ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 春の嵐

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    ネタバレ

     才能あふれるオペラ歌手であるムオトは、親友のクーンが自分の妻であるゲルトルートに恋をしていることに以前から気が付き悩んでいた。
     ある日ゲルトルートは病気になり休養のため実家に帰ることとなる。しかし期日を過ぎてもゲルトルートは戻ってこない。その背景には彼女の薄汚い父親とクーンによる陰謀が隠されているのにムオトは気づいていた。
     愛するゲルトルートが自分の元へ帰ってこないことに絶望したムオトは酒びたりになり、今では舞台の前に酔わなければ歌も満足に歌えない状態になってしまう。
     頼むゲルトルート、帰ってきてくれ。君がいないと僕は生きていけないんだ。
     次回『ムオト、天国への帰還』――そうだ、ゲル

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    2016年07月12日
  • 車輪の下で

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    小学生の時、母親から、読むようにと無理やり押し付けられた本の中に「車輪の下」があった。たしかポプラ社から出てた小学生用に易しく翻訳された「車輪の下」である。当時、どうしてもその本を読む気になれず、そのまま年月は過ぎてたんだが、今回、新訳という事で「車輪の下」に初挑戦してみた。
    読んでみる気になったのは、あるラジオ番組で、新訳で出された本書のことを褒めていたからだ。非常に読みやすい訳って聞いて、読んでみようと思ったわけだ。もっとも本書を購入してから半年近く積読状態だったんだが・・・。

    ヘッセの自伝的小説とも言われる本書。おおまかな流れは、ドイツのある田舎町。町で一番の優等生ハンスは、神学校に入

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    2016年07月04日
  • 荒野のおおかみ

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    ALFEEの高見沢俊彦さんの推薦図書ということで、高校時代に買ったんですが、当時の私には難しくて読み進められず、序文だけ読んでそのままだったんですが、32歳になった今、やっと、読み終える事が出来ました。 不思議な事に当時はよく分からなかったのに、今になると、感銘を受ける箇所が幾つか有るんですよね。 ハリーハラーと私に共通点が有ると気付けたからでしょうね。 高校生時代は私自身が自分という人間がどういうものか、よく分かって居なかったんだろうなと思います。 因みにALFEEの曲に『春の嵐』という曲が有る。

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    2016年01月20日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    童話集と呼んでも差し支えない内容の寓話がぎっしりと詰まった作品。スケールが大きい、哲学的な(ブッ飛んだ)話も多いが、いくつかの話には共通点が見られる。
    「アウグスツス」と「アヤメ」ではそれが特に顕著だと思う。
    壮年期を迎えるに当たり、幼年期に持っていた宝を失ってしまったことに気付き、自身にとって大切なものが何かを探し、老いてようやく辿り着けるというプロセスが非常に似ている。
    就職活動で悩む人や、自分の仕事に疑問を感じている人に読んでほしい話だ。

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    2016年01月09日
  • 超訳 ヘッセの言葉

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    ヘッセは、どれだけ孤独に考えて考えぬいているのか、と。
    戦争とか諍いとかISとか、大体ヘッセの言葉で解決してしまうやん、と思いました。

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    2016年01月11日
  • 知と愛

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    知と愛、ナルチスとゴルトムント、一見反芻する立場の二人が互いに惹かれ合う姿を描いている物語。あとがきにあるように、この2つは永遠のテーマでもあるからそれをこのように物語として完成させた本書は素晴らしい。

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    2015年09月02日
  • 郷愁

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    ヘッセの出世作だが、「車輪の下」の後に読んだので、特段に強い印象は受けなかった。
    良くも悪くも「小説」といった内容で、個人的には、心に残るようなインパクトに乏しかった。

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    2015年03月30日
  • 春の嵐

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    ただいなくなってしまった人のことや、過ぎ去ったことを忘れず、痛みを内包しながらも、距離を埋めず、穏やかに生きて行く二人の姿に胸が痛くなった。

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    2015年03月26日
  • 車輪の下で

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    ヘッセが1905年に発表した自身の学生時代を描いた自伝的な長編小説。初めて読んだのは、中学生の頃に新潮文庫から出ている高橋健二訳でしたが、今回は新訳で。しかし、100年以上前の作品が、今も読む度に新しい感動を生みだすという持っている力に本当に驚かされる。ハンスの周りにいた大人たちがもっと色々なサインに気づいていれば、彼は死なずに済んだんだろうと思うとやるせない気持ちになる。新訳はかなり読みやすいので多くの人に読まれると良いな。とは言うものの、四苦八苦しながら、あえて旧訳で読むという選択肢も面白いと思う。

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    2014年11月24日
  • 車輪の下

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    中学・高校時代の読書感想の対象本だったのを読み直してみました。

    古いせいか、訳はちょっと違和感ありますが。内容は色んな意味で良いです。巻末の解説にもありますが、暗記型の押しつけ教育を「大人の無理解・利己主義」と否定するもの。これがこの本の最大のテーマです。これを読書感想の対象本に選んだ先生のセンスもGoodでした。私立の進学校でしたけど(笑)

    それにしても、最近は暗記型押しつけ教育の復権って感じがしますが、いかがでしょ? 日経なんか見てると、「国際的に日本の若者の点数が低下した」「ゆとり教育のせいだ」と煽ってる印象がしますが?

    ま、テーマをちょっと横に置いて。原文を読んだわけではないので

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    2014年08月29日
  • 車輪の下

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     1905年発表、ヘルマン・ヘッセ著。秀才ハンスは試験に合格し、神学校に入学するが、友人の影響で徐々に成績が悪くなっていく。そして友人が放校になったことをきっかけに精神を病み、実家に戻る。彼は機械工となり人生を再開しようとするが、酒に酔って川に転落してしまう。
     ヘッセの自伝的小説らしいが、なるほど確かに田舎の描写が綺麗で、ヘッセが幼少の頃に見た風景が目に浮かんでくるような気がした。
     そしてストーリーは非常に身につまされるものだった。充分、現代にも置き換えられる気がする。例えば、必死に勉強してそれなりの大学に入ったにもかかわらず、自分を見失い、ろくに就職も決まらず精神を病んでいく若者(といっ

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    2013年11月28日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    文豪・ヘッセが美しい言葉でつづるおとぎ話。一番最初と一番最後の話が良かった。言葉の裏にある物語の真意には気づけてないかもしれないけど。いやー、本当にヘッセは文章が美しくて読みやすい。その読みやすさゆえさらさらっと読んでしまっているんだけど。そのうち再読しよう。ヘッセの瞳で見る自然や世界はどうなんだろうっていつも思う。2012/177

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    2013年11月15日
  • 青春は美わし

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    人の記憶って忘れられるから良いものなのかな
    恋して、振られて、立ち直れるのは「忘れ」られるからなんだよねきっと
    人生辛いことあっても、いつか和らぐのは忘れられるから

    まーもちろん
    記憶として、思い出としては残るけど
    ずっと辛いまんまじゃないもんね

    辛い出来事乗り越えて、
    いつの日か、辛い出来事を思い返して笑えるってなんか素敵だよね

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    2013年11月10日
  • 知と愛

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    ネタバレ

    知と愛、論理と芸術という相反する二元性を描いた作品。
    互いの相反する役割を認識し、忘れ得ぬ友情を育みながら別々の世界で生きて、互いを認め合うところにまで到達した二人に賞賛を与えたい。ゴルトムントは最後まで求め続けてきた母の偶像を作り上げることができなかったが、彼の死によって彼自身の人生とその芸術が完成されたような感覚を得た。人生に対する美学を感じた作品だった。

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    2013年10月03日
  • 荒野のおおかみ

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    ヘッセの自伝的要素を含んだ作品。非常に良かった。『車輪の下』のような系譜ではないものの作家として円熟期を迎えつつある作者の魂の叫びが聞こえるような。秋になるとヘッセが読みたくなるのは読書の秋のせいかしら。2013/289

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    2013年09月25日
  • 春の嵐

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    久々に海外古典を読んだ。 ヘッセの書く文章は本当に美しい。 風景描写も、心理描写も。主人公の内面の成長がわかる後半は特に素晴らしい。2011/087

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    2013年09月13日
  • 車輪の下

    購入済み

    ところどころ誤字があるのが残念でしたが、文章のうつくしさに読み進める手が捗りました。

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    2013年05月31日
  • 春の嵐

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    不具になってから、満たされない思いを抱きつつも、音楽家として穏やかで落ち着いた人生を歩む主人公。ヘッセらしい優しい物語。

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    2013年05月22日
  • クヌルプ

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    もう一度、また少したったら読みたい。
    ありのままを受け入れること、そうなれるまであとどれくらいかかるだろうか。

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    2013年04月27日
  • 郷愁

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    ヘッセの作品を読めば、ヨーロッパのみずみずしい風景が呼吸しながら目前に現れる。処女作である本書も勿論例外ではない。また、甘く酸い青春の所々に表される主人公の抒情性に、思わず自分の体験と重なり感情移入して読んでしまう。ヘッセの全作品を貫く本質がうかがえる。

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    2013年02月05日