【感想・ネタバレ】幸せへのセンサーのレビュー

あらすじ

「幸せってそもそも何でしょう? 59年間生きてきてわかった、幸せっていうのは、つまりこういうことじゃないか。こういう考え方をしたら自分にとっての幸せがどういうものかわかってくるはず。ということを、お話ししてみます。」吉本ばなな


幸せはオーダーメイド。
いつでも、自分に合わせた形で取り出せる。

・何が耐えられて、何が耐えられないか。自分の体のセンサーを信頼する
・周りに合わせながらも「自分は本当はこう思っている」ということはわかっておく
・普段は仮面をかぶって、自分らしさは家族や友人など少数の人に発揮する
・シュミレーション通りに行かないことを情熱を持ってどんどんやってみる
・誰と何をしたか、いちいち人に言わない。自分しか知らないことを作る
・弱っている時は、優しい言葉で話せる人、気持ちが安らぐ人と過ごす

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読んでいるだけで気持ちがスーッと楽になる本。
つらいときは「そういう時期なんだな」と受け入れることが重要だと思った。

0
2025年09月21日

Posted by ブクログ

吉本ばななさんの本ははじめて読んだけど
深い哲学がとてもわかりやすい言葉で語られていてよかった。
自然に、楽に、体の直感やセンサーを大事にして暮らした方が幸せになる。それも徐々に小さな変化を積み重ねて。という話は、自分が病気になってから考えてきていたことを改めて言語化してもらったような気分だった。
「自分から行くのと向こうからくるの50%ずつくらいがちょうどいい」など覚えておきたい言葉もたくさん。手元に置いてたまに開きたい一冊

0
2025年06月29日

Posted by ブクログ

◎メモ

・自分の体の感覚を大事にする。体が自分の正しい方向を教えてくれる。

・死ぬ時はどうせ幸せと思えると、気持ち的に楽。何事も追い求めすぎると、しんどくなる。固執しすぎないこと。(105)

・違う自分になるために成長しようとするのでなく、今の自分の特性や個性を活かして活動していく方がよっぽど大事だし自然体でいられる。

・1日の中で楽しい時間帯は少なからずあるはず。だから24時間全てが不幸ってことはなかなかないと思う。


◎ページ
15,27,40,43,45,86,105,106~111,130,132,133,140,150,151

0
2025年04月21日

Posted by ブクログ

家においておきたい本です。自分のセンサーに正直に、それを評価せずそのまま感じることの難しさも感じたり。
また節目に読みたいです!!

0
2025年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

付箋がたくさん。ばななさんと年代が近いのと、文章が素敵なので、納得する箇所ばかりでぶすぶす刺さりました。
素敵なエッセイでした。

0
2025年10月17日

Posted by ブクログ

なんか運のいい人とか、イキイキしている人は幸せのセンサーが働いているんだなぁと思った。決してスピリチュアルなことを全面的に信用しているわけじゃないけれど、なんか間の悪い人とか切れない関係とか自分の感覚をちゃんとすると避けられたりよくしたりできることに思い当たることがちらほらあって、それは人それぞれのセンサーの良し悪しなんだと実感。ただどーんと落ち込むよりもこういう意識を少し持つだけでもちょっと前向いて進めそう。

0
2025年07月28日

Posted by ブクログ

大きな流れに身を任せる。
ばななさんの作品は好きで何冊も読んでるけど、この作品を読んで「ああそういうことか」と腑に落ちる部分があった。

目の前の幸せ、わかりやすい幸せに飛びつきそうになるけれど、グッと堪えて自分の幸せを考えたい。

0
2025年06月17日

Posted by ブクログ

知人と話していて、自分の中にある幸せのセンサーがどんどん少なくなっていっているという話になり教えてもらった本。
自分の心の中のサンサーを閉じ込めて大人になっていたけど、子育てを通して思い出しつつあったことを思い出した。
子どもと一緒じゃなくても、自分の心のセンサーをもっともっと敏感にしていきたいと思った。

0
2025年05月17日

Posted by ブクログ

幸せになるためにはどうしたら良いか、という方法論ではなく、吉本ばななさんの考え方が記された一冊。
とても深く、紡ぐ言葉はさすが作家さん。共感する部分も多く、あっという間に読み終えてしまった。
印象的だったのは、自分を豊かにする秘訣として、
いちいち人に言わないようにすることが大事だと述べているところ。自分しか知らないことが実は大切、という考えが自分の中でストンと落ちた。これが自分の軸に繋がっていくんだなと。自分自身は、SNS での発信はしないけれども、大事にしようと思った考え方。

0
2025年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

半分は自分で決めること、半分は向こうからやってくること(宇宙)

自分を全て発信しない、自分の中にある考えを自分の中に留めておくことで、自分の空間ができる。自分だけ知ってることを持って自分を熟させる

段階にそって人は変わって行ってるのだから、何かを変えたい時も無理にではなく、段階に沿って変えていく

今流れているものには全てが終わりくる、死の前には全てが幸せだったと感じる

自分の気持ちを過小評価しないでそのセンサーを信じて行動する、そういう心の声に従うことで出会える縁がある

自分に矢印が向きすぎてる時人は幸せじゃない

周りに合わせるけど自分はこう、自分の思いを忘れない

自分の感覚が変われば見える世界が変わる、時の流れ、ながれていく

何かに夢中になってるひとって安定して見える、安定してる人といると幸せだなって思えて、誰かにしてあげられることって実はこういう方法以外ない

0
2025年03月04日

Posted by ブクログ

今自分が欲張りすぎていることに気づけた作品。
仕事では苦手な人に対しても自分から接することが必要なときもあるけれど、そんな時にはもっと力を抜いてもいいように感じた。具体的には苦手な人と相手をする→何故か反応が悪い→自分の説明が良くなかったから⁇→もっと上手に対応しなければ。
こんな考え方を継続して続けるのはしんどい。
私を嫌いな人はこちらも手放していい。
この言葉は私の心を随分と軽くした。
また序盤の快不快センサーの話は具体例の部分が
非常にわかりやすく、腑に落ちた。
私ももう少し自分のセンサーに対して鋭くありたい。

0
2025年02月04日

Posted by ブクログ

幸せな人生を歩むためのものの考え方や行動指針について、吉本ばななさんが自分の意見を語った本。
けっして押し付けがましくなく、それでいてハッとさせられる箇所が随所にあった。
母の誕生日プレゼントにこの本を送ろうと思った。

0
2025年01月19日

Posted by ブクログ

以前から気になっていたので、読むことができて嬉しかったです。

心が救われる言葉があって良かったです。ダメな時の自分だからこそ分かることや学べることがある、という文章を読んだ時は、なんだか心がホッとしました。

もう一つ良かったと思うのは、
言葉の意味を定義してくれて、自分が抱いていたイメージと照らし合わせて読めたことです。例えば、自分を愛するとは、安定とは、人が生きる意味とは、芸術の意味とは、など。

一番思ったことは、
自分自身のセンサーに敏感になって、もっと自分の好き嫌いを打ち出してもいいのではないかということです。
それが自己表現になるし、生きている意味の根源であると思うからです。

印象的だったことは、
自分のことだけを考えていたら自家中毒になるのは当然、という内容。
なぜかというと、外の世界を含めての循環が止まるから。だから心が病む。

自分自身のセンサーに敏感になりつつ
、同時に外の世界にも心を開いておく。バランスを保つのは難しそうだが、そんなふうに生きていけば少しは生きやすくなるのかなと思いました。

0
2024年11月26日

Posted by ブクログ

吉本ばななさんの本は日々の生活の中でずれてしまったり狂ってしまったパーツをリセットしてくれる修理屋さんのような存在だ。考え方自体が自分の中にあるもので、それを言語化して明確にしてくれたり忘れていた気持ちを思い出させてくれる。また読み返したいな

0
2024年11月09日

Posted by ブクログ

2024.10.29
極めて真っ当な著者の気持ちが綴られている。その真っ当なことを「実行する」或いは「辞める」ことが難しいのが「同調圧力の強い」世の中に生きている証しなのだろうとも感じた。

0
2024年10月29日

Posted by ブクログ

あとがきに、ライターの人と「幸せ」に対する意見の相違があり、原稿を大幅に改稿した旨が書かれていた。
「いつか自分が本当に書きたかったことが書きたい」ともあったので、おそらく100%本意で書かれた本ではないのだろうけど、私はこの本の随所に頷いたし、参考になった。

エッセイのような実用書のような1冊で、内容はタイトル通りなのだけど、自分なりの「幸せ」を見つけていくために自分が持っているセンサーに敏感に、そして正直であろう、というようなことが、語り口調で書かれていて、とにかくするする読めた。
今年はじめに同じく吉本ばななさんの「『違うこと』をしないこと」というエッセイを読んで、私は今まで『違うこと』ばかり選んで生きてきたのかも…と思い、もっと自分の思うこと(センサー)に正直になりたい、と考え、その他にもいろいろな読み物や出来事から自分の在り方について見直しながら今年の後半まできた。
結果的に、センサーに正直になることは、前よりは出来ていると思う。自分のセンサーを疑わないことが、最終的に自分が向かいたい場所に近づけてくれるのだとも感じている。完全一致は難しくても、1ミリでも近づくために、日々の違和感を無視しないことが大事になってくる。

なんか書いてるとどんどん宗教くさくなってくるんだけどけしてそういう感じではなく(笑)、日々感じる小さな違和感をかんたんに潰してしまわないって、考えてみれば当たり前のことなのだと思う。
仕事が絡んでいるとか、どうしようもないこともたくさんあるけれど、違和感があったこと自体は無視しない。そうしていくと、自分が望む生き方のために何をどう判断すればいいのかが、だんだんとわかってくる。

大人になればなるほど、「好き」に正直になることが難しくなっていく。でも世の中を見ると、他人の目や意見など意に介さず、自分がやりたいようにやって好きなように生きている人も、少なからずいる。
少しずつでいいから正直になっていくこと=センサーを磨いて無視しない、ということ。
まずは自分についた余計な垢を落とすところからだ、と、読みながら思った。

0
2024年09月28日

Posted by ブクログ

「脳よりも自分の体のセンサーを信じたほうがいい」っていうメッセージが、つい理屈で考えがちな僕にはすごく刺さりました

身体の変化に逆らうんじゃなくていい状態をキープするって考え方や、損得で動く人って良さげに見えても信用しきれないよねってところも、普段周りの人の話を聞きながら抱えてたちょっとした違和感が言語化されててスッキリでした

心と体のバランスをやさしく整えてくれる一冊でした

0
2025年12月09日

Posted by ブクログ

Audibleにて聴書。
あっと言う間に終わった。体験をベースに話すエピソードは聴かせるが、それ以外の「〜だと思う」の部分が弱いと思う。にせよ、流行作家のこころの現在地か伺えて面白かった。

0
2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社会生活を営むにつれ本来の感覚が
不要なものとして麻痺させられていく。
スピリチュアル扱いされるかもしれないが、本当にこういうことはあると思う。

辛いのに通常運転の相手に合わせて振る舞わないといけない
というのがすごくよく分かる。
それで無理矢理テンションを上げてリハビリになることもあるが、
ただただ負担になるときは避けられるなら避けるべきだ。

自分を肯定するのではなく、受け入れる。
自分の感覚をスルーしない。
割と、啓発本なんかでも言い方が違うだけで
同じことを言っているなと思うし
それが本当は基本的な大事なことなのだろうと思う。
中々うまくはできないけれど。

0
2025年07月13日

Posted by ブクログ

独特の雰囲気のエッセイ。
自分が、センサーの感度をうまく使えなすぎてこの本にたどり着いたように思う。
「負のモードをどうして抜け出せないかって言ったら、自分のことばっかり考えているからだと思うんです。」なんか納得した。

0
2025年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉本バナナさんの、幸せへのセンサーを聴読して。
1人家の中で家事をしながら、オーディブルを使って聴いた。
ナレーターの千葉雄大さんの低くてやわらかい声がとても心地よかった。

さて、内容について心に残ったことは、
自分の些細な快、不快といった感覚について。
大人になるとそれらは、案外我慢できてしまいスルーされがちであると。
けれど、そういった積み重ねによって心のバランスが崩れてしまう。
だからこそ、自分の「ちょっといいな」「これはなんかやだな」の感覚をもっと人は大切にするべきだと。

また、身体を極端に変えようとすることについても印象に残った。
本当は、不調ではないのに外からの価値観で自分を変えようとするのはかえって自分を幸せから遠ざけると。
もっと自分の感覚、繊細な部分を大事に生きたほうがより自然で無理のない幸せに繋がるのだと感じた。

さらに、自分がどんな時に調子が良くて、どんな時に悪くなるのか知っておくと、自分を整えやすくなるという言葉にも納得した。

そこで、自分はどんな時に調子が良いのか考えてみた。
私が調子いいなと感じる日は、快晴であることが多い。空をみているだけで晴れやかで幸せな気持ちになれる。
一方、調子が悪い日は曇っていたり雨だったりすることが多い。
ただ、本の中で「例え曇りでも誰かのバースデーだ。」と言っていた。確かに、どんな日でも誰かの誕生日だ。そう思ったら曇りや雨の日も気持ちが下がるのを抑えられるような気がする。

些細なことだけど、晴れの日に心が好調になる私にとっては大きな変化だ。

もう一つ心に残ったことがある。
それは、何でもかんでも他人に伝えないということだ。
今日何をしていた、どこに行っていたか他人とシェアしやすい世の中になった。
ただ、自分だけしか知らないことのなかに豊かさがあると筆者は語っていた。
確かに、他人に共有すると消費されてしまう感覚がある。
共有したとたんに、自分の中で言葉にできなかった感覚を忘れてしまうような気がする。
自分の中の感覚を大事にするには、留めることも大切なのだと思った。

本では、この他にも沢山良い言葉を聴いた気がするが、なんせオーディブルで家事をやりながら聴いていたから聞き流してしまった部分も多い。

オーディブルで聴くのが慣れたら、もう一度聴いてみても良いかもしれない。

0
2025年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすかった
もう少し年を重ねてからまた読みたい。

以下抜粋。
・ああ、今バランスがいいなぁ、と思った時のことをよく憶えておこと。同じ状況を麻薬的に再現することを求めるのではなく、いろんなパターンで心身が似た良い状態になる場面を増やしていくこと。

・どんなに辛い今でもやがて過去になる。流れる時に抗わず、過去に別れを告げることができれば必ず次に行ける。これ以上頑張れないと思ったら力を抜いて流れに身を委ねたらいい。

・自分の感覚をスルーしないで育て直す。
何が耐えられて、何が耐えられないか。好きで嫌いか。軸足を自分に戻すことからしか、自分の幸せは始まらない。
刷り込まれた価値観を外していく。

・今はすぐにSNSで自分のことを話してしまうけれど、自分しか知らないことを持っておくことも大事。人に話さなくてもいい。

・悲しいときは他のことで紛らわせずに、とことん悲しむ

・幸せは、愛を持てること。日々の生活の中に自分にとっての幸せを見つけながら、ただなるべく夢中になって生きていけばいい

0
2025年05月09日

Posted by ブクログ

今モヤモヤ悩んでる事。自分でもうっすら気づいている事。もしかしてソレもありじゃね?って事に肯定も否定もされた感じ。ただ、作中のエピソードには同感できる箇所も多数あって、年齢を重ねた者に共通する人生観は合致した。

0
2025年04月13日

Posted by ブクログ

愛するとは肯定することではなくてただ受け入れること、だめなままの存在を認めること。自分が幸せということは自分だけが分かってたらそれでいい。

0
2025年03月24日

Posted by ブクログ

久々にハードカバーで本を読んだ。読んでいる実感がものすごくある…!これは新発見。
"もう私は読まないから"ということで譲っていただいた本。ちょうど吉本ばななさんの小説を読んでいたことを知ってのことだと思う。内容も、今の私の状況を見ておすすめしてくれたのだろうと思う。
自他境界が曖昧になりがちな自覚があるので、ここ数年意識的に境界線を引こうとしてるつもりだったけどこれが意外と難しい。何でもかんでも人に話さない、迎合しないで自分の好みや違和感に敏感になる。すぐに変えるのは難しいけど頭の片隅に置いておきたい考え方。

0
2025年03月15日

Posted by ブクログ

平易な語りかける文調で書かれていますが、含蓄に富む言葉がたくさんありました。

自分が受け取った主なメッセージは、自分を信じることと、それでもダメなら宇宙の法則のような大きな流れに身を委ねるということでした。

テレビに出演された時も「違和感」という言葉を使ってましたが、自分の感覚を大切にすること。自分の力ではどうにもならない時は諦める。限界が見えたら、謙虚にもなれる。

また、公の場で思いやりを持たず、はきちがえた自由をまき散らすことは品性に欠けるという言葉もありました。

謙虚とか品性って、大切なことだと思うのですが、日常生活ではつい忘れがちです。この本のメッセージとともに、心に留めておきたいと思いました。

0
2025年02月24日

Posted by ブクログ

聴いててとても学びになる。「夢中で生きることを求めてるんじゃないか。」「幸せって愛をもてること。自分の生命体に対しての。」この文章の半分もわかっていない気がするし、なぜか少し嫌な気持ちになる部分もあったのだけど、言葉一つ一つにたくさん考えさせられた。なんで嫌な気持ちになった部分があったんだろう…

0
2025年02月14日

Posted by ブクログ

幸せとはなんなのか。

自分のキャパを超えたことをしてはダメ。
自分が弱っているのに無理しても良くない状況にしかならない。

ダメな時こそ、その時にしか見えない部分や気付かないこともある事に気付かされる作品でした。

0
2025年01月28日

Posted by ブクログ

ううーん、あまり好きな本じゃなかったなぁ。吉本ばななさんのエッセイは初めて読んだけど、やはり小説の方が好き…言葉が強いのかなぁ、すごくビクビクしながら読んだ。

p.20 仮面を被るというと本心を押し殺して生きるみたいなネガティブなイメージがありますよね。だけど、社会生活を営んでいる以上、誰もがある意味、仮面をかぶって生きることからは逃れられないじゃないですか。
だったら、オタクでもギャルでもヤンキーでも何でもいいんだけど、そういうわかりやすい仮面をかぶっておいて、その中の自分を大切にするというのもひとつの方法です。「数字は苦手だけど、運動は得意な人」とかね、「別にそう思われても構わない」くらいのわかりやすい仮面をかぶって、そこから始めていく方が、ほとんどの人にとっては楽だと思うんです。
そもそも「自分らしさ」なんて、社会はさほど求めてないですから。才能以外の自分らしさは家族や友人など少数の人に発揮すれば良い。

p.55 私がそれを痛感したのは、本当に伸の良かった友だちを亡くした時でした。そ
の直後に愛犬も急死した。
いろんなところで書いてきたことですが、あまりにも悲しくて、何にもできなくなっちゃった。ただひたすらに悲しくしていたくて、誰にも会いたくなかった。
誰かに会えば、相手は通常運転なわけで、こっちもそれに合わせて振る舞わなきやいけなくなるじゃないですか。むりして、自分の気持ちに嘘をつくこともしたくなかったので、仕事以外は本当に誰にも会わずにいたら、何人かの人に「自分と縁を切ったのか」と言われました。もちろん、その都度、丁寧に説明しましたよ。「いや、そうじゃないんだ。誰だって、友だちが死んだらそうなるでしょう」と。結局一年くらい、不義理をすることになりましたが、そうして良かったなと思います。次に人に会う時も、むりせずに済みましたから。一年が長いのか短いのかはわからないけど、私には必要な期間でした。
そういう時って、たぶんこのくらいかかるんだろうなって、生き物のカンで、なんとなくわかったりするじゃないですか。焦っても、あまり変わらない気がします。その時間が経つ間を、なるべくどういうふうに過ごすかくらいしか、できることってあまりない。
自分にとって楽な人と過ごすとかね。優しい言葉で話せる人、気持ちが安らぐ人と過ごす。会いたくない人には会わない。ひとりの時間を持つ。とにかく、自分に無理させないことですよね。

p.141 夢中になれることがない、と思った時に、〇〇をすれば、その期間やるべきことがあり、達成感があり、その間は夢中になれるじゃないですか。極論を言えば、何だっていいんですよ。夢中で生きられるなら。
誰もが夢中で生きられる道を探しているんだと思うんです。
自分が今何に夢中になれるかは、自分にしかわからない。それがわかっている
人は、少なくとも人から見たら、安定して見える。
個人が安定しているって、それだけで、他者にも役に立つことですよね。
不安定な人といるより、安定している人といる方が、幸せですよね。それ以外に、人間が他者にできることってないと思うんです。誰かに何かをしてあげることって、本当は要らない。ただその場にいるだけで「なんかあの人に会うと安定するな」「気分がいいな」っていうこと以外に、他人にできることは究極ないんじゃないかって。
それがわかれば、「こんなにしてあげたのに」という気持ちにはならないはず。
相手の望むことをしようと思いすぎると「こんなにしてあげたのに」って気持ちがどうしてもでてくる。相手のためと言っているけど、それって要するに自分の欲望なので、必ず相手にも伝わりますから。そういうのを減らしていったほうがいい。
感覚的なことだけど、きっとみなさんわかると思うのですが、そういう人と話していると、空間がなんとなく濃くなっていくことがありますよね。ネガティブな感じで濃く、冷たく、重たい感じになってくる。そうしたら、その手前でやめるとかね。
距離というより、濃さですよね。
人と人の関係ってお互いの流れの中での濃淡みたいなこと。その手前で切り替えて、薄くしておく。濃さの中に身を浸していると人間って疲れちゃうので、濃いなと思ったら、引き返す。それだって、体の感覚ですよね。
快適であるということが幸福にとっていかに大切なことか。引き際とか切り替
えみたいなことが大事なんだと思うんです。
これも極論かもしれませんが、人間って結局群れにならないと生きられない生き物じゃないですか。今、この世にあるたいていの問題って、人間が単独では生きられないから起きている問題がとても多い気がします。人間関係が難しいのが不幸の源ですよね、たいていの場合。
仲の悪い人が死んでもそこまでダメージをくらわないけど、仲のいい人が死んだらものすごいダメージをくらうみたいに、親密になればなるほど、悲しみも深まるというのが人生のパラドックスだと思うのですが、それもさかのぼっていくと、もともと群れだったから。群れじゃないと生きられないという本能とか、習性が一層その傾向を強めているわけです。
そう考えると、何事も、自分だけの問題だと思ってしまうと何も解決しないけれど、しょうがないか、人間の習性だから。だから他者は必要なんだ、助け合うんだ。というところまでさかのぼってしまうと、軽くはならないけれど、楽にはなる。
本当に悲しい時でも、でもみんなこういうことを体験したんだなとか、だから好きな人たちには味わってほしくないな、そういうふうに思うことで楽になったりする。そのあり方を知ったほうが、欲望をひたすら追求するより、よっぽど幸せに近づくんじゃないか。欲望というキリがないものを追い求めていくより、悲しかったり、つらかったりして、「でも、ほかの人もきっとこうなんだろうな」と思う時、何か美しく変わっていくものがある。それって、俯瞰してるわけじゃなくて、もっと今を生きる系のことだと、私は思ってるんです。
ひとりでも幸せになれますよ。
でも、ひとりで幸せになれたら、みんなも幸せになれたらいいなと思うのが、生き物としての自然な流れだと思うんです。この世で起きている問題を、全部他人事みたいに思えたら楽だけど、全部つながっているから、必ずひとつくらいは自分にかぶってくる。
だんだんわかってくると思うんですよ、年とともに。「お、前もこれ経験したけど、こういう時はこうするといいんだな」というのができてくるというのが、人生のいいところですから。常に自分を安定させることが自分だけでなく人の幸せなんだなって、本気で思えれば、できるようになるんだと思うのです。




0
2024年12月02日

Posted by ブクログ

幸せについて考える。同じことが起こっても人によって感じ方は異なる。良かったと思う人もいれば、残念だと思う人もいる。無くしたものを数えるより、今あるものを数える方が気持ちがラクになる。
先日、大切な人が亡くなった。言葉を交わすことはできないけど、ずっと私の心の中に生き続ける。

人に感謝したり、自分より人のことを考えている人は幸せの感度が高くなると思うのである。
自分のことばかり考えてよく見せようとする人は、周りの人からはその気持ちが透けて見えていることに気づかない。その結果、自分にとって幸せと思える事とは異なる反応にもなる。

あとがきに書かれている事も一冊の本にできそうだ。私の師匠は、やりたくない事は無理してやらなくていいと言う。やりたい何かがあれば、それをやっている時が一番幸せだと思えるようになってきた。
しかし、これも人によって感じ方は異なるだろう。
もっとセンサーの感度を良くしていきたい。

0
2024年10月30日

「エッセイ・紀行」ランキング