吉本ばななのレビュー一覧
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吉本ばななさんの言葉たちは時に鋭くやわらかくどんなときに読んでも心の臓にじんわり沁み入る。表題の「ミトンとふびん」がこの短編集を代表しているのは人間がミトンのあたたかさを感じるには、同時にどうしようもなくふびんである自分を認めることにも繋がるからかなと全編を通して思った。今がふびんだからこそ希望があるんじゃないかと思えるような、哀しくて優しいひとたちの人生の一片を垣間見る体験だった。なんだか答え合わせみたいにぴったりと思考のピースを埋めるフレーズの連続で、この先も何度も読み返すことになるだろうと思った。ところで吉本ばななさんの描く素敵な男の子像がマジ完璧すぎて毎回ときめきが残るんですよね。今こ
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吉本ばななさんが、「大人になること」そして「生きるということ」について語りかけてくれる本。
すでに大人な年齢の私が読んでも、心にスッと入ってくる感じがして、何か軽くなるような気がしました。
とくに、第四問「普通ってどういうこと?」の章が好き。「普通のふり」を他人への思いやりとしてできるようになる、という箇所が印象に残りました。
自分がもっと若いとき、たとえば高校生くらいの時にこの本を読んだとしたら、もっと違ったのかな?それとも、当時の自分には素直に受け止められなかったのかな?なんて考えてしまいました。
とても短いので、たまに手に取って読み返してたいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ途中。
でも感想が書きたくなったので書こうかな
私は宗教2世だ。「血と水」を読んだ瞬間に心臓がどくどくとした。そんな話だと思ってなかったので唐突に現れて胸の中に手を突っ込まれたきぶんだ。
何かのきっかけで読みたいリストに入れていただけで見つけて手に取って、読み進めていると、前に付き合ってた人のことを思い出し、あーーこの本読んで欲しいな〜と思っていた矢先。
私は28歳になる歳で宗教から離れたく東京に出てきた。離れて6年、やっと、大好きな両親と大嫌いな宗教を共存して認める気持ちになれたのだ。それは元恋人や友人に支えられて28歳にしてやっと、自分は自分自身だと認められたからだ。昭と出会った主人 -
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本家(というのか?)遠野物語は未読なので比較はできませんし、そもそも吉本ばなな作品も初なのでどのように読めば良いのかと構えていたのですが、案外スッと心の隙間に入ってくれた作品集でした。
文章の平易さとか人々の日常の生活感の描写は町田そのこさんに似てるなと思いつつ、そこからさらにドライにした感じを受けました。
あとがきにもあるように、「怪談!」というより「幽霊的存在の介在するすこしふしぎ物語」ばかりで、ホラー(読書での恐怖)を楽しみにする方には全く期待外れに終わると思います。
ただ怪談というか霊異譚あたりが好きな人にならハマるんじゃないかなと思いました。当方上手くハマったので星5進呈でござい -
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ネタバレタイトルの通り、これまで暮らしてきた街や、家族旅行で訪れた思い出深い場所について綴られたエッセイ。なかでも印象に残ったのは、サイキックカウンセラーの友人とのエピソードです。彼女との交流は、その後の章でもたびたび登場し、著者の心の支えになっていることが伝わってきました。
街の記憶をたどる中で、「死」というテーマも静かに浮かび上がってきます。大切な人を失ったときの喪失感と、そこに宿る温かい記憶。そんな思いに寄り添うように紹介されていたのが、ヒロトの言葉——「いなくなったことはたいしたことじゃない、いたことがすごいんだ」。この一言が、読後も深く心に残りました。