早見和真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校球児の母から見た甲子園への挑戦ストーリー。
主人公とその息子の挫折にも成功にも感情移入して、涙しながら読んだ。
スポーツのダーティーな面も存分に書かれていて途中胃が痛くなるシーンもあった。
誰も得していないのに皆で監視し合ってなぜか守らなければならない謎の理不尽なルール、チームの勝敗を気にして肘など身体的な故障を言い出せない空気、監督やチームの保護者との確執、そして息子への接し方…
自分も一男児の母であり、将来への解像度も上がった。今はまだ息子は3歳で、あまり何も考えずにただ一緒に楽しく遊んでいればいいが、今後大きくなると接し方も色々考える必要があるよなぁ。
子供のためであれば理不尽なことに耐えなければいけない時もあるし、本気で(息子以外の)誰かとぶつからなければいけない時もある。
高校生はまだまだ子供だけれど考え方は刻一刻大人へと変遷していて、信じて任せることと助言することのバランスが難しいと感じた。
8月の甲子園シーズンに、とても良い物語を読ませてもらいました。 -
Posted by ブクログ
競馬に全く興味がなく何の知識もない私でも、相当な引力で惹き込まれてイッキ読みでした。
競馬=ギャンブルのイメージしかなかった。
でも、一頭の馬の生産から調教、レースへと、様々な人がたくさんの思いを込めて関わっているのですねぇ。
みんな「馬の物語」に惹かれるのだなぁ…
競馬が愛される理由がわかった気がする。
どんな世界でも生まれ持った才能を備えている人がいるけれど、その才能を支える人がキーパーソンであることは多い。
競馬の世界でも馬も人もその才能を見抜くことができる人やその人をどれだけ支えられる人がいるかで、彼らが見ることができる景色は大きく変わるものなのだろう。
クリスというマネージャーから語られる口調で小説は展開するけれど、彼の支えがあってこその物語だった。
そして、競馬界というものが山王耕造のように、自分の能力やお金を馬やその周辺で働く人達の幸せのために使うことのできる人によって支えられているということも驚きだった。
単純に金儲けだけの馬主もいるのかもしれないけど。
継承がテーマの小説。
一章の山王耕造と二章の息子耕一。
競走馬が種馬となってその子ども達がレースを継承していく。
そして馬主も継承される。
耕一は、父を超えることを目標にしていたけれど、負け馬の将来までを考えて、レースへの出場を算段して馬を守ることができたことが何より父を超えていたのではと思う。
なかなか勝ちに行けない馬をハラハラしながら読み進めて、勝てないままラストまで持って行くあたり、早見和真さんはなかなかだなぁ。
最後の競走成績一覧を見てものすごくホッとしてしまった(笑) -
Posted by ブクログ
馬主である大企業の社長に振り回される秘書の主人公が競馬を通じて人と人との繋がり、親と子、旧世代と新世代の継承の様を美しく、熱く表現された小説。
競馬をしているためかすごく読みやすく、面白く、泣ける内容だった。
おそらくドラマの方が映像や音楽がある分面白く、感動すると思う。小説ではレースの結果がものすごく簡単に書かれていたり、あれだけ求めていたG1制覇をにものすごく短く簡単に描かれていたり物足りない感じもあったが、小説の中でクリスが涙を流してしまうシーンは感情移入してしまい感動した。
継承の様(本編では結局旧世代が新世代に譲らない形になるが(笑))は心に来るものがあった。
競馬している人は絶対にオススメな本 -
Posted by ブクログ
私が早見和真さんを知ったのは、昨年の夏に読んだ「アルプス席の母」。甲子園を目指す高校球児の母に焦点を当てた感動の物語でした。そして、その年の秋から始まった日曜劇場のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」がとても面白く、原作者が早見さんということで、いつか原作も読もうと思っていました。
ドラマと原作では少し展開が異なる部分もありますが、全く気になりませんでした。むしろ読み進めながら、頭の中では佐藤浩市さん、妻夫木聡さん、目黒蓮さん、松本若菜さんら豪華俳優陣が躍動していました。
この物語の大きなテーマは、年末のグランプリレース「有馬記念で勝利する」という、無謀とも思える野望をオーナー親子が「継承」していくこと。そこに牧場、厩舎、調教師、騎手、新聞記者など、競馬に関わるさまざまな人々が絡み合いながら物語が展開していきます。
私の競馬歴は長く、予想する際に重視するのは、距離は? どこの競馬場のどのコースか? 天気は? 馬場状態は? 厩舎は? 騎手は? 戦歴は? そして、やはり血統。それらの条件を総合的に判断して馬券を買うのですが、結果は毎年惨憺たるものとなっています(笑)。
それでも、サラブレッドのカッコよさと、その一頭一頭が持つドラマに強く惹かれて競馬はやめられませんね。
今年こそはなんとかプラス収支で、年末の有馬記念に臨みたい!作品に登場するオーナー親子には遠く及びませんが、私も密かに「無謀な野望」に燃えています。