吉本ばななのレビュー一覧
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読んでたら、心にジンとくる言葉がたくさんで、ふわっと軽くなったり、わかるわかるって刺さってみたり、、生きることに寄り添う本でした。
人生の深みや愛、何かを感じたい時に。
お気に入りの本になりました。
p.32
あなたは私の人生そのものだったの。…
…あなたが生きているだけで誇らしくて、あなたはほんとうにお気に入りの人に成長して、今思うとあなたを愛したことが私の人生の全部だった。あなたがいなかったら私は何も知らないで死んでいくところだった。それくらい毎日、毎日嬉しかった。
p.58
私は私を信頼できない人に渡してはいけない、母にこんなにだいじにされているのだから、大事にしてくれない人には触ら -
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ばななさんが初めて大人になったと思えた瞬間は中学生の時だそう。そうとう遅いと書かれていたけれど私はいまだに自分が大人になったと思えたことは明確にはなくて、この文章でピタリと止まってしまった。自分自身を見つめることや感じることがとても上手い方だったんだなとしみじみ感じました。
母親との関係性について書かれているところではこれ以上は愛せないラインというものがあるというところはかなり共感できました。自分に出来るのはここまでだなって私にもあったから。
四十九日の話も興味深かった。
最後の【インタビュー】は背中を押してもらえるメッセージでした。
子供の頃は失敗や笑われることがこの世の終わりのように恥 -
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何か素敵だと思うけど、言葉にできないもどかしさとか。
忘れちゃいけない気がしてじっと立ち止まるけど、その瞬間を切り取れない切なさとか。
大事そうなものに直面した時、コレクションのように集めたくなってしまう人間の性なのだろうが、ほんとは、きっと、目に見える形で残しておかなくても感覚として体が蓄えているのですね。
だからこそ、色鮮やかな今を必死で生きないといけないし、感覚を蓄える体も大事にしないといけない。
本能に従っていれば、きっと私たちはより人間らしく、数字だとか利益だとか成果だとかを求めず、曖昧なものを許容できるのでしょう。
吉本ばななさんの作品、恥ずかしながら初めて読みましたがもっとこ -
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【気づき】
さらっと読めるエッセイ集。
だけど、ものすごく深い。
対象は子どもの皆さんあるいは、もう大人になってるけど、自分の中の子どもを大切に抱いてる皆さん向けと書かれている。
だからこそわかりやすい言葉で書かれている。
でも、先に生きている先輩として、しかし決して上から目線ではなく、ご自身が考えてらっしゃることを丁寧に言葉を紡いでいる印象の本。
読み返すたびに発見がありそう。
【要点】
・辛いことはあとで必ずなにかの土台になる
・大事なことは自分の中に泣き叫んでいる子どもを認めてあげること。
大人になると言う事は、つまり子どもの自分をちゃんと考えながら、大人を生きるということ -
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ネタバレ「大人になるということは、つまり、子どもの自分をちゃんと抱えながら、大人を生きるということです。」というのが心に残った。
子どもの自分を否定せずに、受け入れることが大切。
今の自分が求めている内容だった。
大学生や20代におすすめですが、30代以降の方でも共感することもあるように思います。
大人になるとは?、友達って何?、死ぬとは?などを、よしもとばななさんなりの考えを教えてくれる。
この本を読みながら、私も大人になるってどんなことか考えてみた。
1人の人間として自分で判断して、自分の人生を生きることだと思った。
生きるのに悩んだときに、この道でいいのかなと悩んだときに、読み返したいと思っ -
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吉本ばなな
1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『ミト