ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あえて言いたい。
青春は美わしくない、と。
この本は初恋を軸にした小説が2篇収められおり、分量も少ないのであっさり読み切れると思う。
ただヘッセの作品群においてそんなに重要ではないかと。
初恋とかもうね・・・下らないでしょう。
いや、男はそう思うしかないの。
実際振り返ると美しいという感情よりも下らない思い出のヤツが多いはず。
統計取ったわけじゃないけど。
特にいい歳になってから初恋らしいことをするとロクな目に遭わないような気がする。
正直ヘッセには初恋を書くならもっと毒性を強くしろ、と言いたい。
なんでわざわざ美わしくしようとしたのか。
自分にはあまり面白いとは思えなか -
Posted by ブクログ
-幸福を体験するためには、何よりも、時間に支配されないこと、同時に恐怖や希望に支配されないこと-
ノーベル文学賞受賞者、ヘルマン・ヘッセの晩年の随想・小品をヘッセと親交のあった訳者、高橋健二氏が「人生の意味をふかく具体性ゆたかにとらえているものを選んで訳出」した名冊。引用は本書タイトルにもなった「幸福論」という随想の一節。たった7枚の何気ないような話(文章)のなかに、ハッと自分の日常生活や思いと繋がる瞬間がある。
核家族化が進む中で、深く人生について語り合うことができる"おじいちゃん"を持つことは難しい・・・。ちょっと難しくても、卒業・入学祝いに、子供たちにプレゼントした -
Posted by ブクログ
幸福とは相対化する対象があって初めて機能する感覚なのだろうか。
今、幸福だと感じている人はそれそのものに対して幸福を感じているのか、それとも誰かとあるいは過去の自分と比較して幸福であると感じているのだろうか。
幸福を定義づけられるほどの哲学も持ち合わせていないので、そんなものは場合によるし人それぞれですよと言ってお茶を濁すけれど、私にとって幸福とはと考えると何かと比べてみないと感じ取れないほど遠くにあるモノのように思う・・・。残念なことに・・・。
ある一瞬の状況でさえも(感動して泣いたにせよ、楽しくて笑ったにせよ)素直に幸福だと感じ取れる人間でありたいなとふと思った。 -
Posted by ブクログ
【本書より】人間が生活の苦難や危険のただ中にあってもそういうものを楽しむことができるかぎり、つまり、自然や絵画の中の色彩の戯れや、あらしや海の声の中の呼びかけや、人間の作った音楽などをたのしむことができるかぎり、また、利害や困難などの表面の奥で、世界を全体として見たり感じたりすることができるかぎり、つまり、たわむれる若いねこの頭が描く曲線から、奏鳴曲の変奏演奏にいたるまで、犬の感動的なまなざしから、詩人の悲劇にいたるまで、連関があり、無数に豊富なつながり、相応、類似、反映が存在していて、絶えず流れるそのことばから、聞くものに喜びと知恵、冗談と感動の与えられる、そういう全体
として世界を見たり感