早見和真のレビュー一覧
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ネタバレ編集者と共に小説を書くと言うことがどう言うことなのかと言うことがよく分かるお話。
この物語を読むと作家と編集者がいかに深く結びついて一つの作品を生み出す苦労と情熱を共有しているのかがよく分かった。
なまじ自分でもお話を書いているものだから、この関係はすごいなと思う。
けれど、とても自分にはこれは無理だとも思う。
もちろん商業作家と趣味で書いている物書きの間には厳然とした差があると思うし、それ以上に、自分は自分の物語へのダメ出しには耐えられないだろう。そうしたものを乗り越えてそれでも書き続けられるのが作家だと思う。
物語的には一人の作家の成長物語であり、編集者との友情、努力、(表面的にはともか -
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何ともジャンル分けし辛い一冊(^ ^;
読み始めて割とすぐに
「人が二人いれば争いが生まれ
三人いれば派閥が生まれる」
という言葉がずっと頭に浮かんでいた(^ ^;
タイトルからも表紙絵からも分かる通り、
お坊さんが主な登場人物。
当たり前ではあるが、「坊主として生まれる人」はいない。
寺の跡継ぎとかで「坊主になるべくして」なる人はいるが、
みなそれぞれの事情や思惑を抱えて、
修行をして坊さんに「なる」ものだ。
そんな、当たり前ではあるが、普段仏教と縁遠い私には
全く意識していなかった現実を見せられるところから始まる。
ある者は(順当に)実家の寺を継ぐために、
ある者は「職業として -
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ネタバレ宗教を扱った小説のレビューは難しい。
宗教って個人のメンタルの深部に大きな影響を与えているもんやと思っているので、変に評価すると読む人にとって触れたらアカンとこ不用意に触れてしまう可能性もあるし…
そら、オ○ムみたいに毒ガステロ起こすようなことをする団体は絶対アカンと思うけど…
ってことで、この本も「宗教ってなんなん?」がテーマなんで、そこ触れずにレビューは難しい。でもこの本読んで考えさせられることはいっぱいあった。
ラストは秀逸、せやねん。信心って各自が持っているもんで、自分に直接実害を被ることでもない限り、他人の信心を批判とかしたらアカンもんやと思う。 -
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「スリーピングブッダ」って何だ?
思いつくのは釈迦涅槃図。じゃ、涅槃ってなんだ?
文庫版のカバーイラストと裏表紙の「青春パンク小説」というコメントが誤解を招くのだろう、ネット上の多くのレビューが「前半は面白いが後半はどうも」、であった。
この作品はけっして青春パンク小説ではない。かなり深い所をえぐった宗教観と人生観が詰まっているカバーイラストからは連想できない方向の物だ。
「坊主って安定してる?」という主人公の一人、隆春の言葉が象徴する導入部から前半よりも東北の涅槃寺に入山してからの主人公達とそれを取り巻く人々の生き方の方がこの作品が読者に問いかける部分である。
人を救うというのはどういう -
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高校野球を保護者目線で追体験するお話。どの学校にも選手一人一人の野球人生を見守って支える人の存在があって、全員がその人たちにとって主人公だと痛感させられた。保護者はみんな自分の子供のためにと必死で、お金に人間関係のギスギスに監督への気遣いに日々身を削って奮闘している。
高校野球ファンで、ずっと気になっていた作品だったが、深く入り込めなかった。個人的に菜々子の性格があまり好きではなかったからだ。一度気になると次々と目につく。
それでも大きなものを背負って甲子園に出場する選手と、それを支える保護者には改めて感銘を受けた。「本気でやる」がどれだけ大変で眩しいことか、、私が高校野球で感動したり応援した