ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 知と愛

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    ネタバレ

     精神を求め知に奉仕する神学者のナルチスと愛欲を求め美に奉仕する芸術家のゴルトムントの友情の物語。そうは言っても、ナルチスは元々始めからほとんど完成されており、ナルチスがゴルトムントの気質を見抜き芸術家としての道を示した後は、ゴルトムントが思いのままに放蕩し芸術とは何たるかを理解し芸術家に至る成長の物語がメインとなる。
     ナルチスとゴルトムントの会話がお互いに下地となる思想と感情に根差したものになっており、それぞれの微妙に噛み合ってなさなどが表現されていて、議論のシーンは読んでいて楽しかった。また、心情描写がとても素晴らしく、ゴルトムントが自分の気質に気付くシーンやリディアとの交友のシーンなど

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    2023年09月25日
  • シッダールタ

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    内容はそれなりに難しいですが、おもしろい作品でした。何よりも文体が詩のように美しく、読んでいて心地良かったです。
    「言葉」は物事の一面を表したものでしかない、という部分にとても共感しました。

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    2023年06月03日
  • シッダールタ

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    ネタバレ

    自分がいかに無知であり、ある意味で凡人であるかを思い知らされる。

    「釈迦」の出家以前の名「シッダールタ」、悟りの境地に達するまでの苦悩、師、友、俗世、欲、自然、苦悩...数多の出会いと体験から学んだシッダールタが辿り着いた境地。

    興味深く読み終えることが出来ました。



    『車輪の下』『デミアン』等で知られるドイツの文豪・ヘッセが描いた、釈迦「悟りへの道」。
    20年にわたりインド思想を研究していたヘッセが、第一次世界大戦後に発表した。

    シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福

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    2023年05月22日
  • クヌルプ

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    ネタバレ

    自由奔放に生きてきたけれど自分は何者にもなれなかった、と嘆くクヌルプに、人々に愛され、ときに嫉妬心を呼び起こさせる、それこそがお前の存在意義だったじゃないかと言い放つ神様。
    この本を人生の本としてあげていた某私の推しさん、アイドルとしての存在意義をクヌルプと重ねたのかしら?…と思ったらなんか切なくなっちゃった。
    他の方の感想を見ていたら、クヌルプを「我が家にやってきた猫」に例えていた方がいて、みんなを魅了してきたクヌルプの人となりがストンと理解できた!人間がこういう性格だと「ただのワガママじゃん」て思ってしまうところが面白いね。
    猫はそうやって生きても「なんのために生きているんだ」とは悩まない

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    2026年01月21日
  • 知と愛

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    「知」をもって「愛」を知るナルチス
    「愛」をもって「知」を知るゴルトムント

    読み終わって見ると素敵な言葉すぎる、、

    慣れない文体に最初は読むのに苦労しましたが、自分なりに解釈し楽しく読めました。
    こんな真逆の2人が語り合い、理解し合う姿に何度も心打たれました

    「道の上の1匹の小さな虫が、図書室全体のすべての本よりはるかに多くを語り含んでいる」と言うゴルトムントに対し、
    「存在するものを愛し、可能なものではなく、現実のものを愛する。自然にさからってだけ生きることができる」と言うナルチス

    一見、型に収まった生活をするナルチスより、自由で愛欲のままに生きているゴルトムントの方が幸せなのでは無

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    2023年03月12日
  • 郷愁

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    ヘッセ処女作。
    とある村では、右も左も前も後ろもカーメンチント姓だらけ。そんな村から、牧師になるべく村を出た主人公カーメンチントくん。
    初めての世界や体験に、穏やかに身を焦がした彼の行末は…。

    原題、ペーター・カーメンチントの名に恥じぬ、ペーター・カーメンチントっぷりが最高!
    そしてヘッセの表現も好きだと再認識。
    このストーリーもそうだけれど、ヘッセの文体って郷愁というか、牧歌的というか、無垢な心の時を思い出させる懐かしさと自然さがあるなぁ。

    読む年代によって、この作品に抱く感想が変わりそうだけれど、これを書いた時のヘッセ20代なの信じられない。人生何回か経験してないと書けないよ。

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    2023年03月09日
  • 春の嵐

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    結婚した人と、老いるときまでそばにいる人が必ずしも同じではない類の物語の結末。
    クーンが自らの青春との別れを悟ったシーンが印象的だった。

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    2022年09月03日
  • 車輪の下で

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    キスシーンが幻想的で、ザ・耽美でもう最高
    美しい自然の描写は、煌びやかな川の流れが目の前に浮かぶようだった

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    2022年05月24日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    ヘッセの作品は『車輪の下』と、教科書に載ってた『少年の日の思い出』くらいしか読んだことがなかったけど、タイトルに惹かれて手にしてみた。

    メルヒェンというのはグリム童話などに代表される口承の昔話のことを言うものだそうだが、それをヘッセが手掛けるとこうなるのか‥という感じだった。
    詩のような、様々なメタファを感じさせるものが多かった。
    今、この歳で読んでこそ染み入る話もあった。

    短編集で、メロディアスライブラリーで取り上げられそうな本だな‥と思ったら、すでに何年か前のリストにあった。小川洋子さん、好きそうな感じがしたんだよな。

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    2022年03月23日
  • 車輪の下

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     セリフシーンは少ないが、風景描写や感情表現が緻密で、主人公ハンス・ギーベンラートの心情や風景が想像しやすかったです。ただ、近代特有の言葉も使われるため、理解を深めるのであれば調べる必要もありますが、普通に読むだけなら問題になりませんでした。
     ハンスへの車輪の轍をなぞるように仕向けられた教育への批判、ハンスに足りなかったもの、結末でのハンスの思いなど、現代にも通ずるような問題提起や考察の余地もあるため、読んだ後も記憶に残りやすい作品でした。
     ただ、作者の人生を擬えた作品のためか、個人的には物語の起伏が少なく、平坦に進む印象があったため、星4とさせていただきました。読んで損はない作品だと思い

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    2021年10月14日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    短編集でしかも本が薄いので、すぐに読み終わるかと思いきや、これがなかなか手強かった…

    『苦しい道』
    『夢から夢へ』

    これはもう読んでて訳が分からなくて、頭がおかしくなりそうだった。
    ニューエイジミュージックをイヤホンで聴きながら、なんとか読み切った感じ。

    ……


    感想もいつもはすぐに記すのだけど(というか、読みながら感想を考えてる)メルヒェンから離れたいのと反芻したい葛藤があった。

    訳された高橋健二さんの解説の中に、ヘッセが精神病を患っていたとあったので、『本当に苦しかったんだ、でも、逃げずに表現したのか…』という思いに今は至りました。

    ……

    『アウグスツス』
    『別な星の奇妙なた

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    2021年08月22日
  • 車輪の下

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    親のエゴを押し付けられた子供が、落ちていく姿を見るのが辛かった、大好きな作品
    自然の描写や主人公の繊細な感情表現が細かく読みやすかった。

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    2021年06月16日
  • ヘッセ詩集

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    ネタバレ


    1898年のロマン的な歌から1939年の詩が収録されています。

    夜の慰め、新詩集がお気に入り。


    老いたる人よ、葬られよ、
    元気な少年に席をゆずれ、
    身を投げ出して、死を恐れるな!
    春のことば より

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    2021年05月22日
  • 車輪の下

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     読書力読書、3冊目。

     学生のころ、どの先生だったか忘れましたが、この本の内容を「受験の話」だとおっしゃっていました。しかしとくに興味を惹かれることなく数十年経過、人生半ばまできてようやく読みました。

     シュワルツワルト地方の小さな町で唯一の秀才、ハンス・ギイベンラアトは、ほかの〈天分にめぐまれた少年たち〉と同様、州試験を通って神学校へ行き国のために働くというエリートコースを歩むべく、父親や町の人びとの期待を背負って州試験を受け、無事合格、マウルブロン神学校に入学します。友人もでき、勉学に励みますが、少年から青年へと成長するとともに、心身の調子を崩してゆきます。

     主人公ハンスの苦悩は

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    2021年05月13日
  • 車輪の下で

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    要所要所での人間に対する分析が非常に鋭く、登場人物それぞれの人生もどこか見過ごせないような感じがして、とても面白かった。ハッピーエンドと捉えるか、バッドエンドと捉えるかは人によりそう。主人公のような人生を歩む人は多いと思う。

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    2021年05月08日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    前半は主人公に感情移入したけれど、故郷に戻ったあとからはあまり感情移入はできなかった。精神の成長を描いているのかと思って読んでいたけれど違うようだ。

    主人公は結局お受験エリートでしかなくて、結局人から与えられたものに時たま魅力は感じつつも、単に与えられたものとして物事に取り組む以外何もできなかったように見える。
    自分で何かを獲ることが「強気」になれる唯一の方法だと思うが、それが最後までできなかったのを見ると、なにがその段階への成長を遮ったのかなぁと疑問を感じてしまう。

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    2021年05月02日
  • 春の嵐

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    主人公は作曲家。事故で片足が不自由になった彼の乱高下激しい人生、特に強い愛や友情ゆえに苦悩する日々の物語。感情表現の仕方が絶妙というか分厚い。常に内外、表裏、手前と向こう側が同時に書かれていて、小説ながらに「なるほど」と頷いてしまうこともしばしば。50も近づいてきて、未だどこか作曲家になる夢を懐き続けてる自分にとって、主人公を応援する気持ちも相混じり、一気に読んでしまった。

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    2021年03月18日
  • 青春は美わし

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    淡々とした文体で故郷の美しさ、青年の心の移ろい、初恋の苦味が描かれた本だった。青春のかがやかしさが感じられる素敵な文章が続いており、読んでいてとても心地よかった。ただ、少し無機質に感じられのは、翻訳された文だからなのだろうか。

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    2021年02月15日
  • 郷愁

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    ネタバレ

    まず「郷愁」というのは意訳であるが、原題は「ペーター・カーメンチント」というひとりの名もなき男の自叙伝である。故郷はカーメンチントの原点でありいつも彼とともにあるが、本人が認めるのは最後の最後である。チューリヒ編、バーゼル編、アンジ編、バーゼル・ボピー編(パリは大胆に割愛されている!)振り返るとそれぞれ甘苦く生々しい記憶が綴られている。チューリヒ時代の若い輝きが懐かしい。それにしても…(誰しも一生を振り返れば思い出したくもない記憶の一つや二つあるにしても)この主人公は、愛は一度も成就せず、親友はみな死に、なかなか気の毒である。

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    2021年02月15日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    今年は毎日読書をしようと決意し、手始めに高校時代に大好きだったヘッセの本の中で、短編集で最も読みやすいこちらを再読です。

    物語は、割と共通点があり、
    アウグスツス、笛の夢、アヤメ、は人生の歩みを進める中で失っていく悲しみと感慨。
    詩人、ファルドゥムは更に大きな時間から人間の営みを観察しています。
    そんな中で「別な星の奇妙なたより」「苦しい道」「夢から夢へ」は不穏な世界に連れていかれます。中でも「夢から夢へ」は全く異様でした。
    「ピクトルの返信」は、同じような書き方ながら少し変わっていて、仏教的な雰囲気がありました。("大聖歓喜天"のイメージと重なりました)

    言葉がレース

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    2021年01月11日