ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧
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ネタバレ精神を求め知に奉仕する神学者のナルチスと愛欲を求め美に奉仕する芸術家のゴルトムントの友情の物語。そうは言っても、ナルチスは元々始めからほとんど完成されており、ナルチスがゴルトムントの気質を見抜き芸術家としての道を示した後は、ゴルトムントが思いのままに放蕩し芸術とは何たるかを理解し芸術家に至る成長の物語がメインとなる。
ナルチスとゴルトムントの会話がお互いに下地となる思想と感情に根差したものになっており、それぞれの微妙に噛み合ってなさなどが表現されていて、議論のシーンは読んでいて楽しかった。また、心情描写がとても素晴らしく、ゴルトムントが自分の気質に気付くシーンやリディアとの交友のシーンなど -
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ネタバレ自分がいかに無知であり、ある意味で凡人であるかを思い知らされる。
「釈迦」の出家以前の名「シッダールタ」、悟りの境地に達するまでの苦悩、師、友、俗世、欲、自然、苦悩...数多の出会いと体験から学んだシッダールタが辿り着いた境地。
興味深く読み終えることが出来ました。
『車輪の下』『デミアン』等で知られるドイツの文豪・ヘッセが描いた、釈迦「悟りへの道」。
20年にわたりインド思想を研究していたヘッセが、第一次世界大戦後に発表した。
シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福 -
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ネタバレ自由奔放に生きてきたけれど自分は何者にもなれなかった、と嘆くクヌルプに、人々に愛され、ときに嫉妬心を呼び起こさせる、それこそがお前の存在意義だったじゃないかと言い放つ神様。
この本を人生の本としてあげていた某私の推しさん、アイドルとしての存在意義をクヌルプと重ねたのかしら?…と思ったらなんか切なくなっちゃった。
他の方の感想を見ていたら、クヌルプを「我が家にやってきた猫」に例えていた方がいて、みんなを魅了してきたクヌルプの人となりがストンと理解できた!人間がこういう性格だと「ただのワガママじゃん」て思ってしまうところが面白いね。
猫はそうやって生きても「なんのために生きているんだ」とは悩まない -
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「知」をもって「愛」を知るナルチス
「愛」をもって「知」を知るゴルトムント
読み終わって見ると素敵な言葉すぎる、、
慣れない文体に最初は読むのに苦労しましたが、自分なりに解釈し楽しく読めました。
こんな真逆の2人が語り合い、理解し合う姿に何度も心打たれました
「道の上の1匹の小さな虫が、図書室全体のすべての本よりはるかに多くを語り含んでいる」と言うゴルトムントに対し、
「存在するものを愛し、可能なものではなく、現実のものを愛する。自然にさからってだけ生きることができる」と言うナルチス
一見、型に収まった生活をするナルチスより、自由で愛欲のままに生きているゴルトムントの方が幸せなのでは無 -
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ヘッセ処女作。
とある村では、右も左も前も後ろもカーメンチント姓だらけ。そんな村から、牧師になるべく村を出た主人公カーメンチントくん。
初めての世界や体験に、穏やかに身を焦がした彼の行末は…。
原題、ペーター・カーメンチントの名に恥じぬ、ペーター・カーメンチントっぷりが最高!
そしてヘッセの表現も好きだと再認識。
このストーリーもそうだけれど、ヘッセの文体って郷愁というか、牧歌的というか、無垢な心の時を思い出させる懐かしさと自然さがあるなぁ。
読む年代によって、この作品に抱く感想が変わりそうだけれど、これを書いた時のヘッセ20代なの信じられない。人生何回か経験してないと書けないよ。 -
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デミアンはエーミールの生涯をかけての理想とする人物で、遂には理想を果たせたか、果たせなかったかは分からない。
物語で、デミアンに出会ってからそれ以降はずっと理想を貫くことに邁進し、如何なる障壁があろうとも極めて禁欲的に、自らの理想をベースとして物事を対処していた。
だが、序盤に書いてあるが理想に向かって一途に向かうのは非常に困難だと語っている。
デミアンに出会った直後は幸福だっただろうが、デミアンを理想に生きているエーミールは理知的で感情的になることはなく、修行をしている過程を見ているようだった。
「理想」この言葉は心の枷となり、自らを縛り付ける罰のようであると同時に、憧れや希望を抱き、理想に -
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ネタバレヘルマン・ヘッセの著書を読むのは初めてでしたが、非常に美しく著者の思想が表現されていました。
本書の最後でシッダールタが親友ゴーウィンダに説教するときに、一つの真理は常に、一面的である場合にだけ、表現され、ことばに包まれるのだと説いています。つまり、善悪、優劣、喜怒哀楽などのことばは全てある側面から見ているだけに過ぎないということです。
じゃあどうすれば真理を理解できるのか、それは自分で様々なことを経験することだと著者の分身であるシッダールタは説いています。
何者から与えられたものよりも自分の経験に勝るものはない、百聞は一見にしかずというやつです。
このことばを忘れず私も動くということを忘れず -
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セリフシーンは少ないが、風景描写や感情表現が緻密で、主人公ハンス・ギーベンラートの心情や風景が想像しやすかったです。ただ、近代特有の言葉も使われるため、理解を深めるのであれば調べる必要もありますが、普通に読むだけなら問題になりませんでした。
ハンスへの車輪の轍をなぞるように仕向けられた教育への批判、ハンスに足りなかったもの、結末でのハンスの思いなど、現代にも通ずるような問題提起や考察の余地もあるため、読んだ後も記憶に残りやすい作品でした。
ただ、作者の人生を擬えた作品のためか、個人的には物語の起伏が少なく、平坦に進む印象があったため、星4とさせていただきました。読んで損はない作品だと思い -
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ネタバレお父さんのオススメの本らしい。
悟り開けると思って読んでみたものの、
結構難しくてもう一度時間が経ったら読みたいなと思った。
時間はないっていうことが少し響いた。
人の後ろ(過去)にその人を表すものが並んでいるのでなはなく、その人の中にあると。
また、知識は誰にでも得られるけど、
知恵は経験しないと得られないということにも。
私はどうしても知識を得るだけで満足してしまうことが多い。お母さんの行動はいつも疑問に思ったりすることが多いけど、それが案外本質をついてたりする。それは、どんどん自ら経験して知恵を積み上げて自然にあるべき道を選んでいるからなんだなと。
わたしもそんな人間になりたい。 -
Posted by ブクログ
短編集でしかも本が薄いので、すぐに読み終わるかと思いきや、これがなかなか手強かった…
『苦しい道』
『夢から夢へ』
これはもう読んでて訳が分からなくて、頭がおかしくなりそうだった。
ニューエイジミュージックをイヤホンで聴きながら、なんとか読み切った感じ。
……
感想もいつもはすぐに記すのだけど(というか、読みながら感想を考えてる)メルヒェンから離れたいのと反芻したい葛藤があった。
訳された高橋健二さんの解説の中に、ヘッセが精神病を患っていたとあったので、『本当に苦しかったんだ、でも、逃げずに表現したのか…』という思いに今は至りました。
……
『アウグスツス』
『別な星の奇妙なた