ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 郷愁

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    ヘッセの自叙伝と言える作品です。
    新緑を思わせる歓びと、暗く、重いねずみ色の憂鬱―。彼の人生はこの二つの繰り返しではなかったでしょうか。

    苦い恋の経験も、彼が大酒のみであることも、彼への親しみを増させています。共通するものを持っている人は読むべきでしょうw

    短い作品です。一日で一つの人生を体感できます。お勧めです。

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    2010年10月21日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    まさにオルゴールのような短編集。小さな箱を開けると、懐かしさとともに封じられていた世界の秘密が鳴り始める。

    特に忘れられないのが「アウグスツス」と「アヤメ」。

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    2011年06月01日
  • 幸福論

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    あらゆるものから自由であり得た子供時代の貴重な体験を回想しながら、真の幸福とは何かを語る『幸福論』をはじめ、人間として文学者として、幾多の危機を越えてきたヘッセが、静かな晩年に日々に綴った随想と小品全14編を収録。

    ヘッセの随想録ということで、彼の生活を少し垣間見ることができたかのように、とても読みやすく、おもしろい作品だった。
    彼の今までの作品に込められた、人間への愛や自然との共生を解くカギが、この随想録に秘められているような気がしてならない。

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    2010年08月30日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    ヘッセの短編集。
    特に『笛の夢』が好き。
    暗い話なのか明るい話なのか、夢が真実で真実が夢なのか、分からないことだらけ。
    笛とか歌の上手な女性は何を寓意しているのだろう。

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    2010年08月30日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    「Märchenの中の Augustus と Iris は Hesseの書いたものの中でもっとも美しいもので、いわばHesse文学の縮図とも言える」郁文堂 Irisあとがきより

    生きるための支えになる本。私はつねにこの文庫をカバンに入れている。500円硬貨でお釣りの来るこの本が私の歩みを後押ししてくれる。Ich will ! Ich will ! 

    以前の版をお持ちの方は、今の版は『ピクトルの変身』が追加されたので是非再読されたし!Anselmがたどった小路は、果たしてここにたどり着いたのか否やは、皆様のご判断で。

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    2010年07月09日
  • ヘッセ詩集

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    高校の時教科書で一文を知り、感動して以来ヘッセのほとんどを読んできた。
    どの作品も素晴らしいが、やはりこの詩に初めて触れた時の感動を忘れることはない。

    十代の瑞々しい不安を持ち続けることができた者は美しい。

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    2010年07月09日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    ひとの無意識とか感覚とか深層心理的なところに直接響いてくる、ものすごい密度の短編集。

    いまのところ最初のアウグスツスがいちばん好き。

    こんな言葉の構成ができるヘッセは神様みたいだと思った。
    ぞくっとしてきゅんとするかんじ。

    一日にたくさんは読めない。
    おはなしひとつでおなかがいっぱいになる。
    気がむいたときにひとつずつ心をこめて読みたい。
    そんなかんじの本でした。

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    2011年06月06日
  • 荒野のおおかみ

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    自分が抱いている自分のイメージがどれだけ偏っていて、狭いものであるかを強く感じさせられる一冊でした。わたしもハリー同様、新しいことに踏み出すことにためらってしまうし、固定観念をかなり強く持っているところがあるので、ハリーがヘルミーネやマリア、パブロとの会話の中で抱く感情がわかりすぎて読むのが辛かったくらいです。生きているだけでとても価値があるということ、そして人生は短いからこそたくさんのことに挑戦することで輝きを増すということを改めて感じることのできた作品でした。

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    2010年03月08日
  • 知と愛

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    これまでに読んだ本の中でもかなり印象に残っている本。構成も、内容も、ほんとに完成されてる。ゴルトムントが、彼の少年時代を鮮やかに彩ったナルチスと絶妙なタイミングで再会するそのシーンでは感動で鳥肌立ちそうでした。住む世界は違っても、ほんとうの友というのはずっと友であり続けることができるんだ。
    人生において哀しいとき、つらいとき、また幸せなときにも、これから幾度となく読み返す本になるだろうと思う。

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    2010年01月20日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    単なる童話には終わらない作品ばかり。「生きること」「愛すること」「死ぬこと」という、人生において誰もがいつかは直面する大きな、そして重要な問いについて、平易な言葉で厳粛に表現されている。愛すること・愛されることの恐ろしい側面を描いた「アウグスツス」、死へ向かう人の苦しみ、あきらめ、そして解放を描いた「苦しい道」など、すべての作品の中で美しい文章の中に「人生」そのものが凝縮されている。苦しいとき、哀しいときに何度でも読み返したい一冊。

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    2009年12月24日
  • 知と愛

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    素晴らしい物語です。
    理性と本能、それぞれの権化のようなナルチスとゴルトムントの友情とも愛ともいえない魂の巡礼のお話です。

    僕はゴルトムントの放浪生活には妙に影響を受けてしまいました。
    現在お遍路をしているのも原点はこの辺りにあるかもしれません。

    ヘッセを読むなら是非とも高橋健二訳をお勧めします。
    山村のはずれでひっそりと流れる小川のような語りは、
    静かに、深く僕らを物語に引き込んでくれます。

    主人公二人の対比は日本人なら真っ先にキンキキッズの両堂本君が浮かびます。
    決してタッキー&翼ではありません。

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    2009年11月01日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    実は、いちばん好きなヘッセの作品集です。他の作品も、文庫になっているようなものはひととおり持っていたはずなのに、なぜか今は手元にありません。少し気恥ずかしくて(何がでしょう?)、実家に置いてきたままのようです。もう少し時間が経ったら、また読み返せるでしょうか。

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    2011年07月19日
  • 知と愛

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    この作品を読んだのは10代の頃で、ナルチスとゴルトムントの間にある友情に深く共感しながら読んだ記憶があります。続けざまに何度も読み返した記憶も。若い頃は、自分の持っていないものを持っている相手に強く惹かれることがよくあると思うのですが、私自身が当時そういった状況にあったからこそ、ゴルトムントがナルチスに憧れを抱く姿や、知と愛を象徴する対照的な二人が互いに影響され惹かれ合いつつも、全く違った道を選んで自己を確立していくプロセスに共感したんだと思います。

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    2009年10月04日
  • 知と愛

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    ヘッセの長編大作

    翻訳なので簡単には読みにくいが、非常に読み応えのある一冊

    修道院を抜け出し、芸術の道へと進む主人公の愛と友情の物語

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    2009年10月04日
  • 荒野のおおかみ

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    2007.6.12の感想
    字が大きくなって読みずらかった。
    まったく出版社は余計なことをする。
    ヘッセのリズムが狂っちゃうじゃんか。

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    2009年10月07日
  • 知と愛

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    人生を貫く二つの欲求である知と愛、それぞれを体現するナルチスとゴルトムント。出会い、別れ、邂逅する彼らの人生は、離れ離れのようで常に寄り添っているように感じられ、それは知と愛という相反するようでありながら共に真理である二つのものの在り方そのものとも思える。詩人を志したヘッセならではの豊かな詩情と、美しく深い物語が胸に残る名作。素晴らしい邦題にも感動を覚える。

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    2020年12月18日
  • 車輪の下

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    『新潮文庫の100冊』より。

    子供への期待から生じる大人の無理解と利己主義に抑圧されながらも、自己を取り戻そうと必死にもがく青年ハンスの物語。

    ドイツののどかな田舎の情景と、少年期から青年期に移り変わる多感な心情の対比が痛々しいほど美しい。

    本書に登場する大人の無遠慮な期待と過度な干渉は、子供のいる自分にとって身をつまされる思いだった。
    これから成長していく子供を車輪で押し潰すことがないよう気をつけなければ。
    若い時に読んでいたら今とは違う感想を抱けたかもしれないので、もっと早くに出会いたかった作品。

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    2025年12月05日
  • 車輪の下

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    ヘルマン・ヘッセの代表作。街一番の秀才・ハンス=ギーベンラート(14)は、難関試験に2番の成績で合格するほどの実力者だった。周囲の期待に推され、親元を離れて勉強に励むが、 進学先で出会った友との交流、同級生の死などを通して、彼は徐々に少年から大人へと変化していく。特に、親友ハイルナーとの出会いは、彼の運命を大きく変えた。ハイルナーは詩が好きで自由奔放な少年であり、教員たちの間では問題児として有名であった。ハイルナーと交際する中で、ハンスは徐々に今までの勉強に興味を失っていく。ハイルナーの退学を機に、彼と親交の深かったハンスは教員たちから疎まれるようになる。そしてハンスは心身のバランスを崩し、故

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    2025年11月01日
  • 車輪の下

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    全七章に亘って、ハンス・ギーベンラートの柔く脆い青年期を綴る。

    周囲より少し勉強ができてしまったために過度な期待を背負い、踏ん張りが利かなくなったったとき雪崩のようにすべてがうまくゆかなくなる。

    冷たく静かに川を流れるハンス。
    吐き気も恥も悩みも取り去られた、ハンス。

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    2025年09月18日
  • 春の嵐

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    たまたまトニオグレーゲル、ヴェニスに死すを読んだ後にまた芸術家をテーマにした作品。ストーリーがどうと言ったことはないけれど、たっぷりと情景、心理描写を丁寧に描いてるのはせかせかした現代の作品にはない次元を感じます。こう言った作品を読むと、立ち止まる時間ができて嬉しい。

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    2025年09月05日