ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヘッセは「デミアン」しか読んでおらずまた記憶も曖昧な中、新聞記事で見かけ気になったので読んでみた。ゴルトムントがナルチスによって目覚めて放浪の旅をはじめてからの年月が頁を割いているが、ゴルトムントの傍らにはいつも愛が、つまりナルチスがいたということ。それがヨハネの像に結びついた場面を読んで、愛と芸術を心に抱きながらも表わそうとしたものが精神のひとナルチスだということに心震えた。終盤の対話で「自分を実現する」という部分があったがとても興味深くて夢中で読んだ。これまでの物語によってこの対話がより際立っていた。
(素晴らしい読書体験だったのは間違いないのですが、やっぱりどうにも難しくて何一つ理解できていないのではという不安でいっぱいです。また、間をおいて最初から再読しようとおもいます。)
2011/05/13 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『車輪の下』で知られる
ヘルマン・ヘッセのエッセー集。
正直とっつきにくく、何度も挫折した。
ただ、触れて行く中で、
次第に味わいが増した。
幸福を少年期のあらゆる束縛を
離れた一瞬にして永遠たる時の中に見出す。
まとめると『幸福は 時間を離れた 時の中』といったところでしょうか?
【今日の一冊11『幸福論』2016/01/09】
『車輪の下』『ガラス玉演戯』で、
知られるノーベル賞作家
ヘルマン・ヘッセのエッセイ集。
タイトルとなった「幸福論」、
宮沢賢治「永訣の朝」を彷彿させる
「マルラのために」など14編。
その中から、
「日本の私の読者に」に
ついて、少しご紹介を。
1957年にヘッセ80歳の記念に、
全集を出したいと伝えたところ、
「自分の年齢では明日
まだ生きているかどうか、
まったくわからない。
それゆえお望みの序文を
今のうちに書いておきました」
と寄せられた。
ヘッセのユーモアと
心遣いを感じさせる。
…
東方と西方との間の
真剣な実り多き理解は、
政治的社会的領域において、
私たちの時代の大きな
まだ達成されない
要求であるばかりでなく、
それは、精神と生命の
文化の領域でも、1つの要求、
緊要な問題であります。
今日では、日本人をキリスト教に、
ヨーロッパ人を仏教や道教に
改宗させるというようなことは、
もはや問題でありません。
私たちは改宗させたり、
改宗させられたり
すべきではありません。
そういうことを欲しもしません。
そうではなくて、
心を開き、広げるべきです。
そうしたいと思います。
東方と西方の知恵を、
敵意をもって抗争する
力としてではなく、
実り多き生命が揺れ合う
両極として、私たちは
認識するのです。
ヘルマン・ヘッセ
……
東方=中東、西方=欧米、
と考えれば、その間に立つ
「日本」と考えれば、
今に通じる思想におもう。
もう、60年以上前の話で、
人類の進歩と、
個の時間軸の違いに
忸怩たる思いがする。
ただ、「問題」ではなく、
「可能性」として向き合うことが、
できれば、何かを変えられる
かもしれない。
そんな風に考えている。
…
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Posted by ブクログ
童話集ということで宮沢賢治的なロマンチックな世界観をイメージして読んでみたら、初っ端からいきなり子どもに読ませてはいけないような話で、何ともヘッセらしいと思ってしまった。
全編に共通することだけど、これは疲れた大人向けの作品集と言えるだろう。
ヘッセの魅力はドロドロとした怨念にも似た感情を見事なまでの美文で表現しているところにあると思うのだけど、それはこの作品集に所収されている短編童話でもその本領を発揮している。
ここまで詩的な美しさがありながら読み易い文章を書ける人もそういないと思う(もちろん翻訳も素晴らしいのだろうけど、原文で読める能力がない自分が本当に惜しい)。
特に印象に残ったのはやはり「アウグスツス」「アヤメ」の二作。
愛に翻弄される・・・なんて有りがちなテーマのはずなのに考えさせられた。
ヘッセは少年期に読むべき作家というイメージが強いかもしれないが、この二作に関してはこれから結婚を考えている女性に推薦したい。