吉本ばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
audibleで2回→本を購入し再読☆
何度読んでも心に響きわたるこの感情…
人間の根の部分をえぐられるような感覚…
哲学的要素もあり何度も考えてしまう…
自分を形成した特別な3冊にランクインする本だ♡
たくさん付箋を貼っているなかで1つ紹介する。
「欲望を追求した先に幸せがあるって思いこんでいると、お金があれば幸せ、結婚したら幸せ、身分があれば幸せって、わかりやすいゴールに飛びつきたくなる。でも、それが本当に自分にとっての幸せかどうかなんて、本当はわからないことですよね。」
…省略…
「それをまず疑ってみる。もっと違う自分だけにとっての幸せがあるんじゃないかって、カスタマイズして考えてみる。自分のセンサーを使って、自分にとって快適な状況っていうのはどんな状況かを日々感じながら、ひとつひとつ積み上げていく。そこからしか、その人個人の幸せは始まらない気がします。」
私は今ようやくこの文章を噛み締めながら、考えて生きていると言えるであろう…‼︎
今までは前文のような思い込みが激しかった。 -
Posted by ブクログ
誰かが不幸と感じて死にたくなったり、誰かがこの世からいなくなったり、そうした事が起こりながらそれでも世界は進んでいる、ようなお話が6つ入っている短編集。
例えば、「あなたがいたことが私の人生だった~あなたが生きているだけで誇らしくて、~今思うとあなたを愛したことが私の人生の全部だった。~素晴らしい人に育ってくれてありがとう。」
という美しい母の最期の言葉を描写したかと思ったら
「歴史の重みに耐える石造りの連なる街では、人間だけが生身のものとして消えていく。日本では建物も人と共に風化して入れ替わっていくからわかりにくいのだが、歴史の重さの真っ只中に存在していると、人は儚いのは当たり前だということがわかる。自分が死ねば自分の宇宙は終わる。そこには何の余地もない」
であったり、
「この上ないふびんさを自明のこととして持つ人類と、その輝かしい幸せを乗せて、いつでもどこでも地球は回っているんだな」
というような達観した視点を往来していくような手法が気持ちいい。いいことも、悪いことも、どちらも人生だし、1人の世界にとっては大事件だけど、大きな世界では塵が舞うような小さいこと。突き放すような、慰めてくれているような文章が不思議。
エピソード内のフレーズとしては、「この街の思い出が良いものになって欲しいからと、私にご馳走してくれた」と言うところが個人的に衝撃だった。僕は知らない人に優しくしたいと思える感性がなかったけれど、こういうことを思える人間になりたいと思う。
p50「性的な対象として見ているというのとは、全然違うんだ。もっと根源的な気持ちなんだ。小さい時から夢見てたことみたいな。」
p62「父はそんな母をまるで誇らしい宝物を見るような目で見ていた」
これらは性愛と愛の違いを語ってるように見えた。純粋な愛とは、愛おしいと思うということはこういうことなんだよと教えてくれている気がする。
「だから想像したそんな死の瞬間、落ちていく最後に思い描いたふたりの顔が、本当に悲しんでいて心配している目が一瞬のうちに浮かんできたなら、私の中の愛情こそがちゃんと機能していることになる。幻影と幻想のあいだに、ほのかにあたたかい空間があって、人と人はそこでしか出会えないのだ。」
人の気持ちはわからない。けれど、愛されてると感じる自分の気持ちは自分で確かめられる。ということを言っているのかと思った。
素敵な文章なので引用まみれになってしまったけれど、嫌なこととか、立ち直れないようなことがあった時、そばに立って話を聞いてくれるような小説だと思った。 -
Posted by ブクログ
大学生の時、友人に勧められて読んだ「優駿」「青が散る」が深く心に染み渡り、青春時代のもやもやとした思いや生きている中でふとしたことで感じる縁や運命的なことを重ね合わせ、その後、事あるごとに読み返しています。
宮本輝さんの小説は、心の中に鬱屈した感情も抱えつつ、様々な事柄や周囲の人たちに翻弄されながらも、人生に向き合っていく心の根のきれいな主人公を丁寧に描いていて、生きることの大変さとそれでも生きていくことの意味を考えさせられて生きる勇気と人生の深さや豊かさを感じられるので30年来の愛読者です。
吉本ばななさんとの対談の中からお二人に通ずる人生観に触れられて、何かとても爽やかで幸せな気持ちになりました。 -
Posted by ブクログ
これは夢の話。でも描写が本当の記憶のようで、読んでいたらいつの間にか夢ではない話だと錯覚していたのは不思議な感覚だった。私自身、毎日夢をたくさんみるのにすぐに忘れてしまうので、元々好きな吉本ばななさんの言葉で綴られる夢の話は、大変興味深かった。また、毎話 最後のページに原マスミさんの青い素敵なイラストが描かれていることにより、あぁそうか、これは夢の話なんだよな、と現実に引き戻されるような感じが読んでいてとても好きだった。白、青、白、青。考えてみたら、夢って青のイメージかもしれない。
余談:かなり前に出版された本だったので本屋さんに置いておらず、フリマアプリで購入したら、本を開くたびに知らない誰かの家のお香の匂いがしたのも印象的だった。 -
Posted by ブクログ
6つの短編集
どの物語も旅先という非日常の場所で
自分の心の痛みや喪失感に向き合う瞬間があって
その時に向いていた心の行く先が
過去から現在
現在から未来
そして 未来から現在
を行きつ戻りつしていくような印象を持ちました
別れた経験は忘れることはないし
新たな喪失と向き合う不安もたくさんあるけれど
思いのたどり着く先は
自分自身がいなくなってしまうその時
その事に気がついて
物語の主人公たちと同じように
今のこの時が奇跡に近い尊さだと悟った
これから
年を重ねていって
人を見送ることが増えて
痛みや喪失感は澱のように溜まり続けていくから
しんどくてやり過ごせなくなったら
私も旅に出かけてみよう -
Posted by ブクログ
星100個くらいつけたい。このあとたくさんマーカーを引くだろうし文庫が出たら買うだろうしもしかしたら困っている知人にプレゼントしたりもするかもしれない。
そのくらい名言だらけだったし、1章がまず心身の健康の話からはじまるところもさすがばななさんな秀逸なセンスだと感じた。けれど、あとがきでばななさんがライターさんにチクっと一言おっしゃっているところが私は胸がキュッとなった。著者とライターさんが、そんな一言で悲しくなったりなられたりする関係じゃないことを祈るばかり。(あと、これはもしやアサギストさんかしら?ハッピーちゃん界隈かしら?的なある人の例についてピシッと書いていたところも、少し攻撃的な言い方に感じた。)
でもそのウッとなったことを加味しても余りあるくらい響いた1冊。読んでよかったです。