早見和真のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
店長がバカすぎて
久しぶりに小説を読みました。久しぶりの読書かこの本で良かったです。とにかく面白くて一気に読みまくりました。書店員さんて大変なんだなという事も分かり、今度、書店に行く時は見方が変わりそうです。
店長さんの無邪気さが本当なのか演技なのか、最後まで謎です。 -
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甲子園を目指す名門高校、控え選手を描いた傑作。筆者のデビューだが完成度高し。
「あの夏の正解」が素晴らしかったので筆者のデビュー作も読んでみました。
筆者はあの桐蔭学園出身、あの高橋由伸の2年後輩という本物の高校球児上がり。その経験が本作のリアリティに大きく貢献。そして一般受験の控え選手という主人公のキャラ設定の素晴らしさ。
野球部に限らずきっと誰もが持つ若かりし頃の過ちと恥じらい。誰より心を許したであろう友達との再会もためらわれる。そんな甘酢っばい思い出に対し直面せざるを得なくなる主人公。構成が感動をうまく引き出してくれる。
映画化もされた作品。元高校球児でなくとも過去の甘酸っぱい思 -
Posted by ブクログ
母の病気をきっかけに家族の隠れていたものが明らかになるお話
視点が母、兄、弟、父と移りながら物語が進行する
最近物忘れが多くなった母
認知症ではないかと自分で疑うが、そうではないという思いも
しかし、兄夫婦の妊娠を祝う席での言動を訝しんだ家族の勧めにより受診したところ、1週間が山との診断が本人ではなく家族に告げられる
しっかりものと思われている兄の過去と現在の想い、へらへらとだらしのない生活をしているように見えて実はリアリストな弟、場当たり的な対応で自分で責任を持った選択ができない父
今まで表に出てこなかったそれぞれの想いに気づく
「砂上のファンファーレ」で発売したものを改題して文庫化 -
Posted by ブクログ
ネタバレ必要とされたいという誰しもが持っているであろう普遍的な感情、その想いをことごとく幼少期から大人になるまで踏み躙られてきた幸乃が選んだ結末は、あまりにも悲しく、胸を掻き毟られる想いだった。
恵まれない家庭環境で育った人と接すると、必要とされたい、愛されたい、といった感情を異常なまでに感じる事があるが、それが叶わないと諦めてしまった時、また幾度とない失望に晒されて、希望を抱くことすら恐怖に感じた時、人はこの世にいることを諦めてしまうのだと思うと、身の回りの人にも起こり得そうな気がして、言葉を失った。
様々な事情から、承認欲求や愛を渇望してる人たちに、自分は何をしてあげられるのだろう。
一生彼ら -
ネタバレ 購入済み
悲しいけれど不思議と爽やかな話
ストーカー行為の末、元彼の奥さんと二人の子供を(お腹の子供を入れれば3人)放火で殺害した罪で死刑判決を受けた女性。
その女性を助けようとするかつての幼なじみ達の何年にも渡る奮闘を描いている。
真相はほのかに予測していたが、ラストは…
淡々と時が流れていくストーリーが最後になって急にサスペンスっぽくなって、一気に読みきってしまった。
私はもう一つのラストシーンを想像した「間に合っていたら」
しかし何故がこのラストが爽やかな印象を残す。
心に残る作品 -
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾。
相変わらずぶっ飛んだ店長だなぁと思いながら、最初からこんなふうだったけ⁈と、
一段とバカさ加減が増しているのでは、と感じなくもない。
店長が考えることは並はずれていて、だけど子どもたちのことはとても考えている。
休日に読み聞かせをしているだとか、雨の本屋さんピクニックや卒園イベントなど〈武蔵野書店〉で出来ることをやっているのは凄いことだと思う。
そんな店長が退職とは…
だけど書店員であることは辞めないという。
昨日までの自分が知らなかった世界と出会える唯一の場所が書店だと言う店長には、書店はなくてはならないものなのだろう。
谷原京子もまたそのひとりなんだろう。
『自分 -
Posted by ブクログ
『ザ・ロイヤルファミリー』を読み終わって、まず思ったのは「これ、競馬小説って言葉では全然足りないな」ということだった。確かに題材は“馬主”で、物語の軸にはサラブレッドと競馬場がある。でもページを追っていくうちに、いつの間にか馬そのものよりも、「この馬に人生を賭けた人たちの行く末」が気になって仕方なくなっていた。
語り手である栗須は、もともとどこにでもいそうな中流の元税理士で、たまたま出会った派遣会社ロイヤル・ヒューマンの社長・山王耕造に見込まれ、秘書兼右腕のような立場になっていく。大企業のオーナーでも、昔からの大名門でもない、“成り上がりの新興馬主”。そこに生まれた一頭が「ロイヤルファミリー -
Posted by ブクログ
小中は地元で野球に打ち込み、高校からは全寮制の強豪校に入ってひたすら甲子園を目指す息子を母親視点で描いたストーリー。誇り、葛藤、嫉妬、挫折などの感情は、野球じゃなくとも何かに打ち込む子どもを応援し見守る親は、誰でも感じたことがあるのではないだろうにか。
子どもがどんなに苦しんでいても代わってあげることはできない。一緒に苦しみ、悩むけれども口にすることはできない。そんな気持ちを共にできる大人の友達はとても大切だ。
このストーリーでは、強豪校ならではの父母会のいざこざもたびたび出てくる。どのシーンも既視感があり、皆同じなんだなと改めて思った。
共感と感動を呼ぶ一冊。ぜひ手に取って読んでほしい。