早見和真のレビュー一覧
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【2023年18冊目】
きっと私がパッとしない青春を送っていたから、なのかもしれませんが苦笑、最初はあまりにも若くて青過ぎる春についていけず、登場人物の心情に共感できませんでした。
が、物語が進むにつれ、もがきながらも仲間のことを想って行動する登場人物たちにますますの青さを感じつつも、疾走感溢れる展開を楽しく見守ることができました。
半グレとかちょい悪の青春話、あんまりピンと来ない質なんですが、当時を振り返るかたちで、登場人物たちは既にいい大人になっている、という構図が良かったです。
この話から青春時代を思い出してしみじみする人もいるのでは……?! -
Posted by ブクログ
普段のやまだないとさんの絵柄は、岡野玲子さんの絵柄とは全く似ていないのだが、ちょっとヤサグレた表情でエレキギターを抱えた雲水の表紙絵は、どうしても「ファンシィダンス」を想起させてしまう。物語もお山での修行を描く前半は既視感を感じてしまった。珍来(デブ)もいるし。
ただ、若干テンプレ感がある前半の方が物語としては安定しているように思う。山を降りた後、怒涛の展開を見せる後半は、テーマが重い分、細部が描ききれていない気がした。ページ数的には決して短くはないのだが、隆春、広也、厳俊と視点も三分割されており、それぞれ、とくに広也が何を考えているのか掴みかねてモヤモヤしたまま読み進めてしまった。
既存の寺システムに依存せずに宗教家としてあり続けるには困難を伴うはずだ。ましてやカルト教団の教祖に祭り上げられてしまった広也にとっては。そんな中で、ラストの広也と隆春の坐禅に少しだけ希望を見出せるのは、隆春の生き方にしなやかさを感じるからだろう。 -
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ネタバレ甲子園を目指す高校球児たちを主役とした青春小説。設定だけを見れば過去に何千回と擦られたものだが、この小説が変わっているのは主人公がほとんど試合に出ないこと。作中で公式戦の打席に立つ場面すら数回で、それも全く活躍することはない。
そうした珍しい描写だからか、小説自体も主観とメタの二重構造になっている。つまり、主人公たちは全国屈指の強豪校で野球をする「野球エリート」でありながら、タバコを吸い、酒を呷り、合コンをしまくるという裏の顔を持つ。ここには彼らの「高校球児である前に高校生」という哲学が介在している。
これがメタ的で高校球児をアイドルのように消費する世間へのアンチテーゼになっていると感じた。
しかし終盤で起こる事件を前にして彼らの哲学は崩れ、「結局、自分たちは一介の高校生ではいられなくて、野球の上になにもあってはいけなかった」という心境に主人公を追い込むことになる。この喪失感のある描写も面白かった。
惹きつけられる文体と、やけにリアリティのある部活描写が魅力的。特に、「大きな目標を共有することでチームメイトとの絆は深まるが、部活を引退して共有目標がなくなった途端に疎遠になる」という描写が生々しい。
それでも無意味というわけではなくて、あの時にあのメンバーで過ごした濃密な時間が今の自分を形成している、と個人的体験から思う。閉ざされたコミュニティにおいて幼い価値観を擦り合わせた経験は貴重だったのだと。
一風変わった視点から、部活の懐かしさと良さを思い出させられた。 -
Posted by ブクログ
ー愛すべきバカたちの、爆笑と青春の1ページ。
〈あらすじ〉
高校卒業まであと39時間。岡山まで受験しに行った友達を卒業式に間に合うよう連れ戻すために、勝手に親から拝借した車で、わがばマークを付け、いざ東京から発進!!安全運転励行!友情は裏切らない!行き当たりばったりすぎる展開と大分ツメが甘い彼らは果たして卒業式に間に合うのか!?
〈感想〉
全然知らない作者さんだと思っていましたが、「店長がバカすぎて」「イノセントデイズ」の作者さんでした、、、笑
しかし、本当に爆笑の嵐。
主人公が東京から岡山までの距離550kmを、「意外と近いな、時速120kmで5時間」とザルすぎる勘定をするところは思わず声を出して笑ってしまいました。
珍道中すぎて、本当に笑いが止まらなかったです。
冒頭「人生で大切なのは”伏線”と”回収”だ。」というのは最後まで読んで、思わずニヤッとしてしまいました。
おもしろかった〜! -
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ネタバレ表紙のイラスト、「激情パンク小説」という帯の言葉。お坊さんを目指す若者の葛藤や成長を爽やかに読ませてくれるのかな?…
最後重っ。
篠田節子の「仮想儀礼」、荻原浩の「砂の王国」みたいなカルトが現れた~(T-T) 中心にいるのはいつも女。虐げられたり傷を負った女の集団。祭り上げられる男。コントロール不能になって暴走。テンプレか。
ストーリーも登場人物もよくて、わくわく読み進めた最後にモンスター出て来て、不意を突かれてダメージ大です。ハッピーエンドが見たかった。
宗教を取り巻くリアルは甘くない、ということか。
きっとこれからも、生涯かけて生きるとは、信仰とはを考え続けていくんだな。しんどい生き方選んだんだな。がんばれ!! -
Posted by ブクログ
学生時代にデビューしたがその後は鳴かず飛ばずの作家と小学校からの友達である編集者が一世一代の小説を生み出す話。これが最後と作家が覚悟を決めるまでの葛藤や編集者の熱意、それをサポートする上司や先輩作家など、たくさんの人を巻き込み、たくさんの人が自ら巻き込まれ、傑作を作り出すまでを描いている。
編集者という仕事を知らないこともあるが、作品が生まれるまでにはこんなに熱が必要なのかと驚いた。出版不況といわれて久しく、活字離れも歯止めが効かない中で、なぜ本を書くのか、作るのか。出版業界は大変だろうなと思う。
知らない業界の話なので単純な面白く読める。ライトな感じなので深さはそれほど感じられないが、読後感はさわやか。