ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どこまでも美しい言葉のリズム
美しい中に痛みを感じる表現
1905年に書かれた作品を今わたしは読んでいる…
100年以上前の言葉に 今の私の心が震えている…
“車輪”という言葉に 絶望と希望が込められているのだろうか…
少年の心の成長の繊細な描写が描き出されている
時に車輪を追い抜き 追い越され 下敷きになりながらも
ヘッセ自身の人生を体現させてくれる
ラストはまるで映画を観終わったかのように
すーっと私の前から物語が消えていく…
心に残る映画を観たあとの
少しずつこちら側の世界に戻ってくるような感じがした…
もしも この作品を読みなおす機会があるならば…
間接照明がほんのり灯る中で ウイスキーを飲みながら
ヘッセの世界を堪能してみたいかもしれない… -
Posted by ブクログ
▪️印象に残った言葉やシーン
荒野のおおかみの論文に書かれていた「ハリーが一つないし二つの魂あるいは人格から成り立っていると思うのは空想に過ぎない。人間はみな、十、百、千の魂から成り立っている」。
ヘルミーネがハリーに対して言った「あんたは精神的なものが高く発達しているかわりに、いろいろな処世術が酷く遅れている。思想家ハリーは百歳だけど、踊り手ハリーは半日そこらの赤ん坊。同じくらい発育の悪い小さな兄弟たちも含めて、これから私たちが育てていく」。
ハリーの人格や魂が分裂してできた、老人、青年、女性、強いの、弱いのなどの多数の駒が、将棋盤の上で遊んだり、戦ったり、同盟を組んだり、結婚したりするシーン。内面にある多数の魂が互いに調和したり、押さえつけたりする様子を表しているのだと思う。
▪️感想
自分を振り返ると、日々真面目なことしかしていない。この本を読んでから、身の回りにたくさんある楽しいことに目を向けて、積極的に楽しんだ方が良いと思うようになった。
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Posted by ブクログ
中学生の頃に母親がこの本を買い与えてくれ(訳者が異なりヘッセ翻訳者として高名な高橋氏であったが)、読んだのが初めての記憶。しかし読んでいる途中は主人公のハンスがかわいそうでならなかった。その感想は今も変わっていない。
好き嫌い関係なく、そしてなんの疑問も持たない(持てない)子供に勉強をさせるのが本当に正しい教育の姿なのだろうか…
私自身も親からの期待を裏切れずに過ごした塾漬けの毎日に嫌気がさし、勉強嫌いになってしまった人間だからそう思うのかもしれない。
やはり今でも読んでいて辛い物語で、結果的にヘルマン・ヘッセという素晴らしい作家を10年以上も遠ざけてしまうことになったのは残念でならない。少なくとも本書はヘッセ諸作の中で、中学生に読ませる本ではないのではないか。親が子供に与える本の大切さはもっと認知されてしかるべき問題だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ‹内密紹介より›
周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める……。地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。
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受験に耐え抜き、エリート学校に進学したハンス。
そして神学校での勉強についていくために必死で勉強をつづけましたが、次第に無理がたたって精神的な不調をきたすようになります。
現在で言えば「学校不適応」ということになるのでしょうか。
時代が時代であったためか、学校側の支援も保護者の理解も得られず、追い込まれてゆくハンスはついに学校を退学して「機械工」として社会復帰を目指します。
ホワイトカラーとして社会のトップ層として人生を送るつもりだったのに、今までの努力(余暇、青春を犠牲にしてきたのに)が水の泡となったことを感じつつ、新たな環境に適応しようと努力してきましたが、そこでも「今までの価値観」との差に悩み続けるハンス。
進学校の中学生・高校生には少し「厳しい」小説になるかもしれません。
推薦する生徒を選ぶ作品では、とも思います。
教職員としては読んでおいてよかった作品だと感じます。