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「喪失と再生」を描き続けてきた作家による「旅と日常」を描いたエッセイ・アンソロジーのシリーズ第4弾。
著者は、日々見逃しがちな、ちいさいけれど大切なことを、旅先での出会いや食事、その背景にある文化、植物や動物を育てること、その動植物を食べることで生きている私たちの生活といったもののなかに見出し、エッセイに仕立てて提示する。バリ島の屋台に見た昭和の日本、心身ともに癒された奄美のひとと海。コロナ禍で「自分が罹患しやしないか」しか考えないひとの内面を考察したかと思えば、冷蔵庫に「家事の分担表」を貼っているカップルがなぜうまくいかないのかを一言で言いきり、タピオカ店や喫茶店のプロの技を省察する。そして、亡くなってしまった大切なひとたちへの思いを、その不在を嘆くのではなく、ともに過ごした時間こそが宝ものだとして、前を向いて生きてゆくことのすばらしさを綴る--。旅でも、日常でも、コロナ禍に見舞われても、著者のまなざしと態度はあくまでも同時代的で、やさしく、鋭い。
そんなエッセイをひとつずつ読み進むと、同じ時を生きる著者が、自らの経験を通じて読み手を勇気づけていることに気づく。各章が上質な短篇小説の趣をもつ、著者最新のエッセイ集。シリーズ累計7万部!
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2024年02月16日
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吉本ばなな
1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月26日
はじめにいくつか読んで、直感的に「これは素敵過ぎて一気に味わうのはもったいない」と思った。金平糖のように、一粒ずつ、少しずつ味わって読んだ。
あとがきに作者が書いていたように、「人生にはいつでも、たとえどん底にあっても、ふといい場面に出会う可能性があること、それが誰にでも平等にあること」を感じられ...続きを読む
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