早見和真のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私は本屋でこの表紙を見た時に金持ちの話なのかなと勘違いしてました(笑)
その直後に「妻夫木(聡)くんのドラマ」と知り、ドラマを観るか本を読むか悩み、本を読もうという結論になりました。
競走馬を育て上げ、年末に開催される有馬記念を目指していく物語は『継承』というのがテーマになっているんだと読後感は、余韻が強く残りました。
『継承』と感じとるのは、父・山王耕造と息子・山王耕一の親子、そして競走馬と騎手との関係性は共に戦うこと、そして競走馬から人間へ。
馬主側は『最高の競走馬』に仕立てるのは性格・体格・筋力をバランスよく兼ね備えるために、分析力が問われる。それが周りが何を言おうと覆ることがない -
Posted by ブクログ
タイトル通り、甲子園出場を目指して奮闘する息子を支える母親の物語。
母親である秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を女手一つで育てていた。
湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東のいくつかの高校からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。
声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。
不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。
果たしてふたりの夢は叶うのか、というあらすじ。
正直、野球のルールはそんなに詳しくなく、自分に子どもがいるわけでもないのでこの物語と自分と -
Posted by ブクログ
ドラマが終わったら読もうと思っていたのですが、号泣するくらい毎回面白いので気になって読み始めたら一気に読んじゃいました。レース展開や馬生などはリアリティあって、もっと続きが読みたい。
ドラマと違う部分も多々ありました。
馬の美しさとか性格の表現とか、そういった描写は競馬ファンにとって想像しやすくて世界に入りやすかった。現地で観戦したことある人は、あのダービーなどのG1レースの熱狂、有馬記念の年末のお祭り感の想像に容易く、わくわくするはず!また馬主側のことを知れるのも良かった点。
余談ですが、
昨年末の有馬記念を最後に、初めての推しの競走馬が引退し、種牡馬になることが決まり、寂しい気持ちでいっ -
Posted by ブクログ
今年読んだ本の中で、いちばん心を揺さぶられた一冊。30歳の女性死刑囚・幸乃の数奇な人生を辿る物語。
元交際相手の妻と幼い子どもたちを焼死させたとして死刑判決を受けた彼女は、執拗なストーカーというレッテルも貼られ、世間から厳しい目を向けられていた。本当にそうだったのか。読み進めるほど、その問いが胸に残り続ける。
幸乃が生涯求めてきたのは「人に必要とされること」。
つながりを渇望しながらも、誰かに迷惑をかけることを恐れ続けた彼女の姿が、胸の奥を静かにえぐってくる。
読みながら、私は幸乃の人生を追体験していた。
母の胎内でまどろんでいた時間から、幼い頃の幸せの崩壊、無条件に愛してくれるはずの家族 -
Posted by ブクログ
『店長がバカすぎて』
それでも本を愛する人々の、優しくて熱い物語
------------
1.まえおき
早見和馬さんの小説『店長がバカすぎて』を読みました。
タイトルだけ見るとコミカルな印象ですが、その実態は、本と書店を愛する人々の情熱と、彼らが直面する厳しい現実を描いた、読み応えのある作品です。
------------
2.作品の舞台と主人公
物語の舞台は、東京・吉祥寺に本店を構える中規模の書店。
主人公は、その書店で働く20代後半の契約社員の女性です。
彼女が書店員を志したきっかけは、幼い頃に父と訪れた神保町で、一人の女性店員に勧められた絵本との出会いでした。
本との温かい思い出が -
Posted by ブクログ
この本は、高校野球をやっていた人にも読んでほしいし、その両親にも読んでほしい一冊。
主人公は、幼少期に父を亡くし、母子家庭で育ち、飛び抜けた野球センスで中学時代は名のある選手になるが、中3で怪我を隠しながらピッチャーをする中で、高校では、手術をし野手に専念。ただ、ピッチャーのスカウトで入学した高校というのもあり、高3でピッチャーをまたやり始める。
母は、裏の父母会だったり、ママ友の付き合いなどが書れている。
実際に私も高校まで野球をやっていたが、自分の両親もこんな気持ちだと思うと、余計に感情移入してしまった。
物語の結末は、主人公が甲子園がかかったところでピッチャーで出場をし、アルプス