【感想・ネタバレ】はーばーらいとのレビュー

あらすじ

信仰と自由、初恋と友情、訣別と回復。
淡々と歌うように生きるさまが誰かを救う、完全書き下ろし小説。

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Posted by ブクログ

宗教2世のような題材は読んでいても気が重くなり、なかなか読み進めるのが大変になりがち。しかし、ばななさんの文体は軽やかさがあり、どんどん読み進める事が出来た。きっと最後はいい方向に向かってくれるのではないかという希望があるからかな。
あとがきに、ばななさんのいちばん好きなシーンが書いてあったが、私も同じシーンが印象に残っていたので、嬉しかった。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

まず装丁がめっちゃくちゃ素敵
ばななさんのお姉さんの絵だそうで、この絵がなんとも良い、、
内容は結構ハードなのに、ばななさんの過剰な表現をしないところとか、変に起承転結をはっきりしない感じがまたリアルでもあり読みやすく、2日で読み切ってしまった。すごく良い本、、あとがきもよかった

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

社会の歪みとか不条理さを実感していなかった
学生時代に、この本を読んでいたら、
「へぇ〜」で終わっていたような気がする。

でも今読むと、
自分が“正しい”と思っている価値観が
大切な人とずれてしまうことの切なさが
痛いくらいに分かる。

“悪い人じゃない、でも自分にとっては悪だ”
そんなことばっかりだよ。世の中。

だからこそ、この物語の主人公の
ひばりちゃんとつばさくんの
不器用で誠実で温かい人柄が
愛おしくて愛おしくて。

絶滅危惧種かもしれないけれど
腐らないで生きてほしいし、
私もそういう人間でありたいと思う。
なんかもう本ごと
ぎゅって抱きしめたいくらい
2人が大好きになった。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

美しいはずなのに苦さのあるお話でした。

宗教=洗脳 というイメージ(事実だけれども)から
教徒以外は良い印象がないけれど、教徒からすると
そのコミュニティがファミリーで、帰る場所で、守られる空間。宗教の非常に難しいところを親子関係というこれまたセンシティブな内容でしたが上手くまとめられていました。

また、女性側の宗教のコミュニティと男性の家族コミュニティの絆がある意味対になっているのかなとおもいます。

大切にしたい、傷つけたくない。だからこそ手放さない。関係が難しいなと思いました。主人公の未来はきっと苦労が多いと思いますが、良いものになりますようにと願いたいです☆⋆*

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ひばり、自由に空を高く飛ぶ名前が付けられてて、必ず自由になってほしいと切に願いながら読み終えた。つばさの行動があって自由に自分であれたの良かったな、、それにしても、表紙の装丁とはじめのページの文から想像した話の内容と違いすぎて、、!よしもとばななさんの作品は、切なくて女の子が魅力的で他にも色々読みたいな


p41 生きるのは今の連続があるだけで、理屈をつけてそこに生活を合わせてついていけるようなものじゃないよ。-周りに人がいてもたったひとりで考えるときだけ、人って強くなるじゃない。

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2025年06月25日

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宗教2世について。なにかを悪くしようと思って始める人はいないと書いてあって、確かにその通りなんだろうなと訝しむ気持ちが小さくなった。きっと信者の人も良かれと思っての言動なんだろうな。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

つばさのお母さんみたいな、軽やかで柔らかな強さを持つ人ってめちゃくちゃかっこいいな。
着替えたあとのつばさくんの描写も好き。かっこよくなりすぎないところがリアルで愛おしい。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

とてもばななさんらしい本だな、と。
宗教2世の話というテーマの下、普遍的な人間の本質みたいのを深く見つめる感じ。目を逸らさず、むしろ「見てやる」的な心で言葉を紡ぐ、その凄まじさすら感じる。さすがばななさんだな、と。

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2025年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ポテトチップスのうすしお味ですら、ひばりにとってはエリアビーチの潮の匂いを感じされられたのだろうと思った。

ずっと読むのがしんどかったし、施設を出る前によくないことが起きるだろうと思っていた。けどひばりはずっと踏ん張っていて笑顔の別れで勝ち逃げした。自分は逃げ出したかったところから笑顔で去る事ができなかった事を思い出す時があるけど、これができたひばりは本当にすごい。いちばん印象に残ったシーンだった。
また、作者あとがきでトイレで着替えるシーンについて「人が人を救う決定的な瞬間はああいうささやかな事だ」と言及しており、自分もふとしたことで救われたなあと重ねていた。友人、ありがとう。

自分自身、しんどかった時期を思い出して苦しくなる日が波のようにきて消えることはないけど、最近生きていて少しずつ本を読んだり人と話をして救われていってる実感がある。少しずつでいいのだと、この本を読んで再確認できた。

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2024年10月24日

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ネタバレ

あっという間ではなかったかもしれないが、あっという間に読んでしまった感…!
つばさとひばりの物語。
10代の2人がピュアで眩しい!
「みかんの会」というコミュニティの中に放り込まれてしまったひばりを、つばさが助けに行く…というお話。
こうやって簡単にあらすじにしてしまうと、何だか少女漫画的なロマンスめいたものを感じるかもしれない。
でも、この物語はちょっと違う。
…色々あっさりしている!
そう思うのはこのさっぱりとした読みやすい文章だからなんだろう…が、冷静に考えると(いや、全然冷静に考えなくても)この物語にはメチャクチャ残酷なことがたくさん起こっている。
つばさの父の死と、父の死によってマスコミに追い回されるつばさ達、両親によってみかんの会に入れられてしまうひばり、班長に指の骨を折られるひばり、フジ(もう1人の班長)にレイプされるひばり…等。
ひ、ひばりぃ〜〜〜!!!!!
彼女はあまりに可哀想な役回りだった…。
なのに、強かった。
酷い目に遭ったばかりで興奮状態になっていても、後できっとガクッと落ち込む時が来るんだろうな…その時やっと、本当に辛い気持ちになるんだろうか……
…とか、色々考えさせられた。
本を読み終わって物語が終わってしまっても、この子達の葛藤はまだまだ続いていくんだろうなと思った。
物語に触れてそういう風に思ったのは何だか久しぶりだった。
ちなみに「みかんの会」からひばりを助け出すとなったとき、つばさは1人で行動を起こさず、母親を従えていた。
何だかそこだけリアルに感じた。
つばさ1人だけでひばりを助けに行く!
…だと本当にロマンス全開だったかもしれないが、そうするとあまりに物語物語し過ぎるよな…。
そうしなかったその絶妙な塩梅がこの著者っぽい!



ひばりの言葉
「雑味こそが人生かもしれないのに」

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2025年10月15日

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吉本ばななさんははずさない。
主人公の女の子が絶妙なバランスの中で、その絶妙なバランスを超えて強さを持った子だというのが私は嬉しかった。何様だ。笑
この絶妙なバランスというのはやっぱり一歩間違うと、間違うというか何かの拍子みたいなものなのか、まあ崩してしまうと堕ちてしまうかもしれないものだと思うから
気づいたら近くにいてくれる優しさみたいなものを感じた小説でした。
宗教や、伊豆の海、ありありとその小説の世界に入れた気がします。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

やっぱり好き
セリフが長い。
それが好き。
ひとがひとを救うところ。
あるひとにとっての天国と、地獄と。
それぞれの価値観があるから。

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2025年06月28日

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久しぶりの、ばななさん。
阿部首相の事件を受けて、宗教について考えるとこがあり、書かれた作品。
小規模の宗教団体を否定はしないけれど、そので育つ二世信者は、自分の人生を選びにくいということがテーマ。
良いものだと思っても、押し付けにならないように、子供にも選択肢を持たせることが重要。

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2025年06月16日

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宗教2世の女の子ひばりと、その子を見守る男の子つばさ。説明くさいなーと思うところもあるけれど、リアルに宗教2世の想像ができて、つらかった。親子とは、を、考える。今後、宗教2世のニュースを見ると、見方が変わりそう。
2人がどんな形であれ、幸せでありますように。

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2025年02月16日

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読み始めて、「TUGM I」を思い出した
複雑な家庭環境で育った ひばり と幼馴染の つばさ 二人の関係は恋人でもなく、兄妹とも違うが不思議な結びつきだった 中学生の時に親が宗教施設に住む事になり離れ離れになるが19才の時に手紙が届く つばさと母はひばりの奪還へと動き出す

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

導入からとても静かで美しく、そして不穏な手紙が届き、どん、とタイトルが表示されてまるで映画のプロローグのようだった。
ストーリーは悲しくきつく、何故か透明で素敵でした。
こういう感じは吉本ばななさんにしか出来ない表現だと思いました。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

吉本ばななさんの本を初読み。若い男女の恋愛に近い友情、人間のドロドロとした部分、支え合う優しさ、理不尽な死や痛み、いろいろ描かれていてお腹いっぱい。「これは最後には、みんな幸せになれるのか‥?」と常に考えながら読み進めてた。話は淡々と進む印象。主人公のつばさが優しくて、行動も言動もイケメンすぎた。

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2025年11月11日

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ネタバレ

ずっと読みたいなと思っててやっと読めました!
扱ってるテーマは重いけど、会話中心に展開されているのでスラスラと読み進めることができました

親を信じたい、好きだった頃に戻って欲しいけど、
自分を捨てたくないというひばりの葛藤が
親子や家族の切れない縁というか難しい部分だと思いました(さっさと捨てればいいと第三者は思っても、簡単にそう出来ない理屈があるというか…
あとがきにもあるように安倍総理の射殺事件の犯人もそう出来たらあんなことは起こらなかった訳で。)

だけどひばりの根底の強さは、他人であるつばさやその家族との関わりから作られているというのが大事な気がしていて、、
私も周りの人だけでも、逃げたいと思った時に手を差し伸べたいし、SOSに出来れば気づきたい、と思った。

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2025年09月15日

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宗教二世のお話。

つばさ視点のひばりなので、言わんとすることは伝わるが宗教二世の方の心情は曖昧な表現という印象。


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2025年08月16日

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幼なじみの宗教2世を助ける話。

騙されてお金を取られる位ならまだ理解できるが(生活できなくなるまで注ぎ込むのは、もちろん理解不能だが)、住んでいた家を捨てて山奥で集団生活するほど、宗教にのめり込めるのは何故だろうか。あとがきには、教祖が大好きで、その近くに居る人は楽しそうとあるが?


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2025年08月15日

Posted by ブクログ

TUGUMIに続いて手に取ったばななさんの作品。同じ伊豆が舞台で、港町の情景がノスタルジーに包まれる。
共同生活を送る宗教団体から、ひばりが脱退するまでの話でした。
どんな良い教えでも形骸化してくると腐ってくるし、自分にとって良いことでも、強要することは、苦痛に思えることだってある。
周りから良いことだと勧められても、芯が強くないと妥協してしまいそうになるし、自分に嘘をついていることに精神の安定を失ってしまうことだってある。

幼馴染とその母親が暖かく救いの手を差し伸べてくれた。そして自由に舞い上がることのできる翼を与えてくれた。
それにしても、ひばりちゃんって強い娘だなって感心しました。

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2025年08月10日

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カリスマとされる誰かの周りにいる人達、その2世の不条理や誰かの勝手で犠牲になった人達の物語り。
会話が高校生っぽくない時があってちょっと現実に戻った。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宗教二世が宗教施設から抜け出そうとする話。
信仰ってなんだろうな。幸せになるために信仰するはずなのに段々壊れていって、不幸せになる人もいて。
人間はお互いに影響与え合ってて、一つの判断で環境が大きく変わってしまうこともあって、この相互作用を完全に消し去るのはとても難しいんだろうな。それでも生きていくんだな。と思った。
とりあえず宗教施設を抜け出せて「これからは自由に生きていくんだ!」という雰囲気で終わるけど、このままハッピーエンドとはならないだろうし、つらいこともあるんだろうなと思うと……テーマが……重い……!となった。
主人公家族がとてもいい人たちで強い絆で結ばれていて、それが救い。

本筋とはあまり関係ないけど、「子どもが小さい頃の夫婦って、魔法がかかってるみたいにいい感じなんだよね。(中略)でも大きくなって余裕ができてきちゃうとまたそれぞれの現実が見えてきちゃうっていうか。」ってところにドキッとした。うちも子供が小さいから魔法にかかってるんかな。子は自立してくれれば自由に暮らしてくれ〜私たちは夫婦で楽しく過ごすからね〜と思ってるんだけど、子が大きくなったら考え方変わるんやろか。子にそばにいてほしい、一人にしないでとか考えちゃうんやろか、と怖くなった。

作家さんがあとがきを書いてくれるのすごく好き。解釈を少しだけ導いてくれて安心する。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

宗教は時に人を救うけどその反面人を傷付けることも多いからいまだに物議を醸しがちなんやろな〜
自分らしく好きなように生きるのは良いと思うけど、それが近い人を巻き込んで傷付けることになるなら、いい生き方とは思えない

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

宗教2世というものについて考えさせられる。幸せになるために信じる神様も、集団のなかにいると息苦しくゆがめられてしまうことがある。考えることや、自分で選ぶことをやめて、おだやかに暮らすことよりも、選択肢があり自由に生きることができるということの大切さを感じた。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

ひばりとつばさ いい名前だ
自分が信じたものだけが正論だといえば、それはもう正論ではない。そもそも正論なんてあるのかしら。あるとしたらそれはとても窮屈で捩れた世界。
世界はきれいなだけじゃない。混濁混ざって泥の川なのだと思う。キレイな川には生き物は住みづらいのだから

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2025年01月23日

Posted by ブクログ

うまく言えないけれど、読み終わった今、心がズーンとしている。

宗教2世の話、となっているけれど、ブラック企業から逃げ出した人の心にも響く作品になっていると思う。

常々、会社とは宗教みたいなものだと感じている。
社長や経営理念(作中ではみかん様)を信じて入社したはずなのに、他の社員や考えの違いからうまくいかなくなって退社(脱出)を考えだす。

その中で説得されたり、洗脳されたり。

あの環境はおかしかったんだ、ってその場から離れないとわからないことがある。

ひばりちゃんにはつばさくん一家との思い出があってよかった。

日常の、些細な過去の出来事の記憶が、未来の自分を救ってくれることがある。

大切なのは、今を大切に生きること。

前半はあんまりピンとこなかったけれど、読み進めていくうちに自分の経験と重ねてしまって苦しくなった。

前に進む勇気が欲しくなったらまた読みたい。

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

恐らく10年以上ぶりに吉本ばななさんの小説を読んだ。どろどろしようとしたらいくらでもどろどろになる内容をさらさらと。

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2025年01月07日

Posted by ブクログ

吉本ばななさんの本で、男性目線で描かれてるのはじめて読んだ。非常にカルト要素があって考えさせられる。個としてであれば逆に美しいのに、集団になると歪むというような。

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2024年11月21日

Posted by ブクログ

言葉のチョイスがさり気なくてすき。

集団の難しさを考えさせられる。
ひとりひとりとはうまく行くのに、グループが出来た途端不具合が生じるのはなぜなんだろう。

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2024年10月12日

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