早見和真のレビュー一覧
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愛媛県伊予市で実際に起きた事件に着想を得たフィクション。
14年前の愛媛の夏、団地で起きた17歳の少女への集団暴行致死事件。その事件を軸に、4世代にわたる女性たちの人生が丁寧に描かれていく。
『母性』とは、女性が生まれながらに持つ性質だと言われることがある。しかし、その理想や役割を押し付けられることで苦しむ女性も少なくない。この作品に登場する母と娘たちもまた、それぞれの苦しみや傷を抱えながら生きていた。
物語は「母と娘の業」を描くだけでなく、「母を許す」というあまりにも難しいテーマにも向き合っている。許せない相手だからこそ許すことはできるのか。負の連鎖を断ち切ることは本当に可能なのか。読み終えたあとも、その問いが心に残り続けた。
陽向が紘子に対して何もできなかった場面には、もどかしさと苛立ちを覚えた。それでも、その結末が現実の残酷さをより際立たせていたように思う。
そして最後に印象に残ったのは、「自分の人生を生きること」「誰かのせいにしないこと」という言葉。簡単なようで、とても重く深い一言だった。
事件を描いた小説というよりも、人が背負う傷や家族の連鎖、そして生き方を問いかける壮大な物語だった。 -
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ネタバレクセの強い店長に振り回される書店員・谷原京子の奮闘を描いた人気シリーズの完結編である。
本シリーズは、日常の理不尽や「バカすぎる」上司への怒りと向き合いながらも、自身の仕事に誇りを持つプロフェッショナルの姿を描くお仕事小説だ。3作目となる本作では、従来のお仕事要素はやや薄まり、女性のキャリアや結婚、そして、店長との行く末?に…
さらに、「問題。」とリンクしていて、中学受験に挑む少女・十和の目線(『問題。』)と、現場で踏ん張る書店員・京子の目線(『さらば!』)が立体的に交錯し、互いの「答え合わせ」になっている。
「なぜ大人は理不尽に耐えて働くのか」「家族を支えるとはどういうことか」という問いが、2つの異なる視点から合流していく面白さもある。 -
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シリーズ2作目
宮崎に行ったはずの店長がまた吉祥寺本店に戻ってきて繰り広げられる、相変わらずのズレた行動のあれこれ
小柳店長は、コロナ禍で両極端になった書店業界のうち、忙しくなった方のお店を切り盛りするために奮闘したが
他の書店員達の不興を買い、結婚と共に退職
そして元店長の山本猛が宮崎から異動して吉祥寺本店の店長に
谷原京子さんは相変わらず
京子と同じく文芸担当の磯田さん
キャラを作ってそうな飄々とした山本多佳恵
新人店員の柏木雄太郎
小料理屋でお客さんのリクエストに応えて様々なメニューを出すようになった父
美晴
磯田さんが見つけた掘り出し物の作品「ステイフーリッシュ・ビックパイン」と、作者のマーク江本
タイトルと作中の会話から察するに、バカだと思われていいた「大松」という人が実はそうではなかったという話なのだろうな
マーク江本
前作もそうなので、とりあえずアナグラムにして考えると、それっぽい人はすぐに思い当たる
「mark」だと「r」がないなとか思ってたけど、「maaak」なのね
「y」はyemotoにするとして、それでも「t」が余るのだけど?
と疑問に思いながら読んだ
「ステイフーリッシュ・ビックパイン」は5章で印象が変わるという構成を実際にやるとはね
でも、結局は店長への印象は変わらなかった
むしろ呆れる
感動を返せww
作品の続編を他の作家が引き継ぐというのは、元の作者が亡くなった場合にはたまに行われる
「グイン・サーガ」なんかはそう
マンガだと「ベルセルク」とか
元の作者が存命のパターンだと、コロボックル物語はオープンエンドで、ルールを守れば誰が書いてもいいという状況になってたところを有川ひろが書いた事があった
ないわけではないのだろうけど、出版社も変わるのは色々と面倒な事が多そう
知的財産としての取り扱いはどうなるんだろ?
そもそも、実在の人物の当て書きの続編を他の人視点なので、二次創作なのか、一次創作なのか判断が難しい
冒頭の、山本店長の無駄に長い朝礼
二番ではなく一番を目指すというスピーチは定番なので
北岳、K2も有名
むしろ、単独の山ではなく連峰になってるので、一番の山より登山の難易度が高いんですけどね
その辺の定番を利用してツッコミを無視するあたりが店長らしいと思う
それにしても、店長の話の通じなさがサイコパスっぽさを感じる
人の話を聞け
やってることはモラハラ・パワハラでしかない
やはり今作も出版業界の闇とまでは言わないけど、負の側面に言及されているところが多い
コロナ禍の巣篭もり需要の明暗
出版業界に関する愚痴
エロワードを言わせようとしてくる迷惑客
声かけ接客を押し付けようとする無能な経営層
パワハラ、モラハラ
ジュニアにしても、社長から、先のない出版業界に入ってくる事について言われたからこそ、逆に入社してきたのだろうな
今すぐ無くなるわけではないけど、これからもリアル書店のシェアはどんどん狭まっていくと思うよ
私の住んでる近所のスーパーに入っていた書店が撤退しちゃったし
書店の減少は実感としてある
ただ、どこかの時点で下げ止まる時が来ると思うのだけど
それがいつどの程度なのかは予想が付かない
バイトの面接で応募者が言っていた未来のVR書店
それに近い状況にはなってきている
でも、紙の本を選ぶ人は残る
それがコレクション的な意味であってもね
書店が、そして書店員が存続する意義って何ですかね?
安月給でも、店長がバカでも書店で働くのは「本が好き」だからというのは納得
出版業界に限らず、斜陽産業で働いている人の一部のモチベーションはその文化への愛があると思う
前作同様に、ドラマ化したら無難な出来になりそうな作品なのだけど、そんな話を聞かないなぁ
水10あたりで似たようなお仕事ドラマはいっぱいやってるのにね
角川春樹との対談冊子
一作目を超えられていないという呪い
前作と同じくらい面白いし、今作独自に仕掛けもある
前作に負けてはいないと思う
早見和真さんがシリーズものをこれ意外に書いてないというのは知らなかった
私が今まで読んだ作品
・ぼくたちの家族
・イノセント・デイズ
・ザ・ロイヤルファミリー
いずれ確実に読む作品
・八月の母
・アルプス席の母
興味のある作品
・ひゃくはち
確かにシリーズものはない
そして、続編「さらば!店長がバカすぎて」はまだ文庫化してない
タイトルからして、これで完結でよいのだろうか?
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第一話 帰ってきた店長がバカすぎて
第二話 アルバイトがバカすぎて
第三話 親父がバカすぎて
第四話 社長のジュニアがバカすぎて
第五話 新店長がバカすぎて
最終話 やっぱり私がバカすぎて
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宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。
張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。
そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。
スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。
小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。
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昨年から本を読み始めていたところ、他に読む予定があった小説を繰り下げて偶然このタイミングで読むことになり、奇しくもこれが108冊目になった。
甲子園を目指す高校野球の話。けれどあくまで男子高校生。リアルで純粋で、どこにでもいる普通の高校生。大人ではないけれど子どもというほど幼くもない曖昧な年代。
がむしゃらに真っ直ぐ野球に打ち込む反面、はめを外して遊び呆けたり、何が正解か不正解かわからない問題に正面からぶつかって葛藤し爆発する姿。これは子どもであっても大人であっても体験できない、10代後半特有の特別な時間。
既に過ぎ去ったその特別な時間を思い出して感傷に浸ると同時に、あのときのメンバー(自分は野球ではなかったが)は今どこでなにしてるかな、と考えた。
そして、そう思い出し振り返ることができる過去があること自体、自分は今、幸せだと思った。 -
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ネタバレ「よく覚えておいて。陽向ちゃんの人生は誰かのためにあるわけやない。生きることを絶対に誰かのせいにせんといて。あなたの人生はあなただけのものやから。それだけは誰にも、ママにも触れさせんといて」
イノセントデイズが好きでシリアスものの早見和真作品が読みたくて購入
母という存在から逃げ出すことができなかった、もしくは逃げ出す言い訳にしてきた女性たちの物語
これまで読んできた本では、毒親から逃げ出すことができた、もしくは殺害することで離れることができた子供の作品が多かった中で、本作は結果として、逃げ出さなかった女性がページ数の半分を占めたなとおもった。
自分の勘が鈍かったので、本のテーマがははからの呪縛のような粘着質な愛を陽向が土壇場で紘子と逃げることができなかったシーンでようやく気づいた。
イノセントデイズのように鬱々とした内容、進行なのに読む手が止めさせない作者の技量はすごいなと思った。
エリカはやっぱり最後まで誰かを言い訳にしてきたことがわかった逆に安心した。これで、10数年間で改心して仲直り! みたいな感じだとがっかりしたと思う。
美智子とエリカは母の存在から離れるを放棄したけど、陽向はそれまで逃げ出すことができない宿命を暗示する夕日の中で明確にエリカと別れることができて良かったと思った。 -
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続編だから登場人物は同じなのに、前2作とは、また全然トーンが違う。
その訳は、前2作と同じ理由だった。
私は、今作の雰囲気が一番好きだ。途中までは、感動して、涙が出たほどだ。
これまでも少しずつ書いてあったが、この本では、書店の存続問題や書店員の在り方を通して、社会的な問題を正面から提起している。書店だけではないよね、専門店が、なくなりつつある。
便利さだけを求めてきたが、どういう社会を作りたいのか、私たちも、もう一度考えて行動しなくてはならないと、訴えかけてくる。
この調子で行くのかと思いきや、その後思わぬ方向へ。谷原京子さんと店長の関係は、私の思ったようにはならなかったけど、思い返せば、今までもこういうテイストだった。店長がバカすぎて、の世界は。
店長は一体どんな人なのか、やっぱり掴めなかった。
見る人によって見かたも変わる。それが正解でいいのかな。
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8月は血の匂いがする。
越智エリカは愛媛県伊予市から出て行くことを強く思っていた。男に裏切られ、スナックで働いている時、七森博司と出会い拒み続けいた自宅へ招待する。そこには娘のアイカと息子レオ、水商売に浸かった母親の美智子が…わかっているつもりでいた博司だが…
月日が流れエリカの団地には高校生になったアイカと中学生になったレオと次女の陽向、レオの彼女の紘子が来る者を拒まず寛大な母になったエリカの家に集うように。
レオの彼女の紘子を我が子のように可愛がり紘子もエリカをママと呼び団地での生活が続くはずが…
逃げ出す事ができたが紘子は陽向を守ることを決め最後の最後まで悪魔達が住む団地から逃げずに陽向を思う。一番に悪魔に立ち向かわなければならないエリカはここには居ない。
母親になった陽向の回想が始まる。
人間の本性をこの物語で知った。