ヘルマン・ヘッセのレビュー一覧

  • デミアン

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    善悪、明暗、自他。
    二元的に背反するものを超越した先に真理を追い求め、自我を懸命に模索する少年とその葛藤が、印象に残った。
    宗教、哲学の色が強く、難解な箇所も多いが、再読したいと思える作品。

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    2022年05月06日
  • 春の嵐

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    ネタバレ

    障害を負ってしまい、普通の恋愛もできなくなってしまった主人公と、彼を巡る人々の人生が淡々と描かれる。ゲルトルート、ムオト、両親、ブリギッテなど、障害者ではない体をもつ人々も、結局のところいろいろなものを失っていく。この淡々さが良いですね。
    主人公の母親と友人の友情が破綻する、利己的な友人とのエピソードって、極端に書かれてるけど、ああ、こういう母親の友人みたいな人リアルでも存在してそう…。

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    2022年04月23日
  • 知と愛

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    やっぱりヘッセの小説には女性的・母性的なものへの憧れやコンプレックスが満ちている。真面目な人だったんだろうな。

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    2022年04月14日
  • シッダールタ

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    最初の方は文章がちょっと読みづらくて、読み進めるのに時間がかかったが、途中からどんどん読みやすくなってきた。
    人間は言葉とか思想じゃなくて、実際の経験の中で失敗したりして学ぶし、成長するんだなと思った。

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    2022年03月27日
  • 車輪の下で

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    ネタバレ

    ハンスがもう少し生きて大人になっていたら気持ちの整理ができたり、現実と折り合いをつけて生きられたのかなとも思ったりする。
    少年愛とも思われるシーンもあり、少女漫画界に影響を与えたらしい。

    学生時代に別の訳で既読だが、この訳はとても読みやすかったです。

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    2022年03月27日
  • シッダールタ

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    隅から隅までヘッセ。それもかなり宗教寄りのヘッセ。訳の影響もある気がするけど、最初は読み辛い。慣れるとそうでもない。宗教っぽくて一段上から物を言ってる感じなんだけど、結局のところ人間は人間らしくいるのが一番、そう言ってるように思える。人間界、ふるさとの心地良さ的な。川の声なんて川のすぐそばじゃないと聞こえない。人の声、人の心もまた同じ。感じる力を研ぎ澄ませ。

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    2022年03月26日
  • 荒野のおおかみ

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    相変わらず難しい。ヘッセの小説はいつも難しい。でも、引き込まれる。どんどん読んでしまう。結局難しくて、読み終わってもボヤッとしたまま。僕にとってはそれがヘッセ。それがヘッセのいいところ。
    反対派は賛成派に寄りかかってる。黒が白に寄りかかるように。夜がなければ朝もない。変り者も時間も何もかもが、そうではないものに寄りかかってる。そういうことなのかも知れない。

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    2022年02月25日
  • ヘッセ詩集

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    ヘッセの全詩集から抜粋された代表作。この詩集には、ヘッセ自身の孤独感、寂寥感といったものが強くまとわりついているように感じる。彼の小説には、家庭の温かみを描いたものが少ない。この詩集でも、そうした絆や人との触れあいのようなものがほぼ感じられない。ヘッセらしいと言えばらしいのだが、今の私ではなかなかシンクロできなかった。それにしても、これだけの叙情的な詩を訳すのは難しかったのではないだろうか。

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    2022年01月09日
  • 知と愛

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    『目標はこうだ。
    自分が一番よく仕えあるところに、
    自分の流儀や特性や天分が
    最上の地盤と最大の活動の分野を
    見出しうるところに、
    常に自分を置くことだ。』
    ここの部分がすき。

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    2022年01月08日
  • 車輪の下で

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    どこまでも美しい言葉のリズム
    美しい中に痛みを感じる表現
    1905年に書かれた作品を今わたしは読んでいる…
    100年以上前の言葉に 今の私の心が震えている…

    “車輪”という言葉に 絶望と希望が込められているのだろうか…

    少年の心の成長の繊細な描写が描き出されている
    時に車輪を追い抜き 追い越され 下敷きになりながらも
    ヘッセ自身の人生を体現させてくれる


    ラストはまるで映画を観終わったかのように
    すーっと私の前から物語が消えていく…
    心に残る映画を観たあとの
    少しずつこちら側の世界に戻ってくるような感じがした…

    もしも この作品を読みなおす機会があるならば…
    間接照明がほんのり灯る

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    2021年12月23日
  • 車輪の下

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    ハンスの不幸は周囲の人たちが彼を理解していなかったということ以上に、彼自身が自分のやりたいことやりたくないことを理解できていなかったことなんじゃないかと思った

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    2024年09月08日
  • 車輪の下

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    海外の有名な作品を読んでみよう!という安易な動機で選んだ作品です。今でも学生に推奨されている古典文学な気がしますが、今の若者とは価値観や感性が違い過ぎて面白さが理解されないのでは、と思いました。いらぬ心配ですが。
    若い時代って濃い分生きるのしんどいと感じることが多かったな。多感だったな。とか思いました。

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    2021年10月13日
  • 車輪の下

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    最初はよくわからず言われるがまま勉強するハンスの様子が淡々と語られるが、入学後関わる友人の登場から一気に面白くなった
    共感できる部分もあって、最後は誰にでもありえそうな悲しい最後
    期待に潰される鬱小説

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    2022年12月26日
  • 車輪の下

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    高校入学前、春休みの課題図書だったので読んだ
    この本の救いのない展開と、入学後に始まった詰め込み学習で、失望しながら高三の秋まで遊んで過ごした
    主人公に自分を重ねずにはいられなかった
    当時の高校教師の意図が未だにわからない
    今読めば違った感想が持てるのかもしれないけど、ハンスがどんどん落ちぶれていく様がトラウマになってるのでもう読めないかも

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    2021年08月16日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    大人向けの創作童話集。8編収録。自然の美しい描写で心が洗われたり、生や死などに関する観念的な語りかけによってその世界にどっぷり浸れたりするような素晴らしい作品たちである。いつの時代でも心に響く内容で、かつ、文体も柔らかいため、子どもから大人まで幅広く楽しめるのではないだうろか。

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    2021年08月02日
  • 荒野のおおかみ

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    ▪️印象に残った言葉やシーン
    荒野のおおかみの論文に書かれていた「ハリーが一つないし二つの魂あるいは人格から成り立っていると思うのは空想に過ぎない。人間はみな、十、百、千の魂から成り立っている」。

    ヘルミーネがハリーに対して言った「あんたは精神的なものが高く発達しているかわりに、いろいろな処世術が酷く遅れている。思想家ハリーは百歳だけど、踊り手ハリーは半日そこらの赤ん坊。同じくらい発育の悪い小さな兄弟たちも含めて、これから私たちが育てていく」。

    ハリーの人格や魂が分裂してできた、老人、青年、女性、強いの、弱いのなどの多数の駒が、将棋盤の上で遊んだり、戦ったり、同盟を組んだり、結婚したりする

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    2021年04月18日
  • 車輪の下

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    教育の名の下、親や先生のエゴに敷かれた子供の行く末が描かれている。
    終始悲壮感が強いが、その中にも微かに光がちらちら見えた気がした。風景描写や人物描写が水々しく、濃厚だった。

    文調は慣れないながらも、さすが、秀逸だと思う言葉は沢山あった。
    読むのに苦労はした!

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    2021年03月22日
  • 青春は美わし

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    翻訳された本だからなのか、登場人物の感情の表現が淡々としている印象だった。物語自体は短いのですぐ読み切れるが、ドラマチックな展開を求める人にはあまりオススメではない。

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    2021年02月03日
  • シッダールタ

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     シッダールタは釈尊の出家以前の名前であるが、これは別の求道者の話。
    シッダールタはバラモンの子であるが、普通のバラモン僧になる気はなく、父の反対を押し切って、沙門(苦行僧)の仲間入りをする。
     修行のなかで無我を目指し、誰よりも無我に近い所に辿りつけるが、疑問を感じる。ある日、仏陀に出会い、この世で一番尊敬出来る師だと思った。親友は仏陀の弟子になるが、シッダールタは「教えられる」ということには興味をもてなくなり、一人、仏陀からも沙門の仲間からも離れて修行を続けようとする。
     虚しさのあまり、考えぬいた結果、自我に目覚め、町のほうへ歩いて行く。随一の遊女カマーラに出会い、愛について教えを乞う。

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    2020年12月05日
  • 荒野のおおかみ

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    多くを学び孤高でありながら、世間の行動や考え方に否定仕切れない。葛藤と分裂、受容。2020.8.29

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    2020年08月29日