ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • シッダールタ

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    ネタバレ

    あら面白い。タイトルからブッダの話かと思ってたらそうではなくて、一人の道に悩む若者がいろいろ放浪したり放蕩したりして悟りに至るまでみたいな。
    カマーラさんはもちろん魅力的なんだけど、冒頭から親友とのドキドキ関係にびっくりしたり(シッダールタ戸惑ったりしてないし)渡し守のじーさんとの熟成された関係にじわじわきたりした。いやそういう本じゃないと思うんだけど、匂わせ以上に書いちゃってるって。途中、わかるわかるみたいな青春全力疾走シーンもあったりして読みごたえたっぷりでした。

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    2026年05月04日
  • 車輪の下

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    ヘルマンヘッセの青春小説。
    ヘッセの作品とは、中学生の頃に出会ったエーミール以来となる久々の再会となった。

    努力家で純粋、そして未来ある主人公が経験する、多大な挫折。そのリアリティには、おそらく精一杯生きてきた人間なら誰もが共感できるところがある。この小説の、もっとも魅力的な語りはそこにあるのだろうと思った。

    そして、タイトルにもある「車輪の下」について。
    思春期真っ盛りの、多感な主人公は、周囲の勝手な期待や、小さな村社会、閉塞的な学校生活、そうしたそれぞれの狭隘な場所で、まさに「車輪の下」に轢かれるような、苦渋の憂き目に遭う。そうして生命力ある若芽が摘まれていく。最後の靴屋と父親のやりと

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    2026年05月03日
  • デミアン

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    主人公のシンクレールが、自分の内側にある本当の声に目覚めて、価値観を確立していくお話。

    シンクレールがデミアンに出会って、それまで知らなかった世界にのめり込んでいく経過をドキドキしながら読んだ。

    最初に読んだ時は、自分の内なる声を突き詰めた先に生きるべき道がある、周りの声に従って生きていくより孤独な道だけども人間はそうあるべきだ、というヘッセのメッセージなのかなと思った。
    ただ最近読み返して、それプラスもっとシビアなメッセージを感じたというか、内なる声に気づいてしまった人間は一度殻の外の世界を垣間見た後、殻の中に居続ける選択を自由にできるわけではないんだなと。

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    2026年05月02日
  • 知と愛

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    『知と愛』 
    ヘルマン・ヘッセ著
     『ナルチスとグルトムント』グルトムントの10代半ばで神学校に入りそこでギリシャ語の教師をしている若きナルチスと知り合う。グルトムントは神学校を抜け出してシャバの空気のなかで女に遊び愛し、彫刻家になる。領主の城に捕まり、殺されそうになるが、牧師に助けられる。その牧師こそ、教会の神学校の院長になったナルチスであった。全20章の17章から19章はナルチスとゴルトムントとの人生の過ごし方を知で行くか、愛で生き抜くかの修辞学的な対話である。若くしてであった2人はお互い理解しあえる深い友情で結ばれた友である。最後年老いてナルチスに看取られでゴルトムントはなくなるが、人

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    2026年04月20日
  • 車輪の下

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    ヘルマン・ヘッセはこんなにも心理描写が素晴らしいとは知らなかった、本当に読んで良かった。ハンスと学友のシーンはわたしが人生で読んだ本や映画の中でもトップクラスの名シーンだった。

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    2026年04月15日
  • 知と愛

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    ネタバレ

    この作品ほど、芸術とは何か、芸術家とはどのように生きる存在なのかを深く描いた小説を、私はこれまで読んだことがない。芸術が生まれるまでの長い修練や、人生の経験がどのように創造へと昇華されるのかが、非常に崇高なかたちで描かれている。

    同時に、この物語には強くユング的な心理の視点を感じた。理性と精神の世界に生きるナルチスと、感覚と生命の世界を放浪するゴルトムント。二人はそれぞれ Geist(精神)とSeele(魂) を体現している存在のように思える。若い頃は互いに相手の中に自分にないものを見て憧れ、同時にどこか劣等感を抱いている。しかし長い人生を経て、二人は互いの影響を自分の中に取り込みながら、そ

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    2026年03月30日
  • 車輪の下

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    感情のあまりに緻密な描写に驚いた。
    自分自身も勤勉で優等生だったので、ハンスの気持ちだったり行動だったりがよく分かった。

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    2026年03月20日
  • シッダールタ

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    堕落の経験がシッダールタを悟りに至らしめるきっかけとなったのかと思ったが、ゴーヴィンダやヴァズデーヴァを見るとそうではなさそうだった。あくまでも自伝的で構成の工夫は特にないのではないかと思った。

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    2026年03月09日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

     とても心に沁みた作品だった。森の中や川の情景描写がとても綺麗でうっとりとした。私は特にりんごの収穫の時の描写が好きだ。
     ハンスは片親のため母親の愛情を受けることなく、父親を含む誰にも心を開くことが出来ずにいたと思う。そして子供らしい少年時代を過ごすことが出来ずにいた。そんな中、唯一心を開いていた親友との別れによってハンスは精神を病んでしまったのだと思う。そんなハンスも恋をすることで青年へと成長していく。しかし環境が変化しても自己矛盾や苦しさを持ち続けた結果、最後を迎えてしまったのだと考えた。
     現代においてもこのような子供はいるのではないだろうか。受験戦争で子供の時から子供らしい生活を送る

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    2026年02月27日
  • 車輪の下

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    中学生ぶり?の再読。
    教育に押し潰され、哀しい運命を辿る少年の話。
    ハンスを救える大人はいなかったのか… 大人たちの言動が子どもにプレッシャーを与え追い詰めてしまうこともある。教育に携わる身となった今、この本とまた出会えてよかった。

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    2026年02月08日
  • デミアン

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    のっけから
    「今日では、人間とはなにか、を知っている人はほとんどいない。しかしそれを感じている人はおおぜいいる。それで、その人たちはほかの人よりは安らかに死んでいく。ちょうど私がこの物語を書き終えたら、いくらか安らかに死ねるように。」

    と書かれ、ちょっとさせられる。本編は戦争中に執筆された。

    「われわれはみんな同じ深淵から出ているのだ。しかし、みんな、その深みからの一つの試みとして一投として、自己の目標に向かって努力している。われわれはたがいに理解することはできる。しかし、めいめいは自分自身しか解き明かすことができない。」


     タイトルの少年が主人公かと思われるが、主人公はエーミール・シ

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    2026年02月03日
  • デミアン

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    教科書以外で古典の作家さんを読んだのは初めてだったが、それが『デミアン』で良かったなと思う。
    元々翻訳小説は苦手なのだが、『デミアン』はなんだか読んでいて楽しかった。翻訳小説特有の日本語の難しさがあったので、読み切るのに1ヶ月ちょっとかかったが、その分たっぷり小説の世界を楽しめたように思う。
    しかし、聖書の内容がかなり出てくるため、その辺りの知識があまりない私としては、物語の根幹の部分を恐らく理解できてないんだろうな、と思う。聖書の知識をつけてから、再読したい。

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    2026年01月28日
  • シッダールタ

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    早熟の天才が世俗に染まり、老いて己の道を開く、というストーリーだけども川からすべてを教わるという知恵が身に染みた。何度でも読みたい。写経したい。

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    2025年12月28日
  • シッダールタ

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    釈迦の出家以前の名、シッダールタの名を冠した主人公の話。主人公シッダールタはあくまでも釈迦を題材にした架空の人物なので史実としての釈迦からは自由にシッダールタの人生や内省が描かれていきます。悩みや苦しさと向き合いながら内省が深まっていく人生を描くのはヘッセの真骨頂という感じですが、本作品では東洋哲学的な苦難と悟りとが詩的に、リズミカルな文章で表されていて、これは翻訳の仕事も素晴らしいと感じますが、ヘッセの最高傑作の一つといえるのではないかと思いますし、インドはもちろんのこと、世界中で宗教を問わずに愛されてきたのも頷けます。

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    2025年12月24日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    アウグストゥスが特筆すべき作品。
    童話という形式の中に、人生の真理が静かに語られていることに感動した。大人になって失いかけていた純粋な感性や、物事の本質を見る目を取り戻すきっかけになった。シンプルな物語だからこそ、心の深いところに届くものがある。美しさや優しさを大切にする心を、改めて思い出させてくれた作品だった。

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    2025年12月22日
  • 車輪の下

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    ハンスが希望を持って神学校に入学したのに、その後の挫折は現実社会でありがちなこと。優秀な人間は、いくらだっていて、その中で挫折せずに成長できるのはほんのわずか。挫折を糧にして前へ進んで欲しいのは願望。
    私にはハンスも父親の気持ちもよく分かった気持ちになった。

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    2025年12月02日
  • 車輪の下

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    とても面白かった。
    ヘッセには他の作品には見られないギラギラとした魅力がある。
    大人たちが期待などの善意(残酷な名誉心)によって主人公が苦悩に陥ってゆく?描写が印象に残った。
    また読みたい

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    2025年11月18日
  • 荒野のおおかみ

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    ネタバレ

    市民的なものを嫌う隠者が、わざわざ最も市民的で規則に囚われた生活をしているものの提供する家に住む。

    狼(本能的と厭世的)とハリー(市民的で俗物的)の2面性の板挟みになり、どちらも身を投じて楽しむことの出来ないハリー。前半では「狂人しか立ち入り禁止!」という自分と通ずる張り紙を見つけて、入る方法を模索するが、ついぞ入れることは無かった。
    ある日飲食店に行った帰りに、墓に立ち寄ったら(この辺うろ覚え)狂人しか立ち入り禁止!を掲げていた男が葬式の参列者として参加していた。話しかけてみるが、なんのことか分からないとしらを切られてしまう。その帰りにハリーはオオカミに内心笑われつつ、旧友である教授にで

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    2026年03月06日
  • 車輪の下

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    「読書は役にたたなかった。」

    かつて偏差値70を超えてた私、
    本作の主人公と自分を勝手に重ね合わせるという愚行に走った末、見事に撃沈、感傷の海の藻屑と化す(…)
    太宰の「大人とは、裏切られた青年の姿である」という格言が思い起こされる

    殺傷能力が高すぎる傑作

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    2025年11月07日
  • 車輪の下

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    内容自体は重たい。成功した著者の自叙伝らしいから、色んな深い意味がある。自分自身を全く性格の違う2人に分けていたり、人生こうなっていたかも、という思いもあったのだろう。悩む気持ち、解放された安心、改めての絶望感、少年から青年になるころの危うい心の動き、立ちはだかる世間、期待、許せないプライド、周りへに嫉妬、大人になってからでも思い出させられた。文章がうまい。古い訳だろうけど、分かるわーとなっている。もう読まないかもしれないけど。人間の性格、本性を描ききったと思う。少年の心は危ういね。

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    2025年10月23日