ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 幸福論
    ヘッセの晩年に書かれた手記をまとめた短編集。
    「盗まれたトランク」「中断された授業時間」「幸福論」「湯治手記」「クリスマスと二つの子どもの話」「小がらす」「マウルブロン神学校生」「祖父のこと」「秋の体験」「エンガディーンの体験」「過去とのめぐり会い」「過去を呼び返す」「マルラのために」「日本の私の読...続きを読む
  • 知と愛
    就学生の頃教科書で読んだ「少年の日の思い出」を書いたヘルマン・ヘッセが気になり、あの物語を書いたヘッセが「知と愛」という題名でどのような物語を書くのか気になり読み始めた。
    一回しか読むことができていないため浅い感想になってしまうが
    知を表すナルチスと愛を表すゴルトムントが初めて出会ったときはナルチス...続きを読む
  • 車輪の下
    普通、ヘッセのこの本は、多感な思春期とかに読むべきもののはずですが、ちゃんと読んでなかったと記憶しているので、最近、買ってみました。
    こういう内容だったのか。。最後のほうが、今から考えると、私なりには、なんとも残念な気がしますが、自伝的作品ということなので、これは、悩み多き青春期を振り返って、著者な...続きを読む
  • 車輪の下
    自分も大学受験で思い詰めてハンスと同じような心情になり、神学校をやめさせられた後に希死念慮を抱く様子には過去の失敗した自分を重ねました
    あまりにも描写が以前の自分の状況に酷似していて読んでいてこの部分は辛かったです
    ですがかえって今も生きている私について考えさせられました
    毎日の幸せを噛み締めて生き...続きを読む
  • 青春は美わし
    青春は美わしの方でアンナに対して「特に美しくない」などとあくまで自分が選別する側かのように言っていたのが少し嫌だったけど、恋をするときって確かにそういう傲慢さがあるかもなって思った。
    片思いをしている、いわば相手に弱みを握られているような状態なのに好意を抱く女の子2人を同時に遊びに誘ったり割とやりた...続きを読む
  • 車輪の下
    「教育」とは。
    もちろん時代背景も国民性も異なるので一概に言えるものではないが、その本質は変わらないはず。

    多感な少年期に、抑圧の中で己の個性の芽を摘まれる事が彼らの人生に与える影響は、大人の想像を遥かに超える。

  • 車輪の下

    「車輪」は何か?
    受験教育の重積、子供を子供として抑圧する偏見。
    怪物に似たもの。

    優秀な学徒でもあり、神秘に憧れる詩人でもあったヘッセの二面性。

    子ども心の繊細さ。
    大人にはわからない、恐るべき子どもたち。

    詩であり絵画。
  • ヘッセ詩集
    ヘッセの詩集ですね。
    ドイツ最大の抒情詩人の18才のころの処女詩集から70の晩年に全詩集からの代表作の抜粋集です。
    高橋健二さんの訳も素晴らしく、どの詩編も心を打つものばかりです。
    生きる希望と、大自然との語らいは、生命の偉大さを吟え揚げています。
    病気の私にとっても、励みと癒しでじっくりと味わいま...続きを読む
  • 車輪の下
    少年時代特有の非常に敏感な感性と、その繊細さゆえに感じ取ることができる特別な美しさや、時には残酷さ。
    そういったものがふんだんに描かれていて、読みながら不思議と懐かしさのような感情を想起させられた。
    がらんとした秋の静かな昼下がりのような、少しの哀愁と心地の良い気持ちをもらたしてくれる素敵な作品でし...続きを読む
  • 車輪の下
    解説によると、ドイツでは8位だが日本では1番読まれているヘッセ作品らしい。親の「手ぬかり」が招く惨事、教育システムを車輪に見立てたヘッセの警句。衝撃のラスト。
  • クヌルプ
    学生時代に読んだ『車輪の下』以来のヘッセ。初恋で傷つきエリート街道から逸れて漂泊の人生を歩むようになったクヌルプについて描かれた3編からなる作品。自由に漂うことを楽しみ羨ましがられることもありつつ、無責任な孤独さをたしなめられたり自分自身でもどこか自分の人生を歩んでいないのではないかという他人事的な...続きを読む
  • 車輪の下
    あまりにも学校生活ががんじがらめで窮屈そうな息子を見ていて、少しでも彼を理解したいと思い、読んでみました。
    率直に言うと、すんなり読める本ではなかったです。
    感情を読み解くだけで理解できるものではなかった。
    読んでる途中も、読み終わった後も、「うーーむ。これはどうやって読んでいけばいいのかわからない...続きを読む
  • 知と愛
    かなり好き。

    原題は、ナルチスとゴルドムント。

    ふたりの対比が美しく、知性だけだど人生の主役にはなれないかもなぁと感じた。
  • 車輪の下
    20世紀初頭に書かれた筆者の自伝的作品。神童と呼ばれ、進められるがままに勉学に明け暮れたハンス少年、その後の神学校での出会いと別れ、地元に戻ってからの性の目覚めと労働の喜び。自らの人格形成を客観的に見つめ物語に昇華させる才能に畏怖の念すら覚える凄まじい作品だった。第二章、ハンスが釣りに行くシーンの描...続きを読む
  • 知と愛
     精神を求め知に奉仕する神学者のナルチスと愛欲を求め美に奉仕する芸術家のゴルトムントの友情の物語。そうは言っても、ナルチスは元々始めからほとんど完成されており、ナルチスがゴルトムントの気質を見抜き芸術家としての道を示した後は、ゴルトムントが思いのままに放蕩し芸術とは何たるかを理解し芸術家に至る成長の...続きを読む
  • 車輪の下
    繊細で切ない小説だった。
    場面、心理描写が美しく物語の世界に引き込まれた。

    自分が正しいと信じ追い求めていたモノが実はそこまで大切なものではなく全てが虚偽だったのではないかとこれまでのことを疑うハンスに胸が痛んだ。
  • 車輪の下
    ハンスの儚い人生が悲しく美しい。
    学業で自信や優越感をもちそれを武器に生きていくのかと思いきや、人間らしい感情によって居場所を失い、友人もいなくなり、誰にも理解されず苦しむ。もうがんばらなくていいけど、故郷で生きるためには再びがんばらなければならない。
    2年間の遅れがありながらも機械工の見習いとなり...続きを読む
  • シッダールタ
    内容はそれなりに難しいですが、おもしろい作品でした。何よりも文体が詩のように美しく、読んでいて心地良かったです。
    「言葉」は物事の一面を表したものでしかない、という部分にとても共感しました。
  • シッダールタ
    自分がいかに無知であり、ある意味で凡人であるかを思い知らされる。

    「釈迦」の出家以前の名「シッダールタ」、悟りの境地に達するまでの苦悩、師、友、俗世、欲、自然、苦悩...数多の出会いと体験から学んだシッダールタが辿り着いた境地。

    興味深く読み終えることが出来ました。



    『車輪の下』『デミアン...続きを読む
  • 車輪の下
    成績(数字)や周囲の期待にとらわれて、自分を見失うところはわかる
    何が幸せなのだろうか。。
    風景描写が素敵