、あとがきでばななさんがライターさんにチクっと一言おっしゃっているところが私は胸がキュッとなった。著者とライターさんが、そんな一言で悲しくなったりなられたりする関係じゃないことを祈るばかり。(あと、これはもしやアサギストさんかしら?ハッピーちゃん界隈かしら?的なある人の例についてピシッと書いていたところも、少し攻撃的な言い方に感じた。)
    でもそのウッとなったことを加味しても余りあるくらい響いた1冊。読んでよかったです。

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    2026年02月17日
  • ヨシモトオノ

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    遠野物語がばなな流になると…どの短編も温かくて優しい世界。怖い話も民話っぽさもあまりなく、「遠野?」とは思ったけれど、とはいえばなファンとしては大満足の1冊でした。
    あらためて思ったが、ばななさんが描く家族は、どの家族も本当に自然体で愛し愛され幸せな家族だ。もしかすると、私がばななさんの作品が好きなのは、センスよくスピっているからではなく家族のカタチが最強にステキだからなのかもしれない。

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    2026年02月15日
  • ヨシモトオノ

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    遠野物語を作者の視点で描いているのかと思っていたが、違った。
    よしもとばななさんの書く恐ろしい話、ちょっと奇怪な話だった。
    それは本当に、角を曲がった先、隣に座った人くらいの近さで、よく目を凝らせばそこにあるのではないかと思うような話。怖いというよりは不思議でちょっとヒヤッとする。短い短編が多いので読みやすい。

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    2026年02月15日
  • TUGUMI 新版

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    めっちゃキレイな表現が多くて良かった!
    あの特別な日とかじゃない突然来るドキドキする夜私も好きだからその気持ちめっちゃ分かるーってなった!!!つぐみに会いたいなーってなった!

    電車の時間を間違って1分乗り遅れて特急乗ったんだけどちょーど夕方で空もキレイでめっちゃいい時間で乗り遅れてラッキーーー!

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    2026年02月12日
  • アムリタ (下)

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    ネタバレ

    「人間っていうものは本当に、いれものなんだ、と思うんだ」という言葉が好きだった。中身はどうにでもなる。生きているとそう感じることが多いので、特に共感した部分だった。
    アムリタを読むと、人が生きていくには本当に何でもない日常みたいなものが必要不可欠なんだなと感じる。おいしい水をごくごく飲むようなもの、と表現されているように。それくらい必ずあったほうがいいものなんだなあと思った。
    また弟が何気なく言った言葉が好きだった。
    「好きなひとといて、今みたいな楽しい気分の時に見たら、星もUFOも関係なくてただきれいに感じてびっくりするものなんだね」

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    2026年02月08日
  • アムリタ (上)

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    ネタバレ

    好きな情景描写や言葉が多くあった。「何もかもに触ってから確かめたい」という言葉が好きだった。
    とにかく触って確かめる。そういう心の持ちようみたいなものがいいなあと思った。
    また朔美が弟にたいして、何かしてやりたいと思ってしまう感情に共感した。なにもしてやれないのに。何もできないことを知った上でも、してやりたいという感情に。
    特に印象深い情景は、「夜は油のように重く、静かに町並みを満たしていた。あらゆる路地、街角が意味を持って暗く黙っているようだった。」街そのものが二人の行末、二人自身を見守っているような描写。
    物語の間に挟まれる情景描写がとてもよくて、空気感を味わえるのが好きだった。

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    2026年02月02日
  • ヨシモトオノ

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    実は遠野物語を知らないのだが(;^_^A
    霊的な不思議な出来事についての短いお話を集めた短編集
    ホラーではない笑
    どちらかというと、不思議だけど心温まるお話が多いので、生と死を考えながら、生きるも死ぬも悪くないかもって思える
    優しい語り口がとても良かった(*´ω`)

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    2026年01月30日
  • ふなふな船橋

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    吉本芸人文芸部でオススメされていた作品。唯一読んでなかったよしもとばななさんの作品だったので、すぐに読みました!

    この道を選んだら理想的なのにと、自分が思っている道と、身体が選んでいく道。 身体がそっちの方を選ぶのは、そこに本人にしか分からない「何を人生の中で大切に思っているか」があるから。

    船橋の温かい人たち、場所。
    行ったことないけど、その光景が目に浮かぶ。
    そんなよしもとさんの書く風景にふるさとを想う気持ちになりました。
    街の風景や自然の好きって、そこにあって変わらない。最強の好きだと思うし、地味に、でも固く支えてくれてる。

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    2026年01月30日
  • イヤシノウタ(新潮文庫)

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    エッセイというと、
    テーマにもよるので一概には言えず、
    私の読んできたものは、という前提にはなるけれど、
    ライトな内容の中に1つ2つほど
    ディープな内容が混ざっているイメージでした。

    しかし、今作イヤシノウタは
    ディープ99%といった感じで、
    ライトなエッセイを読む人はおお…となるかも。

    でも、だからこそ噛み締めるようにゆっくり読みました。
    それこそ、日常を大切に過ごすように。

    何気ない日常と、
    いつもそばにいてくれる人たちの愛情を
    ありのままで、もっと大切にしようと思える作品です。

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    2026年01月29日
  • アムリタ (下)

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    1. 「役割」から「自我」への認識の変容
    子供の頃は周囲を「理想の姿(役割)」としてしか見られなかったけれど、大人になった今、一人ひとりが持つ**「割り切れない自我」**を認められるようになった。その変化が、物語への深い共鳴を生んでいます。
    • 「灯台」としてのお母さん: 彼女は単なる「母」という役割に収まらず、周囲を混乱させるほど強烈に発光する一人の女性(個)として存在している。
    • 「役割」への抵抗: 人生や役割を、データや限定された情報に還元してはいけないという倫理観。それは、アプリ開発やAIに関わる今のあなたの「論理的側面」と「感性的側面」を繋ぐ重要な視点になっています。
    2. 登場人物に映し出す「今の自分」
    主要なキャラクターたちの立ち振る舞いに、自身の現在地や理想を見出しました。
    • 弟・ヨシズミへの共感: 年齢は違えど、冷静に周囲を観察し、自立した内面世界を持つ彼の姿に自分を重ねた。
    • 姉・佐久美への好感: 記憶を失い「透明な器」となった彼女が、今この瞬間の感覚(皮膚感覚や味覚)を大切に生きる姿勢に惹かれた。
    • 自立した家族像: 血縁や「つらさ」でベタベタと繋がるのではなく、個々が自立した上で共鳴し合う、風通しの良い関係性への肯定。
    3. 日常を乗りこなすための哲学
    この物語を「人生の授業」と捉えたあなたの心に残った、具体的な指針です。
    • 孤独の全肯定: 孤独を排除すべき病理ではなく、自分という「宇宙」を構成する不可欠な要素(仕様)として受け入れること。
    • 「今」への定着: 「Be in a moment and enjoy it」。過去の記憶や未来の不安に振り回されず、今目の前にある日常を丁寧に味わうこと。
    • 日常の深み: 大きな喪失があっても、淡々と続く生活の中にこそ真実があるという、吉本ばなな作品特有の「明るい諦念」への理解。

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    2026年01月24日