ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • 車輪の下

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    ネタバレ

    「トーマの心臓」からの流れで読んでみた。

    前半は読むのが結構苦しかった。
    町からたった一人神学校を受験するということで、その合否はもちろん、一挙手一投足が周りの人に監視されてるような状況が辛すぎる。

    神学校時代もハイルナーぐらいしか親しい友達ができなくて、勉強に押し潰されるような毎日は苦しそうだった。
    ただ、もっと生徒間での足の引っ張り合いみたいのがあると思っていたらそういうのはほとんどなかったので、それはよかった。

    自分はどちらかと言うと高学歴に入る部類だけど、もちろん町一番の天才でもなかったし、親をはじめとする大人たちからそんなに重いプレッシャーを受けたとは感じていないので、それが本当に幸福なことだと思った。

    つい最近子どもの教育について実生活で話題に上がったのでいろいろと考えさせられることがあった。
    大人として一回は本作を読んでおくべきですねぇ。

    個人的には神学校を脱出してから、第6章からが面白かったかな。
    学校から解放されてからの方が、自然とか周りのものの美しさを思う存分噛み締めているように感じた。
    特にりんごを絞る場面は臨場感があって、すぐにでもりんごジュースを飲みたいと思わせる魔力があった。
    読んだ日にすぐ買った。もちろん果汁100%。

    恋模様もよかった。
    挫折して、当初の計画通りの人生じゃなくなってもいいじゃん、これも幸せじゃないか、と思い始めた矢先に、そんな…!!
    結末は知らなかったのでびっくりしてしまった。

    でもなんか不思議と後味悪い感じではなかったな。

    0
    2026年06月06日
  • シッダールタ

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    シッダールタとゴーヴィンダ
    目指すものは離脱と悟り
    だが、それぞれの違う選択をする
    悟りを得つつも
    悩み、疲れて、時に溺れていくシッダールタ
    初志貫徹で突き進むゴーヴィンダ
    人生の道のりの中、何度か再開し言葉を交わす
    悟りとは一体なんなのか、離脱とはなんなのか
    探求している間は見つからない
    やがて歳を経て再開したふたりそれぞれいきつくのは…
    進行やセリフがまるで演劇のようで繰り返されていたり、大仰なところはあるので少し読みずらかったが、
    本質を語っている素敵な話でした。

    0
    2026年05月29日
  • クヌルプ

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    ネタバレ

    クヌルプは人に優しい。誰とでも自然に親しくなり、周囲の人々も彼に好意を抱く。しかし彼自身は、誰かと深く結びつこうとはしない。友情や恋愛が本当に近いものになりそうになると、去ってしまう。彼は美しい繋がりが壊れてしまうことを極端に恐れているのではないかと思った。美しい恋も友情も永遠ではないなら、美しかった場面だけを記憶しておきたい。人との関係で倦怠感や義務感やすれ違いで失望したくない。クヌルプの話し方や考え方は本当に優しいが、その優しさが人との深い関わりを拒否していたのが悲しい。

    0
    2026年05月12日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    青少年の危うさ。地元の田園風景や学校の周りの自然描写はみずみずしくて、牧歌的で、読んでいてヨーロッパの田舎に憧れる気持ちになった。
    けど中身はなかなか沈鬱な感じ。自叙伝っぽい要素も多いとのことで、ヘッセさんかなり根に持ってらっしゃるんだろうなと想いを馳せながら読んだ。

    地元の時点で、そもそも事件後の休暇中は魚釣りやりたいって本人が言ってるのに、休暇を勉強に費やさせるなよ...。牧師さんや校長のようなタイプの人たちは、それが本当に本人のためだと盲信してるからタチが悪い。
    進学後については、これまでの無理や我慢がたたったのもあるだろうし、自身の能力の限界にぶちあたったのもあるだろうし、これまでの禁欲的な努力によって築き上げてきた価値観に対して、ハイルナーの叙情的な世界の一端に触れたことで根底からひっくり返されたこともあるのだろう。

    いずれ、自分の子供に対しては、能力を伸ばしてやりたい気持ちは持ちつつも、本人のピュアなこころに無理強いをさせないようにしたいと思う。けど本人の気持ちは本人にしかわからない。対話していこう。

    0
    2026年05月09日
  • 車輪の下

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    友達の教え子(高校生)からの推薦図書です

    なるほど、高校生に刺さりそうな内容ではあったけれど、
    自分が高校生の頃はヘッセなんてちっとも知らなかったな…と反省

    大人と子供のあわいに生じるもやもやした気持ちを
    すごく丁寧に描写されていて、これは学生時代に読みたかったな、と感じました

    「学校の教師は自分の組に、ひとりの天才を持つより、住人の折り紙つきのとんまを持ちたがるものである」なんて斜に構えた高校生時代の自分なら大歓喜するような一文でしょう笑

    また、自然の描写も素晴らしく、ヨーロッパの田舎の生活なんて一ミリも知らないのに、どこか懐かしく、匂いまで感じるような文章がよかったです
    リンゴジュース絞りの場面は、ページの向こうからりんごのさわやかなにおいが立ち上ってくるかのようでした

    ヘッセ自身も自殺願望があったことを別の本で知っており、今回この作品を読んで、主人公ハンスにはそうしたヘッセの人生の多くが投影されているのだろうな、とも感じました。鬱屈した気持ち、憂鬱な気持ちの描写がうますぎます笑

    大人になってから読むのもいいけれど、学生にこそ読んでほしいと思います!(明るい気持ちには全くならないけれど)

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    2026年04月28日
  • 車輪の下

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    再読/ヘルマンヘッセは1946年ノーベル文学賞受賞。20世紀前半のドイツ文学を代表する作家である。1962年85歳没。1906年『車輪の下』は日本で最も有名なヘッセ作品であり、周囲の期待を一身に背負った少年の希望と挫折を描いた小説である。このお話しのラストが予想の斜め上をいく、突然の幕引きに驚いた。

    受験戦争で精神的に疲弊した若者たちが世にあふれ、状況を改善しようと2002年度から「ゆとり教育」が実施された。結果は学力低下と学校外での学習格差が問題視されることになり、2010年度で終了する運びとなる。受験戦争を勝ち抜くことは手段にすぎず、目的を見失えば人生は味気ない。

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    2026年04月19日
  • デミアン

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    ヘッセは教科書で見た事あったから、もっと軽い本やと思ってた。
    運命が、アプラクサスとかデミアンの母を通してて描かれてる?から解釈しながら読むんむずかった
    でもめっちゃ面白い
    情景描写とかが少なくて読み進めにくかった

    0
    2026年03月17日
  • デミアン

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    ネタバレ

    善と悪の世界に分けられた視点と、何が悪で善なのか考えさせられる作品。社会的・宗教的批判がかなり多いので、当時の情勢を知っていると楽しめるかもしれない。

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    2026年03月12日
  • シッダールタ

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    わからない表現が多かったが最終章(ゴーヴィンダ)にきて何となく理解できたような気がする。世代によってこの本の評価は変わってくるだろう。僕らのシルバー世代には多くかんじるところがある。しばらくしたら読み返せばもうちょっと理解できそう。
     河がキーワードかな。息子が離れて行くことを赦したところは圧巻だった。

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    2026年01月17日
  • シッダールタ

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    素敵な読書体験だった…!
    短いのでサクッと読めるし、仏教に興味がある人への入門にもなると思う。

    ヘッセがインド思想の研究をしていたことは知らなかったけど、解説にあるヘッセの言葉「体験していないことは書けない」にこの本の全てのエッセンスが詰まっているような気がした。

    シッダールタの目線で世界を見つめるようになりたいなー

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    2026年01月15日
  • 春の嵐

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    ネタバレ

    老齢と青春の対比を不具の主人公クーンと名望な音楽家ムオトがゲルトルートを愛し合う構図で友情を育みながら表している。
    しかしクーンも心底老齢のような性格をしている訳ではなく、もともとはムオトのような傲慢で自信家なエゴイストだったが不具になったことで自信を失い内省的で控えめにならざるを得なかっただけなため、ゲルトルートの幸福を思い引き下がるも内心は自害を試みるなど外面と内面の乖離がおこってておもしろい。結局、女性をぶつようなムオトにゲルトルートは惹かれてしまい結婚した。クーンに自己投影してたので急に寝盗られて脳破壊された。しかしムオトとゲルトルートは熱狂的になった時だけ合うのであり、通常の落ち着いた老齢らしき愛を育むことはできなかった。ゲルトルートはノイローゼになり、それを受けてムオトも女とゲルトルートを禁止されてその分をお酒に依存していた。そして最後にムオトとクーンのゲルトルートに対する愛情と二者間の友情を確かめ合って、2人でゲルトルートの肖像画を見たあとに死ぬ。

    誠実な人間の目の元に置かれていたら何も悪いことはできないだろう、相反する性格は最初は惹かれ合うが長くは続かないだろう、青春時代に熱狂的だった人が老齢になった時自分の命が消えることを察し後世に何かを残すべく緩慢な幸福を楽しめる。

    情景描写、心情描写、人物描写、読んでるだけで幸福を感じる。

    ヘッセ、車輪の下も、デミアンも、荒野のおおかみも、死にオチ多いし比較的真面目な人間が大胆で情熱的な人間に連れられて感情を揺らされる構図が多いな。でも今まで読んだこの3つは、導く役は神格化されて安定していた。なのに春の嵐だけは不安定だった。それに、デミアンと荒野のおおかみは幻想的な世界観と現実が入り交じったマジックリアリズムのようになるが、春の嵐ではその幻惑が音楽という現実で表されてたな

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    2026年03月06日
  • シッダールタ

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    とても難しい+仏教と言うものをあまり理解していないので中々読むのが大変だったのですが、やっぱり体験した先にあるのが経験なり知識になるんだな。

    すべてを体験した末の悟りか…?

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    2025年12月18日
  • 車輪の下

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    『新潮文庫の100冊』より。

    子供への期待から生じる大人の無理解と利己主義に抑圧されながらも、自己を取り戻そうと必死にもがく青年ハンスの物語。

    ドイツののどかな田舎の情景と、少年期から青年期に移り変わる多感な心情の対比が痛々しいほど美しい。

    本書に登場する大人の無遠慮な期待と過度な干渉は、子供のいる自分にとって身をつまされる思いだった。
    これから成長していく子供を車輪で押し潰すことがないよう気をつけなければ。
    若い時に読んでいたら今とは違う感想を抱けたかもしれないので、もっと早くに出会いたかった作品。

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    2025年12月05日
  • 車輪の下

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    ヘルマン・ヘッセの代表作。街一番の秀才・ハンス=ギーベンラート(14)は、難関試験に2番の成績で合格するほどの実力者だった。周囲の期待に推され、親元を離れて勉強に励むが、 進学先で出会った友との交流、同級生の死などを通して、彼は徐々に少年から大人へと変化していく。特に、親友ハイルナーとの出会いは、彼の運命を大きく変えた。ハイルナーは詩が好きで自由奔放な少年であり、教員たちの間では問題児として有名であった。ハイルナーと交際する中で、ハンスは徐々に今までの勉強に興味を失っていく。ハイルナーの退学を機に、彼と親交の深かったハンスは教員たちから疎まれるようになる。そしてハンスは心身のバランスを崩し、故郷へ帰ることとなった。精神虚弱の症状は治らず、ハンスは自死への思いを強くする。手工業の見習として働きに出るが、虚しく欠けた心は戻らない。自死か事故か、ハンスは川で溺死体となって発見される。

    青年期の心の変動を本当によく表現している。ハンスは勉強も好きだし、賢い子だから、周囲の期待も分かっている。けど本当は釣りが好きで、散歩が好きで、友達と笑うのが好きな、ごくごく普通の少年だった。彼の柔らかい心を、期待という重機で押し潰したのは、他でもない大人たちである。自分を轢き潰そうと迫ってくる無機質な車輪を、轍の上にいる彼はどんな思いで眺めていたのだろう。最後の、川面に惹かれてしまう描写はあまりにも美しく哀しい。酒に酔ってどろんとした頭で、涙に滲んだ目で、星あかりに揺れる水面はどれほど美しかったことだろう。
    ハンスが神学校に入る前から気にかけてくれたフランツ親方。「試験がダメだったからって、お前自身がダメという訳ではないんだぞ」と言ってくれた親方。その言葉をかけてくれる大人が、ハンス自身を見てくれる大人が、他にもいてくれたなら。何か違う結末があったのではないかな…。

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    2025年11月01日
  • 春の嵐

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    たまたまトニオグレーゲル、ヴェニスに死すを読んだ後にまた芸術家をテーマにした作品。ストーリーがどうと言ったことはないけれど、たっぷりと情景、心理描写を丁寧に描いてるのはせかせかした現代の作品にはない次元を感じます。こう言った作品を読むと、立ち止まる時間ができて嬉しい。

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    2025年09月05日
  • シッダールタ

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    難解な文章で書かれているのかなと思ったら、とても読みやすいの翻訳で、逆に驚いた。翻訳者の高橋健二さんが凄いんだろうとなと本文とは違うところで感心してしまった。仏陀になるべく修行するシッダールタであったが、愛に溺れて酒に溺れて金儲けに走り、やがては自ら命を断とうとする展開に驚いた。仏教には詳しくないので、最後に川を人生に例えて悟りを拓くかのような展開。一度で理解できなかったので、また読もうと思う。

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    2025年04月19日
  • シッダールタ

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    シッダールタ=ゴータマだと思っていたら、そんなことはなかった。全時代のシッダールタさん失礼しました。

    本作はどこかで、ヘッセによる東方の神秘を描いた作品、というような謳い文句で紹介されていた。
    さて実際はいかがか、と楽しみに読んでいくと、そのエロティシズムと聖人とは程遠そうなシッダールタの所業に、結局ヘッセもヨーロッパ人か…といくらか落胆する。
    しかし終盤に差し掛かり、シッダールタが川の声を深く聞く頃から、話に深みが増し面白くなる。
    それは作中にもあるように、初めから読んできたからであり、そしてこの私が感じた面白さを真に言葉に表すことはできないのだと思う。

    さて、ここまで書いてこの感じ方を馬鹿らしいと思って忘れられる展開が私には面白いのだが、本作は残念ながら馬鹿らしいことを上回る名状しがたい事によって馬鹿では終わってはくれない。そこが残念だ。

    そこを、なんと馬鹿らしい!と思われるのが、エブエブなんじゃないかな、と思った。

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    2025年03月18日
  • 車輪の下

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    読むのにだいぶ時間がかかってしまって、そのせいもあってかハンスに結構な感情移入をしてしまったらしい。喪失感が物凄い。
    情景描写が綺麗で没入し易い
    海外文学なのもあってか知らない単語や地名も多く進みにくかったように感じる。
    あっけない
    18のうちに読めて良かった

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    2025年02月11日
  • デミアン

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     自分の理解の範疇を超えた意見を受け止められるような人間でありたいし、過去に幸福や逃げ場を探し続けるのはやめようとも思った。
     文章については、直訳が多いのか比喩が多いのか、私の読解力が足りない故か、まわりくどく分かりにくく感じてしまった。翻訳者のバイアスがかからないように訳すのも素敵だけれど、翻訳者の解釈も混じった文章も魅力的なのになと思った。

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    2025年02月05日
  • 車輪の下で

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    ネタバレ

    思いやりのない少年ハイルナーに出会ったことが、ハンスの不幸の始まりだった。ハンスの取り柄は優等生であることだ。それは周りから褒められる美点であり、自尊心と成長心を持たせて、ハンスの思春期の芯となる大事なものだった。しかし、それをハイルナーはずかずかとハンスの心に入り込み、思わせぶりな態度でハンスに友達として依存させる。そして、勉強の邪魔までしてくる。人を見下し、迷惑をかけるハイルナーは友達ではない。もし友達であれば、当然、持つべき友達への興味や思いやりを持っているはずだ。だが、ハイルナーにはそれがない。周りの大人たちも、優等生であるハンスが優等生でなくなったことに対して辛辣だ。機械工としての仕事もできそうだったのに、新しい物事に触れる喜びをわかる、良い子だったのに。周りの無理解と過剰な期待によって、少年の人生は終わってしまった。「どんな生命にも若さにも価値があり、それを再び取り戻すことはできない」という文を思い出す。

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    2025年01月21日