ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

    シッダールタが人間の喜び、悲しみ全てを経験して得た『梵』について自分の人生を重ねて考えさせられるヘッセの宗教的体験の集大成。

    シッダールタの「愛」のために生きる小児人とは自分は違う人間だという若気の至りから、カマーラと出会い「愛」を覚え、人間の本能的な「愛」に溺れて小児人的価値観に染まっていく青年時代、目的もなく小児人として金と欲を満たし続ける生活をした中、ヴァステーヴァと川の教えを経て最終的に行き着くのは、時間という概念は存在せず、過去も未来も同時的に存在するという気づきであったのは、この本を読んだ全ての人間の人生の救いとなる結末だったのではないかと大変感動的であった。

    私は今、社会での

    0
    2025年07月10日
  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

    二十年ものインド思想の研究を経て、自身の宗教的体験の告白としてシッダルータを通して象徴的に美しく描かれていた。

    変な宗教教育(母方、キリスト教、父方、仏教)をちょっとばかし受けてきた自分としてはすんなりと頭と心に入ってきた。

    0
    2025年06月12日
  • デミアン

    Posted by ブクログ

    こんなにも心を動かす本は稀で、
    古典と呼ばれるような一冊からどれだけ未知に触れたのか、
    若いうち、発育の真っ只中でこの本に触れられて本当に良かったと思える本だった、
    少なくとも個人的には。
    シンクレアの魂の成長というものを俯瞰して眺めたその中で、
    自分の道に従う人生を知った、道からは逃れられないという残酷さも。

    0
    2025年06月12日
  • 荒野のおおかみ

    Posted by ブクログ

    ハリーハラーほど高尚な精神を持ち合わせてはいないけれど、とても共感して読むことができた


    時代と世界、金銭と権力はちっぽけな平凡の人間のもので、ほかのほんとの人間のものは何も無いのよ。死よりほかのものは何もないのよ
    ほかには何もないの?
    あるわ、永遠が

    永遠の思想
    神の国、永遠の意味、時間の他に永遠があるのでなければ全然生きられない。
    気づけるようで気づけていなかった。
    これで生きることもできるし、死ぬこともできる。

    50歳。いま25歳の自分にとって、想像のつかない歳。ただ単純に2倍しただけのものでは無いことは明らかである。

    ちょうど大学の今年度の学科長から卒業についての連絡があり、急

    0
    2025年05月27日
  • クヌルプ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あるがままに生きること、自分の人生を生きることを考えることができる本だった。
    といっても、デミアンほど哲学書めいてはなくて、
    淡々と暖かく、綺麗に書かれたクヌルプの生涯を通じて読者に疑問を残してゆくタイプの本。
    ヘッセ文章の柔らかさをひしひしと感じた。
    思わず宝箱に入れたくなるような一冊。

    0
    2025年05月18日
  • 車輪の下

    Posted by ブクログ

    青春期の心のなかのあれやこれが、あまりにも高い解像度で描かれていた。この本を読んでいるとまるで禁忌を犯しているような、甘美な背徳感を感じた。なんというか「エロ本」を読んでいるのに近い感覚なのかもしれない。

    僕はハンスであり、ハイルナアである。自分とちがったものの見方をする人に惹かれるし、独自の思想と言葉を持っている人に惹かれる。そして、いわれのないすこしきどったようなゆううつの発作になやんでいる。ハンスの、ハイルナアへの甘い耽溺。(これがブロマンスってやつですか?)ふと私があの時期に感じていた友人への「好意」を思い返した。今となれば恥ずかしいことだが、あのときは真剣だった。「ふつうの恋愛なん

    0
    2025年04月25日
  • デミアン

    Posted by ブクログ

    かなり哲学的であり、宗教的でもあった。集中して読む必要がある。自分にはやや難しく感じたので、数年後また読みたい。ヘッセの描く思春期の少年の葛藤や苦難がやはり好きだと思った また、ヘッセ自身はこんなにも自己と向き合っていたのかと驚かされる。

    2回目
    また読んでよかった
    p191
    肝要なのは、任意な運命ではなくて、自己の運命を見いだし、それを完全にくじけずに生きぬくことだった。ほかのことはすべて中途半端であり、逃げる試みであり、大衆の理想への退却であり、順応であり、自己の内心に対する不安であった。

    0
    2025年03月28日
  • デミアン

    Posted by ブクログ

    『われわれは互いに理解する事はできる。しかし、めいめいは自分自身しか解き明かすことができない。』

    本書を読んだ動機はアニメ「Ave Mujica」で主人公の豊川祥子が、社会の歯車に狂わされ、選択を迫られた際に本書を読んでいた描写が存在したからです。

    本書では、はしがきに書かれている、冒頭に書いた一文が全てを物語っています。『アプラクサス』という神、すなわち自分自身の心に存在する意志に従え、さすれば何事にも覚悟を持って挑めるだろう、というところでしょうか。

    キリスト教圏の絶対的な世界で、密かに神は居ない、自身の内から湧き出る衝動こそが従うべきものだという反キリスト思想に目覚めた主人公シンク

    0
    2025年03月24日
  • 春の嵐

    Posted by ブクログ

    『車輪の下』より断然こちらの方が好きと思えるのは歳のせいでしょうか。また、いい作品に出会うことができました。

    あらすじ:
    「それは私の愚かしい青年時代のもっとも愚かしい日だった」……幼い頃、クーンは音楽に惹かれていたこともあり、父の反対をよそに首府の音楽学校に進学します。しかし、学業の壁に阻まれ、喜びのない日々を過ごして三年、似た境遇にあるリディに恋をします。ある日、仲間とソリ遊びに興じていると、そのリディにそそのかされて急斜面をソリで滑り降りますが事故になります。クーンの左足は不具になり、彼女も去っていきました。

    この事故をきっかけに故郷に帰って内省を深めたクーンは、音楽の創作に目覚めて

    0
    2025年03月03日
  • 郷愁

    Posted by ブクログ

    再読1/23
    ヘッセ作品で1番好きです。
    ヘッセの全作品に通ずる自然への愛は勿論、近代文化の生活への批判や享楽との葛藤も描かれていて源泉的な地位を占めていると実感しました。
    最初に読んだときは自然描写に慣れておらず、読み辛いと感じていましたが、再読の際は全く苦しくなく、むしろ非常に読みやすい、おもしろい読み物だと思いました。
    ヨーロッパの田舎の描写は実際に目にしたことはほとんどありませんが、眼前にありありと浮かんでくるようで、そうした景色はホッとさせてくれます。
    心が癒される読書体験が得られるのでまた何度でも読み直したいです。

    0
    2025年01月23日
  • ヘッセ詩集

    Posted by ブクログ

    211P

    初版発行: 1950年

    ヘルマン・ヘッセ(Hermann Karl Hesse, 1877年7月2日 - 1962年8月9日)
    ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者である。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、ヘッセは風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

    0
    2024年12月24日
  • 幸福論

    Posted by ブクログ

    何回でも読み直したいです。
    ヘッセ自身の体験が彼の作品に顕れていると感じられ、とても面白かったです。

    0
    2024年11月25日
  • デミアン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カインやアプラクサスなど、宗教に関する言葉はあまり理解できなかった。しかし明るい善の世界、暗い悪の世界の狭間でどう自己を突き詰め、生きていくかが大切だと本作を通じて理解はできた気がする。
    「鳥は卵の中を〜」などの名台詞が多くあったが、理想は選ばず、運命は用意して待つものだということをデミアンが語っているシーンがお気に入り。

    0
    2024年11月13日
  • 春の嵐

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ■評価
    ★★★★✬

    ■感想
    いい! めちゃくちゃいい! ここ半年で読んだ小説の中では、ダントツで良い。 読み終わって冒頭の『自分の一生を外部から回顧してみると、特に幸福には見えない。しかし、迷いは多かったけど、不幸だったとは、なおさらいえない。』 が、めちゃくちゃ沁みる。 何度も再読したい作品だし、人に薦めたい作品。 文庫本の背表紙の要約が1文字も過不足なく、ネタバレ含むあらすじを網羅するのもすごいなーとも思った(´∀`=)

    0
    2024年10月29日
  • 車輪の下で

    Posted by ブクログ

    少年の繊細な心は、まるで剥き出しの心臓を見ているかのようでした。受験、宗教、学校教育に対する批判や、後半に描かれる労働や初々しい恋といった要素も含め、心理描写が非常に細やかで、ハンスの葛藤や孤独が強烈に伝わってきます。彼のプライドや挫折、苦悩にも大いに共感しました。結末は悲しいですが、それ故に深く考えさせられる作品だと思います。高校生の頃に読んだ際はハンスと同じく学校への批判的な視点を持ちましたが、30代の今、再読してみると、もう少し器用に生きられなかったのか、不合理や葛藤とうまく付き合えたのではないかと、異なる視点が得られました。読み直して本当に良かったと思います。

    0
    2024年10月05日
  • 春の嵐

    Posted by ブクログ

    何十年ぶりかで再読。実らぬ恋のものがたり、との記憶はとても浅いものだった。
    「自分の人生を幸か不幸かと問うのは愚かなことで、「私」には不幸な記憶こそ捨てられない」と言う趣旨の巻頭言に共感するのは老年になったからか。
    消えぬ恋情と戦いながら、不幸な結婚に心身を病む女性を節度を保ちながら労る「私」。敬愛する友人に傷つけられ、敵意を抱きながらも、憧れや敬意も蘇ってくる。その才ある友人も奔放な自身の性格に振り回されている。これらが寄せては返す波のように繰り返される。これが人生なんだよ、とばかり。
    アリアだけのオペラが無いように、緩徐楽章だけのシンフォニーはないように、幸も不幸も全て必要なことだったのだ

    0
    2024年09月29日
  • 車輪の下

    Posted by ブクログ

    あらすじ
    秀才のハンスは周囲の期待に応えようと、ひたすら勉強に打ち込み、難解な試験に合格して神学校に入学するが次第に押しつぶさていく…。

    休暇も勉強に費され、大好きなものまで取り上げられてしまう。
    ハンスは真面目で良い子過ぎるがゆえに、嫌なことも言えず、好きなことをやりたいとも言えず、周りの期待に応えようと頑張ってしまう。
    大人達はハンスのために「良かれ」と思ってやっている。

    ・得意で好きだった勉強が、どのようにして辛くなっていったのか。
    ・大人達のどのような言動がハンスの心を潰していったのか。
    その時々のハンスの心理描写がとても詳細にわかりやすく書かれている。

    私は親なので、自分がハン

    0
    2024年09月08日
  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

    総じて、人生経験の中で重要だとはわかりつつも言語化の難しいトピックスを、小説形式で見事なまでにわかりやすく表現している。
    知識と知恵は違うという文章が印象的だった。多分、言葉や思想を理屈で理解するだけでなく、実際に行動し体験することで初めて物事を習得することができるという意味。
    実生活でも、頭で理屈をわかっているだけな事柄と、実際に体感する程度まで落とし込んだ事柄を比べると、やっぱり後者の方がより人生に影響を与えるからこれは非常に納得。

    また、一度落ちぶれて初めてわかる大切さがあるのも印象的。自分も大学時代一度後悔するような生き方をしていた経験があったが、今思えばそれを経験したからこそ、これ

    0
    2024年09月02日
  • デミアン

    Posted by ブクログ

    感想を書くのが難しい。哲学書寄りだが、小説の域を超えていないのがこの作品の魅力のように感じる。やはり少年時代特有の複雑な心情を描き出すのが抜群にうまい。読者は主人公と一緒にそれをなぞりつつ、各物語を共に体験し、共に考えることで、一緒に成長しているような気分になってくる。そういったさまざまな自己形成の段階を重ね、最後は生きていくことに対して一つの自信、指標のようなものを得られる。これは小説の読書体験として不思議で、そこがとてもユニークで魅力的に感じた。
    どうしてこんなに巧いんだと、恐ろしく感じるくらい繊細かつ的確な心理描写で、没入感がすごい。

    0
    2024年08月13日
  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

    宗教色が強くて、悟りに関する複雑さを理解するのが難解でした。けれど、圧倒的な文章の美しさや精神世界の神秘性に圧倒されました。

    0
    2024年07月28日