早見和真のレビュー一覧
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面白かったです。店長と谷原さんとまた出会えてよかった。
P150 : 肝心なのは、何をどう選択したところで、あんたのその後の人生は続いてくっていうことだよ。そこで何も終わらないし、意外と何も始まらない。何を選び取ろうが、取るまいが、苦しさは少し姿を変えるだけできちんと降りかかってくる。結局、何も閉じたりはしない。
P172:宇宙かと思った。いきなり宇宙に放り込まれたかと思うほどの、静けさと、息苦しさ。
p278:世界がどう変容しようと、私たちにはやるべきことがちゃんとある。無力感を呪っていたって仕方がない。目先のことをするだけなの。そうやって時代と対峙するの。 -
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この本には多くの登場人物のそれぞれの人生が描かれている。同じ人生を歩んでいる人は1人もいなく、それぞれが違う悩みに葛藤しながら毎日を歩んでいる物語であった。特に、新橋ランナウェイの主人公には個人的に同じものを感じ励まされている気分になった。また、1つ1つの短篇が繋がりのないように思えたが最後まで読むと繋がっていた。「お前はやりたいようにやれ。お前の人生だけは誰がなんと言おうとお前が主役だ。それだけは忘れんな。」という言葉は胸に深く刻まれた。今、同じような生活を送っている人物にもそれぞれの悩みがあり、葛藤があり向き合いながら生活を送っている。自分だけが悩みがあり葛藤している訳では無いと励まされる
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正直言って何が本当のことかは分からないけれど、シュリーさんが誠実に語ろうとしていることは感じることができた。出版することで再び渦中に立たされる懸念を抑えてインタビューに応じたのは勇気があることだ。
知らなかったなんてありえない、と考える人も多くいるが、そう有って欲しくないことをそうじゃないと思い続けると、本当に本人にはそうじゃなくなってしまうことはよくある事ではないだろうか。心が壊れてしまう瀬戸際で多くの人が自分を守る為のごく普通の対応のような気がする。もちろんはた目から見ればそれは嘘だ。しかし、当事者からすればそれは切実な真実なのだと思う。そう考えるとあのメリーさんの奇っ怪な言動は少し理解が -
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ネタバレ早見和真『笑うマトリョーシカ』は、「人はどこまで他者を操り、また操られているのか」という問いを、政治という舞台で極限まで突き詰めた心理ミステリーだ。若き官房長官・清家一郎は、誰もが魅了される理想的な政治家として描かれるが、女性記者・道上の違和感を起点に、その輝きの裏側が少しずつ剥がれていく。
物語は青春小説的な前半から、第三部以降で一気に加速し、視点が反転するたびに「黒幕はこの人物だ」と思わされ、そして裏切られる。その構造はまさに万華鏡で、読む側は作者の手のひらで何度も転がされる。母・浩子、鈴木、美和子(亜里沙)と歴代の“ブレーン”が清家を操ってきたように見えながら、エピローグで浮かび上がる -
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小説の編集者と小説家の関係がわかりやすい。
小説家だけで、小説は売れない。「小説家は一人では完成しない。」編集者はその小説を客観的に評価して、売り出すことで成り立つ。
「編集者の役割の一つって、作家さんや漫画家さんを勘違いさせることじゃないか」と言い切る。
そのために、ホストと同じで、ホストしている間は「あなたが世界一価値ある女性」だということを訴えてきた。雑誌『編集王』の時代から、誰も出版の未来について甘い夢を見ていない。
吉田豊隆は、小説家で、デビュー作で大きな賞を受賞したものの、その後は鳴かず飛ばず。清掃のアルバイトをしながら、世間に忘れ去られかけている「小説家」である。物語を書く -
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好きな翻訳家さんのブログに出てきたので手に取りました。
ジャニーズ関連の事柄に疎く、性被害のニュースは知っていたけど、藤島ジュリーさんがどういう立ち位置の方かわからないような状態で読み始めました。
大きな柱となるテーマは母子関係、「家業」と向き合わざるを得ない業であると読みました。
重いテーマではあるけれど、世間を席巻したいろいろなグループの成り立ちや裏話が織り込まれていることで、同じ時代を生きてきた世代の娯楽的な読み物として楽しめる部分もあります。
構成の中心を対談形式にして本人の言葉を逡巡や口癖も含めて書き起こしているのは、これまでパブリックイメージが一人歩きしてきたことに対抗し、より