ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 春の嵐

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    『車輪の下』より断然こちらの方が好きと思えるのは歳のせいでしょうか。また、いい作品に出会うことができました。

    あらすじ:
    「それは私の愚かしい青年時代のもっとも愚かしい日だった」……幼い頃、クーンは音楽に惹かれていたこともあり、父の反対をよそに首府の音楽学校に進学します。しかし、学業の壁に阻まれ、喜びのない日々を過ごして三年、似た境遇にあるリディに恋をします。ある日、仲間とソリ遊びに興じていると、そのリディにそそのかされて急斜面をソリで滑り降りますが事故になります。クーンの左足は不具になり、彼女も去っていきました。

    この事故をきっかけに故郷に帰って内省を深めたクーンは、音楽の創作に目覚めて

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    2025年03月03日
  • 郷愁

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    再読1/23
    ヘッセ作品で1番好きです。
    ヘッセの全作品に通ずる自然への愛は勿論、近代文化の生活への批判や享楽との葛藤も描かれていて源泉的な地位を占めていると実感しました。
    最初に読んだときは自然描写に慣れておらず、読み辛いと感じていましたが、再読の際は全く苦しくなく、むしろ非常に読みやすい、おもしろい読み物だと思いました。
    ヨーロッパの田舎の描写は実際に目にしたことはほとんどありませんが、眼前にありありと浮かんでくるようで、そうした景色はホッとさせてくれます。
    心が癒される読書体験が得られるのでまた何度でも読み直したいです。

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    2025年01月23日
  • ヘッセ詩集

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    211P

    初版発行: 1950年

    ヘルマン・ヘッセ(Hermann Karl Hesse, 1877年7月2日 - 1962年8月9日)
    ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者である。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、ヘッセは風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

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    2024年12月24日
  • デミアン

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    少年から青年へと成長する過程での宗教的・哲学的葛藤が、非常に精緻に描かれた作品。主人公の内面を深く掘り下げる心理描写と、彼に影響を与える人物たちの台詞が、全編の大部分を占めている。哲学的で難解な内容ではあるものの、薄い文庫本なので意外とすんなりと読めた。簡単な哲学書を一冊読破した気分になれるので、知的な「お得感」を求める読者にはお薦めしたい。
    ただ、凡人の私からすると、主人公に強いシンパシーを感じることはなかった。ここまで自分の内面に向き合い、深く掘り下げる人間がいるのかと興味深く読み終えた。

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    2024年12月30日
  • 幸福論

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    何回でも読み直したいです。
    ヘッセ自身の体験が彼の作品に顕れていると感じられ、とても面白かったです。

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    2024年11月25日
  • デミアン

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    ネタバレ

    カインやアプラクサスなど、宗教に関する言葉はあまり理解できなかった。しかし明るい善の世界、暗い悪の世界の狭間でどう自己を突き詰め、生きていくかが大切だと本作を通じて理解はできた気がする。
    「鳥は卵の中を〜」などの名台詞が多くあったが、理想は選ばず、運命は用意して待つものだということをデミアンが語っているシーンがお気に入り。

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    2024年11月13日
  • 車輪の下

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    まだ10代だったハンスがどんどん落ちていく様子を見ていくのは、涙が出なくとも心を締め付けられて辛かった。
    しかし繊細な心情描写や情景描写にかなり読み応えがあり、とても楽しませてもらった。
    個人的に大人になったら読み返したい本TOP5に入るぐらい痺れた一冊だと思う。

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    2024年11月13日
  • 春の嵐

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    ネタバレ

    ■評価
    ★★★★✬

    ■感想
    いい! めちゃくちゃいい! ここ半年で読んだ小説の中では、ダントツで良い。 読み終わって冒頭の『自分の一生を外部から回顧してみると、特に幸福には見えない。しかし、迷いは多かったけど、不幸だったとは、なおさらいえない。』 が、めちゃくちゃ沁みる。 何度も再読したい作品だし、人に薦めたい作品。 文庫本の背表紙の要約が1文字も過不足なく、ネタバレ含むあらすじを網羅するのもすごいなーとも思った(´∀`=)

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    2024年10月29日
  • 車輪の下で

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    少年の繊細な心は、まるで剥き出しの心臓を見ているかのようでした。受験、宗教、学校教育に対する批判や、後半に描かれる労働や初々しい恋といった要素も含め、心理描写が非常に細やかで、ハンスの葛藤や孤独が強烈に伝わってきます。彼のプライドや挫折、苦悩にも大いに共感しました。結末は悲しいですが、それ故に深く考えさせられる作品だと思います。高校生の頃に読んだ際はハンスと同じく学校への批判的な視点を持ちましたが、30代の今、再読してみると、もう少し器用に生きられなかったのか、不合理や葛藤とうまく付き合えたのではないかと、異なる視点が得られました。読み直して本当に良かったと思います。

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    2024年10月05日
  • 春の嵐

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    何十年ぶりかで再読。実らぬ恋のものがたり、との記憶はとても浅いものだった。
    「自分の人生を幸か不幸かと問うのは愚かなことで、「私」には不幸な記憶こそ捨てられない」と言う趣旨の巻頭言に共感するのは老年になったからか。
    消えぬ恋情と戦いながら、不幸な結婚に心身を病む女性を節度を保ちながら労る「私」。敬愛する友人に傷つけられ、敵意を抱きながらも、憧れや敬意も蘇ってくる。その才ある友人も奔放な自身の性格に振り回されている。これらが寄せては返す波のように繰り返される。これが人生なんだよ、とばかり。
    アリアだけのオペラが無いように、緩徐楽章だけのシンフォニーはないように、幸も不幸も全て必要なことだったのだ

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    2024年09月29日
  • 車輪の下

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    あらすじ
    秀才のハンスは周囲の期待に応えようと、ひたすら勉強に打ち込み、難解な試験に合格して神学校に入学するが次第に押しつぶさていく…。

    休暇も勉強に費され、大好きなものまで取り上げられてしまう。
    ハンスは真面目で良い子過ぎるがゆえに、嫌なことも言えず、好きなことをやりたいとも言えず、周りの期待に応えようと頑張ってしまう。
    大人達はハンスのために「良かれ」と思ってやっている。

    ・得意で好きだった勉強が、どのようにして辛くなっていったのか。
    ・大人達のどのような言動がハンスの心を潰していったのか。
    その時々のハンスの心理描写がとても詳細にわかりやすく書かれている。

    私は親なので、自分がハン

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    2024年09月08日
  • シッダールタ

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    総じて、人生経験の中で重要だとはわかりつつも言語化の難しいトピックスを、小説形式で見事なまでにわかりやすく表現している。
    知識と知恵は違うという文章が印象的だった。多分、言葉や思想を理屈で理解するだけでなく、実際に行動し体験することで初めて物事を習得することができるという意味。
    実生活でも、頭で理屈をわかっているだけな事柄と、実際に体感する程度まで落とし込んだ事柄を比べると、やっぱり後者の方がより人生に影響を与えるからこれは非常に納得。

    また、一度落ちぶれて初めてわかる大切さがあるのも印象的。自分も大学時代一度後悔するような生き方をしていた経験があったが、今思えばそれを経験したからこそ、これ

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    2024年09月02日
  • デミアン

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    感想を書くのが難しい。哲学書寄りだが、小説の域を超えていないのがこの作品の魅力のように感じる。やはり少年時代特有の複雑な心情を描き出すのが抜群にうまい。読者は主人公と一緒にそれをなぞりつつ、各物語を共に体験し、共に考えることで、一緒に成長しているような気分になってくる。そういったさまざまな自己形成の段階を重ね、最後は生きていくことに対して一つの自信、指標のようなものを得られる。これは小説の読書体験として不思議で、そこがとてもユニークで魅力的に感じた。
    どうしてこんなに巧いんだと、恐ろしく感じるくらい繊細かつ的確な心理描写で、没入感がすごい。

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    2024年08月13日
  • シッダールタ

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    宗教色が強くて、悟りに関する複雑さを理解するのが難解でした。けれど、圧倒的な文章の美しさや精神世界の神秘性に圧倒されました。

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    2024年07月28日
  • 春の嵐

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    春の美しい描写、切ない心を表す文体に惹かれました。
    愛は切なく苦しいものだと、改めて思わされました。

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    2024年06月02日
  • 春の嵐

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    ネタバレ

     数あるヘッセの著作の中で『知と愛』に続く、かなり上位の作品となった。
     主要なテーマの一つとして、「青春と老い」があったと認識しているが、かつての青春の暗さもやがては心の内に定まるところを見つけ、私は今のところ否定的な言い方しか出来ないのだが、つまり人間は青春に限らず全ての過去を美化することしか出来なくなってしまうのか、という結末だった。その点で青春のうちに、愉しいうちに死ぬことを選んだムオトは私にとって最も美しく真実味を帯びている人物だったのかもしれない。しかし、私がもう少し年齢を重ねて再読した時は、この本は私にとって過去を掬いあげてくれる、綺麗にまとめられたものとなるのだろう。
     私は主

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    2024年05月21日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    頭を柔軟にして読むべし。そうでないと読みにくい。大人のための童話だと思うが、もしかしたら子供のほうがすんなりと受け止められるかもしれない。気づかされることが多かった。ヘッセらしさが充満している。

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    2024年05月04日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    読みにくい短編もあったけど、『アウグスツス』で一気に心惹かれて、凄く面白かった。
    『ファルドゥム』と『アヤメ』も好きだったな…
    大人の童話って言われているようだが本当にその通りで、宝箱にしまいたいような、温かさのある本だった。

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    2024年03月13日
  • 車輪の下で

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    ネタバレ

    バッドエンド、暗い話ウェルカムなので、最高なラストではあった。まぁ、夢オチ、とは言わないけど、ああいうラストはズルい感じもする。けど、わたしは、ああいう風に投げ出して解釈任せて想像させてくれるのも好きだから、良かった。
    うーん、でも、ハンスは何一つ間違っていないからこそ、彼を死なせてしまうことにより、やっぱ変わらない世間の肯定になってしまう、彼が車輪の下に轢かれてしまったことを証明してしまうことになるので、それは悔しい。やっぱ絶対生きててほしかった。ハンスは死んではいけなかった。

    全体も、試験前・試験後・神学校・地元に戻った後(過去の思い出・現在)、とにかくテンポが良くて、スラスラ読めた。

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    2024年03月07日
  • 車輪の下

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    ハンスの透き通ったうつくしさがこころに残る。入学試験では二番で入れるほど余裕があるのにすごく緊張しているところが自分と重なりすぎて胸がぎゅっとなった。神学校での学問、文化や芸術なども初めて知る部分が多くとても楽しかった。ハイルナーとの鮮やかな友情にときめきました。

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    2026年03月16日