ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 幸福論

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    短編集。
    お勧めは「幸福論」と「小がらす」。
    ストイックでもなく、エゴイストでもなく、ニヒルでもなく、なんともいえないすばらしいバランスを保った生き方。

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    2010年12月25日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    この訳を「メルヘン」じゃなくて「メルヒェン」にした高橋健二はエライ!!どっからどーみても絶妙にメルヒェン。穏やかで情熱的な話の展開とか、優しい登場人物がいまいち甘やかしてくれないところとか、どーにもドイツ文学。なにより美しい。

    アウグスツスが一番人気みたいですが、わたしは詩人がとても興味深かったです。
    男の人が男主人公でえがく求道小説というのは読んでいて「自分勝手だなあ!」と思ってしまうことが多いのですが、この話は前半多少汗臭いものの全体的に童話っぽくてなんとなく可愛らしい。とても短い話なんだけどちゃんとポエティックで、ラストはゆっくりと息を吐いてしまいました。

    五感全部で小説を読んだのは久しぶりです。ヘッセはこれですきになった。

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    2011年01月13日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    誰からも愛される子に、という母の祈りが叶えられ、少年は人々の愛に包まれて育ったが──愛されることの幸福と不幸を深く掘り下げた『アウグスツス』をはじめ、大人の心に純朴な子供の魂を呼び起こし、清らかな感動へと誘う、最もヘッセらしい珠玉の創作童話9編を収録。

    9編の物語に共通しているのは、死へと向かっていくということである。けれども、その死は不幸なものではなく、幸福な気持ちを持ったものであるというところに、この童話集の素晴らしさがある。
    こうした童話を創りだすことができるのは、人々と自然を愛したヘッセならではの魅力であろうと思う。

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    2010年08月30日
  • 郷愁

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    狭い故郷を離れ都会に出たアルプスの自然児ペーターは、文筆家として身を立てるが、都会の文明に失望し、幻滅を感じるようになる。この彼を救ったのは、美しい少女エリーザベトへの愛と、姿は醜いけれども美しい魂を持った身障者ボピーへの愛の奉仕であった。ボピーの死後、自然に包まれた故郷へ帰ったペーターが、そこで見出したものとは──。

    物語の中で、彼は幾度か大切な友の死を経験することになる。そして彼の恋は、いつも片想いで終わってしまう。
    彼の人生の中で幸福かと言われる時期はないように見えてしまうけれども、大切な友と過ごした時間は、彼にとってとても大切なものであったのではないだろうか。
    幸せになってほしいと、読み終えた今でも願わずにはいられない。

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    2010年08月30日
  • 幸福論

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    CREAという雑誌の読書特集で、中谷美紀が「読んでいて幸せになる1冊」と書いていたのが妙に心に残り、うん十年ぶりに読み返してみました。

    ヘッセを読んでいたころって中学生くらいで、文学少女を気取ってスタンダールとかトルストイとかカミュとか太宰とか芥川とか、とにかくそういう背伸びした読書がマイブームでした・・・いや、今思うとハズカシいですけど
    (どこまで内容を理解していたのかは不明ですが(^^;)

    すっかり忘れさっていたので、今回は新たな気持ちで読みました

    まあ、どれもこれも丁寧に書かれていること!
    この人は本当に一字一句、言葉を文字を大切にしているのだなぁと感心ばかりしておりました。

    Glück(幸福)という言葉が、彼にとってどれほど美しく重みのあるものかという事が、切々と語られている『幸福論』を読むと、自分がいかに日々、言葉も文字もぞんざいに扱っていたかという事実を思い知らされて少し反省しました。
    それからは文字を、少し気をつけて丁寧に書くように心がけるようになりました(ああ!私って本当に、影響されやすい!)

    こんなに繊細な人は、生きるのが大変だっただろうなぁ。
    人一倍に喜びや美しさを感じる心があるから、人一倍、苦しみや悲しみも受けざるを得なかったのでしょうけれど。

    ヘッセは言葉を操る言霊師とみたり。

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    2010年06月05日
  • 郷愁

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    すべてがとても美しい小説。
    夜のボート、素敵な親友、好きな女の子、心の美しい子供と病人
    本当に何もかもがきらきらして感じられます。文章も取り上げてるものも美しい。青春の瑞々しさ、あらゆる愛情。
    訳も読みやすくて、60年代のものらしい少し古風で丁寧な言い回しが小説とぴったりですごく良かったです。

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    2010年02月09日
  • 幸福論

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    ゆっくりと、かみ締めるように読むことを要求されるような文章だけど、そうして読んだ時の感動は深く、心の底に広がって、他の本では得られない共感がありました。

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    2009年12月10日
  • 荒野のおおかみ

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    タイトルが「共同体の中で友愛関係を失い追放された異人である人狼」を連想させ、ぱらぱらっとめくったページに書いてあった、
    「今夜4時から魔術劇場
    ――入場は狂人だけ――
    入場料として知性を払うこと。
    だれでもの入場はお断り。ヘルミーネは地獄にいる。」
    「ハリーの死刑執行」
    などに心惹かれたので読んだ。
    序盤のハリーの心理描写などがよかったが、途中退屈して読むのを中断していた。
    2006年の秋頃の精神的につらい時に読んで90ページくらいで中断し、また今年の9月に入ってから読んでいたが、退屈するところは同じなようで、90ページ目くらいで数日放置し、その後、1日30〜40ページくらいのペースで読み、今日読み終えた。
    ハリー・ハラー(H.H)とはヘルマン・ヘッセ(H.H)自身を指すらしい。
    魔術劇場での将棋の駒は小説の登場人物を指し、それの組み合わせから展開するものは小説を指しているのだろう。
    魔術劇場での一場面は、マンガの「ベルセルク」のガッツの心理描写を思い起こさせるところがあった。「ベルセルク」が影響を受けた全作品(文学、映画など)リストがあればいいなと思う。三島由紀夫の「真夏の死」という作品からの影響もあるとか。

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    2009年10月04日
  • クヌルプ

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    クヌルプと3つのエピソード。
    終わり方がとってもまぶしい。雪が光をうけてキラキラ、目に浮かぶようだ。
    生きやすいって、なんだろう。
    「それで何もかもいいんだね?何もかもあるべきとおりなのだね?」

    09.02.14 再読
    すきだー。

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    2009年10月07日
  • 荒野のおおかみ

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    最後に向うほどに面白い!ってすごいことだな。
    読み終えたら自分も一つ強くなったような、そんな気がしてしまう本。
    自分だけじゃないよ、と。
    こういう人いっぱいいそうー。

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    2009年10月07日
  • 荒野のおおかみ

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    読むのに非常に時間がかかった。話が現実と幻想を行き来しているし、第一人称で描かれているし、構造がムヅカシかった。もちろん読みごたえ十分。この作品は世界へむけて描かれたものなのかな。主人公は既読の「デミアン」「シッダールタ」「知と愛」と同じく、現実世界の背後の永遠の世界を求める、というようなヘッセ自身の投影なのだろうけど、悟るのではなく現実社会に打ち砕かれる、というところがこの作品の特徴。近代世界への強烈な揶揄というか。
    最後の狂気じみた劇場での幻想の場面の、言葉の使い方が美しい!!これは翻訳の高橋さんの手柄なのかな。やっぱりドイツ語で読んでみたい。

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    2009年10月04日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    「アウグスツス」「詩人」「笛の夢」「別な星の奇妙なたより」「苦しい道」「夢から夢へ」「ファルドゥム」「アヤメ」「ピクトルの変身」

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    2009年10月07日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    ハイルナーに出会わなければもしかしたら1番になって自分の信じていた理想の自分になれていたのかも知れないけれど、それはきっと自然と戯れている時のハンスが本当に心から人生を楽しんでいた時に蓋をしているだけになるからどうしたらハンスを助けてあげられたのか考えてしまいました。

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    2026年09月16日
  • 車輪の下

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    ヘッセの自伝的作品
    今も昔もあまり人間は変わってないと感じる
    周囲の期待に応えようと頑張りやがて壊れていく
    最後もなんとも後味悪い…
    きっと周りもその子のためと思っているのだろうけど、ほんとは自分のためなんだろう
    でも、その周りの人も多分周りのかつての大人だった人にそうやって育てられた故にそうなったのだろう
    なんて思うとこれは一体誰が始めた物語なのか
    いい学校行って、出世して、より良い生活をするのが幸せという物語は…

    人の本当の幸せって一体なんだろう

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    2026年09月06日
  • 車輪の下

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    めっちゃ暗い小説、ってイメージだったけど、最初の方はそうでもないなと思った。
    終盤雲行きが怪しくなり、ヘッセの半自叙伝的な小説として魅入るものがあった。解説を読んで納得した。校長先生の言葉、深いなぁ。
    解説や考察、他の人の感想を読んでもう一度ちゃんと読み直してみたいと思う。

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    2026年08月24日
  • ヘッセ詩集

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    ヘッセはきわめてすぐれた抒情詩人であり、現代ドイツ最大の詩人である。著者18歳処女詩集~70歳晩年に及ぶ全詩集の代表作をすべて抜萃。1950年、訳者あとがき、裏表紙から引用。

    抒情詩人とは、詩人個人の主観的な感情や心の動き、感動を直接的または間接的に表現した詩のことらしい。本棚にゲーテ詩集もあったので、何れ読む事になるのかな。あらすじを追いかける小説と違い、詩はどのように読んでいけばいいのか、楽しむためにはたくさん読んで、いろんな詩にふれあう必要がありそうだ。

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    2026年08月10日
  • 車輪の下

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    有名作品なので読んでみた。少年〜若年の生涯を描いた作品。あとがきで、ヘッセ少年の自叙伝的作品であることも知った。神学校にも通っていたし、ハイルナーのように脱走もしたそう。

    後半は特に地の文が多く会話文が少ないので、読書慣れしていない人にはしんどいかも。大事件がなんの前触れもなく地の文で描かれるから、作者が精神的に安定しているというか、あまり感情がない人間のように感じられた。

    基本的に陰鬱とした雰囲気でありながら、少年が大人になるにあたって心情が大きく揺れる場面は読み応えがあった。読書体験としては良かったけど、再読したいと思えるほどは入り込めなかった。

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    2026年08月08日
  • デミアン

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    読み終えるのに時間がかかりました。難しかったのですごく理解できたわけではないが、少し時間をおいてもう一度読んでみたいと思う作品でした。

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    2026年08月02日
  • クヌルプ

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    美しい人生を体現し流浪する主人公クヌルプと、そんな彼の自由に憧れ、孤独を慮る人々の物語
    100年以上前の作品だけれど、彼の生き様は今尚眩しく映る
    ラストシーンがとても美しい

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    2026年07月30日
  • 車輪の下

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    その昔、積読コレクションの中から私よりも先に手に取り、「感動した」と感想を述べた高校生の弟。その一言がきっかけで、本書は長年にわたり私の課題図書となっていました。
    会話文の少ないクラシカルな文体は、まるでRPGの防御力MAXのラスボスのような存在。40年以上もの間、挑戦しては挫折を繰り返し、積読ダンジョンで「難攻不落書籍」として君臨し続けました。

    そして今年、「今度こそ」と意気込み、活字対策のレベル上げをし、心の装備を万全にし、更に本書を新たに購入し直して再挑戦。そこまでしてなんとか紙一重で読み終えることができました。

    大袈裟かもしれませんが、人生のどのタイミングで一冊の本と出会うかによって、その本の価値や受け取り方は大きく変わるのかもしれません。
    今さらながら、高校時代にこの本を読み切り、しかも「感動した」と言い切った弟の感性には、羨ましい限りで嫉妬すら覚えますが、書店などで本書を目にする度に弟の事を思い浮かべる、、、そんな一冊であり続けるのだと思います。

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    2026年07月25日