早見和真のレビュー一覧
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嵐の最後のライブの日にこの本を読み終えたことはちょっとした奇跡のようだ。予約期間数ヶ月待ちだったから。長年嵐に関わってきたジュリーさんの言葉は私たちが知らない嵐の一面を見せてもらえたようで、興味深かった。
ジュリーさん曰く、
五人で始まった嵐が一人として欠けることなく五人で幕を閉じられる。一人も欠けることもなく二十五年駆け抜けてきたことは賞賛されるべきこというより、ただ彼ららしいということではないでしょうか。嵐らしさとは自分たちよりファンのことを第一に考えていること。それぞれのメンバーが他のメンバーを強くリスペクトしていること。一言でいうなら誰かを思いやる気持ちということ、それが強いことが嵐らしさ、なのではないかと。
嵐のことだけではなく、ジャニーズの気になることがジュリーさんの視点から率直に語られ、騒動から時間がたち、今知るのにちょうどよい時だった。 -
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官房長官まで登り詰めた政治家の清家一郎、その秘書で高校からの友人でもある鈴木俊哉、彼らを取材するライターの道上香苗。主にこの3人の視点から「人が人を操る」ことをテーマに話が展開する。心理劇ミステリー、といった所か。
何となく聞いたことがあると思いつつ、たまたま目についたので手に取って夢中になって読み進めた。2024年にテレビドラマ化されていたことを後で知った。一郎らのルーツである愛媛での高校時代のエピソードから現在までを3人の視点で、時が縦横無尽に飛び回る展開。その全てがラストに向かって繋がっていく。
テーマと付随して人がどんなことに対して人を惹きつけていくのか、「自分を演じる」といった心理が描かれる。時と視点ががあちこちに飛び回るが、筋は分かりやすくて追いやすく、面白い。そのためか「やや話が上手く繋がりすぎ」といえ感は否めない。しかしそれを払拭するほど楽しめた。 -
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母親とは、いつから母親になるのだろうか?
女として生まれて29年。
思春期を過ぎたあたりから、ずっと思っている。
私の母は、愛がある。
姉と私。2人のことには無条件に尽くしてくる。
嫌いな家事もちゃんとしてくれた。
わがままを聞いてくれた。今でも姉と私を大事にしてくれている。
そんな母を見るたびに、
私には母性がないんだと実感する。
私と同年代の友人は結婚して、子供がいる。
当たり前のように子育てをしている。
自分の子供がどうしようもなく可愛くて、写真フォルダには何万枚もの写真がある。
それを見るたびに、
私には母性がないんだと実感する。
私は生理が来る前と来た時、メンタルの浮き沈みが激しい。
月によって怒りの沸点が低いのか、死にたい気持ちが強いのかバラバラ。
そんな生き物なのだ。
女というのは、どうしたって感情的で。
いつだって変わらず「女」なんだ。
本作、「8月の母」は
女の歪みが連鎖して起きる事件と、「母性」を問う物語だ。
母親には母性があるって誰が決めたんだろう。
子供が産まれたって変わらないものがあって、女はいつまでも女だ。
それでも子供にだけは、「母親」でないといけない。
早見さんはどうして、わかるのだろう。
女という生き物が、「女」と「母親」の間で、
どう生きていけばいいのか探っていることを。
本作は、女の歪みが次の世代まで血を繋いでいってしまう。負のスパイラルだ。
私は愛ある母親の元で育った。
でも分からない。自分が親になった時、母性があるのか。
ただ、ただ自分のこれからと過去を見直してしまう作品だった。
後半、なぜだか泣きました。 -
イメージ
人に対するステレヲタイプなイメージは恐ろしく危険である。そのイメージを与えている人たちはさらに暴力的だ。
人物からイメージが作られているのではなく、他者の勝手なイメージにより人が作られる。知らぬ間にイメージに合わせて生きている。この本を読んでそう理解した。 -
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ジャニー、メリー、「嵐」のこと、廃業。旧ジャニーズ事務所代表の肉声。旧ジャニーズ事務所の性加害問題で批判を浴びた、元社長・藤島ジュリー景子とはどんな人物なのか? 彼女はいま何を思うのか? 国民的アイドル「嵐」との出会いと活動終了、叔父・ジャニー喜多川との関係、母・メリーとの確執、ファンとタレントたちへの思い、事務所廃業──。一人の小説家に、はじめて胸の内を明かした。
初めて知ることもありドキドキしながら読んでました★
母親の確執なども詳しく書かれていたりと読むのに集中しちゃいました★
(だいぶ読み終わるまで時間かかってしまいましたが…)
読んで良かったです! -
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シリーズ2作目。
時代背景に沿りつつも、お客さんや職場の仲間&山本店長と谷原京子の日々は翻弄されている。
個人的に『社長のジュニアがバカすぎる』は面白かった。
京子の未来(仕事or結婚)の悩みはあるあるだなぁ。30代はキャリアアップしたい、結婚もしたい…なんとも贅沢な悩みを抱える世代だなと改めて思う。
京子は気づいているのかどうかは分からないですが、職場のみんなを引っ張れる人。それを謙遜しているのはもったいないな…なんて。
京子の強い信念が伝わり、また彼女の周りにいる人たちも仕事に対しての熱意がある。そういった魅力が京子の世界は成り立つのかなぁと思う。
『新店長がバカすぎて』で物語は変わったので、一瞬戸惑った。山本店長の書店員になりたいまでのルーツ。
書店員・店長になるまでのルーツ、熱量が一番高くなるまでに、ここまでの歴史があったのかと思いつつも、あまりにも完成されている感、これが最終話への伏線になるのかとは思わなかった…(笑)
書店員なのに、本のことよりも職場の日常が濃すぎる(笑)前作よりも深く面白みを感じる作品でした。
次回作『さらば!店長がバカすぎて』は、どういう日常が描かれているのだろう? 楽しみです。 -
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ネタバレ内容を全く知らずに読み進め、途中からあの事件をなぞっているのではと気づき、解説で確信した。
自分の人生は誰にも触れさせない、誰のせいにもしない、母親でさえも邪魔になるなら離れる、という言葉が深く刺さる。
ふとした時にほだされる、あの頃に戻りそうになる、何度裏切られても期待してしまう、この感覚はよくわかる。
外部から見ると警察に…と思うが、簡単な話ではないことまで人物描写で丁寧に描かれている
美優の言葉も響く。
後半長女長男の言動、香織の言動から、それぞれ抱えているものが垣間見える
ラストシーン、子どもは確かに無償の愛を与えてくれるが、永遠ではないことに親は無自覚である。自分の人生と向き合って、と言えたことがすごい。
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■勝手に予告編
吉祥寺に本店を置く《武蔵野書店》では、今朝も店長のありがた〜いと思える部分が微塵もない朝礼に、スタッフ一同は辟易していた。
店長から度々的にされる谷原京子は、店長の口から発せられる一言一句に苛立ちを隠せず、しばし睨みをきかせる。
「ちゃんと聞いてくれていますか?三津浜風子さん」
「誰だよ!!」
今日も《武蔵野書店》吉祥寺本店の忙しい一日が始まる。
■読後の感想
前作を読み終えてから時間がだいぶ空きましたが、瞬時に作品の世界を思い出しましたね。
店長と不愉快がってる仲間たちの物語。
今作も楽しく読ませてもらいました。
ただ第五話では「何を読まされているんだ?!」と怒りが込み上げ、伏線回収したようなドヤ顔が浮かんできて、谷原京子と同じくアンガーマネジメントに苦労しました(^_^;)
最終話の新店長は、個人的に不満と不信が残ります。投票でも良かったのに…。
本作を楽しめた分、やはり納得がいかない結末だったので、マックから自宅に帰って、早く店長とさらば!せねば。 -
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ネタバレ前作はAudibleで聴いたが今回は紙の本で。
シリーズならではの「お決まりのパターン」、空気を読まない店長・山本の突拍子もない言動に、主人公の京子が心の中で猛烈なツッコミを入れながら奮闘する。しかし、そこが、この物語の最大の魅力。水戸黄門の印籠のように、予定調和の中に潜む「本屋のリアル」と「働くことの矜持」が、真っ直ぐに届いてくる。
今作でも、出版業界が直面する厳しい現実が背景にあり、店長の「バカ」さ加減は相変わらずだが、その突き抜けた純粋さが、時に誰よりも本質を突く瞬間にハッとさせられる。京子の毒舌も健在で、仕事の理不尽にモヤモヤする日常を、爽快な笑いとともにデトックスしてくれる。
ラストに向けて伏線が鮮やかに回収されていく構成の妙は、紙の本で前後のページを読み返しながら楽しむのに最適だった。笑えて、泣けて、最後には「やっぱり本が好きだ」と思わせてくれる。書店という場所が持つ魔法を再確認できる、最高のお仕事エンターテインメントだった。