【感想・ネタバレ】ハネムーンのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月01日

親によってもたらされた孤独。
だけど二人の孤独は少し違う。
遠くにいる母親とも繋がっていて、過去のことも知って救いになったまなかと、知っていて知れば知るほどより諦めを深めるしかない裕志。
だけどその孤独には本当は大きな差はないのかもしれない。
ずっとずっと近くにいて、近くにいるのが当たり前で不在を恐...続きを読むれるのはそれはもう家族だと思う。
オリーブを失って、おじいさんを失って、家族をつくることを怯えていて1度目のハネムーンでは、父親を避けるために手段として結婚したのが、二度目のハネムーンでは子供を作ることや犬を飼うことを願うくらいになったことは大きな変化だと思う。
大きな孤独の中で静かに癒やされていく。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月09日

吉本ばななさんの思いや伝えたいことが表れている一冊なのだろうか。
イルカの壮大な景色を人間に写しているところがすごいと思った。なんだか心にぐっとくる表現があって、ああやっぱり吉本ばななが好きなんだなと思った。
彼女にしかない言い回しだったり喩えが本当に好きだ。
世界を高いところから自分が神様になった...続きを読むかのような視点で見る経験をこの本の終盤にわたし自身、した。
壮大なスケールで物事を、この世界を見れた気がする。

こういう気持ちを、こういう本を読んだ時にすごいとしか表現できないのが悔しい。
自分の、自分だけの言葉で表現できるようになろう、


涙が流れました。
終盤のオリーブのところで、。

「たった一匹の小さな犬なのに、今になってこの人生にオリーブが、人生の中でとても大きい存在に驚く。」

「そんなに長くは生きない小さな犬に生きる力をもらったものもいる」




「あんまりにも心がひまだったので」という表現がすき。

心がひまー心が忙しい
新しい言葉。


心がいっぱいで、胸がいっぱいです。

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Posted by ブクログ 2017年10月20日

男と女としてではなく、人間と人間として繋がった者同士でも、恋人や夫婦という体を取ると、物足りなさを感じ、それが相手への不満となって蓄積されていくものなんだろう。まなかもそういう時期があったと言っていた。しかし裕志の元から決定的に去るようなことはせず、その内に、若いからこそ生まれる不満は歳を重ねること...続きを読むで解決していった。

自分がいてあげないとこの人はきっと不幸になってしまう、という思い上がりと、この人がいないと私は不幸になるに違いない、という勘違いとでは、誰かと一緒にいる理由としてマシなのはどちらだろう。

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Posted by ブクログ 2014年08月08日

しっとり暗くて温かくてやっぱりよしもとばなな、って感じのお話だった。


何かが治っていくのを見るのは楽しい、という表現があった。
よしもとばななのお話には色々なものから「治っていく」ひとたちがたくさん描かれていて、それを見るのは確かにとても楽しい。

治っていく、決して元通りになるわけではない、正...続きを読む常に、普通になるわけでもない。
だけど色々なことを大丈夫だ、と思えるようになる。治っていく。



家出をして浜辺をぶらぶらしている時のタクシーの運転手さんがよかった。

浜辺でぶらぶらしているということは、想像の上ではやさしいが、実際はむつかしい。(p72)

ホテルから電話をかけたときのお母さんもよかった。

母はさすがだ、と私はその時思った。私がうっすらと感じていることを、母は容易に言葉にした。(p66)






今、おじいさんがいなくなって、心配する日々のほうに慣れ親しんでいるから、別の生き方がこわいだけよ。(p97)

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Posted by ブクログ 2013年04月26日

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 子供は、気を使って無理に話し続けるということを知らないから、時として大人よりもロマンチックに沈黙を味わう。なにも言わないことによって、完璧にわかち合う。


 「やっぱりうちに来てごはん食べたら?」
 母は言った。ダイニングの小さなテーブルにすわる母の顔はいつものとおりに見えた。やは...続きを読むり私だけが違う宇宙にいたような気がした。ずっとこの家で続いてきたこの平和な風景の一歩外側には、様々な人の心が生み出す様々な色の空間がひしめいている。それを思うとどきどきした。この夜の中に満ちている果てしなく深い孤独の色彩……それに直接触れずにいるために、みな家の中を飾ったり、大きな木に体をあずけてすわったりするのかもしれないと思った。




朝早く起きて、庭で水を撒いた。(略)
 虹を作りながら、泥の水たまりに映る美しい空、流れて行く雲を見ながら私は思った。こういう小さな、笑ってしまうようなことが、人生を作る細胞だと。ていねいに感じることができるコンディションでいることはむつかしい、そのために私は、空や、草花の息吹や、土の匂いがとても必要だ。それで私は裕志に、旅行にでも行こうか、と言いたいと思った。なにかいい景色でも見ないと、この気持ちが漬物みたいに濃く漬かったまま固まってしまう。温泉にでも行って、濃い緑や谷を見ながら露天風呂に入って、まずいおさしみやしし鍋を文句を言いながら食べたら、元気になるかもしれない。濡れた庭石が光っていた。とてもきれいだったが、私はもっと大きくて美しいものを見たくてたまらなくなった。



あんたたちほどぶらぶらしていられる子たちは見たことがないよ。と言った。
 それもそうだ、と私は思った。浜辺でぶらぶらしているということは、想像の上ではやさしいが、実際はむつかしい。だんだん服も髪も手も潮風や砂で汚れてうっとうしくなってくるし、飲み物や食べ物なんて一瞬のうちになくなってしまうし、それを超えてぼんやりとすわったり寝たりするには、時間に対する感覚を少し変えなくてはいけない。私は庭にいてそれを学んできたし、裕志はもともとあてがないから、それが苦もなくできるのだと思った。



 「本気でいろいろなものを見ていると、どんなに小さなものの中にも、ニュースを見ているよりももっとすごい真実味があるのよ。」
 と私は言った。生き物が死んだり、腐ったり、土になったり、虫同士で争いがあったり、洗濯物にとんぼが止まったり、さっきまで晴れていたのに雲がどんどん流れてきたり、家の中の物音でお母さんのきげんが悪いのを知って、買い物にすばやく行ってあげたり、ちゃんと見ていれば、外側に求める必要がないくらいに、心は忙しく働くのよ、と。




 なにかが治っていく過程というのは、見ていて楽しい。季節が変わるのに似ている。季節は、決してよりよく変わったりしない。ただ成り行きにたいに、葉が落ちたり茂ったり、空が青くなったり高くなったりするだけだ。そういうのに似ている、この世の終わりかと思うくらいに気分が悪くて、その状態が少しずつ変わっていく時、別にいいことが起こっているわけではないのに、なにかの偉大な力を感じる。突然食べ物がおいしく感じられたり、ふと気づいたら寝苦しいのがなくなっていたりするのはよく考えてみると不思議なことだ。苦しみはやってきたのと同じ道のりで淡々と去っていく。











あれ、これかなーーーり前に読んだのに、なんで登録してなかったんだろ。ふしぎ。たぶん一月?メヒコから戻ってきて、まだいろいろ考えてはひたってた時に読んだ、からよけいおもしろかった。経験は読書を豊かにする。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

その二人が一緒にいる事は、運命…
繊細な心を持った孤独な裕志と、彼に寄り添うけれど強い心を持ったまなか。
身近な人や犬の死の悲しみから、二人で、周囲の優しさに助けられながら少しずつ立ち直っていく。
なんだか、4年前に父を亡くした私の母が、少しずつ立ち直っていく姿と交差して、心に沁みる…

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Posted by ブクログ 2021年04月20日

ハネムーンということばがもつ甘い響き、喜び、未来的な感覚とはどこか違う、静かでどこか悲しく、過去に向かうそんなハネムーン。
若々しさということばは似つかわしくなく、牧歌的でどこか乾いた草のような、そんな懐かしい香りがしてきそうだ。
作品そのものの力に、MAYA MAXXさんの挿絵が加わり、物語が確か...続きを読むな輪郭として現れてくる。
死のにおいが漂い、世界から取り残されてしまったような中でも、幸せは確かに存在し、何かのはずみで生命はまた生きる力を取り入れる。痛みに満ちた人生であったとしても、幸せが存在することは揺らぐことのない事実だ。

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Posted by ブクログ 2020年11月25日

「苦しみはやってきたのと同じ道のりで淡々と去っていく。 」


ユニークな家族構成を持つ二人の男女のリリカルでふんわりとした空気の中での痛い、心が痛くなるような切ない物語。

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Posted by ブクログ 2018年12月03日

裕志が繊細でナイーブで痛々しかった。少し前に身近な人が死んで裕志と同じ情緒になった時、もう少ししたらまた大切な人が死んでしまうんじゃないか、怖くて恐ろしくてビクビクしながら生きていた時を思い出して辛かった。
そんな中で、吉本ばななの表現のところどころでグッと来すぎて心がいっぱいだった、、。
うーむ、...続きを読むうまく感想書けない

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Posted by ブクログ 2018年06月14日

よしもとばななさんが本を書いて伝えたいことが、この本にはすごく素直に真っ直ぐ綴られているように感じました

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Posted by ブクログ 2018年05月15日

自由だ自由、フリーダム。自由っていってもちんこ出して街を歩き回ってビーチでうだうだするようなやつじゃなくて、あいつらはただの変態なわけで、夫婦で一緒に海外旅行に行って、でもって部屋で旦那を待たせてる間にお出かけして、でもって店で気持ちいいから生ビール飲んでから帰っても二人とも普通にハッピー、みたいな...続きを読むやつだ。って書いてあった通りだけど。そんなハッピーに自由に生きてたらきっと幸せじゃないか。
そしてサイドストーリーのカニバリズム宗教の話がいやに怖い。こっちがメインでホラー映画作れそうなくらいに、映像かしたらこっちの話が子どもたちのトラウマになりそうなくらい。
というわけで何がメインなのかよく分からなくなったけど、表紙の絵はち○こじゃねーかっていうのが一番気になる。嘘だけど。

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Posted by ブクログ 2017年09月29日

いつものじんわりとかあったかい光よりは
ずっと深くて暗くて底の方をさまよう心地がした。
でもきっと、そんなところから
仰ぎ見る空や光や生きている証が
この世界をとてつもなく美しくしている、
そういう感じがした。

最後まで読んだら
急にタイトルがしっくりきた。

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Posted by ブクログ 2017年09月14日

すごく美しい表現がきらきら散りばめられ、世界はそして人生はとても美しくオーストラリアに行きたくなった。しかし、登場人物の境遇は特殊なのに、とても退屈な流れで、全然読み進まなかった(笑)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年11月21日

「しかしいくら裕志をじゃまに思っても、かけがえのない人間をずさんに扱うほどにはばかではなかった」・・・耳の痛い言葉です。私ばかなんだやっぱり。

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Posted by ブクログ 2016年01月10日

MAYA MAXXはわたしの好きな映画no.1であるLaundryの劇中画を描いている。本屋でたまたま見かけて絵の吸い込まれる感じに惹かれて手に取った。その名もハネムーン。しかも行き先はオーストラリア。こういうのを縁という。

よしもとばななは、日常の風景描写がうまい。MAYA MAXXのようなおと...続きを読むぎ話のような世界観で庭や伊東を書いたりする。そうしているうちに心象風景が混ざったりする。父親が思想家だからか?やわらかく透明でイノセントなかんじ。
ちなみに、山崎ナオコーラもところどころ似てる。


どの作品も地に足の着いていない、反経済人たちが繊細な感受性でのらくら生きて、ちょっとだけ成長していたりする。世界 対 主人公と彼彼女が信頼するごく少数の人間関係。どれもこれも、同じ。でもなんかたまに無性に読みたくなる。
きっと少しだけ心が弱った時だろうか。

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Posted by ブクログ 2015年11月09日

複雑な家庭環境で育った裕志と
隣の家に住むまなか。
裕志の痛みを共有し 自然の流れで共に暮らすようになった
ふたりの再生物語。
暗い内容なのに どこか清謐で暖かみのある文章で
少し明るい未来が想像できるエンディングが
よかったです。

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Posted by ブクログ 2014年11月07日

よしもとばななさん、この人の美しいものに対する感覚はとても共感できて、泣きたくなる。
この本読んで、やっぱりそうやと思えた。

離婚とか不倫とかの話が小説にはよく出てくるけど、私にはそういうことはやっぱりわかんない。
子どもやからかな。
でもわかりたくもない気がする。

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Posted by ブクログ 2014年08月24日

【本の内容】
世界が私たちに恋をした―。

別に一緒に暮らさなくても、二人がたどる道はいつも家路で、二人がいる所はどこでも家だ…。

互いでしか癒せない孤独を抱え、剥き出しの世界へと歩き始めた恋人たちの旅立ちを描く。

限りない清らかさと生きることの痛みに彩られた静謐な愛の物語。

[ 目次 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2014年05月09日

久しぶりの吉本ばなな

エンディングの数ページは、哲学的だけど幻想的で吉本ばななの世界観が溢れていた。特別な物語展開があるわけではないのに、しっとりと心を満たしてくれる。優しい言葉の力で、読む人を安心させてくれる一冊だった。

まなかちゃんの生き方は理想だけど、若い人があんなに悟り切るなんて現実では...続きを読むすごく難しいだろうな。だからこそ魅力的なんだけど。

悩みを抱えて悶々としている時に、ぜひともよみかえしたい。

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Posted by ブクログ 2014年01月29日

著者が描く淡い独特の世界の中に、人間の緻密な感性や起伏する感情がささやかに色をさすような、穏やかな一冊です。際立って目立つような人物がいるわけでもなく、どちらかといえば地味で大人しい主人公たちだけれど、言葉で言い表せないような鮮やかさ、というか、丁寧さをまとって生きているのが、ページをめくるたびにし...続きを読むみじみと伝わってきて、悲しいわけでもないのに、胸に熱く響きました。生きるというのは、ということを、登場人物たちの日常を通して伝えてくれる本です。壮大であったり派手であったりする必要はなく、ささやかなところに人生は広がっているんだなと、読んでいる私たちの生活に小さなアドバイスを与えてくれるような、手放せない一冊でした。

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