早見和真のレビュー一覧
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ネタバレ死刑囚である田中幸乃について、関わってきた人間達それぞれの視点から語られている構造が面白かった。数々の視点から、メディアでは語られない彼女の本当の人物像が少しずつ浮き上がってくるため、飽きずに読み進められたのが良かった。
マスコミが報道する彼女の人物像と、様々な切り口から語られる彼女の人物像は大きく異なっていているにも関わらず、前者ばかりが1人歩きしてしまうところにマスコミの恐ろしさを感じたし、あまりにも哀しい現実だと思った。
真犯人が判明したあたりからは読み進める手が止まらなかった。生きることが辛く、死にたいと願っていた女のもとに、死刑という奇跡が舞い降りてきた。ただそれだけのことなのに、と -
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このノンフィクションを読んで、チームとは何かを考えさせられた。チームが一つの目標や課題に向かって行くためには、全力を尽くすことが必要だし、それが達成感に繋がり、達成感できなくとも満足感に繋がる。そういう意味で、高校野球で最後の年に三年生を優先的に起用すれば、それはチームが全力を尽くしたとはいえない。ここはブレてはいけないところだろう。そして、目標にしていたものが突然無くなってしまった場合でも、やはり全力を出し切るようにベストを尽くす必要がある。一人ではできなくとも、チームならできることも増える。そんな熱いチームプレーには魅力がある。しかし、チーム内で、自分の存在意義を見出せていないと、なんだか
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小学6年の十和は「家族の幸せの形」がわからない。
嫌な家族ではないのに、家族といると心が荒む。
家族と離れて大阪にいる祖母と暮らすため、
十和は中学受験をすることを決める。
中学受験は長い人生の中のほんの一部の出来事。
でもその人生のほんの一部の時間が
きっと自らを大きく成長させ、
ここでの経験がこれからの人生を歩む時の自信や糧になっていくんだろう。
受験生の十和、それを支える家族。
父の優しさ、母の見守り、妹の応援。
バラバラになりかけていた家族が
受験を通してひとつになっていき、
「家族の幸せの形」は何かを見つけ出した
十和の答えにとても賦に落ちた。
受験のように答えが決まっ -
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タイトルや表紙から、高校野球に関わる内容なのかなと想像した。選手はもちろん、親にとっても特別な体験なのだろうな。冒頭から特別なシーンが続く。母親の秋山菜々子が息子の航太郎の出場シーンを見入る。その思いを想像する。高校3年生の甲子園球場。高校最後の大会であり、しかも甲子園。特別な場面であることが感情移入させる。次第にわかってくるこの登場場面。それは、延長に突入していて、ピンチの場面でのベンチからの伝令だった。つまり、航太郎はベンチにいたのだった。甲子園初出場という言葉が、特別な意味をもつ。航太郎、そして菜々子にはどんな気持ちが膨らんでいるのだろう。私には、なかなか想像がつかない。嬉しい気持ちもあ
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本当は女の子のお母さんになりたかった。
全てを読み終えた後に、この一文を読むと、この一言に至るまでの葛藤がひしひしと伝わってくる。
気がつけば航ちゃんを応援する母の視点で読んでおり、涙が止まらなかった。
一冊の本を通して、成長する高校球児とその母親の姿を俯瞰して観る(読む)ことで、もう味わうことが出来ない高校野球(甲子園)の一コマを感じることができた。
グラウンドの上だけじゃない戦いにドキドキが止まらない。苦しいながらも成長していく航ちゃんを応援しながらページをめくった。
負けも挫折も、苦汁も味わったからこそ、アルプス席から観える勇姿に心が熱くなった。