早見和真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供の感じる世界の狭さというのでしょうか。いい意味でも悪い意味でもその狭さをよく書いてくれていると感じます。
大人の世界に間借りさせてもらっている感覚というのが適切かわかりませんが、子供は親には抗えきれません。その窮屈さと諦めみたいな世界の狭さ。
一方で何もかもが新鮮で、全てが冒険になる世界の狭さ。大人に内緒で秘密基地を作っていたありし日の自分を思い出して、胸がいっぱいになりそうでした。
宗教というセンシティブなテーマが目を引きますが、そんなにどろどろしてません。
爽やかさと、少しの切なさが残るいい読後感でした。
子供に読んでもらって感想文読んでみたい作品でした。 -
購入済み
シリーズテッパン
のやり取りと大まかなあらすじでした
著者の作品の入り口のシリーズなので
今回も拝読しましたが、物凄くシリアスなお話も
物凄泣けるお話もあるので、懐の深さを感じます。 -
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ネタバレ完結編なのか!?それともまだ物語は続くのか?
できればこの先の未来を見てみたい、そう思わせる素晴らしいラストだった。耳の中で、シャッターを閉めるガラガラという音、さらば!と京子の声、がはっきりと聞こえてきたような感覚になった。
そして、何より作中作が登場するまで何だか本作は京子の魅力が薄れてしまったなぁ、と感じていたところあえてそのように表現していた事に気付いた時、大どんでん返しのミステリーを読んでいるような錯覚に陥るほど、してやられた!と驚いた。
いやはや、早見さんの構成力、表現力はやっぱりすごい。次は、問題。を読むしかない。 -
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ジャニーズの存在もいわゆるジャニーズ騒動にも1ミリも興味はなかったが、とりあえず早見作品なので読んでみた。一番驚いたのは、ジャニーズという会社があまりにも町工場以下で、切ったはったのないヤクザ社会とほぼ同列という情けない状態で、何百億・何千億もの金を動かしていたことだ。芸能界・メディアは何十年も、この虚像に平伏してきたことは驚愕でコメディに近い。ジャニー・メリー・ジュリー家族を一種のモンスターと思っていたがこれも張子の虎で、特異な才能はもつものの人格にかなり難のあるジャニー・メリー姉弟の下で育たざるをえなかったジュリーには、ある意味被害者の側面もあったことも理解でき、トラジディを感じた。また早
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ネタバレ
とても重い話で、幸乃の薄幸な人生を読み進める事が辛く感じた。
でも、生まれながらにツイていないことが重なり、こういうことって誰にでも起こりうる事で(私も生まれながらにしてツイていない)幸乃の姿は自分自身とも重なった。
だからこそ、辛く苦しく感じたのかもしれない。
幸乃に生きて欲しかった。
どうしても。
だけど、私も物語の後半まで、
『幸乃が犯人であること』を信じて疑わなかった。
人が人を思い込むということはとても恐ろしいことなんだと思った。
弁護士の翔は一体何をしたかったの?中途半端な使命感はやっぱり所詮は金持ちのボンボン?←これも私の思い込みだよね。
慎一はまたしばらく自分を責めてし -
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普通とは違った境遇で育ち、素直な少年が周りの人の影響を受け、官房長官にまで上り詰めたのかと序盤は思わせる展開。
第1章での松山での男子校の生徒会長選挙での下りも街の情景が浮かび、清家を取り巻くみんなの熱さが良かった。
第三章以降、どんどんミステリー要素を含んでいき、彼は一体誰に操られているのかと謎にぐいぐいと引っ張られていく。
自分が目標を達成するのにちょうどいい器の人間がいたとして、それを操ろうと言う欲求が生まれるのは必然なのだろうか。
清家はどこに進んでいくのか。
官房長官の先に何が待っているのかと思うと、ミステリーを越しててホラーに感じてしまう。
早見和真さんの作品は、「店長がバカす -
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ネタバレ前作「店長がバカすぎて」では、イライラした記憶が引き起こされたのに、なぜだか気になってしかたない、この続編。
何がそんなに気になるのか、これはもう読んで確かめてやろうじゃないかと読み始めることにした。
「新!店長がバカすぎて」ということは、小柳さんも店長になったらバカだったということが分かった!みたいな展開のものか!?と勝手に想像して読み始めた。
……が、「新!」「店長がバカすぎて」って、そのまんまのタイトルやないかーい!と、分かり、早々に満足してしまう。
いやいや、しかししかし、更に読み進めて行って、(なんだこれは!?こんなとこだけになんでわざわざこんな表記??)と意味不明な違和感と