ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最期クヌルプは雪の中で神様から、お前のあるがままの姿、お前のような人生も必要だったと言われ自分の人生に納得して死んでいった。
しかし僕が思うにやっぱりクヌルプの人生は悲しい。素直な人間だったからこそ初恋の裏切りに耐えれず、13歳の頃の過去を永遠と引きずりながら人生を終えることになってしまった。
もっとやりようはなかったのか?過去に囚われず前向きに進んでいくことはできなかったのか?
確かにその過程でクヌルプは人生の傍観者として旅の道中多くの人を楽しませ、その人たちの人生の一部を明るくした。だけれども自分のために生きたとは言えないと思う。最期まで自分の生き方が正しかったのか疑問を本人も持ち続けていたわけだし、本当は普通の生き方をしたかったんだろうなと思ってしまった。 -
Posted by ブクログ
1人の少年の淡くも儚い人生。
周囲から期待され、その期待に見事に応えるも、どこかで歯車が噛み合わなくなっていく。
自然と戯れていた頃のハンスが一番生き生きしていたのではないだろうか。
最後、父親と隣人がハンスとの関わり方を振り返るシーンは、切なくてやるせない。
ヘッセ自身の人生をハンスとハイルナーを通して自伝的に語っていると言われている本作。
ヘッセも神学校を去り、町工場で働くことになったが、彼には彼を支えてくれる母や友人という存在があった。だからこそ、詩人や作家として大成していく。
ハンスにとっては、あまりにも他人や周囲の環境に振り回される人生となってしまった。
どこかで、自分自身と向き合う時間があれば、何か変わっていたのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
「鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない」
この一文は、
『デミアン』という作品を象徴する言葉だと感じた。
物語は、
主人公シンクレールが旧約聖書の
「カインとアベル」の解釈や、
善と悪を併せ持つ存在「アプラクサス」
といった象徴的な思想に触れながら、
自分自身とは何者なのかを問い続け、
精神的に成長していく姿を描いている。
読み始めは少し難解に感じたものの、
物語が進むにつれて、
その難しさが作品の魅力へと変わっていった。
特に印象的だったのは、
「善」と「悪」を単純に切り分けるのではなく、
人間はその両方を抱えながら生きていく存在なのだという視点である。
自分の中にある光だけでなく、
影までも受け入れて初めて、
本当の意味で自分自身になれる。
そのメッセージが全編を通して流れているように感じた。
また、
読んでいる最中には、
心理学者カール・ユングの
「シンクロニシティ」や「集合的無意識」
を思わせる場面が何度もあり、
夢や象徴、
偶然とは思えない出来事が一つの意味を持って結びついていく感覚に強く惹かれた。
ユング心理学に興味を持ち始めた今だからこそ、
この作品をより深く味わえた気がする。
『デミアン』という小説は、
「自分らしく生きるとは何か」「本当の自己とは何か」という問いを読者自身に投げかけてくる作品だったと感じる。