早見和真のレビュー一覧
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父に薦められて手に取った一冊だった。
この本で最も心を動かされたのは、人と人とのつながりがとても熱く描かれているところだ。なかでも山王社長の、人間の信頼に賭ける一貫した姿には強く惹かれた。多くのものを背負いながら前に進もうとする姿は実に格好いい。ただその一方で、人情の熱さや自分の信念が強すぎるからこそ、慕われもするし疎まれもする。ときには、その瞬間の思いに突き動かされて失敗もする。その危うさも含めて、とても人間らしい人物だった。
この作品の熱さは、人間関係だけにとどまらない。登場人物たちの多くが、馬に対してもまた真剣で、切実な思いを抱えている。競馬に出る馬を育てることは本当に馬のためなのか -
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面白かった、そして胸が熱くなった。
会話もテンポが良く、読みやすい。
看護師として働くシングルマザーの秋山菜々子
と一人息子の航太郎。
航太郎はシニアリーグでピッチャーとして
活躍しているが、大阪にある、「希望学園」への
進学を決意する。息子の夢を支えるため、
菜々子は慣れない大阪での生活を始める。
野球部の父母会や監督との関係、悩みながらも
母と子で様々なことを乗り越えていく。しかし
実際の高校野球の世界でも、野球部の父母会では、こんなシビアなことが起きているのだろうか
(‥しんどい‥)
母と子が共に成長していく姿、
読みながら彼らと追体験しているようで、
最後の試合のシーンでは泣かされ -
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私は高校野球が嫌いだ。それは教育と謳われながらそこに金の匂いと大人の思惑が色濃く介在しているからだ。高校野球はテレビ中継され、友情や家族の支えが強調され、感動物語として大々的に取り上げられる。だが努力や友情、涙や笑顔は野球に限ったものではない。例えば他のスポーツ強豪校にも同じだけのドラマはあるはずだし、スポーツに限らず、芸術や音楽、受験勉強の世界にも数えきれない物語が存在する。
確かに高校野球は人気がある。しかしそれは日本の長い歴史の積み重ねに過ぎない。他のスポーツと比べて優劣など何もないはずだ。世界的に見ればサッカーの方が圧倒的に競技人口は多く、アメリカではアメフトが1番人気のスポーツになっ -
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ネタバレ死刑囚である田中幸乃について、関わってきた人間達それぞれの視点から語られている構造が面白かった。数々の視点から、メディアでは語られない彼女の本当の人物像が少しずつ浮き上がってくるため、飽きずに読み進められたのが良かった。
マスコミが報道する彼女の人物像と、様々な切り口から語られる彼女の人物像は大きく異なっていているにも関わらず、前者ばかりが1人歩きしてしまうところにマスコミの恐ろしさを感じたし、あまりにも哀しい現実だと思った。
真犯人が判明したあたりからは読み進める手が止まらなかった。生きることが辛く、死にたいと願っていた女のもとに、死刑という奇跡が舞い降りてきた。ただそれだけのことなのに、と -
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このノンフィクションを読んで、チームとは何かを考えさせられた。チームが一つの目標や課題に向かって行くためには、全力を尽くすことが必要だし、それが達成感に繋がり、達成感できなくとも満足感に繋がる。そういう意味で、高校野球で最後の年に三年生を優先的に起用すれば、それはチームが全力を尽くしたとはいえない。ここはブレてはいけないところだろう。そして、目標にしていたものが突然無くなってしまった場合でも、やはり全力を出し切るようにベストを尽くす必要がある。一人ではできなくとも、チームならできることも増える。そんな熱いチームプレーには魅力がある。しかし、チーム内で、自分の存在意義を見出せていないと、なんだか
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小学6年の十和は「家族の幸せの形」がわからない。
嫌な家族ではないのに、家族といると心が荒む。
家族と離れて大阪にいる祖母と暮らすため、
十和は中学受験をすることを決める。
中学受験は長い人生の中のほんの一部の出来事。
でもその人生のほんの一部の時間が
きっと自らを大きく成長させ、
ここでの経験がこれからの人生を歩む時の自信や糧になっていくんだろう。
受験生の十和、それを支える家族。
父の優しさ、母の見守り、妹の応援。
バラバラになりかけていた家族が
受験を通してひとつになっていき、
「家族の幸せの形」は何かを見つけ出した
十和の答えにとても賦に落ちた。
受験のように答えが決まっ