ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧
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ネタバレ才能あふれるオペラ歌手であるムオトは、親友のクーンが自分の妻であるゲルトルートに恋をしていることに以前から気が付き悩んでいた。
ある日ゲルトルートは病気になり休養のため実家に帰ることとなる。しかし期日を過ぎてもゲルトルートは戻ってこない。その背景には彼女の薄汚い父親とクーンによる陰謀が隠されているのにムオトは気づいていた。
愛するゲルトルートが自分の元へ帰ってこないことに絶望したムオトは酒びたりになり、今では舞台の前に酔わなければ歌も満足に歌えない状態になってしまう。
頼むゲルトルート、帰ってきてくれ。君がいないと僕は生きていけないんだ。
次回『ムオト、天国への帰還』――そうだ、ゲル -
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小学生の時、母親から、読むようにと無理やり押し付けられた本の中に「車輪の下」があった。たしかポプラ社から出てた小学生用に易しく翻訳された「車輪の下」である。当時、どうしてもその本を読む気になれず、そのまま年月は過ぎてたんだが、今回、新訳という事で「車輪の下」に初挑戦してみた。
読んでみる気になったのは、あるラジオ番組で、新訳で出された本書のことを褒めていたからだ。非常に読みやすい訳って聞いて、読んでみようと思ったわけだ。もっとも本書を購入してから半年近く積読状態だったんだが・・・。
ヘッセの自伝的小説とも言われる本書。おおまかな流れは、ドイツのある田舎町。町で一番の優等生ハンスは、神学校に入 -
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中学・高校時代の読書感想の対象本だったのを読み直してみました。
古いせいか、訳はちょっと違和感ありますが。内容は色んな意味で良いです。巻末の解説にもありますが、暗記型の押しつけ教育を「大人の無理解・利己主義」と否定するもの。これがこの本の最大のテーマです。これを読書感想の対象本に選んだ先生のセンスもGoodでした。私立の進学校でしたけど(笑)
それにしても、最近は暗記型押しつけ教育の復権って感じがしますが、いかがでしょ? 日経なんか見てると、「国際的に日本の若者の点数が低下した」「ゆとり教育のせいだ」と煽ってる印象がしますが?
ま、テーマをちょっと横に置いて。原文を読んだわけではないので -
Posted by ブクログ
1905年発表、ヘルマン・ヘッセ著。秀才ハンスは試験に合格し、神学校に入学するが、友人の影響で徐々に成績が悪くなっていく。そして友人が放校になったことをきっかけに精神を病み、実家に戻る。彼は機械工となり人生を再開しようとするが、酒に酔って川に転落してしまう。
ヘッセの自伝的小説らしいが、なるほど確かに田舎の描写が綺麗で、ヘッセが幼少の頃に見た風景が目に浮かんでくるような気がした。
そしてストーリーは非常に身につまされるものだった。充分、現代にも置き換えられる気がする。例えば、必死に勉強してそれなりの大学に入ったにもかかわらず、自分を見失い、ろくに就職も決まらず精神を病んでいく若者(といっ