【感想・ネタバレ】普通に青い東京の空を見上げたのレビュー

あらすじ

自分の人生は自分が主役。本当に? 二流大学の三流学部を卒業した僕は、予期せず一流企業に入社を果たす。晴れて安泰と思いきや、時代遅れの激務に息も絶え絶え。「逃げたかったら逃げればいい」と他人は言うが、恋人が妊娠したことで、僕は退職届をひっこめざるを得なかった。この社会で足掻く大人たちを描く群像劇は、あなたに手向ける大きな花束になった。涙、笑い、励まし……。すべて詰まった、あなたの心を満たす物語。

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Posted by ブクログ

ちょっと人生に立ち止まっている人達の物語。

1話目 鬱の診断を受けたのに、彼女が妊娠。結婚の約束をしてしまい、ニッチもサッチもいかない男の人。
2話目 彼女と結婚したいのに、正社員の仕事がみつからない。
3話目 彼氏と結婚したいのに、誕生日さえ忘れられている。幸せを探す女の人の話。
4話目 ドラフト4位指名を受けたピッチャー。しかし4位だったことで、監督や父親が進学して上位指名を目指せと唆す。しかしメンタルをやられてしまい…
5話目 大学時代の初めての彼氏と同棲。いずれ結婚を考えていたものの、仕事にやりがいを感じ始めてから彼氏との仲が悪くなっていく。
6話目 7年間にわたる交際の末、振られてしまった彼氏。どうにか復縁しようと頑張るが…

読後感は悪くない。みんななんとかしようと足掻いていて、好感がもてる。作中に1-4話の人達はハッピーな状態なのかなという感じで描かれているが、5-6話がどうなるのかは不明。ちなみに私は後腐れなく別れた方がいいと思うんですけどね。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

個人的には早見和真さんの本の中では好きな類の小説でした。
人生まだまだこれからだなって思った本でしたし、共感できるところも多々あったり、個人的に野球が好きだからそういう話もあって、読み応え抜群でした。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

自分のイヤだとおもっていたところをぐりぐり抉られて問題に直面させられるのに、章の最後にはなぜか前を向く勇気をくれる、不思議で素敵な短編集だった。

私は少し前から、人のためにしか頑張れないのは大問題だよなぁ、と悩むことが多くなった。共感性が高すぎることも。どちらも聞こえは良さそうだけど、全然良くない
なぜならどこまでいっても人間は結局ひとりで、孤独な生き物だから。人は、前触れもなく、いとも簡単に、私の前からいなくなるから。自分のためじゃなく、人の為にしか頑張れないなんて、これほど危ういことはない。
共感性が高いのは、たぶん、自他境界が甘すぎるから。良い感情ならまだいいけど、悪い感情も、相手の感情が乗り移るように全部真正面から受け止めてしまう。

そんな私にぴったりの本だった。

「誰かのために生きたら人間はおしまいなんです。〔……〕<人>の<為>と書いて<偽>と読むことにはなんらかの意味がある」

「やっぱり君の弱点はメンタルだな。他人は他人、自分は自分。そう思えたら君は必ず一皮むける。いや、そう思えるようにならなきゃ君は一皮むけない」

と、大人たちが教えてくれた。

また、私と同じ年代の主人公は、

「わたしたちはもう二十七歳なんじゃない。まだ二十七歳であって、その「まだ」はべつにいつまでだって続くのだ。まだ三十歳の、まだ四十歳の、まだ六十歳の、まだ百歳の人生があるはずだ。わたしは必死にそう生きたい。そのときどんなにおばあちゃんになっていても、心が赴くのなら、オーストラリアにだって、どこにだって行けばいい。」

と、まだ何でもできると思いたい、と祈りにも似た考えをはっきり言い切ってくれて、

「もうみんな誰かを傷つけたり、傷つけられたりしなきゃいいのに。どうせイヤでも世界はいつか終わるんだから」

と、今を一生懸命に生きる勇気をくれた。

しんどすぎるなぁと思ったとき、じぶんがいやになりそうなとき、ここに帰ってこようと思う。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

今読めてよかった。
境遇は違っても、皆必死に生きて、生きている。
この本には、色々な過去や現在を持ちながらも、ただ少しでも普通に生きようとする人たちの、ちょっと頑張ってみようとか、自分や過去と向き合ってみようとか、そういう話が詰まっている。
頑張らなきゃいけないとか、前を見なきゃいけないとか、そう思わせるものは何もない。ただ読むだけで背中を少し押し、自分を支えてくれるような一冊。

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2025年10月25日

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何やら既視感ありながら読み進め
途中で「東京ドーン」の加筆修正か〜と気づきましたが昔読んだ時よりなぜか刺さるわ
ちょうど同い年の一人娘といろいろ被るとこが多くて 9年前は読んでてイラついたんだけどね
今回は登場人物の親達にイラつく不思議
親達の駄目な部分、私もしっかり被ってたわ 反省反省

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2025年11月29日

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現在、小説『ロイヤルファミリー』がまたドラマ化され注目を集めている作家、早見和真さんの6つの短編からなる小説。表示が素敵なので即買い。

主人公はいずれも東京に住む27歳の同じ歳。会社員であり、アルバイトであり、派遣社員だったり、バーテンダーであり、そのうちの2人は恋人同士だったりし、またそれぞれの主役の話に、脇役として登場したりする。この辺りの設定がうまいなあと思う。

自分が主人公でもあり、人の人生においては脇役なんだけど何かしらの干渉をし合うもの。そんなドラマチックな要素がたくさん小説に含まれている。

また主人公の年齢が27歳というのも、物語を一層面白くしているのかな。自分自身の27歳を想像してみてもそうだが、社会にでてからの壁にぶち当たり、自分の『立ち位置』を自問する…このまま30歳を迎えていいのか、結婚はどうするんだ?そんな微妙な年齢なんだよね。そんな悩みや葛藤の中で、何かに踏み切る人と踏み切れない人もいる。その人の人生だから、いずれも正解だ。

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2025年11月26日

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各章の人物がそれぞれゆるく繋がっています。
27歳ははるかに遠すぎて思い出せないくらいですが、友達の友達、の話を聞いているようで楽しかったです。

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2025年11月12日

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ネタバレ

早見さんの小説はオチが綺麗でいいよなぁ。
人がいっぱい出てくるから忘れる前に読み切った方がいい。
自分の人生は自分で決めればいい、死ななきゃどうにでもなるなんて嘘やとは思うが、そう思うことで変えられる自分や、変わる何かがあると思いたい。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ザ・ロイヤルファミリーから気になり早見さんの作品を初めて購入。
27歳の登場人物たちが紡ぐ苦労、後悔、失敗、けど至って普通で誰にでもあるような日々が描かれている。
自分も実際こんなことしているのではなどと思わされ、読みながら動悸がする場面もあったような、なかったような。
読後感はあまりよくない話が多くあったが、だからこそ頑張ろうとも思えるような一冊だった。

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2025年11月25日

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ネタバレ

6編の主人公は共通点が3つある。
全員27歳、東京住み、名前が明かされない。
各編での登場人物が繋がり、
最後の2編は対照になっており、今までの登場人物の
後日談も分かるようになっているので
読み進めて行くのがとてと楽しかった

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2025年11月18日

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以下、メモに控えた箇所である。


"お前ってホント他人のことはよく見えてるよな。自分のことは何ひとつ見えてないくせに。"

"彼女を否定する余裕のない女に成り下がったら、私はたぶん私自身を否定する。"



6話の中で印象的だった『碑文谷フラワーチャイルド』は、当時付き合っていた彼女にフラれた時を思い出させてくれたよ笑
あの時の未練たらたらな私は、彼女を懐柔しようとしていたのだと、とても恥ずかしくなった。

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2025年11月17日

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文庫の新刊。ちょっとお洒落かなと思い買ったのですが、東京を舞台にした20代の男女の再生の物語で短編集。感動系よりはエンタメ系です。関西人のおっさんには、地名知らんし難しいかな。若者たちどうそ。

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2025年11月14日

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早見さんの初期の作品の改題文庫化だったんですね。
早見さんていろいろな作風で楽しい(笑)
27歳と言う微妙な年齢人々から6編。
ゆるっと繋がっているのがまたいいですね。
私は一編目のお父さんの結婚式のスピーチが最高に響きました。
「自分の人生、自分のために生きる」どんな岐路にたったとしても、それを基準に生きれたら。と、言いながら流されたり、人の言葉に怯えたり、惑ったりしてる自分を省みました。
東京ではない青い空を見上げて。
読書っていいもんです。省みれる。って、感じました

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

二流大学の三流学部を卒業した僕が主人公。たまたま一流企業に入れたが今時珍しいくらいの激務に疲れ診断書ももらい逃げようと思った。そのタイミングで恋人が妊娠、逃げ場を失う。
今どきのありきたりの人生と思ったが、目に見えるリアル感がある。たまたま自分はこのステージでないがど真ん中の人が読んだらどう思うのだろう。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

帯にこう書かれていました。
『岐路に立つあなたへ』
だからって、この本を読んだわけではないんだけど。
ワタシも端々にざらついて、刺さって、噛み締める。

普段は笑顔で取り繕っているけれど、みんなそれぞれ悩みがある。
苦しいのは自分だけじゃない。

チャンスを前に日和って、何者にもなれない。
まー、それも人生よ。
誰のものでもない、自分だけの人生。
もう27歳。
まだ27歳。
『まだ』はいつまでも続く。
そう生きたい。
そう生きていいよね?
また明日から『まだ』を続けて、
人生という“いま“の積み重ねをして生きていこうと思う。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ


連作短編。27歳。自分の人生は自分で決めるべき。


主人公はブラック企業の戦士。鬱病になるも課長に言い出せず、彼女が孕んで結婚する。スピーチで課長が逃げるなよと言い、理想論しか語らない父親が反論する。


その披露宴に出てた新郎のオープンチャットの知り合い。フリーターだが彼女と結婚するために就職しようと頑張る。でも、本気じゃ無いから競合他社もビジネスモデルも答えられず。明日から頑張ろうと思いつつ、彼女が彼女の母親と電話で庇われて泣く。


土地持ちだが大人しく結婚を切り出さない仕事中心男と付き合う女。同僚の若い女がぶりっ子ですごい。合コンで偶然会うも食い物にされ、彼氏のパソコンにもその若い女に似た女の動画が巧妙に隠されてる。


高校でドラフト四巡を蹴って大学に行って落ちこぼれた主人公と、主人公が見下していた高卒プロになり、今やエースの同級生。当時の飲み会で昔話で盛り上がり、暴れる。
親より先に死なないこと、法律を守ること。それだけ守れば、人間は何をしても良い。だから他人のせいにはするな。


モラハラ男と同棲。弱い女が好きだったが自分が全然上手くいかず閑職に干され、彼女は正社員登用され出世する。壁を殴り別れを切り出される。彼女は幼馴染のライブで吹っ切れる。


そのモラハラ男が主人公。彼女が好きすぎたが別れてしまい、友人の結婚式で後悔のないようにする。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

『東京ドーン』という作者の初期の小説を改題・修正を加えたもの。

20代後半という、仕事面でも人間関係面でも自分の立ち位置を確かめたくなる年齢の登場人物達による連作短編集。
焦りや嫉妬、上手く行かないことへの苛立ちなど、この年齢の生々しい感情を描写描写がメイン。同年齢の方、そこを既に通り過ぎた年齢の方には共感できる部分があるのでは。

何か大きな出来事が起こるわけではないので、ゆっくり読むのがいいかな。

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2025年10月27日

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